日本版DBSを踏まえた弁護活動

刑事|行政処分|日本版DBS|具体的内容|適用罰条|防止処置等|弁護活動における対策|教員と適正な学校教育の利益対立

質問

私は高校教師ですが、女子生徒と恋愛関係になり性交渉も伴う交際を継続していました。女子生徒の帰宅が遅くなったことがあり、女性生徒の親御さんが私との交際を知り学校に抗議してきました。今後、私はどのように対処したら良いでしょうか。

回答

1、教師として、人間としてどのような対処をすべきかについては、いろいろな考え方があると思われますので、法律的な対処を検討するうえでの問題点について限って回答します。

2、高校教師が、女子高校生と性行為を伴う男女交際をしている場合、適用されうる刑罰法規は、「刑法177条、不同意性交等罪」「刑法179条、監護者性交等罪」「児童買春・児童ポルノ禁止法違反」「都道府県の青少年保護育成条例違反」「児童福祉法違反」などです。それぞれの要件を簡単に解説致します。

3、最初は学校内のトラブルに留まっていたとしても、親御さんが警察に相談するなどして刑事事件化され、有罪判決が確定してしまうと、教育職員等による児童生徒性暴力等防止法(こども性暴力防止法)による、性犯罪歴データベース(いわゆる日本版DBS)へ10年もしくは20年間記録され、学校などでは採用に当たってデータベースへの照会が義務付けられていますので、この期間事実上再就職はできなくなってしまいます。

4、そのため、教師と生徒の交際に不随した問題が発生した場合は、刑罰法規だけでなく、日本版DBSを踏まえた弁護活動が必要となり、民事和解も含めた慎重な対応が必要となります。教師が既婚者であるのか独身であるのか、生徒と教師の年齢差なども影響して参りますので、事案の詳細な整理と分析が必要となります。お困りの場合は、経験のある法律事務所にご相談なさり、迅速に対応されることをお勧め致します。

5、関連事例集1785番、その他参照。

解説

1、教師と生徒の性交渉において適用され得る罰条

(1)刑法177条、不同意性交等罪

刑法176条(不同意わいせつ)

1項 次に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、わいせつな行為をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、六月以上十年以下の拘禁刑に処する。

一号 暴行若しくは脅迫を用いること又はそれらを受けたこと。

二号 心身の障害を生じさせること又はそれがあること。

三号 アルコール若しくは薬物を摂取させること又はそれらの影響があること。

四号 睡眠その他の意識が明瞭でない状態にさせること又はその状態にあること。

五号 同意しない意思を形成し、表明し又は全うするいとまがないこと。

六号 予想と異なる事態に直面させて恐怖させ、若しくは驚愕がくさせること又はその事態に直面して恐怖し、若しくは驚愕していること。

七号 虐待に起因する心理的反応を生じさせること又はそれがあること。

八号 経済的又は社会的関係上の地位に基づく影響力によって受ける不利益を憂慮させること又はそれを憂慮していること。

2項 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、わいせつな行為をした者も、前項と同様とする。

3項 十六歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

刑法177条(不同意性交等)

1項 前条第一項各号に掲げる行為又は事由その他これらに類する行為又は事由により、同意しない意思を形成し、表明し若しくは全うすることが困難な状態にさせ又はその状態にあることに乗じて、性交、肛こう門性交、口腔くう性交又は膣ちつ若しくは肛門に身体の一部(陰茎を除く。)若しくは物を挿入する行為であってわいせつなもの(以下この条及び第百七十九条第二項において「性交等」という。)をした者は、婚姻関係の有無にかかわらず、五年以上の有期拘禁刑に処する。

2項 行為がわいせつなものではないとの誤信をさせ、若しくは行為をする者について人違いをさせ、又はそれらの誤信若しくは人違いをしていることに乗じて、性交等をした者も、前項と同様とする。

3項 十六歳未満の者に対し、性交等をした者(当該十六歳未満の者が十三歳以上である場合については、その者が生まれた日より五年以上前の日に生まれた者に限る。)も、第一項と同様とする。

不同意性交等罪は、暴行・脅迫などを用いて同意しない意思を形成・表明することが困難な状態にさせて性行為を行う罰条ですが(刑法176条1項)、16歳未満の女子生徒に対して、5年以上年長者が性行為した場合は、同意の有無に関わらず既遂となります。心身の発達が不十分な年齢の児童には、性行為等の同意をする能力が未成熟であることから、刑罰法規で保護しているのです。16歳未満の女子生徒の5歳年長は21歳ですから、大学を卒業して教員採用されている行為者は全て適用され得ることになります。

条文上は16歳以上で性行為の同意ができることになりますが、16歳や17歳では、成長過程であることは16歳未満と変わりがありません。捜査機関が捜査を開始した場合は、真意に基づく同意があったのかどうか、18歳以上の成人の場合に比べて、より慎重に判断されることになるでしょう。

不同意性交罪(旧強姦罪)は、2017年(平成29年)刑法改正で非親告罪化され、刑事告訴が無くても警察・検察が事件を認知すれば、捜査および起訴することができるようになっています。また、刑事訴訟法231条1項では「被害者の法定代理人は、独立して告訴をすることができる。」と規定されていますから、本人に告訴する意思がなくても、親御さんの判断で刑事告訴することができますので注意が必要です。

(2)刑法179条、監護者性交等罪

刑法179条(監護者わいせつ及び監護者性交等)

1項 十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条第一項の例による。

2項 十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性交等をした者は、第百七十七条第一項の例による。

本条は、女子生徒を監護する立場にある者が性交等を行った場合に適用され得るものですが、本条の「監護」は、18歳未満の者を、生活全般にわたって現実に保護・監督していることです。単なる年長者、指導者、先生というだけでは足りず、衣食住にわたる継続的な保護・支配・依存関係があることが必要とされています。行為主体は、条文で「現に監護する者」と規定され、しかもその立場から生じる影響力を利用したことが必要です。普通の担任教師がというより、寄宿舎・児童養護施設・里親のように生活全体を預かる立場であることが必要です。ご相談の事例では、生活関係が明確ではありませんが、通常の教師と生徒の関係では原則として適用されないものと考えて良いでしょう。

(3)児童買春・児童ポルノ禁止法違反

児童買春・児童ポルノ禁止法

第2条(定義)

1項 この法律において「児童」とは、十八歳に満たない者をいう。

2項 この法律において「児童買春」とは、次の各号に掲げる者に対し、対償を供与し、又はその供与の約束をして、当該児童に対し、性交等(性交若しくは性交類似行為をし、又は自己の性的好奇心を満たす目的で、児童の性器等(性器、肛門又は乳首をいう。以下同じ。)を触り、若しくは児童に自己の性器等を触らせることをいう。以下同じ。)をすることをいう。

一号 児童

二号 児童に対する性交等の周旋をした者

三号 児童の保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)又は児童をその支配下に置いている者

3項 この法律において「児童ポルノ」とは、写真、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)に係る記録媒体その他の物であって、次の各号のいずれかに掲げる児童の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいう。

一号 児童を相手方とする又は児童による性交又は性交類似行為に係る児童の姿態

二号 他人が児童の性器等を触る行為又は児童が他人の性器等を触る行為に係る児童の姿態であって性欲を興奮させ又は刺激するもの

三号 衣服の全部又は一部を着けない児童の姿態であって、殊更に児童の性的な部位(性器等若しくはその周辺部、臀でん部又は胸部をいう。)が露出され又は強調されているものであり、かつ、性欲を興奮させ又は刺激するもの

第4条(児童買春)児童買春をした者は、五年以下の拘禁刑又は三百万円以下の罰金に処する。

児童買春禁止法4条違反は、18歳未満の児童に対して、対価を供与し、または供与する約束をして、性交または性交類似行為をすることが構成要件となります。ご相談のケースで、お小遣いを渡していた場合や、金銭の授受や約束があれば適用され得ることになります。また、例外的なケースとなりますが、高校の期末試験問題を漏洩したり、成績評価の便宜を図ることを対価として性行為していた場合に、性行為との対価関係が認められれば、本条違反の可能性があります。

(4)都道府県の青少年保護育成条例違反

東京都青少年の健全な育成に関する条例

第1条(目的)この条例は、青少年の環境の整備を助長するとともに、青少年の福祉を阻害するおそれのある行為を防止し、もつて青少年の健全な育成を図ることを目的とする。

第2条(定義)この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

一号 青少年 十八歳未満の者をいう。

二号 図書類 販売若しくは頒布又は閲覧若しくは観覧に供する目的をもつて作成された書籍、雑誌、文書、図画、写真、ビデオテープ及びビデオディスク並びにコンピュータ用のプログラム又はデータを記録したシー・ディー・ロムその他の電磁的方法による記録媒体並びに映写用の映画フィルム及びスライドフィルムをいう。

三号 自動販売機等 物品の販売又は貸付けに従事する者と客とが直接に対面(電気通信設備を用いて送信された画像によりモニター画面を通して行うものを除く。)をすることなく、販売又は貸付けをすることができる自動販売機又は自動貸出機をいう。

四号 広告物 屋内又は屋外で公衆に表示されるものであつて、看板、立看板、はり紙及びはり札並びに広告塔、広告板、建物その他の工作物に掲出され、又は表示されたもの並びにこれらに類するものをいう。

第18条の6(青少年に対する反倫理的な性交等の禁止)何人も、青少年とみだらな性交又は性交類似行為を行つてはならない。

第24条の3(罰則)第十八条の六の規定に違反した者は、二年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。

各都道府県によって条文が多少異なりますが、概ね18歳未満の青少年(女子生徒を含む)との淫行が処罰される条項となっています。

(最高裁昭和60年10月23日・福岡県青少年健全育成条例違反事件)

「「淫行」とは、広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当である。」

最高裁判例によれは,処罰の対象とするには,当該行為が単に反倫理的かつ不純な性行為というだけでは不十分であって,青少年の未成熟に乗じた不当な手段により行う等の悪質な態様でなければなりません。その為,「例えば婚約中の青少年又はこれに準ずる真摯な交際関係にある青少年との間で行われる性行為等」については,処罰の対象とはなりません。これは、憲法31条の適正手続保障の趣旨や、罪刑法定主義の要請を踏まえ、刑罰法規が過度に広汎又は不明確に解釈・適用されることを避けるため、最高裁が条例の趣旨に即して『淫行』の意味を限定解釈したものです。刑罰法規が恣意的に解釈・適用されると、国民の自由や権利を不当に侵害するおそれがあるからです。

本件でも、仮に相手の女子生徒との真摯な交際関係が存在すれば、「みだらな性交」には該当しない可能性はあります。しかし、あなたが既婚者で、年齢も離れており、正式な婚約や婚姻関係に発展する可能性が低く、高校卒業後に一方的に交際関係を解消するなど男性側に身勝手な態度がある場合は、淫行とされる可能性が高くなります。

(5)児童福祉法違反

第1条 全て児童は、児童の権利に関する条約の精神にのつとり、適切に養育されること、その生活を保障されること、愛され、保護されること、その心身の健やかな成長及び発達並びにその自立が図られることその他の福祉を等しく保障される権利を有する。

第34条1項 何人も、次に掲げる行為をしてはならない。

六号 児童に淫行をさせる行為

第60条1項 第三十四条第一項第六号の規定に違反したときは、当該違反行為をした者は、十年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

児童福祉法34条1項6号、60条1項で、「児童に淫行をさせる行為」が、10年以下の拘禁刑若しくは300万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する、とされています。ここでいう「児童」とは、18歳未満の者をいいます。したがって、高校生であっても18歳未満であれば、本条の保護対象となります。本条は、18歳未満の児童の健全育成を保護法益とし、行為者が児童に対する事実上の影響力を利用して性交又は性交類似行為を助長・促進した場合に適用される規定です。とりわけ、教師と生徒の関係のように、年齢差に加えて教育上・心理上の優越的地位が認められる場面では、児童の意思決定がその影響を強く受けやすいため、本条該当性は慎重かつ実質的に判断されることになります。

https://www.courts.go.jp/assets/hanrei/hanrei-pdf-85960.pdf

最高裁判所平成28年6月21日判決

「児童福祉法34条1項6号にいう「淫行」とは,同法の趣旨(同法1条)に照らし,児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又はこれに準ずる性交類似行為をいうと解するのが相当であり,児童を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような者を相手とする性交又はこれに準ずる性交類似行為は,同号にいう「淫行」に含まれる。

