建物消費税の定め方

民事|売却建物消費税について|土地建物一括売却について建物の売却価格の決め方|建物の部分の価格の記載がない場合の消費税額の決定基準|私的自治の大原則(契約自由の原則)による納税義務者である買主の利益と租税徴収権を持つ国の利益対立|東京地裁令和4年6月7日判決|最高裁平成24年(行ヒ)第79号同25年7月12日第二小法廷判決・民集67巻6号1255頁

目次

  1. 質問
  2. 回答
  3. 解説
  4. 関連事例集
  5. 参考条文

質問:

小さな不動産管理会社を経営しており、賃貸事業を営んでおります。この度、物件の入れ替えを行うことになり古いアパートを売却予定です。買主と仲介業者と相談して、土地建物をあわせた売却価格は大体決まったのですが、仲介業者より、「建物価格と建物消費税はどうしますか」との質問がありました。法人としての物件の売却は初めてのことであり、どのように建物価格や建物消費税を定めたら良いのか分かりません。どうしたら良いですか。

回答:

1、      土地建物を売却する場合、建物売買代金には消費税が課税されます。ですから、契約書に合計代金だけでなく建物の価格も記載しておくのが、消費税の計算には必要となります。建物価格をいくらにするかは、売買契約ですから売主、買主の協議によりますが、一般的には時価、あるいは固定資産評価額にすることになります。契約書に記載がない場合、消費税の金額については売主の判断で計算して申告して納税となりますが、税務署との判断が異なることもあり、その場合裁判となることもあります。

2、      消費税は、国民の消費活動に関する事業収入に課せられる間接税で、事業者が消費者から徴収して、事業売上の10パーセントを申告して納付します。その際に、仕入れ税額控除と言って、当該事業に関して仕入れを行った際に支払った消費税は支払い済みとして、控除して申告することができます。不動産取引のうち建物取引にも課税されますが、消費税の性質上、駐車場など一時使用の対価を除いて土地の譲渡や賃貸収入には消費税は課税されません。個人が不動産を売却する場合と異なり、小さな法人であっても、不動産事業を営む法人が不動産を売却する場合は、建物について消費税を納税する必要があります。

3、      土地建物を売買する当事者は、通常は、土地建物合わせた売買金額をどのように定めるのか交渉するのであり、内訳として建物価額をどうするかに関心を持たないことも多いですが、売主が事業者である場合は、建物消費税が課税されることになりますので、不動産売買契約書などで、建物価額を明記し、後日の消費税申告の資料として保存しておく必要があります。不動産取引にも、私的自治・取引自由の原則が当てはまりますから、売主と買主の両当事者は土地と建物の価格を自由に定めることができるはずです。国税当局は、それとは別に税法の適正な執行という目的で当該取引を観察し、建物価額が本来の価額から乖離しており、申告納税すべき消費税額が申告されていないと判断すれば、「修正申告の勧奨」が行われ、応じない場合には「賦課決定・更正決定」が行われることになります。国家の税金徴収権(憲法30条)がありますので当事者間では有効でも公法関係における制限を受けることは私的自治の原則(契約自由の原則)と基本的に矛盾しません。

4、   不動産取引における建物価額の定め方(按分方法)は、主に4つあるとされています。①譲渡時における土地および建物のそれぞれの時価の比率による按分、②相続税評価額(路線価)や固定資産税評価額を基にした按分、③土地建物の原価(取得費、造成費、建築など)を基にした按分額、④土地建物の一方の価格を算定し全体価格から控除することにより他方の価額を算出する方法。価格の算定には、固定資産税評価額や、相続税評価額である路線価や、時価の算定には不動産鑑定士の鑑定評価書が主要な根拠資料となります。それぞれ簡単に解説致します。

5、      関連する裁判例(東京地裁令和4年6月7日判決)がありますので、ご紹介致します。税務署の更正決定が固定資産税評価額による按分法で行われたのに対し、鑑定評価額による按分方法を相当と認めたものです。妥当な判決と考えられます。建物自体の価値評価の最終決定権は契約自由の原則から特段の事情がない限り当事者に優先権があると思われるからです。国家の税徴収権は税率等国家予算から導かれる項目にかぎられると解釈されるべきです。

