契約前の不安から、送金後の被害対応まで

詐欺事案の法律相談

法令・公的資料確認日:2026年9月27日

「この取引は信用してよいのか」「投資アプリで利益が出ているのに出金できない」「返金のために追加送金が必要と言われた」。契約前の確認や、被害に遭った場合の対応について、資料に基づいて法的な問題を整理します。

既に送金し、詐欺が疑われる場合は、追加の支払を止め、直ちに金融機関と警察へ連絡してください。弁護士の資料検討を待たず、送金日時・金額・振込先を伝えます。現に脅迫されているなど緊急の場合は110番、緊急でない警察相談は#9110、消費者相談は188です。

質問と回答

質問:利益を引き出すために「税金」「保証金」の送金を求められています。

SNSで知り合った人に投資を勧められ、指定口座に送金しました。画面には利益が表示されていますが、出金を申し込むと別の口座に追加送金するよう求められました。支払えば返してもらえるのでしょうか。

回答:出金条件として追加送金を繰り返し求める手口には、強く警戒してください。

画面の残高や取引履歴が実際の運用・保管を表しているとは限りません。相手が示す「登録証」「身分証」「専門家の推薦」が真正である保証もありません。いったん追加送金を止め、独立して確認できる連絡先から金融機関・警察等に相談してください。相手が案内した相談窓口も偽物である場合があります。

返金の可能性は、振込先口座の残高、相手の特定、資産の所在、送金方法等で異なります。「必ず取り戻せる」とは約束できませんが、送金先への連絡と証拠保全が遅れるほど、選択肢が狭くなることがあります。

1.相談の内容と料金

新銀座法律事務所では、まず概要を伺う無料相談のほか、取引資料を検討する有料相談を行っています。「契約を結ぶ前に確認したい」というご相談にも対応します。

相談方法内容・費用
無料の電話相談概要を伺い、弁護士から5分程度を目安に一般的な見解をご案内します。詳しい資料の審査や報告書作成は含みません。
資料に基づく詐欺事案相談11,000円(税込)。提供資料の検討、電話による回答、簡易報告書形式の書面回答を行います。
複雑・高額な取引特別な調査検討を要する案件、1億円以上などの高額取引は別途見積りとなります。資料量と検討事項を確認してご案内します。
回収・交渉等の依頼相手方への請求、金融機関への代理対応、保全・訴訟、告訴等を依頼する場合は、対応可能性と費用を確認して別途契約します。

有料相談では、受け付ける案件と検討範囲を確認し、費用のお支払・資料の送付方法をご案内します。取引の仕組み、法的な問題、追加確認事項、今後の対応を説明しますが、相手の本人性・資力の完全な保証、投資利益の保証、監査証明を行うものではありません。資料の不足や虚偽がある場合には、結論に限界があります。

