新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.1734、2017/01/18 14:33 https://www.shinginza.com/qa-hanzai.htm

【刑事、最高裁平成26年11月17日 第一小法廷決定】

勾留請求却下に向けた弁護活動


質問:
 夫が万引きで逮捕されました。かかりつけの薬局で万引きし店を出た時点で呼び止められ、すぐにとったものは返しましたが、そのまま駆け付けた警察官に逮捕さ れたそうです。夫は、いわゆる主夫状態で,私が働いています。また,病気の小さな子どもが一人いて、夫が面倒を見ています。今後,夫はどうなるのでしょうか。 夫はうつ病で薬が必要です。まずは早期に家に帰り,子どもの面倒を見て欲しいし、薬の確保をしたいです。



回答:

1 まず,ご主人は逮捕されている状況ですので,何ら活動をしなければ,その後勾留という手続に移行し,最低でも10日間の身柄拘束を受ける可能性が高いと 言えます。

2 勾留を回避するためには直ちに弁護人を依頼し,まずは検察官に働きかけ勾留請求阻止の上申書を提出すべきです。本件の特殊事情は、病気のお子さんの面倒 を主にご主人が見ていること、本人の病気、体調のことですので,それを強く主張すべきです。また,それと並行して,一般的な事項ですが被害者との示談、身元引 受人の存在が重要ですので,それらの点について弁護人に依頼して準備する必要があります。

3 上記の活動が功を奏さず、検察官による勾留請求なされてしまった場合でも勾留決定をする裁判官に対して弁護人が面談等して勾留決定の必要がないことを説 明して勾留請求を却下するよう説得する方法があります。弁護人には裁判官による勾留質問前に、裁判官と面会をすることが認められています。いずれにせよ,弁護 人の力は必須ですので,経験のある弁護士に依頼するようにしてください。

4 関連する事務所事例集論文499番595番600 番738番819 番906番1077 番1102番1142 番1312番参照。勾留の要件 について557番906 番1077番1142 番1262番1580 番1603番1654 番参照。


解説:

第1 逮捕・勾留請求に対する対応

1 まず,一刻も早く弁護士に依頼してご主人と接見(刑事訴訟法(以下,「法」といいます。)39条1項)してもらい,事件についての状況、罪を認めているの か否かを、御主人から把握することが重要です。そして,ご主人が逮捕されてから勾留という手続までされてしまった場合に,公訴提起まで最大23日間身柄を拘束 される可能性、その後の刑事手続きがありますので,明確な弁護方針を立てる必要があります。

  特に,警察に逮捕されて検察庁に送致された(これを阻止することは事実上不可能です。)後,検察官は24時間以内に10日間の勾留請求をするかを判断 し,それを受けた裁判所は通常は当日ないしは翌日に勾留決定をするかの判断をすることになります。現在、万引きの現行犯で逮捕されているということですが、万 引きの場合、前科がある場合や住所不定等の特別な場合を除いて逮捕されるということはありません。ご主人の場合、住所不定ということはありませんから、容疑を 否認しているあるいは何らかの事情で逃亡や罪障隠滅の等の可能性が高いと判断され逮捕されたものと考えられます。そのため,このまま弁護人をつけずに何もしな ければ勾留決定されてしまう可能性が極めて高いといえます。

2 警察は,留置の必要があるときは逮捕から48時間以内に検察庁に送致しなければならず(法203条1項),これを受けた検察官は上述したように24時間 以内に勾留する場合には勾留請求をすることになります(法205条1項)。弁解の機会の後直ちに勾留請求ということもありうるので,検察庁に送致されると分か れば直ちに担当検事を聞きだして面談の機会及び勾留請求をしないよう働きかける上申書を提出すべきことになります。この場合に上申すべき内容としては,勾留を 見据えてその要件に当てはまらないことを明記すべきです。