そして,同号にいう「させる行為」とは,直接たると間接たるとを問わず児童に対して事実上の影響力を及ぼして児童が淫行をなすことを助長し促進する行為をいうが(最高裁昭和39年(あ)第2816号同40年4月30日第二小法廷決定・裁判集刑事155号595頁参照),そのような行為に当たるか否かは,行為者と児童の関係,助長・促進行為の内容及び児童の意思決定に対する影響の程度,淫行の内容及び淫行に至る動機・経緯,児童の年齢,その他当該児童の置かれていた具体的状況を総合考慮して判断するのが相当である。」

「淫行」とは、単に18歳未満の者との性交等があれば当然に常に成立するという意味ではありません。最高裁は、児童福祉法34条1項6号にいう「淫行」とは、同法の趣旨に照らし、児童の心身の健全な育成を阻害するおそれがあると認められる性交又はこれに準ずる性交類似行為をいうとし、さらに、児童を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱っているとしか認められないような者を相手とする性交又は性交類似行為は、これに含まれると判示しています。

また、本条は「児童に淫行をさせる行為」を処罰する規定であるため、単に行為者が淫行の相手方になっただけで足りるのかが問題となります。この点について最高裁は、「させる行為」とは、直接であるか間接であるかを問わず、児童に対して事実上の影響力を及ぼし、児童が淫行をすることを助長し又は促進する行為をいうとしています。そして、その該当性は、行為者と児童との関係、助長・促進行為の内容、児童の意思決定に対する影響の程度、淫行の内容や経緯、児童の年齢その他の具体的状況を総合考慮して判断するとされています。

したがって、例えば、高校教師が18歳未満の女子生徒に対し、恋愛感情を推認させるようなメールや手紙などのやり取りがあったとしても、その立場上の影響力を背景にして性的関係を持った場合には、単なる自由な交際関係であったと直ちにみるのではなく、教師という立場が生徒の意思決定にどのような影響を与えたかが慎重に判断されます。成績評価、進路指導、生活指導、部活動指導などを通じて心理的な支配や従属性が認められる場合には、教師が生徒に対して事実上の影響力を及ぼし、淫行を助長・促進したとして、本条に該当する可能性があります。最高裁も、高校の常勤講師が16歳の女子生徒と性的接触を開始し、ほどなくホテルで性交に及んだ事案につき、単に相手方になったにとどまらず、児童に対して事実上の影響力を及ぼして淫行を助長・促進した行為に当たると判断しています。

(6)罪数関係

刑法177条不同意性交罪と179条監護者性交等罪は、特別法の関係にありますから法条競合として、179条の要件を満たしている場合は179条が成立し、177条の要件のみ満たしている場合は177条の罪責のみ問われることになります。

ひとつの性行為が、不同意性交罪、児童買春禁止法、児童福祉法、青少年保護育成条例に違反している場合は、観念的競合と言って、それぞれの犯罪が成立し、最も重い罪で処分されることになります(刑法54条1項「一個の行為が二個以上の罪名に触れ、又は犯罪の手段若しくは結果である行為が他の罪名に触れるときは、その最も重い刑により処断する。」)。これらの条文で最も法定刑が重いのは不同意性交罪ですが、検察官には起訴裁量(刑事訴訟法248条)がありますし、各構成要件の立証難易度などから判断して、また事案の性質に照らして、児童福祉法違反で起訴することもあります。

他方、女子生徒の淫らな写真を撮影していた場合は、性行為と写真撮影は密接必然の関係に無いため児童ポルノ製造罪が成立し、これは併合罪(刑法45条)として処分されることになります。この場合、有期拘禁刑については、最も重い罪について定めた刑の長期にその2分の1を加えた範囲内で処断され、罰金刑については各罪の罰金額の上限を合計した額以下で処断されます。

事案詳細が分かりませんが、ご相談の事例では、青少年保護育成条例違反や、児童福祉法の淫行処罰規定を中心に捜査機関や検察官は起訴の可能性を検討するものと思われます。

2、日本版DBS

児童の性被害事案の深刻化を受けて、令和6年6月に、こども性暴力防止法(学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律)が成立し、令和8年、2026年12月25日より施行されることが決まりました。イギリスなどで施行されている、前歴開示・前歴者就業制限機構(DisclosureandBarringService)の考え方に基づく規制が導入されるため、日本版DBSとも呼ばれています。

親御さんが警察に相談するなどして刑事事件化されてしまうと、教育職員等による児童生徒性暴力等防止法(こども性暴力防止法)による、性犯罪歴データベース(いわゆる日本版DBS)へ10年もしくは20年間記録され、学校などでは採用に当たってデータベースへの照会が義務付けられていますので、この期間事実上再就職はできなくなると思われます。

制度概要を解説致します。

※こども家庭庁の解説ページ

https://www.cfa.go.jp/policies/child-safety/efforts/koseibouhou

(1)法律上の義務を負う事業主体

学校教育法上の学校や児童福祉施設などの義務事業者(こども性暴力防止法2条3項)と、学習塾、放課後児童クラブなどの民間認定事業者(2条5項)が規定されています。

事業者が行う各事業・業務が、児童等との関係で、①支配性、②継続性、③閉鎖性を有するかどうかにより、対象事業や業務が規定されています。

特に、認可保育園、幼稚園、小学校、中学校、高校など、児童の生活の中心に関わる事業者については、義務事業者として指定し、認可外保育施設、放課後クラブや学習塾や習い事教室などは、民間事業者の営業の自由(業務の多様性)も考慮して、認定を受けた事業者に限り安全確保措置を行うものとされています。

義務事業者の例

幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校、専修学校(高等課程)

幼保連携型認定こども園、児童相談所、指定障害児入所施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所、児童館、児童養護施設、障害児入所施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、指定障害児通所支援事業所、乳児等通園支援事業所、

家庭的保育事業所、登録一時保護委託者

認定事業者の例(民間事業者)

専修学校(一般課程)、学校教育に類する教育を行う各種学校、

児童等に対して技芸又は知識の教授を行う事業であって、次に掲げる要件を満たすもの(民間教育事業)

イ 当該技芸又は知識を習得するための標準的な修業期間が6月以上

ロ 児童等に対して対面による指導を行うものであること

ハ 当該事業を営む者の事業所等において指導を行うものであること

ニ 当該事業において当該技芸又は知識の教授を行う者の人数が3人以上

児童発達支援を行う事業、放課後等デイサービスを行う事業

居宅訪問型児童発達支援を行う事業、保育所等訪問支援を行う事業

児童自立生活援助事業、放課後児童健全育成事業

子育て短期支援事業、一時預かり事業

小規模住居型児童養育事業、病児保育事業

意見表明等支援事業、妊産婦等生活援助事業

児童育成支援拠点事業、認可外保育事業、指定障害福祉サービス事業

(2)法律上求められる措置

 初犯防止対策や再犯防止対策などの「安全確保措置」

 性暴力のおそれが認められる場合の「防止措置」

 教員や塾講師などを採用する場合に特定性犯罪前科等の確認を行う「情報管理措置」。

初犯防止対策=

 服務規律等のルール作り、環境整備、保護者・児童等への周知・啓発

 性暴力等のおそれの早期把握のための児童等との面談等(5条1項)

 児童等が相談を行いやすくするための相談体制を整える措置(5条2項)

 被害が疑われる場合の調査義務(7条1項)

 被害児童等の保護・支援(7条2項)

 児童対象性暴力等の防止に対する関心を高めるとともに、そのために取り組むべき事項に関する理解を深めるための研修(8条)。

再犯防止対策=

 児童等に接する業務の従事者に関して、雇い入れ、配置転換などの際に特定性犯罪前科の有無をデータベースに照会して確認することが必要。罰金刑の場合は刑の終了から10年、懲役禁固刑の場合は刑の終了から20年間確認されます。

 特定性犯罪前科が判明した場合は、「その者を教員等としてその本来の業務に従事させないことその他の児童対象性暴力等を防止するために必要な措置」を講ずる義務を生じます(6条)。要するに、不採用になったり、解雇されたりするということです。憲法に定められた「職業選択の自由(日本国憲法第22条第1項)」が制限を受けている形となりますが、児童の健全な養育という行政目的があり、これを実現するための合理的な制約が立法裁量の範囲内で立法化されたと考えることができますので、これらの措置が違憲無効または取り消しとなる可能性は低いものと考えられます。

確認のタイミングは、新たに教員等としてその本来の業務に従事させようとする時(4条1項)、法律施行時の学校等の現職者については法律施行から3年以内(4条3項)、民間教育保育等事業者の従事者については認定等から1年以内(26条3項)、既に確認を行った者については5年に一度再確認(4条4項)。

防止措置=

 学校設置者等は、犯罪事実確認に係る者について、その犯罪事実確認の結果、早期把握のための面談等の措置により把握した状況、児童等からの相談の内容その他の事情を踏まえ、その者による児童対象性暴力等が行われるおそれがあると認めるときは、その者を教員等としてその本来の業務に従事させないことその他の児童対象性暴力等を防止するために必要な措置を講じなければならない(6条)。具体的には、一時的な自宅待機や、配置転換などにより児童と接触する業務に就かせない対応が考えられます。採用前に特定性犯罪前科が確認された場合は、採用されないこととなるでしょう。採用後に、児童と接触しない業務を継続することが困難と合理的に判断できる場合は、解雇処分も考えられるでしょう。 

情報管理措置=

 特定性犯罪等前科の確認を行う者は、「犯罪事実確認記録等の管理責任者」を設置して、前科記録等の適正な管理に努めなければならない(11条、14条)。

 特定性犯罪等前科の情報は、利用目的が制限され、第三者への提供が禁止される(12条)。

 情報漏えいその他の犯罪事実確認記録等の管理が適正に行われていないと認められる事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものが生じた場合の内閣総理大臣への報告義務(13条)。

 犯罪事実確認記録等の廃棄や消去手続き「犯罪事実確認書受領者等は、犯罪事実確認書に記載された確認日から起算して五年を経過した日の属する年度の末日から起算して三十日を経過する日までに、当該犯罪事実確認書の犯罪事実確認記録等を廃棄し及び消去しなければならない。」(38条)。

 情報の秘密保持義務「犯罪事実確認書受領者等若しくはその職員若しくは従業者又はこれらであった者は、その業務に関して知り得た犯罪事実確認書に記載された情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。」(39条)。

(3)特定性犯罪前科(こども性暴力防止法2条7項)

刑法176条 不同意わいせつ罪

刑法177条 不同意性交等罪

刑法179条 監護者わいせつ罪、監護者性交罪

刑法182条 十六歳未満の者に対する面会要求罪

なお、刑法174条の公然わいせつ罪、刑法175条のわいせつ物頒布罪は、特定性犯罪前科には含まれておりませんが、採用にあたって前科の申告義務には含まれておりますので、前科が判明した場合は同様に採用されないことになると思われます。

児童福祉法第60条1項の児童淫行罪

児童買春、児童ポルノ禁止法違反

性的な姿態を撮影する行為等の処罰法違反(盗撮罪、記録提供罪、送信罪等)

迷惑防止条例違反(盗撮、痴漢)

青少年保護育成条例違反(未成年者淫行罪)

いずれも、刑事裁判で有罪確定した事実であり、被害届を提出された事実や、捜査機関が事件認知して取り調べを受けた事実、逮捕された事実、不起訴所部員を受けた事実は含まれません。

(4)前科が記録される期間、および照会手続き

法2条8項で、次のように規定されています。

実刑判決=刑期満了から20年(仮釈放の有無に関わらず)

