位置指定道路について通行妨害と妨害排除請求の可否

民事|最高裁判所平成9年12月18日判決|同平成12年1月27日判決

目次

  1. 質問
  2. 回答
  3. 解説
  4. 関連事例集
  5. 参考条文

質問:

私は先代から引き継いだ土地建物を所有しています。土地は隣接して2つあり、1つは宅地で自宅が建っており、もう1つは自宅前の私道になっています。この私道は南端で公道に接しており、位置指定道路とされています。私道自体が狭いこともあり、自動車の通行は先代のころから認めておらず、人の歩行と自転車の通行を認めていました。そのため、私道部分には自動車の通行ができないようにポールをたてています。隣地はAさんの所有で更地になっています。Aさんは最近、この更地を賃貸駐車場として利用するとのことです。ただ、Aさんの土地から自動車で公道に出るには、私の私道を通らなければならず、Aさんからポールの撤去を求められています。私はAさんからのポールの撤去の要求は断るつもりですが、今後、Aさんが裁判所に訴え、Aさんの主張が認められることはあるのでしょうか。

回答:

1 位置指定道路(建築基準法第42条)について、自動車での通行する権利があるか否かについては最高裁判所は、自動車で道路を通行することについて日常生活上不可欠の利益を有する者についてのみ、位置指定道路の敷地所有者に対する妨害排除請求ができることを認めています(最高裁平成9年12月18日判決、同平成12年1月27日判決)。

2 最高裁判所が前記判決で示した「道路を通行することについて日常生活上不可欠の利益」が認められるか否かは具体的事実により判断されますが、徒歩での通行については一般的に認められると考えられます。しかし、自動車での通行については長期間にわたり位置指定道路に面している土地の利用のため自動車の通行が認められているという事情があり、敷地所有者が右通行を受忍することによって通行者の通行利益を上回る著しい損害を被るなどの特段の事情のない場合に限定されると考えられます。妨害排除請求の基準によっても、妨害排除請求を肯定した判決(最高裁平成9年12月18日判決)と否定した判決(同平成12年1月27日判決)について下記の解説で詳説します。

3 他の事例集699番811番891番もご参照ください。

4 位置指定道路に関する関連事例集参照。

解説:

第1 はじめに

ご相談者様は、位置指定道路とされている私道を所有されているということですので、まず位置指定道路について説明します。

位置指定道路とは、特定行政庁から道路位置指定を受けた私道です(建築基準法第42条)。位置指定道路については建築基準法上の道路として扱われ、また、位置指定された土地については建物を建てることはできないとされています(同法第44条)。

ご相談者様は私道の所有権が自己にあることを理由に、ポールを置いて自動車の通行ができないようにしているとのことですが、ご相談者様が私道上に建物を建てることはできないとしても、自分の土地に物を置くこともできないのか、という点については明確にそれを禁じる条文はありません。所有者であれば、原則その土地をどのように使用するかは自由なはずです。しかし、一指定道路として一定の制限を受けているのですからポールまで設置することができるのか、問題となります。

ご相談者様は、自己の所有権の行使として、道路に障害物を置いていると考えられますが、Aさんは、位置指定道路に面する自己の所有する更地を賃貸駐車場にする目的でご相談者様の私道の自動車通行を求めています。そこで、ご相談者様の所有権の行使とAさんの道路利用のいずれが優先されるのか問題となります。この問題を検討するには位置指定道路という制度について詳しく知る必要があります。

位置指定道路として建築基準法上の道路と認められる最大の目的は建築基準法で要求されている、建物を建てられる土地は4メートル以上の道路に面していなければならない、という要件を満たすためです。消防自動車が入れないような狭い通路しかないような住宅の建築を禁止するということです。しかし、位置指定道路だからと言って日常的に自動車で通行できる権利があるのか、ということは別の問題となります。