6、      建物消費税の納税義務者は建物売主です。後日更正決定を受けたからと言って、当事者間の売買契約は影響を受けませんから、買主に別途消費税の負担を求めることは難しいのが原則です。お困りの場合は、税務訴訟に詳しい弁護士に御相談なさり、所轄税務署への事前相談なども経た上で慎重に建物価額と建物消費税額を定めると良いでしょう。売買契約書の特約で更正決定を受けた場合の消費税の追加負担について取り決めしておくことも有効です。

7、      関連事例集1852番ほか参照。税務調査に関する関連事例集参照。

解説:

1、  消費税の概要

消費税は、広く・薄く・公平に最終消費者へ負担を求める間接税として制度設計された税金で、価格に含めて転嫁され、最終消費者が負担し、事業者が申告・納付するものです。

消費税は、国民の消費活動に関する事業収入に課せられる税金で、事業者が消費者から徴収して、事業売上の10パーセントを申告して納付します(食品などの軽減税率8パーセントや非課税取引を除く)。

その際に、仕入れ税額控除と言って、当該事業に関して仕入れを行い、その際に支払った消費税は支払い済みとして控除して申告することができます。当該取引段階で発生した消費税のみを申告納税すれば良い仕組みです。

不動産取引のうち建物取引にも課税されますが、消費税の性質上、駐車場など一時使用の対価を除いて、消費活動の対象ではなく資産取引と考えられる土地の譲渡や賃貸収入には消費税は課税されません。株式など有価証券の取引も非課税取引です。ちなみに金地金の取引は課税取引となり消費税が課税されます。勿論、建物売買も非課税の資産取引であると考えることも理屈上可能ですが、これを消費税の課税対象とするかどうかは、立法政策の問題です。個人が事業以外で不動産を売却する場合と異なり、小さな法人であっても、不動産事業を営む法人が不動産を売却する場合は、建物について消費税を申告納税する必要があります。

2、  建物消費税に関する修正申告と更正決定

土地建物を一括譲渡する場合、売主と買主は、通常は、土地建物を合わせた売買金額をどうするのか交渉するのであり、内訳として建物価額をどうするかに関心を持たないことも多いものですが、売主が事業者である場合は、建物消費税が課税されることになりますので、不動産売買契約書などで、建物価額を明記し、買主から消費税額を受領しておき、後日の消費税申告の資料として保存しておく必要があります。

不動産取引にも、私的自治、営業の自由、取引自由の原則が当てはまりますから、売主と買主の両当事者は土地と建物の価格を自由に定めることができます。従って、建物は老朽化により価値が無いから、あるいは再開発などで取り壊し予定であるから、「建物価格ゼロ」と定めて売買することも勿論可能です。

しかし国税当局は、それとは別に税法の適正な執行という目的で当該取引を観察し、建物価額が消費税法の予定している本来の価額(消費税法施行令45条1項の「当該物若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額」)から乖離しており、本来申告納税すべき消費税額が申告されていないと判断すれば、「修正申告の勧奨」が行われ、応じない場合には「賦課決定」又は「更正決定」が行われることになります。決定通知により、通知された建物売主に消費税の納税義務を生じます。不動産取引で法務局に対して所有権移転登記申請が行われた場合は、全件が税務当局に情報共有され、売主が建物消費税の申告をしていなければ、当該建物の譲渡価格はいくらでしたか、というような「お尋ね」という形で照会の手紙連絡が来ることになります。売主からの返答が不十分であれば、正式な税務調査が開始され、修正申告や更正決定に繋がることもありますので注意が必要です。

修正申告や更正決定が行われた場合の建物消費税は、消費税法の申告との関係で定まる建物譲渡額であり建物消費税ですから、当事者間の売買契約は影響されません。当事者間の私法関係と、税務当局と納税義務者(売主)との公法関係は別々の法規範に基づく別々の法律関係だからです。一般的には、建物の時価を基準に売買契約を締結することになりますから、契約書に記載された建物価格が時価、適正な金額ですから、契約書に記載された建物の代金に対して消費税が課税されます。

但し、例外的に、当事者間の不動産売買契約書に、建物価額と建物消費税について税務当局との見解の相違などから(消費税を安くするために建物の価格を不当に低く契約したと税務署が判断したような場合)、修正申告が必要となったり、賦課決定・更正決定を受けた場合は、当初の計算より消費税が高くなってしまうこともあります。この場合、納税義務者は売主ですから、売主が負担することになります。とはいえ、売主が追加で負担せざるを得なかった建物消費税を買主が追加で負担する旨の特約を定めていた場合は、特約に従い、売買契約の履行に影響を及ぼすことになります。売買代金が多額で、問題が予測される場合は、契約締結時点で消費税についても検討しておく必要があります。