執行猶予判決=判決確定から10年

罰金刑判決=納付日から10年

こども性暴力防止法における特定性犯罪前科の照会は、対象事業者が従事者本人について直接警察や法務省に照会する仕組みではなく、対象事業者の申請に基づき、内閣府こども家庭庁を経由して法務省に照会し、その結果を「犯罪事実確認書」という形で受け取る仕組みとされています。法律上は、犯罪事実確認書の交付申請が法33条、こども家庭庁から法務大臣への照会とその回答が法34条、犯罪事実確認書の交付が法35条、訂正請求が法37条に定められています。前科情報のデータベースは法務省が所管し、こども家庭庁が申請を受けて取り次いで対象事業者に対して「犯罪事実確認書」を発行する形です。犯罪事実確認書の発行名義は内閣総理大臣ですが、法務省に対する照会や発行手続き全般を「内閣府子ども家庭庁長官」が実務上委任されています(法42条)。

まず、学校設置者等や認定事業者等のうち、法令上「犯罪事実確認」を行うべき立場にある対象事業者は、採用内定者や現職者など、対象業務に従事させる者について、こども家庭庁に対して犯罪事実確認書の交付申請を行います(法33条)。この内定は、犯罪事実確認手続きを行い特定性犯罪前科が記録されていないと確認されることが条件となるでしょう。申請に当たっては、申請対象となる従事者本人から、氏名・住所・生年月日などの情報のほか、戸籍関係書類等を国に提出させる建付けになっており、日本国籍を有する者については紙の戸籍謄本に代えて、戸籍電子証明書提供用識別符号等(マイナポータルまたは市区町村窓口で取得できる16桁のパスワード)による提出方法も予定されています。

つぎに、こども家庭庁が法務省に対して特定性犯罪前科の有無等を照会します(法34条)。照会される「本人特定情報」は、氏名(変更があった者については変更前の全ての氏名と変更年月日を含む)、出生年月日、本籍などと定義されていますので、養子縁組や氏の変更をしても前科確認から逃れることはできません。こども家庭庁が受け取った本人特定情報や戸籍情報等をもとに法務大臣に確認を求め、法務大臣は、犯罪事実確認書を作成するために必要な事項をこども家庭庁に通知します。①事業者が申請し、②本人が戸籍情報を提出し、③こども家庭庁が法務省に照会し、④法務省がこども家庭庁に回答する、という流れです。

その結果、特定性犯罪事実該当者に該当しない場合には、こども家庭庁は、申請をした対象事業者に対し、該当しない旨を記載した犯罪事実確認書を交付します(法35条)。これに対し、特定性犯罪事実該当者に該当すると認められる場合には、いきなり事業者へ交付するのではなく、まずこども家庭庁が従事者本人に対し、犯罪事実確認書に記載予定の内容を事前通知しなければならないとされています。

この事前通知を受けた本人には、通知を受けた日から2週間以内に訂正請求をする機会が保障されています(法37条)。万が一にも誤った前科情報の通知が行われないようにする手続き保障です。本人が通知内容は事実でないと考えるときは、こども家庭庁に対して訂正請求をすることができ、こども家庭庁は必要に応じて法務大臣に再確認を求め、法務大臣は誤りがあれば訂正通知を行う仕組みです。したがって、前科ありの場合は、本人の訂正機会を経ずに直ちに事業者へ結果が渡るわけではありません。

そして、本人が2週間以内に訂正請求をしないまま期間が経過した場合には、こども家庭庁は事業者に対し、特定性犯罪事実該当者である旨を記載した犯罪事実確認書を交付します。他方、訂正請求期間中に本人が内定辞退等をした場合には、事業者に対する交付をしない取扱いとなっています。

さらに、この制度では、照会結果を受け取った後の情報管理にも厳しい規律があります。対象事業者は、犯罪事実確認書やその記載内容に関する記録を適正に管理しなければならず、目的外利用や第三者提供も厳しく制限されます。法11条、14条、20条1項6号、27条1項・2項がその根拠条文であり、ガイドラインでも、原則として画面閲覧方式とし、内容の記録・保存は極力避けるべきことが示されています。

また、国側では犯罪事実確認書管理簿を作成し、申請や通知の経過を管理することとされており(法36条)、不正な前科照会を防止する措置が規定されています。事業者側でも、犯罪事実確認の実施状況について帳簿の備付け・保存や定期報告義務が課され、違反には罰則も設けられています。

最後に、事業者が保有する犯罪事実確認書等は、永久保存できるものではありません。法38条は、確認日から5年を経過した日の属する年度の末日から30日以内に廃棄・消去しなければならないと定めており、離職時にも一定の場合には30日以内の廃棄・消去が必要とされています。つまり、この制度は、前科照会を認める一方で、取得した情報の保有・利用を必要最小限に抑える構造になっています。

3、日本版DBSを踏まえた弁護活動

 このように、令和8年12月25日以降は、教師の(再)就職時に前科情報の照会が行われることが予定されていますから、教師と女子生徒の淫行については、児童福祉法違反や青少年保護育成条例の淫行処罰規定の法定刑(短期懲役刑や罰金刑)のみを考えて弁護活動を行うことは得策ではありません。有罪判決が確定した場合は、初犯で執行猶予がついても、また、罰金刑であったとしても、最低10年間は学校への再就職の道は事実上とざされてしまうと覚悟しなければなりません。学習塾などへの再就職も、認定を受ける大手塾や、講師3名以上の認定事業者でも、特定性犯罪前科の照会が行われますから、同じように再就職はできないでしょう。

 教師と生徒の交際に不随した問題が発生した場合は、刑罰法規だけでなく、日本版DBSを踏まえた弁護活動が必要となり、民事和解も含めた慎重な対応が必要となります。通常の刑事事件であれば、起訴が避けられない場合でも、実刑回避を目指して情状弁護を行うこともありますが、教職員の淫行事件では、執行猶予判決であっても有罪判決が確定してしまえば、社会復帰が極めて困難となってしまいます。通常の刑事事件とは全く異なる事案であることを認識することが必要です。

刑事事件の事件発覚からDBS搭載までの手続きの流れを御案内致します。

被害者家族より警察署への被害申告

警察による事件認知

内偵捜査(逮捕・勾留にむけた証拠収集)

逮捕と同時に家宅捜索(PCやスマホデータ、SNSのサーバー情報取得)

送検、検事調べ

起訴・公判

第一審有罪判決(地方裁判所、平均審理期間1年程度)

控訴審判決(高等裁判所、平均審理期間半年程度)

上告申し立て(最高裁判所、平均審理期間3か月程度)

上告棄却・判決確定

特定性犯罪前科データベースへの搭載

 これらの段階のどこかで手続きを止めることができれば、DBSへの搭載を回避することができますが、刑事裁判が始まってしまうと事実上極めて困難な状態と言わざるを得ません。

 あなたが既婚者であるのか、独身であるのかによって事情は異なります。それぞれのケースで対応方法を御案内致します。

(1)あなたが独身の場合

 あなたが独身の場合で、例えば年齢差が10歳未満である場合などは、青少年保護育成条例違反や児童福祉法違反との関係では、グレーゾーンとなる可能性があります。前記の昭和60年最高裁判決に示されている通り、「淫行」とは、広く青少年に対する性行為一般をいうものと解すべきではなく、青少年を誘惑し、威迫し、欺罔し又は困惑させる等その心身の未成熟に乗じた不当な手段により行う性交又は性交類似行為のほか、青少年を単に自己の性的欲望を満足させるための対象として扱つているとしか認められないような性交又は性交類似行為をいうものと解するのが相当である、とされているからです。年齢が近接している男女の真摯な交際は、性行為を伴うものであって、刑罰法規違反に問われない可能性があるのです。この点は、捜査機関も検察官も慎重に捜査することになるでしょう。

 起訴前弁護を弁護士が受任した場合は、真摯な交際があったことを詳細に丁寧に主張立証していくことになります。親御さんが立腹しており、警察への被害申告もしている場合は、なかなか直接連絡することは難しいですが、代理人弁護士を介して、謝罪の手紙を差し入れるなどして、誤解があるなら、それを解消できるように最大限努力すべきです。同時に、捜査機関に対しても、これらの弁護活動を詳細に説明し、当人同士の話し合いが十分できるまで、刑事処分や送検を留保するよう申し入れを行います。話し合いの状況を随時、捜査機関にも説明することになります。

 親御さんへの説明が奏功して、男女関係の交際を親御さんが理解して、しばらく様子を見る、というような意思表明を頂ければ、その事情を警察・検察に提出して、刑事事件化することを未然に防ぐことができる場合もあります。あるいは、交際を解消するにしても、親御さんとしても一時は真摯な交際があったことを認め、教師側が和解金を支払って、被害者は加害者を宥恕し、今後一切異議申し立てしないというような合意が成立できれば、それを提出することもできます。

(2)あなたが既婚者の場合

 あなたが既婚者であっても、別居していたり、離婚調停中であったりするなど、夫婦関係が破綻しており、女子生徒との交際は真摯な交際であったと主張し得るものであれば、独身者の場合同様に真摯な交際を主張することが必要となりますが、あなたが既婚者で、女子生徒と年齢も離れており、夫婦関係も破綻していない場合、前記のような独身者の真摯な交際を主張することは困難な場合が多いでしょう。

 そのような場合は、被害者への謝罪申し入れ(謝罪文の交付)と、民事被害弁償の提示を行う対策が考えられます。被害弁償の提示は、民事裁判などで認められる損害賠償額をベースに考えるのが原則ですが、10年間もしくは20年間の教職員への再就職ができなくなってしまうことを考慮すれば、弁済可能な範囲で多少増額して提示することも考えられるでしょう。

 青少年保護育成条例違反や児童福祉法違反の淫行処罰規定は、具体的な被害者である女子生徒の心身の健全な発達を害し、またその保護者に大きな精神的打撃を与えるという意味で、個人的法益を侵害する側面を有していますが、刑法学においては、これらの犯罪は社会的法益に関する犯罪として分類されています。これらの規定が単に個々の被害者の利益だけを守るためのものではなく、青少年一般を性的搾取や有害な環境から保護し、その健全な育成を確保するという社会全体の利益を守ることを目的としているからです。個別の被害の発生にとどまらず、青少年の健全育成という社会的秩序・社会的基盤そのものを保護しようとする刑罰法規とされています。

 従って、窃盗罪などのように純粋に個人的法益に属する刑罰法規とは事情は異なり、被害弁償の完遂や、被害届の取り下げがあっても検察官は起訴する判断をすることもできますが、公判維持の観点から、被害者が示談して刑事裁判を希望しないということであれば、刑事裁判の立証に差し支えるおそれが出てきますので、多くのケースで不起訴処分を得ることが期待できます。

 刑罰法規の条文や刑事裁判例では、淫行かそうでないか結論を出さなければなりませんので最終的に二者択一の議論となってしまうのですが、実際の事件では、そのように単純に割り切れないことも多いものです。謝罪の意思は伝えた上で、その事情を丁寧に説明することが大切です。女子生徒と親御さんに謝罪の意思を伝え、適切な被害弁償を行い、民事和解を成立させることができれば、女子生徒側としても、これ以上刑事裁判などに時間を取られることもなく、前向きに事件を乗り越えることができるでしょう。親御さんが、すぐに加害者の社会復帰を望まない場合には、例えば被害女性が成人するまで、教職員への再就職を差し控える、というような和解条項を入れることもあります。これは日本版DBSに搭載されてしまう刑事有罪判決確定の場合とは異なり、当事者間の任意の合意です。和解交渉には様々な方法や手段がありますから、よく話し合って粘り強く協議を続けることが大切です。

 お困りの場合は、同種事案に経験のある弁護士事務所にご相談なさり、迅速に行動されることをお勧めいたします。

参考条文

こども性暴力防止法(学校設置者等及び民間教育保育等事業者による児童対象性暴力等の防止等のための措置に関する法律)