  勾留が認められるのは(1)勾留の理由(刑訴法60条1項)と,(2)勾留の必要性(刑訴法87条1項)という2つの要件を満たす場合です。(1)勾留 の理由とは,罪を犯したことを疑うに足る相当な理由ことと、法60条1項各号に定められたいずれかに該当することです。特に問題となるのが2号の罪障隠滅のお それがあるかという要件で,これについては近時重要な決定が最高裁から出されているので後述します。次に(2)勾留の必要性とは,起訴の可能性(事案の軽 重),捜査の進展の程度,被疑者の個人的事情などから判断した勾留の相当性であり,一般的に,扶養家族がいる場合や,被疑者の心身の状態が悪い場合に認められ 難いといわれています。本件でもまさに,あなたを含めた家族がおり,ましてやお子さんの様子を見なければいけない喫緊の必要性があります。こうした個別具体的 な事情を可能な限り検察官に対して訴えることが大事です。

 ただし,検察官は取り調べ等の必要性から,被疑者であるご主人が本件行為自体を争わない場合であっても,実務上は勾留請求する場合が多いのではないかと思 われます。

3 さて、これまでの活動にもかかわらず残念ながら勾留請求されてしまった場合に,裁判官に対して勾留請求却下の上申書を提出することが考えられます。裁判 官は被疑者に対して勾留質問をして(法207条1項,61条),勾留決定するか否かの判断をします。前述したように,東京地裁の場合には勾留請求のあった翌日 に勾留質問をして裁判官が判断するのが通常ですので,その間にも弁護人、家族の協力で勾留の要件を欠くことを裁判官に納得してもらうための用意をする必要があ ります。

  家族の協力としては、自ら身元引受人となる、あるいはご主人を監督できる人にも身元引受人なってもらい身元引受所書を裁判所に提出することが重要となり ます。ただ,残念ながら,これまで実務上は勾留請求が却下される例はほとんどなかったようです。逃亡のおそれや罪証隠滅のおそれという勾留の要件に関して抽象 的に判断して、検察官の勾留請求を安易に認めていた傾向がありました。

  しかし、勾留の要件に関して近時実務上極めて重要な決定が最高裁で出されました。その内容は以下の通りです。

  この最高裁のケースは、電車内の痴漢行為についての、いわゆる迷惑防止条例の事案ですが、被疑者と被害者の供述が真っ向から対立していた事案でした。にも かかわらず,最一小決平成26・11・17は「被疑者は,前科前歴がない会社員であり,原決定によっても逃亡のおそれが否定されていることなどに照らせば,本 件において勾留の必要性の判断を左右する要素は,罪証隠滅の現実的可能性の程度と考えられ,原々審が,勾留の理由があることを前提に勾留の必要性を否定したの は,この可能性が低いと判断したものと考えられる」と述べ,このような勾留請求を却下した原々審の判断が「不合理であるとはいえない」として,検察官の準抗告 による勾留決定をした原決定を取り消し、勾留請求を却下した原々審の決定に対する検察官の準抗告を棄却するという画期的な判断をしました。
以上の内容からすれば,勾留請求の判断にあたっても,令状裁判官には具体的な罪証隠滅の現実的可能性の判断が求められることになります。被疑事実を否認してい るからと言って、証拠を隠滅する可能性があるなどという抽象的な危険性は勾留の理由にはなりません。検察官と裁判官は別の機関ですので検察官の判断とは異なる 観点から判断されることは十分あります。特に上記のような最高裁判所の決定は法律家の中でも特に重要な意義を持ちますし,裁判官は特にその先例性を意識するこ とは多いといえます。

  したがって,本件でも具体的な罪証隠滅の恐れがないことを積極的に主張すべきです。すなわち,取ったとされる薬は返品済みであること,目撃者や防犯カメ ラ等により万引き行為に関する証拠は既に確保されていることを前面に押し出していくべきです。さらに、容疑を否認しているということであれば、本人からよく話 を聞いて本当に万引きをしていないのか否か、良く話し合い仮に万引きしたのであれば、罪を認める旨の上申書等を提出するか、容疑を否認しているのであればその 旨の詳しい事実関係を記載した上申書等を提出する必要があります。また、被害にあった薬局についても詳細を調査し,被害者や目撃者に対して働きかけるなどによ る罪証隠滅のおそれがないことの説明も重要な要素になりえます。