第2 位置指定道路とは

建築基準法では、建築物の敷地は原則として2メートル以上「道路」に接していなければならず、接道義務が定められています(建築基準法43条1項)。「道路」については原則として幅員4メートル以上でなければならないこと等の制限をし、すべての建築物が交通,安全,防火,衛生上適切な道に十分面している状態の実現を目指しています(建築基準法42条)。

位置指定道路は,このような「道路」の一種ですが、国や公共団体が所有、管理する道路(いわゆる公道)ではなく、私人が所有する私道となっています。

建築基準法42条1項5号により,土地を建築物の敷地として利用するため,道路法等の公法規定によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で,これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもので,かつ,幅員4メートル以上のものであることが要件となっています。

上記の接道義務を満たすため,私道を「道路」とする必要がある場合,特定行政庁に対し道路位置指定の申請を行い(建築基準法施行規則9条),指定を受けることになります。

私道が位置指定道路とされた場合、その上に建築物を建てることはできません(建築基準法第44条)。このように位置指定道路に指定された場合その土地の所有者は、権利の制限を受けることになります。しかし、他方でその土地を通行するという権利があるのかという点については、法律で特に定めがありません。そこで、通行を妨害されたと主張する者がある場合に、その者は私道所有者に対し妨害を排除できる権利があるのか問題となります。

憲法第29条は、国民に財産権を保障しています。そして、民法第206条は、所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する、としています。土地があっても建物が建てられない場合、所有権の制限となり、憲法第29条に違反するのか問題となります。ところが、所有権といえども国民全体の公共の福祉の観点から制限されることは憲法も認めるところです。

建築基準法による所有権の制限も国民の生命、身体および財産の保護を図るという「公共の福祉」の見地から認められるものです。このように、位置指定道路に指定された土地の所有権が制限されることは適法であるといえますが、この制限は必要最小限でなくては、不当な制限となってしまいます。そこで、どこまで制限できるのかが問題となります。他方で、建築基準法による位置指定道路の制限は土地の所有者の権利を制限しているにすぎず、その土地を利用する人に土地を利用する権利を与えているわけではありません。土地が道路として制限されていることから、その土地の利用が可能となっているだけで、その範囲で利用が認められているにすぎません。どこまで土地の利用ができるか、という問題について法律は規定していないことになります。従って、私道の所有権がどこまで制限されるかという見地からの検討が必要になります。

道路通行が道路所有者に妨害されている場合、どのような要件で道路通行者が道路所有者に対し、妨害排除を請求することができるのか、認めた判決と否定した判決との2つの最高裁判決がありますので、以下に紹介します。

まず、位置指定道路について通行できる権利があるか否かについて、最高裁判所は、「日常生活上不可欠の利益を有する者」について『敷地所有者に対して右妨害行為の排除及び将来の妨害行為の禁止を求める権利(人格権的権利)を有するものというべきである。』として、人格的権利として妨害行為の禁止を求める権利を認めました。法律の条文ではこのような権利は認められていませんので、人格権として法律上保護される権利と認めています。裁判をするにはまず法律上の権利があるか否かが問題となるので、この点を明らかにする必要があるのでこのような判断を示したものです。しかし、だれにどのような権利が認められるか、という権利の詳細については具体的に判断されることになります。自動車での通行が認められるか否かについては、結論を異にする二つの判決があります。

結論が異なったのは、過去において自動車の交通が認められていたか否か、通路の状況(道路の幅や舗装の状況)、位置指定道路に面する土地の利用状況(建物の敷地か駐車場か)の差といえます。

第3 道路部分の利用者が道路敷地所有者に対する妨害排除請求を認めた判例(最高裁判所平成9年12月18日判決、以下「平成9年判決」と言います。)