第一章 総則

(目的)

第一条 この法律は、児童対象性暴力等が児童等の権利を著しく侵害し、児童等の心身に生涯にわたって回復し難い重大な影響を与えるものであることに鑑み、児童等に対して教育、保育等の役務を提供する事業を行う立場にある学校設置者等及び民間教育保育等事業者が教員等及び教育保育等従事者による児童対象性暴力等の防止等をする責務を有することを明らかにし、学校設置者等が講ずべき措置並びにこれと同等の措置を実施する体制が確保されている民間教育保育等事業者を認定する仕組み及び当該認定を受けた民間教育保育等事業者が講ずべき措置について定めるとともに、教員等及び教育保育等従事者が特定性犯罪事実該当者に該当するか否かに関する情報を国が学校設置者等及び当該認定を受けた民間教育保育等事業者に対して提供する仕組みを設けることとし、もって児童等の心身の健全な発達に寄与することを目的とする。

(定義)

第二条 この法律において「児童等」とは、次に掲げる者をいう。

一 教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律(令和三年法律第五十七号)第二条第二項に規定する児童生徒等

二 前号に掲げる者のほか、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第百十五条に規定する高等専門学校の第一学年から第三学年まで又は第三項第一号ロに規定する専修学校に在学する者

2 この法律において「児童対象性暴力等」とは、教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律第二条第三項に規定する児童生徒性暴力等及び前項第二号に掲げる者に対して行われるこれに相当する行為をいう。

3 この法律において「学校設置者等」とは、次に掲げる者をいう。

一 次に掲げる施設(以下「学校等」という。)を設置する者

イ 学校教育法第一条に規定する学校(同法第八十三条に規定する大学を除く。次項第一号において同じ。)

ロ 学校教育法第百二十四条に規定する専修学校(同法第百二十五条第一項に規定する高等課程に係るものに限る。)

ハ 就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(平成十八年法律第七十七号。ニ及び次項第四号並びに第十二条第四号において「認定こども園法」という。)第二条第七項に規定する幼保連携型認定こども園(次項第三号において「幼保連携型認定こども園」という。)

ニ 認定こども園法第三条第一項又は第三項の認定を受けた施設及び同条第十項の規定による公示がされた施設

ホ 児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第十二条第一項に規定する児童相談所(次項第五号において「児童相談所」という。)

ヘ 児童福祉法第二十四条の二第一項に規定する指定障害児入所施設等(次項第六号において「指定障害児入所施設等」という。)

ト 児童福祉法第三十七条に規定する乳児院(次項第七号において「乳児院」という。)

チ 児童福祉法第三十八条に規定する母子生活支援施設(次項第八号において「母子生活支援施設」という。)

リ 児童福祉法第三十九条に規定する保育所(次項第九号において「保育所」という。)

ヌ 児童福祉法第四十条に規定する児童館(次項第十号において「児童館」という。)

ル 児童福祉法第四十一条に規定する児童養護施設(次項第十一号において「児童養護施設」という。)

ヲ 児童福祉法第四十二条に規定する障害児入所施設(同法第二十四条の二第一項に規定する指定障害児入所施設を除く。次項第十二号において「障害児入所施設」という。)

ワ 児童福祉法第四十三条の二に規定する児童心理治療施設(次項第十三号において「児童心理治療施設」という。)

カ 児童福祉法第四十四条に規定する児童自立支援施設(次項第十四号において「児童自立支援施設」という。)

二 次に掲げる事業(以下「児童福祉事業」という。)を行う者

イ 児童福祉法第六条の二の二第一項に規定する障害児通所支援事業であって、同法第二十一条の五の三第一項の規定による指定を受けた者が行うもの(次項第十五号及び第五項第四号から第七号までにおいて「指定障害児通所支援事業」という。)

ロ 児童福祉法第六条の三第二十三項に規定する乳児等通園支援事業(次項第十六号において「乳児等通園支援事業」という。)

ハ 児童福祉法第二十四条第二項に規定する家庭的保育事業等(次項第十七号において「家庭的保育事業等」という。)

三 児童福祉法第三十三条第一項第一号に規定する登録一時保護委託者(次項第十八号において「登録一時保護委託者」という。)

4 この法律において「教員等」とは、次に掲げるものをいう。

一 学校教育法第一条に規定する学校の教職員のうち、次に掲げるもの

イ 校長、園長、副校長、副園長及び教頭

ロ 主幹教諭、指導教諭、主務教諭、教諭、助教諭、養護教諭、養護助教諭、栄養教諭、講師、実習助手、寄宿舎指導員、教授、准教授及び助教

ハ ロに掲げる教職員の業務に類する業務を行う職員として内閣府令で定めるもの

二 前項第一号ロに規定する専修学校の校長、教員及び教員の業務に類する業務を行う職員として内閣府令で定めるもの

三 幼保連携型認定こども園の教職員のうち、次に掲げるもの

イ 園長、副園長及び教頭

ロ 主幹保育教諭、指導保育教諭、主務保育教諭、主幹養護教諭、主務養護教諭、主幹栄養教諭、主務栄養教諭、保育教諭、助保育教諭、講師、養護教諭、養護助教諭及び栄養教諭

ハ ロに掲げる教職員の業務に類する業務を行う職員として内閣府令で定めるもの

四 前項第一号ニに掲げる施設の長及び当該施設の従業者のうち子ども(認定こども園法第二条第一項に規定する子どもをいう。)の教育又は保育に関する業務を行うもの

五 児童相談所の所長及び児童相談所の従業者のうち児童(児童福祉法第四条第一項に規定する児童をいう。以下この条において同じ。)の指導又は一時保護に関する業務を行うもの

六 指定障害児入所施設等の長並びに指定障害児入所施設等の従業者のうち障害児(児童福祉法第四条第二項に規定する障害児をいう。以下この条において同じ。)に対する保護、日常生活における基本的な動作及び独立自活に必要な知識技能の習得のための支援又は治療に関する業務を行うもの

七 乳児院の長及び乳児院の従業者のうち児童福祉法第三十七条に規定する乳児の養育に関する業務を行うもの

八 母子生活支援施設の長及び母子生活支援施設の従業者のうち児童の保護又は生活の支援に関する業務を行うもの

九 保育所の長及び保育所の従業者のうち児童の保育に関する業務を行うもの

十 児童館の長及び児童館の従業者のうち児童の遊びの指導に関する業務を行うもの

十一 児童養護施設の長及び児童養護施設の従業者のうち児童の養護に関する業務を行うもの

十二 障害児入所施設の長及び障害児入所施設の従業者のうち障害児に対する児童福祉法第四十二条各号に定める支援に関する業務を行うもの

十三 児童心理治療施設の長及び児童心理治療施設の従業者のうち児童の心理に関する治療又は生活指導に関する業務を行うもの

十四 児童自立支援施設の長及び児童自立支援施設の従業者のうち児童の指導又は自立の支援に関する業務を行うもの

十五 指定障害児通所支援事業を行う事業所の管理者及び指定障害児通所支援事業に従事する者であって次のイからニまでに掲げるもののうち当該イからニまでに定めるもの

イ 児童福祉法第六条の二の二第二項に規定する児童発達支援(次項第四号において「児童発達支援」という。)に従事する者 障害児に対する同条第二項の内閣府令で定める便宜の供与又は同項に規定する治療に関する業務を行う者

ロ 児童福祉法第六条の二の二第三項に規定する放課後等デイサービス(次項第五号において「放課後等デイサービス」という。)に従事する者 障害児に対する同条第三項の便宜の供与に関する業務を行う者

ハ 児童福祉法第六条の二の二第四項に規定する居宅訪問型児童発達支援(次項第六号において「居宅訪問型児童発達支援」という。)に従事する者 障害児に対する同条第四項の内閣府令で定める便宜の供与に関する業務を行う者

ニ 児童福祉法第六条の二の二第五項に規定する保育所等訪問支援(次項第七号において「保育所等訪問支援」という。)に従事する者 障害児に対する同条第五項の便宜の供与に関する業務を行う者

十六 乳児等通園支援事業を行う事業所の管理者及び乳児等通園支援事業に従事する者のうち児童福祉法第六条の三第二十三項に規定する乳児又は幼児の遊び又は生活の支援に関する業務を行うもの

十七 家庭的保育事業等を行う事業所の管理者及び家庭的保育事業等に従事する者のうち児童の保育に関する業務を行うもの

十八 登録一時保護委託者が一時保護を行う施設(第十六条第一項及び第三十三条第三項第三号において「登録一時保護委託施設」という。)の管理者及び当該一時保護の業務に従事する者

5 この法律において「民間教育保育等事業者」とは、次に掲げる事業(以下「民間教育保育等事業」という。)を行う者をいう。

一 学校教育法第百二十四条に規定する専修学校(同法第百二十五条第一項に規定する一般課程に係るものに限る。)又は同法第百三十四条第一項に規定する各種学校における児童等を専ら対象とする学校教育に類する教育を行う事業

二 学校教育法第一条に規定する学校以外の教育施設で学校教育に類する教育を行うもののうち当該教育を行うにつき同法以外の法律に特別の規定があるものにおける学校教育法第五十条に規定する高等学校の課程に類する教育を行う事業であって、内閣府令で定めるもの

三 学校等における教育及び前二号に掲げる事業のほか、児童等に対して技芸又は知識の教授を行う事業であって、次に掲げる要件を満たすもの(次項第三号において「民間教育事業」という。)

イ 当該技芸又は知識を習得するための標準的な修業期間が、六月以上であること。

ロ 児童等に対して対面による指導を行うものであること。

ハ 当該事業を営む者の事業所その他の当該事業を営む者が当該事業を行うために用意する場所において指導を行うものであること。

ニ 当該事業において当該技芸又は知識の教授を行う者の人数が、児童対象性暴力等を防止し及び児童対象性暴力等が行われた場合に児童等を保護するための措置を講ずるために必要な人数その他の事情を勘案して政令で定める人数以上であること。

四 児童発達支援を行う事業(指定障害児通所支援事業に係るものを除く。次項第四号において「児童発達支援事業」という。)

五 放課後等デイサービスを行う事業(指定障害児通所支援事業に係るものを除く。次項第五号において「放課後等デイサービス事業」という。)

六 居宅訪問型児童発達支援を行う事業(指定障害児通所支援事業に係るものを除く。次項第六号において「居宅訪問型児童発達支援事業」という。)

七 保育所等訪問支援を行う事業(指定障害児通所支援事業に係るものを除く。次項第七号において「保育所等訪問支援事業」という。)

八 児童福祉法第六条の三第一項に規定する児童自立生活援助事業(次項第八号において「児童自立生活援助事業」という。)

九 児童福祉法第六条の三第二項に規定する放課後児童健全育成事業及びこれに類する事業で学校教育法第二十九条に規定する小学校、社会教育法(昭和二十四年法律第二百七号)第二十条に規定する公民館その他の内閣府令で定める施設において行われるもの(次項第九号において「放課後児童健全育成事業等」という。)

十 児童福祉法第六条の三第三項に規定する子育て短期支援事業(次項第十号において「子育て短期支援事業」という。)

十一 児童福祉法第六条の三第七項に規定する一時預かり事業(次項第十一号において「一時預かり事業」という。)

十二 児童福祉法第六条の三第八項に規定する小規模住居型児童養育事業(次項第十二号において「小規模住居型児童養育事業」という。)

十三 児童福祉法第六条の三第十三項に規定する病児保育事業(次項第十三号において「病児保育事業」という。)

十四 児童福祉法第六条の三第十七項に規定する意見表明等支援事業(次項第十四号において「意見表明等支援事業」という。)

十五 児童福祉法第六条の三第十八項に規定する妊産婦等生活援助事業(次項第十五号において「妊産婦等生活援助事業」という。)

十六 児童福祉法第六条の三第二十項に規定する児童育成支援拠点事業(次項第十六号において「児童育成支援拠点事業」という。)