3、  建物価格の定め方

消費税法施行令45条1項では、消費税の課税標準額は、当該取引時における取引対象物(サービス)の時価であると定めています。そして3項では、課税資産(ここでは建物)と非課税資産(ここでは土地)など2つ以上の区分の資産が内訳を定めずに同時に譲渡された場合の取り扱いについて、「これらの資産の譲渡の対価の額にこれらの資産の譲渡の時におけるこれらの資産の価額の合計額のうちに同号に掲げる資産の価額の占める割合を乗じて計算した金額」と定めています。

消費税法施行令45条(課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れに係る消費税の課税標準の額)

1項 法第二十八条第一項及び第二項に規定する金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の額は、当該物若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額とする。

3項 事業者が次に掲げる資産の区分のうち異なる二以上の区分の資産を同一の者に対して同時に譲渡した場合において、これらの資産の譲渡の対価の額が次に掲げる資産ごとに合理的に区分されていないときは、第一号に掲げる資産の譲渡の対価の額については、これらの資産の譲渡の対価の額にこれらの資産の譲渡の時におけるこれらの資産の価額の合計額のうちに同号に掲げる資産の価額の占める割合を乗じて計算した金額とし、第二号に掲げる資産の譲渡の対価の額については、これらの資産の譲渡の対価の額にこれらの資産の譲渡の時におけるこれらの資産の価額の合計額のうちに同号に掲げる資産の価額の占める割合を乗じて計算した金額とする。この場合において、第一号に掲げる資産の譲渡に係る消費税の課税標準は、当該資産の譲渡の対価の額(当該対価の額に消費税額等(その資産の譲渡につき課されるべき消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する額をいう。以下この項において同じ。)が含まれる場合には、当該対価の額に百十分の百を乗じて算出した金額)とし、第二号に掲げる資産の譲渡に係る消費税の課税標準は、当該資産の譲渡の対価の額(当該対価の額に消費税額等が含まれる場合には、当該対価の額に百八分の百を乗じて算出した金額)とする。

一 課税資産の譲渡等(特定資産の譲渡等及び軽減対象課税資産の譲渡等に該当するものを除く。)に係る資産

二 軽減対象課税資産の譲渡等に係る資産

三 課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等に係る資産

「資産の譲渡の時におけるこれらの資産の価額の合計額のうちに同号に掲げる資産の価額の占める割合」というのは、要するに土地建物の譲渡価格のうち譲渡時における建物価格の占める割合なのですが、これを按分する具体的な方法が指定されているわけではありません。そこで、実務上では、次のような按分方法が使われることが多くなっています。

※参考URL、国税庁タックスアンサー6301、建物と土地を一括譲渡した場合の建物代金

https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6301_qa.htm

不動産取引における建物価額の定め方(按分方法)は、主に4つあるとされています。①譲渡時における土地および建物のそれぞれの時価の比率による按分、②相続税評価額(路線価)や固定資産税評価額を基にした按分、③土地建物の原価(取得費、造成費、建築など)を基にした按分額、④土地建物の一方の価格を算定し全体価格から控除することにより他方の価額を算出する方法。価格の算定には、固定資産税評価額や、相続税評価額である路線価や、時価の算定には不動産鑑定士の鑑定評価書が主要な根拠資料となります。それぞれ簡単に解説致します。

1   鑑定評価額按分法・・・譲渡時の土地と建物の時価の比率により、土地建物の内訳価額を按分します。土地建物の譲渡価額が、時価よりも高くても低くても、時価の比率に応じて高くなったり低くなったりしますので、時価との乖離率は土地も建物も同一となります。時価は不動産鑑定士の鑑定評価書で定めることができます。

2   相続税評価額按分法・・・国税庁の財産評価基本通達で定められる相続税評価額をもとに、土地と建物の価額比率を算出し、土地建物の内訳価額を按分します。税務上明確であり、国税庁の実務で使われることの多い按分方法です。