判決全文は裁判所のHPをご覧ください。

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=52806

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/806/052806_hanrei.pdf

【当事者】

Xら:上告人。分譲地内で位置指定道路となっている土地(以下「本件土地」といいます)の所有権を取得した者。自己の所有権を理由にYらの自動車通行を妨害した。

Yら:被上告人。30年以上にわたり、本件土地を道路として利用し、自動車通行に利用をしている。

【本件土地について】

・本件土地は、昭和33年ころ、本件土地周辺が大規模分譲住宅として開発された際、各分譲地に至る通路として開設された幅員4メートルの道路である。

・本件土地は昭和33年に、〇〇市長より道路位置指定を受けた。

・本件土地は道路位置指定後30年以上にわたり、Yらを含む近隣住民等の徒歩及び自動車の通行に利用されている。

・Yらは、同分譲地に居住し、自動車を利用している。Yらが居住地から公道に出るには、公道に通じる他の道路が階段状であって自動車による通行ができないため、本件土地を道路として利用することが不可欠である。

【事案の経過】

・Xらは、本件土地が分譲住宅として開発されてから約30年後の昭和61年、本件土地の所有権を贈与により取得した。

・平成3年、Xらは、Yらを含む本件土地周辺の住民に「Xらと本件土地の通行に関する契約を締結しないと、車両等の通行を禁止する。」とのビラを配り、本件土地上に簡易ゲートを設置し、Yらの自動車通行を妨害した。

・平成4年、Xらは、Yらの所属する自治会に対し、「道路通行を不可能とする工事を行うことがある。」との通知をした。

・Yらは、Xらに対して、道路通行の妨害排除を求めて裁判所に訴えを提起した。

【妨害排除請求に関する判例の基準】(『 』は判決文からの引用です)

『建築基準法四二条一項五号の規定による位置の指定(以下「道路位置指定」

という。)を受け現実に開設されている道路を通行することについて日常生活上不

可欠の利益を有する者は、右道路の通行をその敷地の所有者によって妨害され、又は妨害されるおそれがあるときは、敷地所有者が右通行を受忍することによって通行者の通行利益を上回る著しい損害を被るなどの特段の事情のない限り、敷地所有者に対して右妨害行為の排除及び将来の妨害行為の禁止を求める権利(人格権的権利)を有するものというべきである。』

と道路通行について妨害排除請求が認められる場合の判断の基準を示しています。

道路通行について日常生活上不可欠の利益を有する者は、道路通行を敷地所有者に妨害され、または妨害されるおそれのあるときは、所有者に著しい損害を与えるような事情のない限り、敷地所有者に対し、妨害排除及び将来の妨害行為の禁止を求める権利を有するとするものです。

【本件の事情での最高裁の判断】

最高裁は上記基準によって本件事案を次のように判断し、道路通行者の道路所有者に対する妨害排除請求を認めています。

Yらは、『道路位置指定を受けて現実に道路として開設されている本件土地を長年にわたり自動車で通行してきたもので、自動車の通行が可能な公道に通じる道路は外に存在しないというのであるから、本件土地を自動車で通行することについて日常生活上不可欠の利益を有しているものということができる。』

『本件土地の所有者である(Xら)は、(Yら)が本件土地を通行することを妨害し、かつ、将来もこれを妨害するおそれがあるものと解される。』

XらがYらの『右通行利益を上回る著しい損害を被るなどの特段の事情があるということはできず、他に右特段の事情に係る主張立証はない。』

Yらは、Xらに対して、『本件土地についての通行妨害行為の排除及び将来の通行妨害行為の禁止を求めることができるものというべきである。』

第4 道路部分の利用者が道路敷地所有者に対する妨害排除請求を認めなかった判例(最高裁判所平成12年1月27日判決、以下「平成12年判決」と言います。)

