新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.927、2009/10/26 14:00 https://www.shinginza.com/qa-jiko.htm

【民事・交通事故・後遺障害14級4号・醜状による後遺障害・逸失利益の計算】

質問:私は,交通事故により左肩から胸部にかけて醜状痕が残ったところ,この醜状痕は自賠責保険の後遺障害等級認定手続において14級4号「上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの」に相当するとの認定を受けました。そこで,相手方の保険会社に対し,この等級認定に基づいて損害賠償を請求したところ,逸失利益は認められないとの回答をされました。後遺障害として認定されているにもかかわらず,逸失利益について損害賠償を請求することはできないのでしょうか。なお,私は,21歳の未婚女性で,スーパーの店員です。

回答:
1.後遺障害を根拠とする損害賠償については,後遺障害による逸失利益についての賠償と,後遺障害による慰謝料があります。本件の場合,14級と認定されていますが,醜状痕を理由として,逸失利益が認められる可能性は低いでしょう。もっとも,14級における通常の後遺障害慰謝料(110万円 訴訟によって認められる額です。自賠責は32万円。)より高額の後遺障害慰謝料が認められる可能性といえますから,弁護士に相談されることをお勧めします。
2.事例集776番831番832番761番701番645番493番221番167番も参考にしてください。

解説:
(自賠責保険の後遺障害等級認定手続の意義について)
貴女は自賠責保険の後遺障害等級で14級と認定されていますが,14級は一番低い等級で11の事由が規定されており4号はその一つです。まずこの制度趣旨を説明しておきます。自賠責保険とは,「自動車損害賠償責任保険」の略称で,自動車損害賠償保障法(自賠法)により自動車を運転する者が強制的に加入する保険です(自賠法5条)。強制保険ですから保険に入っていなければ車検を受けることができず,自動車を運転することはできません。自賠責保険の内容として,自賠法13条,自動車損害賠償保障法施行令2条により後遺症(治療が終了しても身体に残った障害)に関して後遺障害等級,後遺障害慰謝料,労働能力喪失率等が定められています。自賠法,施行令は民法709条以下不法行為責任の特別法であり,簡単に言うと自動車運転による被害者救済のために昭和30年に制定されました。その理由は,私的自治の原則に内在する公正,公平の原則に基づいています。交通事故による損害発生の原因は,存在自体に危険性が存在する自動車そのものにあり危険責任,報償責任の原則により,民法の一般原則を修正し@被害者側の故意過失の立証責任を転換し(自賠法3条),責任主体を拡大し(自賠法3条,運行供用者)さらに強制保険を義務付け(自賠法11条以下)将来の損害額(後遺障害の損害の認定,自賠法,及び自賠法施行令2条)についても特則を置いています。

自賠責保険が規定する後遺障害等級の認定は,被害者救済のために特に法が認めたもので,民法の一般原則から言えば,損害がまだ生じていない後遺症による損害については理論上計算することはできないのですが,将来損害が発生する度に被害者に損害を請求させるのは費用,手続き上困難になるので公平上被害者救済のために従来の判例,被害実績を考慮し労働者災害補償保険法,同施行規則に準じて損害を14段階に分類して後遺障害を一般的に定型化したものです。従って,後遺障害慰謝料,労働能力喪失率等の解釈,認定については公正,公平の観念から行うことが必要になり,被害者の年齢,職種等社会的地位,被害の内容,程度により場合によって不相当なものは修正を受けることになります。尚,労働能力喪失率は,労働災害補償保険法,同施行規則に関する労働省労働基準局長通牒(昭和32.7.2基発第551号)別表労働能力喪失率表に記載されていますが,自賠責の労働能力喪失率として準用されています。危険な業務により被害を受けた労働者と自動車事故による被害者の救済は公平の理念から同様に保護する必要性があるからです。

1.醜状障害
(1)後遺障害による逸失利益
後遺症により将来の収入が減少するということは,予想されることですが,実際の損害を算定するということは将来のことですから不可能と言わざるを得ません。そこで,交通事故に関しては後遺障害の内容から労働能力喪失率を一般化して基準を定め公平を図っています。14級の行為障害に認定されれば労働の力の喪失率は5%とされています。しかし,それはあくまで一般的な基準であって,後遺障害の内容や職種によって仕事や収入への影響が変わってくることは事実です。そこで,後遺障害の内容と,仕事の内容について具体的な検討が必要となります。本件のように後遺障害が,醜状ということですとその部位にもよりますが労働に影響がない場合もあると言えることから,醜状の部位や仕事の内容が問題となります。左肩から胸部にかけて醜状ということですと,醜状それ自体が肉体的な労働能力に影響を与えることにはならないことから,通常の仕事であれば労働能力の喪失ということは否定されることになり,逸失利益は認められにくいと考えられます。もっとも,逸失利益の存否・程度の判断に当たっては,醜状の部位,形状,程度といった後遺障害そのもののみではなく,被害者の職業・職種,年齢等が具体的に検討されるべきものであって(例えば,俳優等の見た目が重視される職業においては,逸失利益が認められる可能性が高いでしょう。),醜状障害だから逸失利益は認められないと判断するのは早計です。