3   原価按分法・・・当該取引では土地建物の内訳が明示されていなかったとしても、当該取引の前の取得時に明示されていた場合は、その取得原価を基準として内訳を算出できるとする按分方法です。この方法では、取得費の他に、譲渡までの間に支出した有益費などの経費も計上することができます。土地であれば、造成費用、建物であれば修繕リフォーム費用などです。税務署との協議に対応するためには、取得原価について全て書類上の根拠があることが必要です。

4   控除法・・・これは按分比率を定めて建物価額を算出するものではありませんが、土地建物の全体価格から、土地価格を控除することにより建物価格を算出し、あるいは建物価格を控除することにより土地価格を算出する実務上の算出方法です。土地の時価鑑定評価を行い、この価格を土地建物価額から控除して建物価格を算出したり、建物価格を固定資産評価額そのものとして算出して、全体価格から控除することにより土地価格を算出したりします。この方法では建物価格が極端に低額になる場合があり、税務署の賦課決定や更正決定を受けやすいリスクがあると言えます。

4、  判例紹介

東京地裁令和4年6月7日消費税及び地方消費税更正処分取消等請求事件

『第2 事案の概要

1 本件は、原告が、東住吉税務署長が原告に対してした平成28年1月1日から同年12月31日までの課税期間(以下「本件課税期間」という。)の消費税及び地方消費税(以下「消費税等」という。)の更正処分(以下「本件更正処分」という。)並びに過少申告加算税の賦課決定処分(以下「本件賦課決定処分」といい、本件更正処分と併せて「本件更正処分等」という。)を不服として、被告を相手に、本件更正処分等の一部の取消しを求める事案である。』

『2 本件固定資産税評価額比率による按分法の当否について

(1)被告は、消費税法施行令45条3項を適用して本件建物の譲渡に係る消費税の課税標準を算出する際には、本件固定資産税評価額比率による按分法を用いることが最も合理的であると主張する。

しかしながら、消費税法施行令45条3項において課税標準を算出する際に用いられる課税資産及び非課税資産の「価額」とは譲渡時における適正な時価、すなわち客観的な交換価値であると解されるところ、固定資産評価基準の定める評価方法が、適正な時価を算定する方法として一般的な合理性を有するものであるとしても、この評価方法に従って決定された価格は、特段の事情のない限り当該資産の客観的な交換価値としての適正な時価を上回るものではないことが推認されるにとどまるものというべきである(最高裁平成24年(行ヒ)第79号同25年7月12日第二小法廷判決・民集67巻6号1255頁参照)。また、地方税法が、固定資産税の課税標準に係る固定資産の評価の基準並びに評価の実施の方法及び手続を総務大臣の告示に係る評価基準に委ねている(388条1項)のは、固定資産税の賦課期日における土地課税台帳等の登録価格が同期日における当該資産の客観的な交換価値を上回らないようにすることのみならず、全国一律の統一的な評価基準による評価によって、各市町村全体の評価の均衡を図り、評価に関与する者の個人差に基づく評価の不均衡を解消することをも目的とするものであり、かかる目的の下に行われる評価は、適正な鑑定の評価の過程において考慮の対象とされるような当該資産の個別的な事情については、ある程度捨象されることも前提としているものということができる。

これらに照らすと、本件のように、消費税の課税標準の額を計算するために、一括して譲渡された土地及び建物の対価の額を按分する方法として、当該資産の客観的な交換価値を上回らない価額と推認される固定資産税評価額による価額比を用いることは、一般的には、その合理性を肯定し得ないものではないが、当該資産の個別事情を考慮した適正な鑑定が行われ、その結果、固定資産税評価額と異なる評価がされ、価額比においても実質的な差異が生じた場合には、もはや固定資産税評価額による価額比を用いて按分する合理性を肯定する根拠は失われ、適正な鑑定に基づく評価額による価額比を用いて按分するのがより合理的となるというべきである。』

この裁判例では、税務署長が②の固定資産税評価額により按分して土地建物の内訳価額を算出し、この建物価額に基づいて消費税の額を算出して更正処分を行いました。売主である原告は、それでは消費税額が高額になり過ぎるので、①の時価に基づく建物価格を主張し、裁判所に鑑定申し出を行い、裁判所が当該申し出を採用して鑑定人から鑑定評価書を取得し、これに基づいて判決しました。不動産価格の上昇相場にある場合、土地価格が上昇するのが普通ですから、固定資産評価額での按分よりも、土地の価格が高くなっていることがあることはよく見られることでこのような問題が生じます。