裁判所HP

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=62790

http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/790/062790_hanrei.pdf

【当事者】

Xら:被上告人。宅地となる土地を共有しており、この土地と接する未舗装の私道(以下本件「私道」といいます。)を所有(共有)している。

Yら:上告人。上記未舗装道路に接する土地の一部を所有(共有)しており、この土地を駐車場として利用することを考えている。

【本件未舗装道路について(以下、「本件私道」といいます)】

・本件私道は、南北に通じる未舗装の道路で、北端と南端で公道に接している。

・本件私道は、建築基準法施行後、同法42条2項の位置指定道路をみなされている。

・Yら共有地は本件私道以外には道路には接していない。

・本件私道は従来から、徒歩・自転車の通行は認められていた。

・自動車の通行については、本件私道に接する土地内にある建物を工事する際に

Xらの承諾を得て工事関係車両が通行したことがある。

【事案の経過】

・本件私道は戦前に開設された幅員約2メートルから3メートルの道路である。

・Yらは先代のころから本件私道を徒歩または自転車で通行していた。

・昭和63年、Yらは本件私道に接する自己の共有地を更地にした。Yらはこの更地を駐車場として利用することを考えている。

・平成3年、Xらは本件私道のフェンスを撤去し、金属製ポール10本(以下「本件ポール」といいます。)を設置した。

・平成5年、YらはXらに対し、本件ポールの撤去を求めて裁判所に訴えを提起した。

【妨害排除請求に関する判例の基準】

本件最高裁判決でも、上記平成9年判決を引用し、同判決と同一の基準で妨害排除請求が認められる場合があることを認めています。平成9年判決と同じ内容になりますが、再度記載します。

『建築基準法四二条一項五号の規定による位置の指定を受け現実に開設されている道路を通行することについて日常生活上不可欠の利益を有する者は、右道路の通行をその敷地の所有者によって妨害され、又は妨害されるおそれがあるときは、敷地所有者が右通行を受忍することによって通行者の通行利益を上回る著しい損害を被るなどの特段の事情のない限り、敷地所有者に対して右妨害行為の排除及び将来の妨害行為の禁止を求める権利(人格権的権利)を有するものというべきである(最高裁平成八年(オ)第一三六一号同九年一二月一八日第一小法廷判決・民集五一巻一〇号四二四一頁)。そして、このことは、同条二項の規定による指定を受け現実に開設されている道路の場合であっても、何ら異なるものではないと解するのが相当である。』

【本件の事情での最高裁の判断】

上記基準にあてはめても、平成12年判決では、本件私道が専ら徒歩・二輪車による通行に供されてきた未舗装道路であること、自動車が通行したのはXらが承諾した建築工事期間の一時期であること、Yらは居住用としてではなく賃貸駐車場として利用することを目的として本件ポールの撤去を求めているにすぎないことから、本件私道を自動車で通行することに日常生活上不可欠の利益があるとはいえないとして、YらのXらに対する妨害排除請求を認めませんでした。

判決文を整理すると次のとおりです。

・本件私道は、専ら徒歩又は二輪車による通行に供されてきた未舗装の道路である。

・上告人らの承諾を受けた請負業者が建築工事のため一年間本件私道を自動車で通行したことがあるほかには、自動車が通行したことはない。

・被上告人らは、昭和六一年一〇月以降、その共有地を利用していないのみならず、右共有地を居住用としてではなく、単に賃貸駐車場として利用する目的で本件ポールの撤去を求めているにすぎない。

・被上告人らが本件私道を自動車で通行することについて日常生活上不可欠の利益を有しているとはいえない。

・被上告人らの人格権的権利が侵害されたことを前提として本件ポールの撤去請求は認められない。

第5 最後に

最高裁判所は、以上のように、道路通行を妨害している所有者に対して、道路利用者による妨害排除請求ができる場合と妨害排除請求ができない場合の2つの判断をしています。通行者側に「本件私道を自動車で通行するについて日常生活上不可欠の利益を有する者」である事情があるかどうかが2つの判決に分かれる基準になっていると考えられます。

ご相談者様の場合、本件私道について自動車の通行は一時期を除いて認めておりませんでした。他方、Aさんは居住者として道路を通行する者ではなく、自己所有の土地を賃貸駐車場として利用する目的のために、ご相談者様にポールの撤去と言う妨害排除請求を求めていると考えられます。前記最高裁平成12年判決によれば、Aさんは本件私道について、日常生活上不可欠の利益を有するものといえない可能性もあります。