(2)後遺障害慰謝料
このように,仮に醜状障害につき逸失利益が認められないとしても,他の同等級後遺障害の事例より高額の後遺障害慰謝料が認められる可能性があります。すなわち,損害賠償というのは損害が発生して初めて認められる訳ですから,逸失利益という,将来得られるであろうと予想される利益が無くなったという損害については,損害が生じるであろうと考えられる蓋然性が必要となるのです。そこで,そのような蓋然性を認めるまでには至らない場合には損害は認められないことになります。しかし,損害のうちでも精神的な損害に対して賠償される慰謝料については,精神的なものですから,損害があるか否かは主観的なものになります。裁判の場合は,慰謝料の金額は裁判官が判例等に基づき主観で決めることができる,といっても良いでしょう。そこで醜状障害について,これを理由に労働能力の喪失があるとはいえないとしても,精神的苦痛は相当大きなものである,という判断は十分にあり得るのです。

2.本件について
(1)後遺障害による逸失利益
本件では,「左肩から胸部にかけての醜状痕」ということで衣服に隠れる部分が大きいこと,及び,このような醜状障害がスーパーの店員という職業に影響を及ぼすとは言いにくいことから,逸失利益が認められる可能性は低いでしょう。本件と同様の事案において逸失利益を一部しか認めなかった判例として,「原告には左肩から胸部にかけて後遺障害等級14級相当の醜状痕が残ったことも認められるが,同醜状痕が前記精神障害に影響を与えていることは推測されるものの,その部位及び原告の本件事故当時の就労状況(ビデオショップのアルバイト店員:筆者注)からして,醜状痕自体が原告の労働能力に明らかに影響を及ぼすものであるとは解することができないから,後記のとおり後遺障害慰謝料において考慮することとし,逸失利益の算定に当たっては考慮しない。原告の上記後遺障害の内容・程度に,同後遺障害は原告が適切な薬物療法及び精神療法を受けることにより将来的に改善が見込めるものであること(乙第三号証)をも併せ鑑みれば,原告は,同後遺障害により,労働能力の五パーセントを,五年間(ライプニッツ係数四・三二九四)に亘って喪失したものと認めるのが相当というべきである。以上によれば,原告の逸失利益は,下記のとおりとなる。二,七〇一,五〇〇×〇・〇五×四・三二九四=五八四,七九三(円未満切捨て。以下同様。)」とした大阪地方裁判所判平成14年4月9日判決があります。後遺障害の逸失利益は,公平の観念により解釈,認定されるので,通常67歳までの労働可能期間を5年間に短縮限定して喪失率5%で計算し,後遺障害慰謝料の算定も考慮しており妥当な結論と考えられます。

(2)その他の判例として
東京地裁平成5年平成7年3月31日判決。この判例は,後遺障害14級9号「九 局部に神経症状を残すもの」に該当する事案です。「後遺障害による逸失利益 一〇八万二九三二円 証拠(甲二四,乙二)によれば,被告は,右大小後頭神経の圧痛,疼痛などの後遺障害が残つて,平成六年三月八日症状固定となつたこと,右後遺障害は労働者災害補償保険法規則別表第一障害等級表第一四級九号(局部に神経症状を残すもの)に該当するとの認定を受けていることが認められ,右によれば,被告は,右後遺障害により,前記症状固定の日から四年間その労働能力の五分を喪失したと認めるのが相当である。被告は本件事故前の二ケ月間に一〇三万七五三七円の収入を得ていたことは前記のとおりであるからその額を基礎として,ライプニツツ方式により中間利息を控除して逸失利益の現価を求めると,以下の計算式のとおり,一〇八万二九三二円(一円未満切捨)となる。(計算式)1037537÷62×365×0.05×3.5459=1082932
5 後遺障害による慰謝料  九〇万円
被告の後遺障害の内容・程度等本件にあらわれた一切の事情を総合すると,後遺障害による慰謝料は九〇万円と認めるのが相当である。」
さらに判決は被害者にいわゆるむち打ち症の症状があり以下のように述べている。「しかしながら,本件事故態様等に照らすと,被告の治療期間は,本件事故のみによつて通常発生する程度を超えて長期化したものであることは否めないところであつて,かつ,被告の訴える症状の多くが,出現箇所の安定性を欠くものであるうえ,他覚的所見の裏付けを伴わないものであるというべく,右長期化に関しては被告の心因的要因が寄与しているといわざるを得ないところである。」本事例はタクシー運転手をしていた被害者について労働能力喪失期間を4年間として判断しているが,被害者の後遺症が心因的要因に基づくものであれば妥当な結論と考えられます。