十七 児童福祉法第五十九条の二第一項に規定する施設における同法第六条の三第九項から第十二項まで又は第三十九条第一項に規定する業務を行う事業(次項第十七号において「認可外保育事業」という。)

十八 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成十七年法律第百二十三号。以下この号及び次項第十八号において「障害者総合支援法」という。)第二十九条第一項に規定する指定障害福祉サービスを行う事業(障害児に対する障害者総合支援法第五条第二項に規定する居宅介護、同条第四項に規定する同行援護、同条第五項に規定する行動援護、同条第八項に規定する短期入所又は同条第九項に規定する重度障害者等包括支援を行うものに限る。同号において「指定障害福祉サービス事業」という。)

6 この法律において「教育保育等従事者」とは、次に掲げる者をいう。

一 前項第一号の教育を行う同号に規定する専修学校又は各種学校の校長及び当該教育を行う教員

二 前項第二号の教育を行う教育施設の長及び当該教育を行う教員

三 民間教育事業を行う事業所の管理者及び民間教育事業に従事する者のうち児童等に対して技芸又は知識の教授を行うもの

四 児童発達支援事業を行う事業所の管理者及び児童発達支援事業に従事する者のうち障害児に対する児童福祉法第六条の二の二第二項の内閣府令で定める便宜の供与又は同項に規定する治療に関する業務を行うもの

五 放課後等デイサービス事業を行う事業所の管理者及び放課後等デイサービス事業に従事する者のうち障害児に対する児童福祉法第六条の二の二第三項の便宜の供与に関する業務を行うもの

六 居宅訪問型児童発達支援事業を行う事業所の管理者及び居宅訪問型児童発達支援事業に従事する者のうち障害児に対する児童福祉法第六条の二の二第四項の内閣府令で定める便宜の供与に関する業務を行うもの

七 保育所等訪問支援事業を行う事業所の管理者及び保育所等訪問支援事業に従事する者のうち障害児に対する児童福祉法第六条の二の二第五項の便宜の供与に関する業務を行うもの

八 児童自立生活援助事業を行う事業所の管理者及び児童自立生活援助事業に従事する者のうち児童福祉法第六条の三第一項第一号に掲げる者(児童に限る。)に対する同項に規定する児童自立生活援助を行うもの

九 放課後児童健全育成事業等を行う事業所の管理者及び放課後児童健全育成事業等に従事する者のうち児童の遊び又は生活の支援に関する業務を行うもの

十 子育て短期支援事業を行う事業所の管理者及び子育て短期支援事業に従事する者のうち児童に対する児童福祉法第六条の三第三項に規定する支援に関する業務を行うもの

十一 一時預かり事業を行う事業所の管理者及び一時預かり事業に従事する者のうち児童福祉法第六条の三第七項各号に掲げる者の保護に関する業務を行うもの

十二 小規模住居型児童養育事業を行う事業所の管理者及び小規模住居型児童養育事業に従事する者のうち児童の養育に関する業務を行うもの

十三 病児保育事業を行う事業所の管理者及び病児保育事業に従事する者のうち児童の保育に関する業務を行うもの

十四 意見表明等支援事業を行う事業所の管理者及び意見表明等支援事業に従事する者のうち児童の意見若しくは意向の把握又は児童に対する支援に関する業務を行うもの

十五 妊産婦等生活援助事業を行う事業所の管理者及び妊産婦等生活援助事業に従事する者のうち児童に対する日常生活を営むのに必要な便宜の供与に関する業務を行うもの

十六 児童育成支援拠点事業を行う事業所の管理者及び児童育成支援拠点事業に従事する者のうち児童に対する生活の支援、情報の提供及び相談に関する業務を行うもの

十七 認可外保育事業を行う施設の管理者及び認可外保育事業に従事する者のうち児童の保育に関する業務を行うもの

十八 指定障害福祉サービス事業を行う事業所の管理者及び指定障害福祉サービス事業に従事する者であって次のイからホまでに掲げるもののうち当該イからホまでに定めるもの

イ 障害者総合支援法第五条第二項に規定する居宅介護に従事する者 障害児に対する同項の主務省令で定める便宜の供与に関する業務を行う者

ロ 障害者総合支援法第五条第四項に規定する同行援護に従事する者 障害児に対する同項の主務省令で定める便宜の供与に関する業務を行う者

ハ 障害者総合支援法第五条第五項に規定する行動援護に従事する者 障害児に対する同項の主務省令で定める便宜の供与に関する業務を行う者

ニ 障害者総合支援法第五条第八項に規定する短期入所に従事する者 障害児に対する同項の主務省令で定める便宜の供与に関する業務を行う者

ホ 障害者総合支援法第五条第九項に規定する重度障害者等包括支援に従事する者 障害児に対する同項の主務省令で定める障害福祉サービスの提供に関する業務を行う者

7 この法律において「特定性犯罪」とは、次に掲げる罪をいう。

一 刑法(明治四十年法律第四十五号)第百七十六条、第百七十七条、第百七十九条から第百八十二条まで、第二百四十一条第一項若しくは第三項又は第二百四十三条(同項の罪に係る部分に限る。)の罪

二 盗犯等の防止及び処分に関する法律(昭和五年法律第九号)第四条の罪(刑法第二百四十一条第一項の罪を犯す行為に係るものに限る。)

三 児童福祉法第六十条第一項の罪

四 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律(平成十一年法律第五十二号)第四条から第八条までの罪

五 性的な姿態を撮影する行為等の処罰及び押収物に記録された性的な姿態の影像に係る電磁的記録の消去等に関する法律(令和五年法律第六十七号)第二条から第六条までの罪

六 都道府県の条例で定める罪であって、次のイからニまでに掲げる行為のいずれかを罰するものとして政令で定めるもの

イ みだりに人の身体の一部に接触する行為

ロ 正当な理由がなくて、人の通常衣服で隠されている下着若しくは身体をのぞき見し、若しくは写真機その他の機器(以下このロにおいて「写真機等」という。)を用いて撮影し、又は当該下着若しくは身体を撮影する目的で写真機等を差し向け、若しくは設置する行為

ハ みだりに卑わいな言動をする行為(イ又はロに掲げるものを除く。)

ニ 児童と性交し、又は児童に対しわいせつな行為をする行為

8 この法律において「特定性犯罪事実該当者」とは、次の各号のいずれかに該当する者をいう。

一 特定性犯罪について拘禁刑を言い渡す裁判が確定した者(その刑の全部の執行猶予の言渡しを受けた者(当該執行猶予の言渡しが取り消された者を除く。次号において「執行猶予者」という。)を除く。)であって、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二十年を経過しないもの

二 特定性犯罪について拘禁刑を言い渡す裁判が確定した者のうち執行猶予者であって、当該裁判が確定した日から起算して十年を経過しないもの

三 特定性犯罪について罰金を言い渡す裁判が確定した者であって、その刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して十年を経過しないもの

(学校設置者等及び民間教育保育等事業者の責務等)

第三条 学校設置者等及び民間教育保育等事業者は、児童等に対して教育、保育等の役務を提供する事業を行う立場にあるものであり、児童等に対して当該役務を提供する業務を行う教員等及び教育保育等従事者による児童対象性暴力等の防止に努め、仮に児童対象性暴力等が行われた場合には児童等を適切に保護する責務を有する。

2 国は、学校設置者等及び民間教育保育等事業者が前項に定める責務を確実に果たすことができるようにするため、必要な情報の提供、制度の整備その他の施策を実施しなければならない。

第二章 学校設置者等が講ずべき措置等

(犯罪事実確認義務等)

第四条 学校設置者等は、教員等としてその本来の業務に従事させようとする者(施行時現職者(この法律の施行の際現に存在し又は行われている学校等又は児童福祉事業についてこの法律の施行の際現に教員等としてその本来の業務に従事させている者及びこの法律の施行の日(以下この項及び第三項において「施行日」という。)の前日までに当該業務に従事させることを決定していた者であって施行日後に当該業務に従事させるものをいう。同項において同じ。)を除く。次項において同じ。)について、当該業務を行わせるまでに、第三十三条第一項に規定する犯罪事実確認書(以下この章及び次章において「犯罪事実確認書」という。)による特定性犯罪事実該当者であるか否かの確認(以下「犯罪事実確認」という。)を行わなければならない。

2 学校設置者等は、教員等に急な欠員を生じた場合その他のやむを得ない事情として内閣府令で定めるものにより、教員等としてその本来の業務に従事させようとする者について当該業務を行わせるまでに犯罪事実確認を行ういとまがない場合であって、直ちにその者に当該業務を行わせなければ学校等又は児童福祉事業の運営に著しい支障が生ずるときは、前項の規定にかかわらず、その者の犯罪事実確認は、その者を当該業務に従事させた日から六月以内で政令で定める期間内に行うことができる。ただし、学校設置者等は、犯罪事実確認を行うまでの間は、その者を特定性犯罪事実該当者とみなして必要な措置を講じなければならない。

3 学校設置者等は、施行時現職者については、施行日から起算して三年以内で政令で定める期間を経過する日までに、その全ての者(施行日から当該政令で定める期間を経過する日までの間に当該業務に従事しなくなった者を除く。)について、犯罪事実確認を行わなければならない。

4 学校設置者等は、この条の規定による犯罪事実確認を行った教員等をその者の直近の犯罪事実確認書に記載された確認日(第三十四条第二項に規定する確認日をいう。)の翌日から起算して五年を経過する日の属する年度の末日を超えて引き続き教員等としてその本来の業務に従事させるときは、当該年度の初日から末日までの間に、改めて、その者について、犯罪事実確認を行わなければならない。

(児童対象性暴力等を把握するための措置)

第五条 学校設置者等は、児童等との面談その他の教員等による児童対象性暴力等が行われるおそれがないかどうかを早期に把握するための措置として内閣府令で定めるものを実施しなければならない。

2 学校設置者等は、教員等による児童対象性暴力等に関して児童等が容易に相談を行うことができるようにするために必要な措置として内閣府令で定めるものを実施しなければならない。

(犯罪事実確認の結果等を踏まえて講ずべき措置)

第六条 学校設置者等は、第四条の規定による犯罪事実確認に係る者について、その犯罪事実確認の結果、前条第一項の措置により把握した状況、同条第二項の児童等からの相談の内容その他の事情を踏まえ、その者による児童対象性暴力等が行われるおそれがあると認めるときは、その者を教員等としてその本来の業務に従事させないことその他の児童対象性暴力等を防止するために必要な措置を講じなければならない。

(児童対象性暴力等が疑われる場合等に講ずべき措置)

第七条 学校設置者等は、教員等による児童対象性暴力等が行われた疑いがあると認めるときは、内閣府令で定めるところにより、その事実の有無及び内容について調査を行わなければならない。

2 学校設置者等は、児童等が教員等による児童対象性暴力等を受けたと認めるときは、内閣府令で定めるところにより、当該児童等の保護及び支援のための措置を講じなければならない。

(研修の実施)

第八条 学校設置者等は、児童対象性暴力等の防止に対する関心を高めるとともに、そのために取り組むべき事項に関する理解を深めるための研修を教員等に受講させなければならない。

(県費負担教職員の場合の特例)

第九条 教員等が県費負担教職員(市町村立学校職員給与負担法(昭和二十三年法律第百三十五号)第一条に規定する小学校、中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程若しくは特別支援学校又は同法第二条に規定する高等学校で定時制の課程を置くものの教員等であって、同法の規定により都道府県がその給与を負担するものをいう。)である場合における第四条及び第六条の規定の適用については、第四条第一項、第二項本文、第三項及び第四項中「学校設置者等」とあるのは「都道府県の教育委員会」と、同条第二項ただし書及び第六条中「学校設置者等」とあるのは「都道府県の教育委員会及び第九条第二項に規定する市町村の教育委員会」とする。