  また、罪を認める場合はもちろんですが、否認する場合も被害者と示談をすることが大切です。罪を認めて示談ができれば勾留請求が却下される可能性は高く なります。また、勾留決定後でも示談が成立したのであれば、その点を理由に勾留決定に対する準抗告も可能です。
 
4 他方,「逃亡のおそれ」というもう一つの要件に関しては、定職についていること、身元引受人がいること、等の具体的な事実を説明して勾留の理由がないこと を主張することになります。
本件でも奥様や家族の方が身元引受人となる書面を検察庁や裁判所宛に出すことは効果的な方法と言えます。

  全く身元引受人が存在しない場合には,弁護人に身元引受人になってもらうことも検討したほうがよいでしょう。

5 では,そうした事情をどのように伝えれば裁判官に理解してもらえるでしょうか。勾留決定に先立って,前述したように,勾留質問(法207条1項,61条) というものが行われます。これは被疑者に対して弁解の機会を与え,勾留の可否の判断をするためのものです。もっともこの中で,上記述べたようなあなたに有利な 事情を十分に説明するのは困難といわざるをえないでしょう。

  勾留質問の際の弁解の他に,実務上,勾留質問の前に,弁護人が裁判官と面会をすることが許されています。そこで,その機会を最大限に活用し,弁護人を通 じて本件の特殊事情を伝えてもらうべきです。身元引受人がいたとしても,弁護人が付き添う形で身柄を釈放してもらい,その後も連絡先を把握することを裁判官に 約束するといった弁護活動が功を奏する場面がないとはいえません。

6 以上のように,勾留請求段階に至ってしまった場合には,できる限りの事情を集めて,却下の上申をし,勾留質問がされる前に裁判官との面会も行うべきです。 ここまでの弁護活動はやはり弁護士の積極的な弁護活動が必須です。

  繰り返しになりますが,従来,万引犯で逮捕されているような場合、被害者と示談が成立していない場合や、身元引受書が提出できないような事案は勾留が認 められるケースがほとんどでした。しかし,上記の判例が出て以降少なくとも個々の裁判官の意識の変化はうかがうことができ,法60条の要件を満たさないことを 弁護人の活動を通じてしっかりと判断者である裁判官に伝えることで勾留請求が却下される事案も増加する可能性は増えてきているということはできるでしょう。

  万が一,勾留請求が認められた場合には,さらに準抗告するという方法がありますが,ここでは割愛します(1430 番など関連事例集をご参考ください)。

第3 身柄解放後の活動について

 無事に,勾留請求が却下されたとしても,検察官による最終的な処分がされたわけではありませんので,引き続き被害者との間で示談交渉を進めていくことが大事 です。もちろん捜査機関の呼び出しにはしっかりと応じて,被疑者本人が弁護人の活動が無に帰すようなことをしない努力も怠ってはいけません。

 以上述べてきたような弁護活動を実践すれば,早期の身柄解放及び社会復帰は実現不可能とはいえないでしょう。いずれにせよ,早期の身柄解放には弁護人を通 じての活動が必須なので,早急に経験のある弁護士事務所に相談されることをお勧めします。


<参照条文>
刑事訴訟法
第39条
第1項 身体の拘束を受けている被告人又は被疑者は,弁護人又は弁護人を選任することができる者の依頼により弁護人となろうとする者(弁護士でない者にあつて は,第三十一条第二項の許可があつた後に限る。)と立会人なくして接見し,又は書類若しくは物の授受をすることができる。
第2項 前項の接見又は授受については,法令(裁判所の規則を含む。以下同じ。)で,被告人又は被疑者の逃亡,罪証の隠滅又は戒護に支障のある物の授受を防ぐ ため必要な措置を規定することができる。 
第3項 検察官,検察事務官又は司法警察職員(司法警察員及び司法巡査をいう。以下同じ。)は,捜査のため必要があるときは,公訴の提起前に限り,第一項の接 見又は授受に関し,その日時,場所及び時間を指定することができる。但し,その指定は,被疑者が防禦の準備をする権利を不当に制限するようなものであつてはな らない。 