(3)後遺障害慰謝料
本件では,「21歳の未婚女性」ということに鑑みると,「左肩から胸部にかけての醜状痕」が残ったことによる精神的苦痛は相当大きなものといえますから,14級における通常の後遺障害慰謝料(110万円)より高額の後遺障害慰謝料が認められる可能性が高いでしょう。本件と同様の事案において180万円の後遺障害慰謝料を認めた例として,「原告の前記後遺障害の内容・程度に鑑みれば,自賠法上の後遺障害等級は併合14級に当たるものというべきであるが,原告が20歳代の未婚の女性であることを考慮すれば,前記醜状障害が残ったことにより原告が被った精神的苦痛は相当大きなものであることが容易に推認される。以上の事情を考慮し,原告の苦痛を慰謝するのに必要な金額としては,180万円が相当であると認める。」とした前記大阪地判平14.4.9が参考になりますので参照します。

<参考条文>

民法
第709条
故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は,これによって生じた損害を賠償する責任を負う。

自動車損害賠償保障法
責任保険又は責任共済の契約の締結強制)
第五条  自動車は,これについてこの法律で定める自動車損害賠償責任保険(以下「責任保険」という。)又は自動車損害賠償責任共済(以下「責任共済」という。)の契約が締結されているものでなければ,運行の用に供してはならない。
第二節 自動車損害賠償責任保険契約及び自動車損害賠償責任共済契約
(責任保険及び責任共済の契約)
第十一条  責任保険の契約は,第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合において,これによる保有者の損害及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害を保険会社がてん補することを約し,保険契約者が保険会社に保険料を支払うことを約することによつて,その効力を生ずる。
2  責任共済の契約は,第三条の規定による保有者の損害賠償の責任が発生した場合において,これによる保有者の損害及び運転者もその被害者に対して損害賠償の責任を負うべきときのこれによる運転者の損害を組合がてん補することを約し,共済契約者が組合に共済掛金を支払うことを約することによつて,その効力を生ずる。
(保険金額)
第十三条  責任保険の保険金額は,政令で定める。
2  前項の規定に基づき政令を制定し,又は改正する場合においては,政令で,当該政令の施行の際現に責任保険の契約が締結されている自動車についての責任保険の保険金額を当該制定又は改正による変更後の保険金額とするために必要な措置その他当該制定又は改正に伴う所要の経過措置を定めることができる。
(支払基準)
第十六条の三  保険会社は,保険金等を支払うときは,死亡,後遺障害及び傷害の別に国土交通大臣及び内閣総理大臣が定める支払基準(以下「支払基準」という。)に従ってこれを支払わなければならない。
2  国土交通大臣及び内閣総理大臣は,前項の規定により支払基準を定める場合には,公平かつ迅速な支払の確保の必要性を勘案して,これを定めなければならない。これを変更する場合も,同様とする。

自動車損害賠償保障法施行令
別表第一 (第二条関係)
等級
介護を要する後遺障害
保険金額

第一級
一 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要するもの
二 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し,常に介護を要するもの
四千万円

第二級
一 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,随時介護を要するもの
二 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し,随時介護を要するもの
三千万円
備考 各等級の後遺障害に該当しない後遺障害であつて,各等級の後遺障害に相当するものは,当該等級の後遺障害とする。

別表第二 (第二条関係)
等級
後遺障害
保険金額

第一級
一 両眼が失明したもの
二 咀嚼及び言語の機能を廃したもの
三 両上肢をひじ関節以上で失つたもの
四 両上肢の用を全廃したもの
五 両下肢をひざ関節以上で失つたもの
六 両下肢の用を全廃したもの
三千万円

第二級
一 一眼が失明し,他眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
二 両眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
三 両上肢を手関節以上で失つたもの
四 両下肢を足関節以上で失つたもの
二千五百九十万円

第三級
一 一眼が失明し,他眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
二 咀嚼又は言語の機能を廃したもの
三 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,終身労務に服することができないもの
四 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し,終身労務に服することができないもの
五 両手の手指の全部を失つたもの
二千二百十九万円

第四級
一 両眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
二 咀嚼及び言語の機能に著しい障害を残すもの
三 両耳の聴力を全く失つたもの
四 一上肢をひじ関節以上で失つたもの
五 一下肢をひざ関節以上で失つたもの
六 両手の手指の全部の用を廃したもの
七 両足をリスフラン関節以上で失つたもの
千八百八十九万円