2.よくある手口と、契約前の確認

場面注意したい事情まず行う確認
SNS型投資詐欺著名人広告、必ず利益が出るとの説明、個人名義・次々変わる振込先、偽の取引画面金融庁の登録情報と実際の事業者・連絡先を照合。登録があることだけで、その勧誘相手や商品を信用しない。
ロマンス詐欺会ったことのない相手から投資、渡航費、医療費、荷物受取り費用を求められる写真や親密なメッセージだけで本人と判断せず、送金前に第三者へ相談する。
架空請求・なりすまし警察、裁判所、家族、会社等を名乗り、急な送金や秘密保持を要求いったん連絡を切り、自分で調べた公的な連絡先で照会。カードや暗証番号を渡さない。
通販・オークション正規サイト外での取引、別口座への振込み、返金に必要として送金操作を要求公式の購入・返金手順を確認し、サイト外の支払へ誘導されても即答しない。
当選・懸賞詐欺応募した覚えがないのに「高額賞金に当選した」などと通知し、受取手数料、送金料、税金等の名目で先に支払を求める身に覚えのない当選通知には連絡せず、受取りのための送金や個人情報・カード情報の入力をしない。
還付金詐欺自治体、税務署、年金事務所等を名乗り、医療費・保険料・税金等の還付があるとしてATMへ誘導し、操作を指示する「ATMで還付金を受け取れる」という案内は信用せず、電話を切って自治体等の公式窓口へ確認する。
裏口入学・入学あっせん詐欺学校関係者への口利きができる、特別枠で合格させるなどと称し、謝礼、紹介料、工作資金等の支払を求める入試制度や寄付金等は学校の公式窓口で確認し、非公式な合格保証や個人口座への送金には応じない。
就職・採用を装う勧誘採用・就業の条件として制服代、研修費、教材費などの先払いを求める。採用面接から高額な講座契約に誘導する例もある。会社・求人の実在、雇用条件、費用負担の根拠を書面で確認。仕事を得るための高額な先払いには特に注意する。
フリーランス・業務委託仕事を発注・紹介するとして、登録料、研修費、教材費、システム利用料、保証金などを請求する発注内容・報酬・費用負担を書面で確認。仕事の報酬に比べて高額な初期費用や、発注前の支払要求には注意する。
簡単タスク・副業「動画を見る」「いいねをする」などで最初は少額を払った後、「失敗」「違約金」「連帯責任」などとして高額の追加入金を求める報酬を得るために先に送金する仕組みを警戒し、追加送金をせず、やり取りを保存して相談する。
偽求人・闇バイト正規の求人サイトでも、匿名性の高いアプリへの移行、家族情報の要求、仕事内容に不釣合いな高額報酬、実態不明の仕事へ誘導されることがある勤務先・業務内容・会社の実在を確認。不審な個人情報要求や「物を受け取るだけ」などの仕事は警察へ相談する。
被害回復をうたう二次被害被害金を必ず回収できるとの広告、着手前の高額送金、出金解除のための追加費用依頼先の実在・資格・連絡先・契約内容を確認。元の勧誘者が紹介する回収先にも注意する。

金融機関や公的機関を名乗る相手から、遠隔操作アプリの導入や画面共有を求められたときも注意が必要です。認証コードや暗証番号を第三者へ伝えないでください。詳しい手口は警察庁のSNS型ロマンス詐欺の案内、厚生労働省の自営型テレワークにおける費用請求の注意事項、国民生活センターの簡単タスク副業の注意喚起、警察庁の有害求人情報への注意喚起、国民生活センターの当選・懸賞詐欺の注意喚起、警察庁の還付金詐欺の案内、文部科学省の大学入試不正対応窓口も参考になります。

3.被害に気付いたときの初動と証拠

  1. 追加被害を止めます。送金を中止し、金融機関・カード会社・決済事業者へ被害を連絡します。不正アクセスの疑いがあれば、公式窓口で利用停止や認証情報の変更を相談します。
  2. 警察へ相談します。取引の経緯、欺かれた説明、送金先、相手の連絡先を伝え、被害届等について相談します。
  3. 資料を保存します。チャットの全体、プロフィール、広告、サイトURL、契約書、送金明細、出金拒否や追加要求の画面を、日時が分かる形で保存します。
  4. 返金手続を確認します。口座の凍結、振り込め詐欺救済法、決済事業者の補償や異議申立て等を検討します。申請期限を必ず確認します。
  5. 法的回収の見通しを相談します。相手の特定、請求根拠、財産の有無、費用と回収見込みを整理します。

証拠は一部のスクリーンショットだけでなく、前後のやり取りや元データも残してください。暗号資産を送った場合は、取引所名、送付先アドレス、取引ID、日時・数量も重要です。危険な相手との連絡を無理に続けて証拠を集めたり、相手のアカウントに不正にアクセスしたりする必要はありません。

一方で、本物の裁判所から届いた支払督促や訴状を、架空請求と思って放置するのは危険です。書面の連絡先だけに頼らず、裁判所の公式案内で窓口を確認し、事件番号と提出・異議申立ての期限を確かめてください。

4.被害金を取り戻すための方法

振り込め詐欺救済法による分配

振込みを利用した詐欺等の犯罪について、犯罪利用口座の預金債権を消滅させ、その資金から被害回復分配金を支払う制度があります。金融機関が取引停止等を行い、所定の公告・申請手続を経て分配されます。口座に残高がなければ回復できず、複数の被害者がいる場合には被害額に応じた按分となることがあります。国や銀行が被害額全額を補償する制度ではありません。