第60条
第1項 裁判所は,被告人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由がある場合で,左の各号の一にあたるときは,これを勾留することができる。
一 被告人が定まつた住居を有しないとき。
二 被告人が罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
三 被告人が逃亡し又は逃亡すると疑うに足りる相当な理由があるとき。
第2項 勾留の期間は,公訴の提起があつた日から2箇月とする。特に継続の必要がある場合においては,具体的にその理由を附した決定で,1箇月ごとにこれを更 新することができる。但し,第89条第2号,第3号,第4号又は第6号にあたる場合を除いては,更新は,1回に限るものとする。
第3項 30万円(刑法,暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)及び経済関係罰則の整備に関する法律(昭和19年法律第4号)の罪以外の罪に ついては,当分の間,2万円)以下の罰金,拘留又は科料に当たる事件については,被告人が定まつた住居を有しない場合に限り,第1項の規定を適用する。

第61条  被告人の勾留は,被告人に対し被告事件を告げこれに関する陳述を聴いた後でなければ,これをすることができない。但し,被告人が逃亡した場合は,この限りでない。

第203条
第1項 司法警察員は,逮捕状により被疑者を逮捕したとき,又は逮捕状により逮捕された被疑者を受け取つたときは,直ちに犯罪事実の要旨及び弁護人を選任する ことができる旨を告げた上,弁解の機会を与え,留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し,留置の必要があると思料するときは被疑者が身体を拘束さ れた時から四十八時間以内に書類及び証拠物とともにこれを検察官に送致する手続をしなければならない。 
第2項 前項の場合において,被疑者に弁護人の有無を尋ね,弁護人があるときは,弁護人を選任することができる旨は,これを告げることを要しない。 
第3項 司法警察員は,第三十七条の二第一項に規定する事件について第一項の規定により弁護人を選任することができる旨を告げるに当たつては,被疑者に対し, 引き続き勾留を請求された場合において貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは裁判官に対して弁護人の選任を請求することができる旨 並びに裁判官に対して弁護人の選任を請求するには資力申告書を提出しなければならない旨及びその資力が基準額以上であるときは,あらかじめ,弁護士会(第三十 七条の三第二項の規定により第三十一条の二第一項の申出をすべき弁護士会をいう。)に弁護人の選任の申出をしていなければならない旨を教示しなければならな い。 
第4項 第一項の時間の制限内に送致の手続をしないときは,直ちに被疑者を釈放しなければならない。 

第205条
第1項 検察官は,第二百三条の規定により送致された被疑者を受け取つたときは,弁解の機会を与え,留置の必要がないと思料するときは直ちにこれを釈放し,留 置の必要があると思料するときは被疑者を受け取つた時から二十四時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければならない。 
第2項 前項の時間の制限は,被疑者が身体を拘束された時から七十二時間を超えることができない。 
第3項 前二項の時間の制限内に公訴を提起したときは,勾留の請求をすることを要しない。 
第4項 第一項及び第二項の時間の制限内に勾留の請求又は公訴の提起をしないときは,直ちに被疑者を釈放しなければならない。 
第5項 前条第二項の規定は,検察官が,第三十七条の二第一項に規定する事件以外の事件について逮捕され,第二百三条の規定により同項に規定する事件について 送致された被疑者に対し,第一項の規定により弁解の機会を与える場合についてこれを準用する。ただし,被疑者に弁護人があるときは,この限りでない。 