こうした場合、ご相談者様はAさんに対して、通行妨害の排除を請求することが認められないと考えられます。

位置指定道路だからと言って、簡単に通行の妨害を排除できることにはならないことに注意が必要です。位置指定道路の通行は本来は通行の権利を与えるものではなく、権利として通行の妨害排除が認められるためには、日常生活に必要不可欠であり、通行が私道の所有者の権利を不当に侵害しないものであることが必要です。

裁判となった場合、ご相談者様が勝訴できる見込みがあるとしても、具体的にどのように主張・立証をするのか、専門的な知識も必要ですので、一度お近くの弁護士にご相談された方がよいでしょう。

以上

関連事例集

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※参照条文

憲法

第二十九条 財産権は、これを侵してはならない。

2 財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。

3 私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

民法

(所有権の内容)

第二百六条 所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。

建築基準法

第四十二条 この章の規定において「道路」とは、次の各号の一に該当する幅員四メートル(特定行政庁がその地方の気候若しくは風土の特殊性又は土地の状況により必要と認めて都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては、六メートル。次項及び第三項において同じ。)以上のもの(地下におけるものを除く。)をいう。

一 道路法 (昭和二十七年法律第百八十号)による道路

二 都市計画法 、土地区画整理法 (昭和二十九年法律第百十九号)、旧住宅地造成事業に関する法律(昭和三十九年法律第百六十号)、都市再開発法 (昭和四十四年法律第三十八号)、新都市基盤整備法 (昭和四十七年法律第八十六号)、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 (昭和五十年法律第六十七号)又は密集市街地整備法 (第六章に限る。以下この項において同じ。)による道路

三 この章の規定が適用されるに至つた際現に存在する道

四 道路法 、都市計画法 、土地区画整理法 、都市再開発法 、新都市基盤整備法 、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 又は密集市街地整備法 による新設又は変更の事業計画のある道路で、二年以内にその事業が執行される予定のものとして特定行政庁が指定したもの

五 土地を建築物の敷地として利用するため、道路法 、都市計画法 、土地区画整理法 、都市再開発法 、新都市基盤整備法 、大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法 又は密集市街地整備法 によらないで築造する政令で定める基準に適合する道で、これを築造しようとする者が特定行政庁からその位置の指定を受けたもの

2 この章の規定が適用されるに至つた際現に建築物が立ち並んでいる幅員四メートル未満の道で、特定行政庁の指定したものは、前項の規定にかかわらず、同項の道路とみなし、その中心線からの水平距離二メートル(前項の規定により指定された区域内においては、三メートル(特定行政庁が周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認める場合は、二メートル)。以下この項及び次項において同じ。)の線をその道路の境界線とみなす。ただし、当該道がその中心線からの水平距離二メートル未満でがけ地、川、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合においては、当該がけ地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離四メートルの線をその道路の境界線とみなす。

3 特定行政庁は、土地の状況に因りやむを得ない場合においては、前項の規定にかかわらず、同項に規定する中心線からの水平距離については二メートル未満一・三五メートル以上の範囲内において、同項に規定するがけ地等の境界線からの水平距離については四メートル未満二・七メートル以上の範囲内において、別にその水平距離を指定することができる。

4 第一項の区域内の幅員六メートル未満の道(第一号又は第二号に該当する道にあつては、幅員四メートル以上のものに限る。)で、特定行政庁が次の各号の一に該当すると認めて指定したものは、同項の規定にかかわらず、同項の道路とみなす。

一 周囲の状況により避難及び通行の安全上支障がないと認められる道

二 地区計画等に定められた道の配置及び規模又はその区域に即して築造される道

三 第一項の区域が指定された際現に道路とされていた道

5 前項第三号に該当すると認めて特定行政庁が指定した幅員四メートル未満の道については、第二項の規定にかかわらず、第一項の区域が指定された際道路の境界線とみなされていた線をその道路の境界線とみなす。