2 都道府県の教育委員会は、前項の規定により読み替えて適用する第四条の規定により犯罪事実確認を行ったときは、当該犯罪事実確認に係る教員等が勤務する学校を設置する市(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(第三十三条第八項において「指定都市」という。)を除き、特別区を含む。第十一条及び第三十三条第八項において同じ。)町村の教育委員会に対し、前項の規定により読み替えて適用する第六条の措置を講ずるために必要な限度において、当該教員等の犯罪事実確認記録(第三十八条第一項に規定する犯罪事実確認記録をいう。以下この章及び次章において同じ。)を提供するものとする。

(施設等運営者がある場合の特例)

第十条 施設等運営者(学校設置者等から地方自治法第二百四十四条の二第三項若しくは国家戦略特別区域法(平成二十五年法律第百七号)第十二条の三第一項の規定による指定又は委託を受けて当該学校設置者等が設置する学校等又は当該学校設置者等が行う児童福祉事業に係る事業所を管理する者をいう。以下同じ。)がある場合における第四条から第八条までの規定の適用については、これらの規定中「学校設置者等」とあるのは、「学校設置者等及び第十条第一項に規定する施設等運営者」とする。

2 第三十五条第二項の規定により学校設置者等又は施設等運営者が犯罪事実確認書の交付を受けたときは、その交付を受けた者は、他方の者に対し、犯罪事実確認及び前項の規定により読み替えて適用する第六条の措置の実施に必要な限度において、当該犯罪事実確認書に係る教員等の犯罪事実確認記録を提供することができる。

(犯罪事実確認記録等の管理に関する措置)

第十一条 第四条(第九条第一項又は前条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により犯罪事実確認を行わなければならない者及び第九条第二項の規定により犯罪事実確認記録の提供を受ける市町村の教育委員会(以下この章において「犯罪事実確認実施者等」という。)は、犯罪事実確認記録等(第三十八条第一項に規定する犯罪事実確認記録等をいう。以下この章及び次章において同じ。)の管理責任者の設置その他の犯罪事実確認記録等を適正に管理するために必要な措置として内閣府令で定めるものを講じなければならない。

(利用目的による制限及び第三者に対する提供の禁止)

第十二条 犯罪事実確認実施者等は、次に掲げる場合を除き、犯罪事実確認記録等を犯罪事実確認若しくは第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置を実施する目的以外の目的のために利用し、又は第三者に提供してはならない。

一 第九条第二項又は第十条第二項の規定により提供する場合

二 訴訟手続その他の裁判所における手続又は刑事事件の捜査のために提供する場合

三 情報公開・個人情報保護審査会設置法(平成十五年法律第六十号)第九条第一項の規定により情報公開・個人情報保護審査会に提示する場合

四 第十六条第一項、児童福祉法第二十一条の五の二十二第一項、第二十四条の十五第一項、第三十四条の十七第一項、第三十四条の二十五第一項若しくは第四十六条第一項又は認定こども園法第十九条第一項若しくは第三十条第三項の規定により報告若しくは提出若しくは提示を求められ、又は質問若しくは検査に応じる場合

(犯罪事実確認書に記載された情報の漏えい等の報告)

第十三条 犯罪事実確認実施者等は、犯罪事実確認書に記載された情報の漏えいその他の犯罪事実確認記録等の管理が適正に行われていないと認められる事態であって個人の権利利益を害するおそれが大きいものとして内閣府令で定めるものが生じたときは、内閣府令で定めるところにより、直ちにその旨を内閣総理大臣に報告しなければならない。

(犯罪事実確認記録等の適正な管理)

第十四条 犯罪事実確認実施者等は、犯罪事実確認記録等を適正に管理しなければならない。

(帳簿の備付け及び定期報告)

第十五条 犯罪事実確認実施者等(国、地方公共団体、独立行政法人通則法(平成十一年法律第百三号)第二条第一項に規定する独立行政法人、国立大学法人法(平成十五年法律第百十二号)第二条第一項に規定する国立大学法人及び地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人並びにこれらの者が設置する学校等又はこれらの者が行う児童福祉事業の事業所の管理を行う施設等運営者を除く。以下この章において同じ。)は、内閣府令で定めるところにより、帳簿を備え、これに犯罪事実確認の実施状況を記載し、これを保存しなければならない。

2 犯罪事実確認実施者等は、犯罪事実確認の実施状況及び犯罪事実確認記録等の管理の状況について、内閣府令で定めるところにより、定期的に、内閣総理大臣に報告しなければならない。

(報告徴収及び立入検査)

第十六条 内閣総理大臣は、犯罪事実確認の適切な実施及び犯罪事実確認記録等の適正な管理を確保するために必要な限度において、犯罪事実確認実施者等に対し、犯罪事実確認の実施状況及び犯罪事実確認記録等の管理の状況に関し必要な報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、犯罪事実確認実施者等の事務所、学校等の施設、児童福祉事業を行う事業所、登録一時保護委託施設その他必要な場所に立ち入り、犯罪事実確認の実施状況及び犯罪事実確認記録等の管理の状況に関し質問させ、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

3 第一項の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(犯罪事実確認義務に違反した場合の公表)

第十七条 内閣総理大臣は、犯罪事実確認実施者等が第四条(第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定に違反していると認めるときは、当該犯罪事実確認実施者等の氏名又は名称その他内閣府令で定める事項をインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。

(是正命令)

第十八条 内閣総理大臣は、犯罪事実確認実施者等が第十一条又は第十四条の規定に違反していると認めるとき(同条の規定の違反にあっては、第十三条の内閣府令で定める事態が生じた場合に限る。)は、当該犯罪事実確認実施者等に対し、当該違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

第三章 民間教育保育等事業者の認定等及び認定事業者等が講ずべき措置等

(認定の申請)

第十九条 民間教育保育等事業者は、その行う民間教育保育等事業(事業運営者(民間教育保育等事業者から地方自治法第二百四十四条の二第三項の規定による指定又は委託を受けて当該民間教育保育等事業者が行う民間教育保育等事業に係る事業所を管理する者をいう。以下同じ。)がある場合にあっては、当該事業運営者が管理する事業所において行われるものを除く。)について、前章の規定により学校設置者等が講ずべき措置と同等のものを実施する体制が確保されている旨の内閣総理大臣の認定(以下この章(第二十一条第一項を除く。)において「認定」という。)を受けることができる。

2 認定は、認定を受けようとする民間教育保育等事業者の申請により行う。

3 認定を受けようとする民間教育保育等事業者は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。

一 認定を受けようとする民間教育保育等事業者の氏名又は名称及び住所又は所在地並びに法人にあってはその代表者の氏名

二 その行う民間教育保育等事業(事業運営者が管理する事業所において行われるものを除く。)の概要及び当該民間教育保育等事業が第二条第五項各号に掲げる事業のいずれの事業に該当するかの別

三 前号の民間教育保育等事業を行う事業所の名称及び所在地

四 第二号の民間教育保育等事業に従事する者のうち、その行う業務が教育保育等従事者の業務に該当すると思料するものの業務の概要

五 その他内閣府令で定める事項

4 前項の申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

一 前項第二号の民間教育保育等事業及び同項第四号の業務の詳細を説明する資料

二 次条第一項各号に掲げる基準に適合していることを証する資料

三 次条第一項第四号に規定する児童対象性暴力等対処規程

四 認定を受けようとする民間教育保育等事業者が犯罪事実確認を適切に実施する旨を誓約する書面

五 その他内閣府令で定める書類

(認定の基準等)

第二十条 内閣総理大臣は、認定の申請に係る前条第三項第二号の民間教育保育等事業及び同項第四号の業務の内容がそれぞれ民間教育保育等事業及び教育保育等従事者の業務に該当し、かつ、当該申請が次に掲げる基準に適合すると認めるときでなければ、認定をしてはならない。

一 認定を受けようとする民間教育保育等事業者が前条第三項第四号の業務に従事させようとする者の犯罪事実確認を適切に実施するための体制として内閣府令で定めるものを備えていること。

二 認定を受けようとする民間教育保育等事業者が前条第三項第四号の業務に従事する者による児童対象性暴力等が行われるおそれがないかどうかを早期に把握するための措置として内閣府令で定めるものを実施していること。

三 認定を受けようとする民間教育保育等事業者が前条第三項第四号の業務に従事する者による児童対象性暴力等に関して児童等が容易に相談を行うことができるようにするために必要な措置として内閣府令で定めるものを実施していること。

四 認定を受けようとする民間教育保育等事業者が次のイからハまでに掲げる措置を定めた規程(以下この章において「児童対象性暴力等対処規程」という。)を作成しており、かつ、その内容が内閣府令で定める基準に適合するものであること。

イ 犯罪事実確認の結果、第二号の措置により把握した状況、前号の児童等からの相談の内容その他の事情を踏まえて前条第三項第四号の業務に従事する者による児童対象性暴力等が行われるおそれがあると認める場合において、児童対象性暴力等を防止するためにとるべき措置(第二十六条第七項において「防止措置」という。)

ロ 前条第三項第四号の業務に従事する者による児童対象性暴力等が行われた疑いがあると認める場合において、その事実の有無及び内容を確認するための調査の実施

ハ 前条第三項第四号の業務に従事する者による児童対象性暴力等を受けた児童等があると認める場合において、当該児童等を保護し、及び支援するためにとるべき措置

五 認定を受けようとする民間教育保育等事業者が、児童対象性暴力等の防止に対する関心を高めるとともに、そのために取り組むべき事項に関する理解を深めるための研修として内閣府令で定めるものを前条第三項第四号の業務に従事する者に受講させていること。

六 認定を受けようとする民間教育保育等事業者が犯罪事実確認記録等を適正に管理するために必要な措置として内閣府令で定めるものを講じていること。

2 次の各号のいずれかに該当する民間教育保育等事業者は、認定を受けることができない。

一 第三十二条第一項又は第二項の規定により認定等(第二十二条に規定する認定等をいう。以下この号において同じ。)を取り消された者であって、その取消しの日から二年を経過しない者(認定等を取り消された者が法人である場合にあっては、当該取消しの処分に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十五条第一項の規定による通知があった日前六十日以内に当該法人の役員であった者でその取消しの日から二年を経過しないものを含む。)

二 この法律の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から起算して五年を経過しない者

三 法人であって、その役員のうちに前二号のいずれかに該当する者があるもの

(共同認定の申請)

第二十一条 民間教育保育等事業者及び事業運営者は、その行う民間教育保育等事業(事業運営者が管理する事業所において行われるものに限る。)について、前章の規定により学校設置者等が講ずべき措置と同等のものを実施する体制が確保されている旨の内閣総理大臣の認定(以下「共同認定」という。)を受けることができる。

2 共同認定は、共同認定を受けようとする民間教育保育等事業者及び事業運営者の共同の申請により行う。

3 第十九条第三項及び第四項並びに前条の規定は、共同認定について準用する。この場合において、第十九条第三項(第二号から第五号までの規定を除く。)及び第四項第四号並びに前条第一項各号及び第二項中「民間教育保育等事業者」とあるのは「民間教育保育等事業者及び事業運営者」と、第十九条第三項第二号中「を除く」とあるのは「に限る」と、同条第四項第二号中「資料」とあるのは「資料(民間教育保育等事業者及び事業運営者のそれぞれの役割を説明した資料を含む。)」と読み替えるものとする。

(認定等の公表)

第二十二条 内閣総理大臣は、認定又は共同認定(以下「認定等」という。)をしたときは、遅滞なく、その旨及び次に掲げる事項を、認定等の申請をした者に通知するとともに、インターネットの利用その他の方法により公表するものとする。

一 認定を受けた民間教育保育等事業者又は共同認定を受けた民間教育保育等事業者及び事業運営者(以下「認定事業者等」という。)の氏名又は名称及び住所又は所在地並びに法人にあってはその代表者の氏名

二 認定等に係る民間教育保育等事業(以下「認定等事業」という。)の概要及び第二条第五項各号に掲げる事業のいずれの事業に該当するかの別

三 認定等事業を行う事業所の名称及び所在地

四 認定等に係る教育保育等従事者の業務の概要

五 その他内閣府令で定める事項

(認定等の表示)