第207条
第1項 前三条の規定による勾留の請求を受けた裁判官は,その処分に関し裁判所又は裁判長と同一の権限を有する。但し,保釈については,この限りでない。
第2項 前項の裁判官は,第三十七条の二第一項に規定する事件について勾留を請求された被疑者に被疑事件を告げる際に,被疑者に対し,弁護人を選任することが できる旨及び貧困その他の事由により自ら弁護人を選任することができないときは弁護人の選任を請求することができる旨を告げなければならない。ただし,被疑者 に弁護人があるときは,この限りでない。
第3項 前項の規定により弁護人の選任を請求することができる旨を告げるに当たつては,弁護人の選任を請求するには資力申告書を提出しなければならない旨及び その資力が基準額以上であるときは,あらかじめ,弁護士会(第三十七条の三第二項の規定により第三十一条の二第一項の申出をすべき弁護士会をいう。)に弁護人 の選任の申出をしていなければならない旨を教示しなければならない。
第4項 裁判官は,第一項の勾留の請求を受けたときは,速やかに勾留状を発しなければならない。ただし,勾留の理由がないと認めるとき,及び前条第二項の規定 により勾留状を発することができないときは,勾留状を発しないで,直ちに被疑者の釈放を命じなければならない。

<参照判例>
平成26年(し)第578号 勾留請求却下の裁判に対する準抗告の決定に対す
る特別抗告事件
最高裁判所平成26年11月17日 第一小法廷決定

主 文
原決定を取り消す。
本件準抗告を棄却する。

理 由
本件抗告の趣意は,事実誤認,単なる法令違反の主張であって,刑訴法433条の抗告理由に当たらない。

しかし,所論に鑑み,職権により調査する。
本件被疑事実の要旨は,「被疑者は,平成26年11月5日午前8時12分頃から午前8時16分頃までの間,京都市営地下鉄烏丸線の五条駅から烏丸御池駅の間を 走行中の車両内で,当時13歳の女子中学生に対し,右手で右太腿付近及び股間をスカートの上から触った」というものである。
原々審は,勾留の必要性がないとして勾留請求を却下した。これに対し,原決定は,「被疑者と被害少女の供述が真っ向から対立しており,被害少女の被害状況につ いての供述内容が極めて重要であること,被害少女に対する現実的な働きかけの可能性もあることからすると,被疑者が被害少女に働きかけるなどして,罪体につい て罪証を隠滅すると疑うに足りる相当な理由があると認められる」とし,勾留の必要性を肯定した。
被疑者は,前科前歴がない会社員であり,原決定によっても逃亡のおそれが否定されていることなどに照らせば,本件において勾留の必要性の判断を左右する要素 は,罪証隠滅の現実的可能性の程度と考えられ,原々審が,勾留の理由があることを前提に勾留の必要性を否定したのは,この可能性が低いと判断したものと考えら れる。本件事案の性質に加え,本件が京都市内の中心部を走る朝の通勤通学時間帯の地下鉄車両内で発生したもので,被疑者が被害少女に接触する可能性が高いこと を示すような具体的な事情がうかがわれないことからすると,原々審の上記判断が不合理であるとはいえないところ,原決定の説示をみても,被害少女に対する現実 的な働きかけの可能性もあるというのみで,その可能性の程度について原々審と異なる判断をした理由が何ら示されていない。
そうすると,勾留の必要性を否定した原々審の裁判を取り消して,勾留を認めた原決定には,刑訴法60条1項,426条の解釈適用を誤った違法があり,これが決 定に影響を及ぼし,原決定を取り消さなければ著しく正義に反するものと認められる。
よって,刑訴法411条1号を準用して原決定を取り消し,同法434条,426条2項により更に裁判をすると,上記のとおり本件について勾留請求を却下した 原々審の裁判に誤りがあるとはいえないから,本件準抗告は,同法432条,426条1項により棄却を免れず,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 櫻井龍子 裁判官 金築誠志 裁判官 白木 勇 裁判官 山浦善樹 裁判官 池上政幸)


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