児童買春・淫行条例・出会い系サイト規制|年齢・判例・弁護士相談

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2026年10月5日更新

「SNSで知り合った相手が18歳未満だった」「児童買春の疑いで警察から連絡が来た」「子どもが性的な要求を受けている」。児童の性被害に関する規制には、児童買春・児童ポルノ禁止法、青少年保護育成条例、刑法、出会い系サイト規制法などがあります。年齢、対価、行為、相手との関係によって適用される規定が異なります。児童の権利と安全を第一に、現行法と裁判例、捜査への対応、被害回復、弁護士に相談する意義を説明します。

1 児童買春とは:18歳未満が対象です

法律の正式名称は「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」です。このページでは「児童買春・児童ポルノ禁止法」と呼びます。児童への性的搾取・性的虐待を防ぎ、児童の権利を擁護する法律です。

同法2条1項

この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。

同法4条(児童買春)

児童買春をした者は、五年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。

児童買春とは、児童本人、周旋者、保護者等に対して対償を与え、又は与える約束をして、当該児童に法律上の「性交等」をすることです(2条2項)。男女を問いません。「性交等」には性交だけでなく、法定の類似行為や、性的好奇心を満たす目的で行う一定の身体接触も含まれます。詳しい定義は法令本文で確認できます。

児童本人が同意していた、児童から誘った、という事情だけで適法になることはありません。民法上の成年年齢や刑法の年齢規定との違いにも注意が必要です。2025年6月1日から懲役・禁錮に代わり拘禁刑が施行されました。施行前の行為は経過措置を確認します。

2 「対償」とは?お金をまだ払っていない場合

対償は、性的な行為の見返りとして提供する利益をいいます。現金だけでなく、物品等の利益も問題になります。「お小遣い」「プレゼント」「支援」などと呼んでいても、その実態で判断します。やり取り、利益を与える理由、時期、行為との結び付き等が重要です。

実際の支払がなくても、対償を与える約束をして対象の行為をすれば、児童買春が成立し得ます。他方、金品を渡したことだけで当然に児童買春となるわけでもなく、法律上の行為や対償関係等の要件を確認します。行為に至っていない段階でも、面会要求や禁止誘引など別の規定に触れる可能性があります。

児童本人に渡さず、周旋者や保護者等に支払う場合も対象となり得ます。紹介・勧誘をした者については、周旋等の別の罰則が問題になります。日本国民が国外で行った児童買春も、同法10条による処罰対象となり得るため、海外であれば問題がないとはいえません。

3 「18歳以上と聞いていた」場合の年齢の認識

児童買春罪では、相手が18歳未満であることの認識が重要です。確実に知っていた場合だけでなく、18歳未満の可能性を認識しながら、それでも構わないとして行為に及んだ場合には、未必の故意が認められ得ます。「成人と自己申告していた」「アプリの利用条件が18歳以上だった」という一点だけで結論は出ません。

プロフィール、会話、学校・学年の話、会った経緯、年齢に関する説明等を、行為当時の認識に即して確認します。後から知った事実と、当時認識していた事実は分けて整理してください。相手に説明を合わせてもらうよう頼むことや、履歴を改変することは避けます。関連QA1414・年齢の錯誤と無実の主張

同法9条には、児童を使用する者について、周旋等の所定の罪に関する年齢不知の特則があります。また、青少年保護育成条例には、年齢を知らなくても過失があれば処罰する規定を置くものがあります。東京都条例28条の特則は対象となる違反行為が限定され、18条の6違反には適用されません。年齢不知の扱いは、適用する都道府県の条例と対象条項ごとに確認する必要があります。

事実と違う供述調書に署名した場合も、直ちに諦めず弁護士へ相談してください。取調べの経緯、記載内容、客観資料を確認し、訂正の申入れや供述の任意性・信用性を争う対応を検討します。

4 対価がなくても犯罪になる?法律の違い

主な規定検討する内容
児童買春・児童ポルノ禁止法18歳未満の児童に対する、対償の供与又は約束を伴う法定の行為。画像の製造・提供・保管等は別の要件で規制されます。
青少年保護育成条例各都道府県の条例が定める淫行・みだらな行為等。金銭のやり取りがなくても対象となり得ます。
刑法176条・177条不同意わいせつ・不同意性交等。年齢による規定のほか、拒否する意思の形成・表明・全うが困難な状態等を検討します。
刑法179条・児童福祉法34条1項6号監護する立場や、児童への事実上の影響力を利用した行為等。保護者・教員などとの関係が問題になることがあります。
刑法182条・出会い系サイト規制法所定の面会要求・画像送信要求、インターネット異性紹介事業での禁止誘引等。実際に性的な行為に至らなくても処罰対象となり得ます。