裁判所は、固定資産税評価額による按分方法にも一定の合理性は有するものとしつつも、当該資産の個別事情を考慮した適正な鑑定が行われている場合に、固定資産評価額に基づく按分額と「実質的な差異」を生じた場合には、固定資産評価額に基づく按分の合理性を肯定する根拠は失われ、適正な鑑定に基づく評価額による価額比を用いて按分するのがより合理的であると判断しています。

5、  まとめ

建物消費税の納税義務者は事業収入を得た建物売主です。後日更正決定を受けて消費税の不足額を追納したからと言って、当事者間の売買契約は影響を受けませんから、買主に別途消費税の負担を求めることは原則としてできません。

不動産売買契約において建物価額を低額に設定したために、後日建物消費税の追納を求められるリスクがある場合は、不動産売買契約書の特約で税務署からの修正申告勧奨・賦課決定・更正決定があった場合の取り扱いについて定めておくと良いでしょう。追加で負担すべき建物消費税額を買主に請求できることを明記しておくと良いでしょう。

お困りの場合は、税務訴訟に詳しい弁護士に御相談なさり、所轄税務署への事前相談なども経た上で慎重に建物価額と建物消費税額を定めると良いでしょう。弁護士は、建物価額を定めるための税務署への事前相談の他、税務調査の立ち会いや、修正申告内容の協議や、賦課決定・更正決定に対する取り消し訴訟などを代理することができます。

以上

関連事例集

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※参照条文

日本国憲法30条 国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。

消費税法第5条(納税義務者)

1項 事業者は、国内において行つた課税資産の譲渡等(特定資産の譲渡等に該当するものを除く。第三十条第二項及び第三十二条を除き、以下同じ。)及び特定課税仕入れ(課税仕入れのうち特定仕入れに該当するものをいう。以下同じ。)につき、この法律により、消費税を納める義務がある。

2項 外国貨物を保税地域から引き取る者は、課税貨物につき、この法律により、消費税を納める義務がある。

第6条(非課税)

1項 国内において行われる資産の譲渡等のうち、別表第二に掲げるものには、消費税を課さない。

2項 保税地域から引き取られる外国貨物のうち、別表第二の二に掲げるものには、消費税を課さない。

別表第二(抜粋)(第六条、第十二条の二、第十二条の三、第三十条、第三十五条の二関係)

一号 土地(土地の上に存する権利を含む。)の譲渡及び貸付け(一時的に使用させる場合その他の政令で定める場合を除く。)

消費税法施行令45条(課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れに係る消費税の課税標準の額)

1項 法第二十八条第一項及び第二項に規定する金銭以外の物又は権利その他経済的な利益の額は、当該物若しくは権利を取得し、又は当該利益を享受する時における価額とする。

3項 事業者が次に掲げる資産の区分のうち異なる二以上の区分の資産を同一の者に対して同時に譲渡した場合において、これらの資産の譲渡の対価の額が次に掲げる資産ごとに合理的に区分されていないときは、第一号に掲げる資産の譲渡の対価の額については、これらの資産の譲渡の対価の額にこれらの資産の譲渡の時におけるこれらの資産の価額の合計額のうちに同号に掲げる資産の価額の占める割合を乗じて計算した金額とし、第二号に掲げる資産の譲渡の対価の額については、これらの資産の譲渡の対価の額にこれらの資産の譲渡の時におけるこれらの資産の価額の合計額のうちに同号に掲げる資産の価額の占める割合を乗じて計算した金額とする。この場合において、第一号に掲げる資産の譲渡に係る消費税の課税標準は、当該資産の譲渡の対価の額(当該対価の額に消費税額等(その資産の譲渡につき課されるべき消費税額及び当該消費税額を課税標準として課されるべき地方消費税額に相当する額をいう。以下この項において同じ。)が含まれる場合には、当該対価の額に百十分の百を乗じて算出した金額)とし、第二号に掲げる資産の譲渡に係る消費税の課税標準は、当該資産の譲渡の対価の額(当該対価の額に消費税額等が含まれる場合には、当該対価の額に百八分の百を乗じて算出した金額)とする。

一 課税資産の譲渡等(特定資産の譲渡等及び軽減対象課税資産の譲渡等に該当するものを除く。)に係る資産

二 軽減対象課税資産の譲渡等に係る資産

三 課税資産の譲渡等以外の資産の譲渡等に係る資産