第二十三条 認定事業者等は、認定等事業に関する広告その他の内閣府令で定めるもの(次項において「広告等」という。)に、内閣総理大臣が定める表示を付することができる。

2 何人も、前項の規定による場合を除くほか、広告等に同項の表示又はこれと紛らわしい表示を付してはならない。

(変更の届出等)

第二十四条 認定事業者等は、第二十二条各号に掲げる事項を変更するときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。

2 内閣総理大臣は、前項の規定による届出があったときは、遅滞なく、その旨をインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。

3 認定事業者等は、児童対象性暴力等対処規程又は第二十条第一項第六号(第二十一条第三項において準用する場合を含む。)の措置を変更するときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を内閣総理大臣に届け出なければならない。ただし、軽微な変更として内閣府令で定めるものについては、この限りではない。

(児童対象性暴力等対処規程の遵守義務)

第二十五条 認定事業者等は、児童対象性暴力等対処規程を遵守しなければならない。

(犯罪事実確認義務等)

第二十六条 認定事業者等は、認定等に係る教育保育等従事者としてその業務に従事させようとする者(認定時現職者(認定等の際現に当該業務に従事させている者及び認定等を受けた日(以下この項及び第三項において「認定等の日」という。)の前日までに当該業務に従事させることを決定していた者であって認定等の日の後に当該業務に従事させるものをいう。同項において同じ。)を除く。次項において同じ。)について、当該業務を行わせるまでに、犯罪事実確認を行わなければならない。

2 認定事業者等は、認定等に係る教育保育等従事者に急な欠員を生じた場合その他のやむを得ない事情として内閣府令で定めるものにより、認定等に係る教育保育等従事者としてその業務に従事させようとする者について当該業務を行わせるまでに犯罪事実確認を行ういとまがない場合であって、直ちにその者に当該業務を行わせなければ認定等事業の運営に著しい支障が生ずるときは、前項の規定にかかわらず、その者の犯罪事実確認は、その者を当該業務に従事させた日から六月以内で政令で定める期間内に行うことができる。ただし、認定事業者等は、犯罪事実確認を行うまでの間は、その者を特定性犯罪事実該当者とみなして必要な措置を講じなければならない。

3 認定事業者等は、認定時現職者については、認定等の日から起算して一年以内で政令で定める期間を経過する日までに、その全ての者(認定等の日から当該政令で定める期間を経過する日までの間に当該業務に従事しなくなった者を除く。)について、犯罪事実確認を行わなければならない。

4 認定事業者等は、前項の犯罪事実確認が完了したときは、内閣府令で定めるところにより、その旨を内閣総理大臣に届け出るものとする。

5 内閣総理大臣は、前項の規定による届出を受けたときは、当該認定事業者等が法定の期間内に認定等事業に従事する全ての教育保育等従事者について犯罪事実確認を行った旨をインターネットの利用その他の方法により公表するものとする。

6 認定事業者等は、第一項から第三項まで及びこの項の規定による犯罪事実確認を行った者をその者の直近の犯罪事実確認書に記載された確認日(第三十四条第二項に規定する確認日をいう。)の翌日から起算して五年を経過する日の属する年度の末日を超えて引き続き認定等に係る教育保育等従事者としてその業務に従事させるときは、当該年度の初日から末日までの間に、改めて、その者について、犯罪事実確認を行わなければならない。

7 第三十五条第二項の規定により民間教育保育等事業者又は事業運営者が犯罪事実確認書の交付を受けたときは、その交付を受けた者は、他方の者に対し、犯罪事実確認及び児童対象性暴力等対処規程に定める防止措置の実施に必要な限度において、当該犯罪事実確認に係る教育保育等従事者の犯罪事実確認記録を提供することができる。

(犯罪事実確認記録等の適正な管理)

第二十七条 認定事業者等は、犯罪事実確認記録等を適正に管理しなければならない。

2 第十二条及び第十三条の規定は、認定事業者等について準用する。この場合において、第十二条中「第六条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の措置」とあるのは「第二十六条第七項に規定する防止措置」と、同条第一号中「第九条第二項又は第十条第二項」とあるのは「第二十六条第七項」と、同条第四号中「第十六条第一項、児童福祉法第二十一条の五の二十二第一項、第二十四条の十五第一項、第三十四条の十七第一項、第三十四条の二十五第一項若しくは第四十六条第一項又は認定こども園法第十九条第一項若しくは第三十条第三項」とあるのは「第二十九条第一項」と、「提出若しくは提示」とあるのは「提出」と読み替えるものとする。

(帳簿の備付け及び定期報告)

第二十八条 認定事業者等は、内閣府令で定めるところにより、帳簿を備え、これに犯罪事実確認の実施状況を記載し、これを保存しなければならない。

2 認定事業者等は、犯罪事実確認等(犯罪事実確認、第二十条第一項第二号、第三号、第五号及び第六号(これらの規定を第二十一条第三項において準用する場合を含む。)に規定する措置並びに児童対象性暴力等対処規程に定める第二十条第一項第四号イからハまで(これらの規定を第二十一条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる措置をいう。次条第一項において同じ。)の実施状況及び犯罪事実確認記録等の管理の状況について、内閣府令で定めるところにより、定期的に、内閣総理大臣に報告しなければならない。

(報告徴収及び立入検査)

第二十九条 内閣総理大臣は、犯罪事実確認等の適切な実施及び犯罪事実確認記録等の適正な管理を確保するために必要な限度において、認定事業者等に対し、犯罪事実確認等の実施状況及び犯罪事実確認記録等の管理の状況に関し必要な報告若しくは資料の提出を求め、又はその職員に、認定事業者等の事務所、認定等事業を行う事業所その他必要な場所に立ち入り、犯罪事実確認等の実施状況及び犯罪事実確認記録等の管理の状況に関し質問させ、若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。

2 第十六条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による立入検査について準用する。

(適合命令及び是正命令)

第三十条 内閣総理大臣は、認定事業者等が第二十条第一項各号(第二十一条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる基準のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、当該認定事業者等に対し、期限を定めて、当該基準に適合するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

2 内閣総理大臣は、認定事業者等が第二十七条第一項の規定に違反していると認めるとき(同条第二項において準用する第十三条の内閣府令で定める事態が生じた場合に限る。)は、当該認定事業者等に対し、当該違反を是正するために必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(廃止の届出)

第三十一条 認定事業者等は、認定等事業を廃止するときは、内閣府令で定めるところにより、あらかじめ、その旨及び廃止しようとする日(以下この条において「廃止の日」という。)を内閣総理大臣に届け出なければならない。

2 内閣総理大臣は、前項の規定による届出があったときは、遅滞なく、その旨及び廃止の日をインターネットの利用その他の方法により、公表しなければならない。

3 認定等は、廃止の日として第一項の規定により届け出られた日以後は、その効力を失う。

(認定等の取消し等)

第三十二条 内閣総理大臣は、認定事業者等が次の各号のいずれかに該当するときは、認定等を取り消すものとする。

一 偽りその他不正の手段により認定等を受けたとき。

二 第二十条第二項第二号又は第三号(これらの規定を第二十一条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる者に該当することとなったとき。

三 第二十六条第一項から第三項まで又は第六項の規定に違反して犯罪事実確認を行っていないとき。

四 第三十条の規定による命令に違反したとき。

2 内閣総理大臣は、認定事業者等が次の各号のいずれかに該当するときは、認定等を取り消すことができる。

一 民間教育保育等事業者又は事業運営者に該当しなくなったとき。

二 認定等事業を行っていないと認めるとき。

三 第二十条第一項各号(第二十一条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる基準のいずれかに適合しなくなったと認めるとき。

四 第二十四条第一項若しくは第三項、第二十五条、第二十八条又は前条第一項の規定に違反したとき。

五 第二十七条第一項又は同条第二項において準用する第十二条若しくは第十三条の規定に違反したとき(第二十七条第一項の規定の違反にあっては、同条第二項において準用する第十三条の内閣府令で定める事態が生じた場合に限る。)。

六 第二十九条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又は同項の規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくは同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

3 内閣総理大臣は、前二項の規定による認定等の取消しをしたときは、その旨をインターネットの利用その他の方法により公表しなければならない。

第四章 犯罪事実確認書の交付等

(犯罪事実確認書の交付申請)

第三十三条 対象事業者(第四条(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)並びに第二十六条第一項から第三項まで及び第六項の規定により犯罪事実確認を行わなければならない者をいう。以下同じ。)は、これらの規定により犯罪事実確認を行わなければならないこととされている者(次項において「従事者」という。)について、内閣総理大臣に対し、特定性犯罪事実該当者に該当するか否かに関する情報を記載した書面(以下「犯罪事実確認書」という。)の交付を申請することができる。

2 前項の規定による申請(以下この章において「交付申請」という。)の対象とする従事者(以下この章において「申請従事者」という。)の行う業務が施設等運営者又は事業運営者が管理する施設又は事業所において行われるものである場合にあっては、交付申請は、学校設置者等及び施設等運営者又は共同認定を受けた民間教育保育等事業者及び事業運営者が共同して行うものとする。

3 犯罪事実確認書の交付を受けようとする対象事業者は、内閣府令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を内閣総理大臣に提出しなければならない。

一 交付を受けようとする対象事業者の氏名又は名称及び住所又は所在地並びに法人にあってはその代表者の氏名

二 申請従事者の氏名、住所又は居所、生年月日及び性別

三 申請従事者が勤務する学校等若しくは登録一時保護委託施設の名称及び所在地又は申請従事者が従事する児童福祉事業若しくは認定等事業の概要

四 申請従事者が行う業務の内容

五 申請従事者が教員等又は認定等に係る教育保育等従事者の業務に従事させようとする者である場合にあっては、当該申請従事者を当該業務に従事させる予定の日(第三十八条第二項第二号において「従事予定日」という。)

六 交付申請が前項の規定により共同で行われる場合にあっては、交付申請をした者のうち犯罪事実確認書の送付を受ける者

七 その他内閣府令で定める事項

4 前項の申請書(以下この章において「申請書」という。)には、次に掲げる書類を添付しなければならない。

一 申請従事者と対象事業者との間の雇用契約の契約書の写しその他の当該申請従事者を交付申請に係る業務に従事させることを証する書類

二 その他内閣府令で定める書類

5 対象事業者は、申請書を提出するときは、申請従事者に、内閣府令で定めるところにより、申請対象者情報(当該申請従事者の氏名、住所又は居所、生年月日及び性別並びに当該対象事業者の氏名又は名称及び住所又は所在地をいう。第三十五条第四項及び第三十七条第三項第一号において同じ。)を記載した書面及び次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める書類を内閣総理大臣に提出させるものとする。

一 申請従事者が日本の国籍を有する場合 次に掲げる書類(ロに掲げる書類にあっては、当該申請従事者に係る除かれた戸籍がある場合に限る。)

イ 当該申請従事者の本籍、戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第十三条第一項第一号から第四号までに掲げる事項その他の次条第一項に規定する本人特定情報(以下この条において「本人特定情報」という。)に関する事項として内閣府令で定めるもの(ロにおいて「本籍等」という。)が記載され又は記録された全ての戸籍の抄本、戸籍に記載した事項に関する証明書、同法第百二十条第一項に規定する戸籍証明書又は戸籍の謄本

ロ 当該申請従事者の本籍等が記載され又は記録された全ての除かれた戸籍の抄本、除かれた戸籍に記載した事項に関する証明書、戸籍法第百二十条第一項に規定する除籍証明書又は除かれた戸籍の謄本

二 申請従事者が日本の国籍を有しない場合 当該申請従事者の住民基本台帳法(昭和四十二年法律第八十一号)第十二条第一項に規定する住民票の写しその他の本人特定情報を把握するために必要な書類として内閣府令で定めるもの