6 特定行政庁は、第二項の規定により幅員一・八メートル未満の道を指定する場合又は第三項の規定により別に水平距離を指定する場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。

(敷地等と道路との関係)

第四十三条 建築物の敷地は、道路(次に掲げるものを除く。第四十四条第一項を除き、以下同じ。)に二メートル以上接しなければならない。ただし、その敷地の周囲に広い空地を有する建築物その他の国土交通省令で定める基準に適合する建築物で、特定行政庁が交通上、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては、この限りでない。

一 自動車のみの交通の用に供する道路

二 高架の道路その他の道路であつて自動車の沿道への出入りができない構造のものとして政令で定める基準に該当するもの(第四十四条第一項第三号において「特定高架道路等」という。)で、地区計画の区域(地区整備計画が定められている区域のうち都市計画法第十二条の十一 の規定により建築物その他の工作物の敷地として併せて利用すべき区域として定められている区域に限る。同号において同じ。)内のもの

2 地方公共団体は、特殊建築物、階数が三以上である建築物、政令で定める窓その他の開口部を有しない居室を有する建築物又は延べ面積(同一敷地内に二以上の建築物がある場合においては、その延べ面積の合計。第四節、第七節及び別表第三において同じ。)が千平方メートルを超える建築物の敷地が接しなければならない道路の幅員、その敷地が道路に接する部分の長さその他その敷地又は建築物と道路との関係についてこれらの建築物の用途又は規模の特殊性により、前項の規定によつては避難又は通行の安全の目的を充分に達し難いと認める場合においては、条例で、必要な制限を付加することができる。

(その敷地が四メートル未満の道路にのみ接する建築物に対する制限の付加)

第四十三条の二 地方公共団体は、交通上、安全上、防火上又は衛生上必要があると認めるときは、その敷地が第四十二条第三項の規定により水平距離が指定された道路にのみ二メートル(前条第二項に規定する建築物で同項の条例によりその敷地が道路に接する部分の長さの制限が付加されているものにあつては、当該長さ)以上接する建築物について、条例で、その敷地、構造、建築設備又は用途に関して必要な制限を付加することができる。

(道路内の建築制限)

第四十四条 建築物又は敷地を造成するための擁壁は、道路内に、又は道路に突き出して建築し、又は築造してはならない。ただし、次の各号のいずれかに該当する建築物については、この限りでない。

一 地盤面下に設ける建築物

二 公衆便所、巡査派出所その他これらに類する公益上必要な建築物で特定行政庁が通行上支障がないと認めて建築審査会の同意を得て許可したもの

三 地区計画の区域内の自動車のみの交通の用に供する道路又は特定高架道路等の上空又は路面下に設ける建築物のうち、当該地区計画の内容に適合し、かつ、政令で定める基準に適合するものであつて特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上支障がないと認めるもの

四 公共用歩廊その他政令で定める建築物で特定行政庁が安全上、防火上及び衛生上他の建築物の利便を妨げ、その他周囲の環境を害するおそれがないと認めて許可したもの

2 特定行政庁は、前項第四号の規定による許可をする場合においては、あらかじめ、建築審査会の同意を得なければならない。

(私道の変更又は廃止の制限)

第四十五条 私道の変更又は廃止によつて、その道路に接する敷地が第四十三条第一項の規定又は同条第二項の規定に基く条例の規定に抵触することとなる場合においては、特定行政庁は、その私道の変更又は廃止を禁止し、又は制限することができる。

2 第九条第二項から第六項まで及び第十五項の規定は、前項の措置を命ずる場合に準用する。

建築基準法施行規則

(道路の位置の指定の申請)

第九条 法第四十二条第一項第五号 に規定する道路の位置の指定を受けようとする者は、申請書正副二通に、それぞれ次の表に掲げる図面及び指定を受けようとする道路の敷地となる土地(以下「土地」という。)の所有者及びその土地又はその土地にある建築物若しくは工作物に関して権利を有する者の承諾書を添えて特定行政庁に提出するものとする。(以下略)