児童買春法の附則には、この法律で規制する行為を処罰する条例部分との調整規定があります。ただし、これを「児童買春に当たれば刑法等の犯罪は一切成立しない」という意味に理解してはいけません。複数の規定の適用や罪数関係は、具体的な行為ごとに検討します。

売春防止法は成人だけを対象とする法律ではありません。同法3条は売春及びその相手方となることを禁止していますが、その行為自体に直罰規定を置かず、勧誘・周旋・場所提供等に罰則を設ける構造です。これに対し、児童買春は買う側の行為自体が処罰されます。「売春防止法では処罰されないから合法」と一般化することはできません。

5 淫行条例と真摯な交際とは:判例に基づく解説

「本当に交際していたのに、18歳未満だったというだけで犯罪になるのでしょうか」という相談があります。青少年保護育成条例の「淫行」については、相手の人格や意思を尊重した真摯な交際関係が認められ、処罰対象に当たらない場合があります。ただし、「恋人」「真剣だった」という呼び方や、本人・保護者の同意だけで判断されるものではありません。

最高裁昭和60年10月23日大法廷判決(刑集39巻6号413頁)

福岡県の条例について、最高裁は、青少年との性的行為すべてを一律に「淫行」とするのではなく、心身の未成熟に乗じる不当な手段による行為や、青少年を専ら性的欲望を満たす対象として扱っているとしか認められない行為に限定して解釈し、規定を合憲としました。交際の名称や本人の同意だけでなく、関係の実態を検討する必要があります。裁判所・判決原文(PDF)

最高裁は、婚約中又はそれに準ずる真摯な交際関係を、広く処罰対象に含めることの不合理さを指摘しています。他方、その事件自体では、一定期間の付き合いがあっても、双方の年齢、関係に至る経緯、交際の態様等から「淫行」に当たると判断しました。交際期間が長いことだけで当然に処罰対象から外れるわけではありません。

つまり、真摯な交際とは、相手の人格や意思を尊重し、単なる性的欲求の充足を目的とするのではなく、年齢、交際に至った経緯、交際期間・態様、将来に対する意思その他の事情からみて、社会通念上、誠実かつ継続的な交際と評価できる、婚約に準ずるような関係をいうと考えられます。

東京都条例18条の6も、青少年とのみだらな性交等を禁止し、24条の3は2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金を定めています。警視庁は、婚約中又はこれに準ずる真摯な交際関係を除く旨を説明しています。警視庁の説明/現行の東京都条例

名古屋地裁平成22年2月5日判決:結婚の意思だけでは決められません

この判決は、条例違反について刑事事件の無罪が確定した後、逮捕・起訴等の違法を争った国家賠償請求事件の第一審判決です。妻子のある成人男性と17歳の相手との関係について、結婚の意思がないことだけに着目せず、感情の交流や交際の経緯などを検討すべきであるとしました。結婚を前提としなければ直ちに「淫行」になるという解釈を否定し、その事案の捜査・訴追を違法と判断しています。

これは「既婚者との交際なら許される」という判決ではありません。道徳的な評価と、刑罰法規の要件に当たるかは分けて判断するという点が重要です。事案と当時の条例に即した判断であり、現在の別の事件へ結論をそのまま当てはめることはできません。不貞に伴う民事責任や勤務上の処分等も別の問題です。

出典:名古屋地裁判決原文(PDF・平成19年(ワ)第3946号)。関連解説:事例2020・未成年と性行為した場合の真摯な交際とは、事例1753・淫行と真摯な交際。

最高裁昭和40年4月30日第二小法廷決定:児童への影響力

児童福祉法の「児童に淫行をさせる行為」について、児童の自発的な意思に基づく場合も、事実上の影響力を及ぼして行為を助長・促進すれば対象になり得るとした決定です。保護・指導する立場にある者の行為は、「同意があった」という説明だけでは評価できません。関連QA1127・決定と児童福祉法の解説