警察への届出だけで分配申請が済むわけではありません。振込先金融機関へ連絡し、必要書類、公告の確認方法、申請期間を確認します。金融庁の制度案内と金融庁「振り込め詐欺救済法に関するQ&A」(PDF)をご覧ください。

民事上の請求・仮差押え

事実関係に応じ、詐欺による取消しと返還請求、不当利得返還請求、不法行為による損害賠償請求、契約解除に伴う返還請求などを検討します。相手の財産が判明し、処分される危険があるときは、仮差押えを検討する場合もあります。相手の特定や財産調査、裁判所に納める担保・費用などを含めた判断が必要です。

口座名義人と勧誘者が異なる場合、名義人や金融機関が当然に全額の返還義務を負うわけではありません。関与、利益の帰属、故意・過失等を確認します。暗号資産による送付や海外取引には、国内銀行口座を対象とする分配制度をそのまま使えるわけではなく、送金方法に応じた対応が必要です。

裁判例から見る口座凍結と回収手続

QA745は、口座名義人に対する返還請求や、預金払戻請求権の代位行使をめぐる裁判例を紹介しています。また、QA1155は、東京地裁令和2年6月30日判決を紹介しています。同事件では、口座名義人の権利行使の届出で分配に向けた手続が取り下げられ、凍結から2年以上が経過しても被害者から請求や差押え等がされていないなどの事情の下で、取引停止措置の解除が認められました。「2年経てば自動解除」という一般則を示したものではありません。これらからも、凍結したことと被害者に返金されることは別の段階だと分かります。個々の判決の事実関係・制度の適用時期を確認し、凍結後も手続を放置しないことが大切です。

5.民事と刑事の違い・期間制限

詐欺罪と、契約上の責任は分けて考えます

刑法246条の詐欺罪は、欺く行為によって相手を誤信させ、財物を交付させるなどの要件を満たす場合に問題となります。単に返済が遅れた、事業が失敗した、投資で損失が出たというだけで、直ちに詐欺罪が成立するわけではありません。一方、刑事事件として有罪になっていなくても、民事上の取消し・返還・損害賠償を検討できる場合があります。

2025年6月1日施行の改正後、詐欺罪の法定刑は10年以下の拘禁刑です。施行前の行為には経過措置があります。刑事手続は処罰のための手続であり、被害届や告訴を出せば当然に被害金が返るものではありません。

請求根拠ごとに期間を確認します

権利・手続主な期間のルール
民法上の取消権原則として追認できる時から5年、行為の時から20年(126条)。詐欺に気付いた時だけで一律に起算できるとは限りません。
一般の債権原則として権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年(166条)。請求根拠と経過措置を確認します。
財産被害の不法行為原則として損害と加害者を知った時から3年、不法行為時から20年(724条)。
分配・決済事業者の手続公告や補償規約等の申請期間が問題となります。民法の時効より早い期限が設けられることがあります。

消費者契約法や特定商取引法等の特別な取消し・解約制度を利用できる場合もあり、その期間は別に確認します。警察への相談や弁護士への相談だけで民事上の時効が止まるわけではありません。取引日、送金日、被害や相手を知った日を整理し、早めに相談してください。

新銀座法律事務所への無料相談

取引前の確認、送金後の対応、資料に基づく有料相談の利用についてご案内します。 まずは無料の電話相談をご利用ください。概要を伺い、弁護士から5分程度を目安に一般的な見解をご案内します。

無料相談受付:0120-48-5791
つながらない場合:03-3248-5791
受付時間:平日9:00~21:00/土日祝日9:00~18:00

電話のほか、LINE・メールフォームからも受付できます。お名前、都道府県、電話番号、相談の概要をお知らせください。LINE・メールからの受付も、原則として弁護士から電話で回答します。送金した場合は、日時、金額、振込先、相手の説明、保存している資料、金融機関・警察への連絡状況をお知らせください。緊急の口座対応は相談の回答を待たず金融機関へ連絡してください。

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