競売についての一問一答集

Q、競売とはどんな制度ですか?

A、強制競売とは、借金を返済できなくなった人の不動産を裁判所が差し押さえて、競争入札によりなるべく高く売却し、債権者への支払にあてる制度です。所有権取得時に全ての抵当権と差押が抹消されますが、現状引き渡しになりますので、占有者の排除が必要な場合や滞納管理費の支払義務が残っている場合があります。

Q、競売で所有権を取得しても消えない登記はありますか?

A、民事執行法59条に、競売で抹消される権利について規定があります。原則として、全て消えますが、差押債権者より前に権利を取得し、差し押さえ債権者に優先する「処分禁止の仮処分」「買戻登記」「地上権」「永小作権」「地役権」「賃借権設定登記」及び、「予告登記」は、代金納付しても消えません。代金納付後も消えない権利がある場合は、物件明細書に必ず書いてありますので、ご注意下さい。

Q、競売不動産を取得するのに必要なお金は、落札金額のお金だけですか?

A、裁判所から振込を求められるのは、@落札金額、A所有権移転登録免許税(固定資産評価額の5パーセント)、B負担抹消登録免許税(抵当権の数×1000円)、C登記関係書類郵送切手代金(約2000円)の合計金額です。この他に、固定資産税評価額の3パーセントに相当する不動産取得税が約半年〜1年後に課税されます。また、借地権付建物の場合は、借地権価格の10〜15パーセントの借地権譲渡承諾料(借地借家法20条)が必要です。

Q、現在の占有者が敷金や保証金を旧所有者に差し入れていた場合は、買い受け人は返還義務を負うでしょうか?

A、物件明細書の「不動産に係る権利の取得及び仮処分の執行で売却により効力を失わないもの」という項目に、「賃借権」の記載がある場合は返還義務があると考えて間違いありません。但し、賃借権の期限が代金納付期限(通常売却許可決定の約2ヶ月後)より前に終了する場合は、返還義務を承継しない場合があります。

Q、不動産の利回りとは、どのようにして計算するのですか?

A、マンションの場合、概算の計算方法は以下の通りです。

  賃料年収=(毎月の賃料−管理費−修繕積立金)×12−固定資産税−都市計画税

  取得経費=落札金額+登録免許税+取得税+管理費滞納+短期賃貸借の敷金+明け渡し経費+リフォーム費用

  税引き前利回り=年利(パーセント)=100×賃料年収÷取得経費

  競売不動産の場合、8〜15パーセントの利回りを実現することができる場合があります。

Q、競売不動産を取得して失敗するケースはありますか?

A、裁判中の物件など、よほど特殊な物件でない限り、あなたが落札金額の振り込みに成功したのであれば、失敗はほとんどありません。占有者の排除に時間と費用がかかる場合がありますが、適正な所有権を取得しているのですから、必ず明け渡しをすることができます。

Q、昭和56年以前に建築された建物は耐震構造に問題があると聞いたのですが、入札しない方がよいのですか?

A、昭和56年に建築基準法施行令が改正されて、昭和56年6月以降に建築確認を受けて着工された建物は耐震構造が強化された建物になっています。平成7年の阪神大震災でも、倒壊した建物の多くが改正前の旧建物であったと報告されています。しかし、旧建物全てが強度に問題があるわけでもありませんし、阪神大震災を受けて「建築物の耐震改修の促進に関する法律」が制定されて、耐震診断や耐震改修が行われて安全性が向上している建物も多いです。耐震改修については、管理会社に問い合わせれば回答が得られるはずです。実際に建物を見て、1階部分に鉄骨の補強工事が行われているかどうか確認するのも良いでしょう。

Q、落札のコツを教えて下さい。

A、当事務所で指導している、いくつかの格言をご紹介しましょう。@落ちてうれしい値段で入札しろ!Aマンションは管理を買え!(管理の良いマンションは値下がりしにくいものです)Bもぬけのカラの物件はやめておけ!(通常の市場価格より高騰する場合があります)C再入札物件に掘り出し物あり!D10回入れて1個落ちる!D必ず現場に見に行け!E登記簿の抵当権の債権額を見ろ!F現在の賃料が適正か調べろ!

 

競売物件取得のページへ

事件簿のページへ