実際の判断と弁護士へ相談する意義

双方の年齢や立場、知り合った経緯、日常の交流、相手の意思を尊重していたか、不当な働きかけや金銭との結び付きがなかったかなど、関係の全体を確認します。「何か月付き合えばよい」「親に会えばよい」という一律の基準はありません。弁護士は、既存の連絡履歴などを事実に即して整理し、適用条例と判例を踏まえ、捜査機関への説明や犯罪の成否を争う必要性を検討します。相手に有利な説明を求めたり、記録を作り直したりせず、資料の扱いも相談してください。

この説明は、児童買春や不同意性交等を交際の名目で正当化するものではありません。対償を伴う児童買春、刑法の年齢に基づく規制、不同意の状態、監護・指導関係の利用、児童福祉法違反、画像の製造等は、それぞれの要件で検討します。また、犯罪が成立しない場合と、犯罪は成立しても示談等を考慮して不起訴になる場合も異なります。行為時の法令と具体的な事情について、早期に法律相談を受けてください。

6 2023年の性犯罪改正:16歳と18歳の区別

2023年7月13日施行の改正で、不同意わいせつ罪・不同意性交等罪等の規定が整備されました。16歳未満に対する性的行為には、暴行・脅迫や不同意の状態とは別に、年齢に基づく処罰規定があります。相手が13歳以上16歳未満の場合は、行為者が相手より5年以上前に生まれていることが、この年齢による規定の要件となります。

年齢差が5年未満なら、すべて適法という意味ではありません。不同意に関する要件を満たす場合や、児童買春、条例違反等は別に検討します。16・17歳も児童買春法上の児童であり、「16歳になれば対価を伴う性的行為が許される」との理解は誤りです。

また、わいせつ目的で16歳未満の者に対し、威迫・偽計・誘惑、拒否後の反復、利益の供与・約束等の所定の方法で面会を要求する行為や、その要求によって面会する行為、法定の性的な画像を撮影して送信するよう要求する行為が、刑法182条で規制されています。13歳以上16歳未満についての5年以上の年齢差要件にも注意します。

参照:法務省・性犯罪関係の法改正等Q&A、法務省・2023年改正の説明リーフレット(PDF)。過去の行為には当時の法令と経過措置を確認します。

7 出会い系サイト・SNSの誘引と画像の問題

「インターネット異性紹介事業を利用して児童を誘引する行為の規制等に関する法律」(出会い系サイト規制法)は、法定の事業を利用した禁止誘引行為を規制します。児童に性的行為を持ちかけるなどの6条1号~4号の行為は、実際に会わなくても100万円以下の罰金の対象となります(33条)。対償を示した、性的行為以外の異性交際への誘引も含まれます。6条5号は禁止されていますが、同じ罰則の対象ではありません。

すべてのSNS上のやり取りが、この法律の対象事業を利用した誘引に当たるわけではありません。サイトの機能と運営実態、投稿内容等を確認します。ただし、この法律の対象外でも、刑法の面会要求等や条例の画像要求規制などが問題になります。警視庁・出会い系サイトに関する注意

児童の性的な画像については、製造・提供・公然陳列等に加え、自己の性的好奇心を満たす目的での所持・保管にも罰則があります。画像の内容、取得経緯、目的等で判断され、「送られてきた画像は何でも犯罪」「下着の写真ならすべて児童ポルノ」と一律には説明できません。本人が撮影に同意した場合でも、適法になるとは限りません。

問題となる画像を確認のために第三者へ転送したり、相談フォームやAIにアップロードしたりしないでください。端末の扱いは弁護士・警察に相談し、調査を妨げるための削除・初期化・改変も避けます。被害を受けた方は、画像の拡散防止・削除の相談もできます。

8 警察から連絡が来たとき・逮捕されたとき

  1. 対象を確認する:警察署、担当部署、問題となる日時・行為を確認します。連絡が本物か不安な場合は、公表された警察署の番号で確認します。
  2. 早期に弁護士へ相談する:対償、年齢認識、具体的な行為を分けて整理します。画像以外のやり取り、決済記録、呼出し書類等も相談資料になります。
  3. 事実と推測を分ける:黙秘権があり、供述を強制されるものではありません。調書に違いがあれば訂正を求め、納得できない署名押印を急がないでください。
  4. 児童への直接接触を控える:口裏合わせ、申告の撤回要求、家族・学校への働きかけはしないでください。必要な連絡は弁護士を通じて検討します。