6 前項の規定により当該申請従事者が同項各号に定める書類を提出する場合において、当該書類のうちに当該申請従事者が同項の規定により既に提出したものがあるときは、内閣府令で定めるところにより、当該書類(本人特定情報の変更の有無及び内容を把握するために必要なものとして内閣府令で定めるものを除く。)の提出を省略することができる。

7 申請従事者が第五項の規定による書類の提出を当該対象事業者を経由して行うことを希望するときは、当該対象事業者は、これを拒んではならない。

8 内閣総理大臣は、本人特定情報の確認のため必要があるときは、市町村、指定都市の区若しくは総合区又は出入国在留管理庁に照会し、又は協力を求めることができる。

(内閣総理大臣による犯罪事実の確認)

第三十四条 内閣総理大臣は、犯罪事実確認書を交付するため、法務大臣に対し、申請従事者に係る次に掲げる事項(以下この章において「本人特定情報」という。)を提供し、次項に規定する事項を通知するよう求めることができる。

一 氏名(変更があった者については、変更前の全ての氏名及び変更の年月日を含む。)

二 出生の年月日

三 次のイ又はロに掲げる場合の区分に応じ、当該イ又はロに定める事項

イ 当該申請従事者が日本の国籍を有する場合 本籍(変更があった者については、変更前の全ての本籍及び変更の年月日を含む。)

ロ 当該申請従事者が日本の国籍を有しない場合 住民基本台帳法第三十条の四十五に規定する国籍等(以下このロ及び次項において「国籍等」という。)(変更があった者については、変更前の全ての国籍等及び変更の年月日を含む。)

2 法務大臣は、前項の規定による求めがあったときは、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める事項及び当該各号のいずれの場合に該当するかの確認を行った日(次条第四項及び第三十八条第一項において「確認日」という。)を内閣総理大臣に通知するものとする。

一 特定性犯罪についての事件(拘禁刑又は罰金を言い渡す裁判が確定したものに限る。次号において同じ。)の保管記録(刑事確定訴訟記録法(昭和六十二年法律第六十四号)第二条第二項に規定する保管記録をいう。次号において同じ。)に記録された被告人の氏名、出生の年月日及び本籍又は国籍等のうちに、前項の規定により提供された本人特定情報に合致するものがない場合 その旨

二 特定性犯罪についての事件の保管記録に記録された被告人の氏名、出生の年月日及び本籍又は国籍等のうちに、前項の規定により提供された本人特定情報に合致するものがある場合 本人特定情報に合致する被告人の特定性犯罪についての次に掲げる事項

イ 罪名

ロ 裁判(拘禁刑又は罰金に処する確定裁判に限る。)の主文の内容

ハ ロの裁判において示された法令の適用

ニ ロの裁判が確定した日

ホ 当該被告人が当該特定性犯罪について拘禁刑の全部の執行猶予の言渡しを受け、その言渡しが取り消された者であるときは、その旨

ヘ 当該被告人が当該特定性犯罪について刑の執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった者であるときは、当該刑の執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日

(犯罪事実確認書の交付)

第三十五条 内閣総理大臣は、前条第二項の規定による通知を受けたときは、遅滞なく、交付申請をした対象事業者に対し、当該交付申請に係る申請従事者の犯罪事実確認書を交付するものとする。

2 交付申請が第三十三条第二項の規定により共同で行われた場合における前項の規定による犯罪事実確認書の交付は、申請書に記載された同条第三項第六号の者に対して犯罪事実確認書を送付することにより行うものとする。

3 第一項の規定にかかわらず、内閣総理大臣は、第十八条の規定による命令、第三十条第一項の規定による命令(第二十条第一項第六号(第二十一条第三項において準用する場合を含む。)に掲げる基準に係るものに限る。)又は第三十条第二項の規定による命令を受けた対象事業者からの交付申請については、これらの命令に係る措置が講じられたものと認めるまでの間は、犯罪事実確認書の交付を行わないものとする。

4 犯罪事実確認書には、申請対象者情報及び確認日並びに次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める事項を記載する。

一 申請従事者が特定性犯罪事実該当者であると認められない場合 その旨

二 申請従事者が特定性犯罪事実該当者であると認められる場合 次に掲げる事項

イ 当該申請従事者についての第二条第八項各号に掲げる特定性犯罪事実該当者の区分

ロ その特定性犯罪の裁判が確定した日

5 内閣総理大臣は、第一項の規定により前項第二号に定める事項を記載した犯罪事実確認書を交付するときは、あらかじめ、当該犯罪事実確認書に係る申請従事者に当該犯罪事実確認書に記載する内容を通知しなければならない。この場合においては、当該犯罪事実確認書の第一項の規定による交付は、第三十七条第二項に規定する期間を経過するまで(当該期間内に同項に規定する訂正請求があった場合にあっては、当該訂正請求に係る同条第六項又は第七項の規定による通知をするまで)は、行わないものとする。

6 前各項に定めるもののほか、犯罪事実確認書の様式その他の犯罪事実確認書の交付の手続に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

(犯罪事実確認書管理簿)

第三十六条 内閣総理大臣は、申請従事者ごとに、次に掲げる事項を記載した帳簿(次項において「犯罪事実確認書管理簿」という。)を作成しなければならない。

一 本人特定情報

二 申請書に記載された第三十三条第三項各号に掲げる事項

三 第三十四条第二項又は次条第五項の規定により法務大臣から通知された事項

四 次条第二項に規定する訂正請求があった場合にあっては、同条第六項又は第七項の決定の内容

五 犯罪事実確認書に記載した事項及び当該犯罪事実確認書の交付の日

2 前項に定めるもののほか、犯罪事実確認書管理簿の様式その他犯罪事実確認書管理簿に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

(訂正請求)

第三十七条 第三十五条第五項の規定による通知を受けた申請従事者は、同項の規定により通知された内容(以下この条において「通知内容」という。)が事実でないと思料するときは、内閣総理大臣に対し、当該通知内容の訂正を請求することができる。

2 前項の規定による訂正の請求(以下この条において「訂正請求」という。)は、第三十五条第五項の規定による通知を受けた日から二週間以内にしなければならない。

3 訂正請求は、次に掲げる事項を記載した書面を内閣総理大臣に提出してしなければならない。

一 訂正請求をする者の申請対象者情報

二 訂正請求の趣旨及び理由

4 内閣総理大臣は、訂正請求に理由があるかどうかの判断をするため必要があるときは、法務大臣に対し、第三十四条第二項の規定により通知された内容に誤りがないかどうかについて確認を求めることができる。

5 法務大臣は、第三十四条第二項の規定により通知した内容に誤りがあることを発見したときは、直ちに、内閣総理大臣に対して、その内容を訂正して通知しなければならない。

6 内閣総理大臣は、訂正請求に理由があると認めるときは、通知内容を訂正する旨の決定をし、訂正請求をした申請従事者に対しその旨を書面により通知するとともに、交付申請をした対象事業者に対し訂正した内容を記載した犯罪事実確認書を交付しなければならない。

7 内閣総理大臣は、訂正請求に理由がないと認めるときは、通知内容を訂正しない旨の決定をし、訂正請求をした申請従事者に対し、その旨及び理由を書面により通知しなければならない。

(犯罪事実確認記録等の廃棄及び消去)

第三十八条 犯罪事実確認書受領者等(犯罪事実確認書の交付を受けた対象事業者及び第九条第二項、第十条第二項又は第二十六条第七項の規定による提供を受けた者をいう。以下同じ。)は、犯罪事実確認書に記載された確認日から起算して五年を経過した日の属する年度の末日から起算して三十日を経過する日までに、当該犯罪事実確認書の犯罪事実確認記録等(犯罪事実確認書及び犯罪事実確認書に記載された情報に係る記録(第四十六条第三号において「犯罪事実確認記録」という。)をいう。以下この条において同じ。)を廃棄し及び消去しなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、犯罪事実確認書受領者等は、犯罪事実確認に係る申請従事者が離職した場合又は犯罪事実確認書受領者等が当該申請従事者を任命せず若しくは雇用しなかった場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める日から起算して三十日が経過する日までに、当該申請従事者の犯罪事実確認記録等を廃棄し及び消去しなければならない。

一 当該申請従事者が離職した場合 離職の日

二 犯罪事実確認書受領者等が当該申請従事者を任命せず又は雇用しなかった場合 従事予定日として当該申請従事者の犯罪事実確認書の申請書に記載した日(当該犯罪事実確認書の交付の日が当該従事予定日より遅いときは、当該交付の日)

3 前二項の規定にかかわらず、犯罪事実確認書受領者等は、学校設置者等、施設等運営者又は認定事業者等のいずれにも該当しなくなったときは、その日から起算して三十日が経過する日までに、当該犯罪事実確認書受領者等が取得した全ての犯罪事実確認記録等を廃棄し及び消去しなければならない。

(職員等の秘密保持義務)

第三十九条 犯罪事実確認書受領者等(その者が法人である場合にあっては、その役員)若しくはその職員若しくは従業者又はこれらであった者は、その業務に関して知り得た犯罪事実確認書(第三十五条第四項第二号に定める事項が記載されたものに限る。第四十五条第二項において同じ。)に記載された情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。

第五章 雑則

(手数料)

第四十条 認定等を受けようとする者(国及び地方公共団体並びにこれらが行う民間教育保育等事業の事業所の管理を行う事業運営者を除く。)は、実費を勘案して政令で定める額の手数料を納付しなければならない。

(関係大臣への協議)

第四十一条 内閣総理大臣は、次の各号に掲げる内閣府令を制定し、又は改廃するときは、あらかじめ、当該各号に定める大臣に協議するものとする。

一 第二条第四項第一号ハ、第二号及び第三号ハ並びに第五項第二号及び第九号、第四条第二項(第九条第一項又は第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)並びに第五条及び第七条(これらの規定を第十条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の内閣府令 文部科学大臣

二 第二十条第一項第一号から第五号まで(これらの規定を第二十一条第三項において準用する場合を含む。)及び第二十六条第二項の内閣府令 文部科学大臣及び経済産業大臣

(こども家庭庁長官への内閣総理大臣に係る権限の委任)

第四十二条 内閣総理大臣は、この法律に規定する内閣総理大臣の権限(政令で定めるものを除く。)をこども家庭庁長官に委任する。

第六章 罰則

(情報不正目的提供罪)

第四十三条 犯罪事実確認書受領者等(その者が法人である場合にあっては、その役員)若しくはその職員若しくは従業者又はこれらであった者が、その業務に関して知り得た犯罪事実確認書に記載された情報を自己又は第三者の不正な利益を図る目的で提供したときは、二年以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

(犯罪事実確認書不正取得罪)

第四十四条 偽りその他不正の手段により犯罪事実確認書の交付を受けたときは、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。

(虚偽表示罪及び情報漏示等罪)

第四十五条 第二十三条第二項の規定に違反して、同条第一項の表示又はこれと紛らわしい表示を付したときは、当該違反行為をした者は、一年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

2 第三十九条の規定に違反して、その業務に関して知り得た犯罪事実確認書に記載された情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用した者は、一年以下の拘禁刑若しくは五十万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

(帳簿の不備等の罪)

第四十六条 次の各号のいずれかに該当する場合には、当該違反行為をした者は、五十万円以下の罰金に処する。

一 第十五条第一項又は第二十八条第一項の規定に違反して帳簿を備えず、帳簿に記載せず、若しくは虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかったとき。

二 第十六条第一項又は第二十九条第一項の規定による報告若しくは資料の提出をせず、若しくは虚偽の報告をし、若しくは虚偽の資料を提出し、又はこれらの規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をし、若しくはこれらの規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避したとき。

三 第三十八条の規定に違反して犯罪事実確認書の廃棄又は犯罪事実確認記録の消去をしなかったとき。

(国外犯)

第四十七条 第四十三条及び第四十五条第二項の規定は、日本国外においてこれらの規定の罪を犯した者にも適用する。

(両罰規定)

第四十八条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、第四十三条、第四十四条、第四十五条第一項又は第四十六条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

判例