通常、警察による逮捕から48時間以内に送致又は釈放、検察官が受け取ってから24時間以内かつ拘束から通算72時間以内に勾留請求又は釈放となります。勾留は原則請求日から10日間、やむを得ない事由があれば最大10日間の延長があります。別事件や起訴後の勾留は別に検討します。

弁護士は接見、家族との連絡、証拠確認、勾留回避や準抗告等を行い、起訴後は保釈も検討します。在宅捜査や釈放は、事件が終了したことを意味しません。

まだ逮捕されていない段階でも、警察からの呼出しや取調べに備えて継続的に相談し、万一逮捕された場合の初回接見をあらかじめ準備しておくことができます。新銀座法律事務所では、特定の刑事事件についての継続相談と初回接見1回を組み合わせた「接見予約付き継続相談」をご案内しています。

9 示談・被害回復・不起訴と弁護士の役割

児童買春は親告罪ではありません。示談や告訴取消しがあっても、必ず不起訴になるわけではありません。一方、被害への謝罪、適切な賠償、治療・心理的支援への配慮、接触防止、再発防止は重要です。児童の意向と安全を尊重し、保護者等の代理権や利益相反も確認しながら進めます。保護者自身の関与が疑われる場合は、児童の安全確保を優先します。

賠償額は、行為、被害、治療、精神的影響等によって異なり、一律の相場を保証することはできません。支払だけで児童の被害が消えるものでもありません。弁護士は合意内容、連絡方法、支払、今後の接触を整理し、捜査機関へ必要な資料を提出します。被害者に虚偽の説明や申告撤回を約束させることはできません。

処分は、証拠と個別事情に応じて不起訴、略式手続による罰金、正式裁判等に分かれます。略式手続の上限は一般に100万円以下の罰金又は科料であり、児童買春罪の法定罰金上限300万円とは別です。罰金も前科になるため、同意する前に意味を確認します。刑事処分とは別に、仕事や資格への影響も検討が必要です。

再発防止は、問題のある接触の中止、SNS利用の見直し、必要に応じた専門的な治療・支援などを具体化します。争う事件では故意や行為の立証を検討し、認める事件では被害回復と再発防止を進めることが弁護士の役割です。

10 「家族に知らせる」などと金銭を要求された場合

相手方や第三者から高額な金銭を要求されたときは、正当な損害賠償請求なのか、脅迫・恐喝等の疑いがあるのかを区別します。請求額が大きいというだけで美人局と断定できません。自分の行為に関する刑事責任と、相手の請求方法の問題は別です。

その場で送金・署名を急がず、要求の内容、相手の身元・代理権、連絡履歴を弁護士に確認してもらいます。危険が迫る場合は警察へ連絡してください。証拠を消したり、児童に説明を変えるよう求めたりせず、弁護士を通じて対応します。

11 被害を受けた児童と保護者の方へ

金銭を受け取った、会うことに同意した、画像を送ったという事情があっても、被害について相談できます。責められるのが怖くて一人で抱え込む必要はありません。保護者は繰り返し詳しい説明を迫るより、まず子どもの安全と気持ちを守り、警察や専門窓口、弁護士に相談してください。

連絡履歴や日時などは、画像を拡散させない方法で相談先に伝えます。医療・心理的支援、接触防止、画像の削除、損害賠償等は、それぞれの事情に応じて検討できます。東京都の「STOP!青少年のSNS性被害」には法令や被害防止の情報があります。

相談時は、児童の年齢、現在の安全、相手との関係、連絡・要求の内容、警察への相談状況を分かる範囲で伝えてください。加害を疑われる側と被害を受けた側では利害が対立するため、弁護士は受任前に利益相反を確認します。

12 新銀座法律事務所の無料相談

児童買春・条例違反で呼出しを受けた方、家族が逮捕された方、児童の性被害について悩んでいる方は、早めにご相談ください。

0120-48-5791

受付:平日9:00~21:00/土日祝日9:00~18:00

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逮捕されている場合は、警察署名と逮捕日時を最初にお伝えください。無料相談と、接見・示談交渉・弁護人としての活動の依頼は別です。具体的な依頼範囲と費用は、事情を伺ってご案内します。

14 参考法令・公的資料・PDF

情報確認日:2026年10月5日。具体的な処分は、事実関係、行為時の法令、証拠、個別事情によって異なります。