第五級
一 一眼が失明し,他眼の視力が〇・一以下になつたもの
二 神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
三 胸腹部臓器の機能に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの
四 一上肢を手関節以上で失つたもの
五 一下肢を足関節以上で失つたもの
六 一上肢の用を全廃したもの
七 一下肢の用を全廃したもの
八 両足の足指の全部を失つたもの
千五百七十四万円

第六級
一 両眼の視力が〇・一以下になつたもの
二 咀嚼又は言語の機能に著しい障害を残すもの
三 両耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
四 一耳の聴力を全く失い,他耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
五 脊柱に著しい変形又は運動障害を残すもの
六 一上肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
七 一下肢の三大関節中の二関節の用を廃したもの
八 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指を失つたもの
千二百九十六万円

第七級
一 一眼が失明し,他眼の視力が〇・六以下になつたもの
二 両耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
三 一耳の聴力を全く失い,他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
四 神経系統の機能又は精神に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの
五 胸腹部臓器の機能に障害を残し,軽易な労務以外の労務に服することができないもの
六 一手のおや指を含み三の手指を失つたもの又はおや指以外の四の手指を失つたもの
七 一手の五の手指又はおや指を含み四の手指の用を廃したもの
八 一足をリスフラン関節以上で失つたもの
九 一上肢に偽関節を残し,著しい運動障害を残すもの
十 一下肢に偽関節を残し,著しい運動障害を残すもの
十一 両足の足指の全部の用を廃したもの
十二 女子の外貌に著しい醜状を残すもの
十三 両側の睾丸を失つたもの
千五十一万円

第八級
一 一眼が失明し,又は一眼の視力が〇・〇二以下になつたもの
二 脊柱に運動障害を残すもの
三 一手のおや指を含み二の手指を失つたもの又はおや指以外の三の手指を失つたもの
四 一手のおや指を含み三の手指の用を廃したもの又はおや指以外の四の手指の用を廃したもの
五 一下肢を五センチメートル以上短縮したもの
六 一上肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
七 一下肢の三大関節中の一関節の用を廃したもの
八 一上肢に偽関節を残すもの
九 一下肢に偽関節を残すもの
十 一足の足指の全部を失つたもの
八百十九万円

第九級
一 両眼の視力が〇・六以下になつたもの
二 一眼の視力が〇・〇六以下になつたもの
三 両眼に半盲症,視野狭窄又は視野変状を残すもの
四 両眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
五 鼻を欠損し,その機能に著しい障害を残すもの
六 咀嚼及び言語の機能に障害を残すもの
七 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
八 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になり,他耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
九 一耳の聴力を全く失つたもの
十 神経系統の機能又は精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
十一 胸腹部臓器の機能に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの
十二 一手のおや指又はおや指以外の二の手指を失つたもの
十三 一手のおや指を含み二の手指の用を廃したもの又はおや指以外の三の手指の用を廃したもの
十四 一足の第一の足指を含み二以上の足指を失つたもの
十五 一足の足指の全部の用を廃したもの
十六 生殖器に著しい障害を残すもの
六百十六万円

第十級
一 一眼の視力が〇・一以下になつたもの
二 正面を見た場合に複視の症状を残すもの
三 咀嚼又は言語の機能に障害を残すもの
四 十四歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
五 両耳の聴力が一メートル以上の距離では普通の話声を解することが困難である程度になつたもの
六 一耳の聴力が耳に接しなければ大声を解することができない程度になつたもの
七 一手のおや指又はおや指以外の二の手指の用を廃したもの
八 一下肢を三センチメートル以上短縮したもの
九 一足の第一の足指又は他の四の足指を失つたもの
十 一上肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
十一 一下肢の三大関節中の一関節の機能に著しい障害を残すもの
四百六十一万円

第十一級
一 両眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
二 両眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
三 一眼のまぶたに著しい欠損を残すもの
四 十歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
五 両耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
六 一耳の聴力が四十センチメートル以上の距離では普通の話声を解することができない程度になつたもの
七 脊柱に変形を残すもの
八 一手のひとさし指,なか指又はくすり指を失つたもの
九 一足の第一の足指を含み二以上の足指の用を廃したもの
十 胸腹部臓器の機能に障害を残し,労務の遂行に相当な程度の支障があるもの
三百三十一万円

第十二級
一 一眼の眼球に著しい調節機能障害又は運動障害を残すもの
二 一眼のまぶたに著しい運動障害を残すもの
三 七歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
四 一耳の耳殻の大部分を欠損したもの
五 鎖骨,胸骨,ろく骨,けんこう骨又は骨盤骨に著しい変形を残すもの
六 一上肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
七 一下肢の三大関節中の一関節の機能に障害を残すもの
八 長管骨に変形を残すもの
九 一手のこ指を失つたもの
十 一手のひとさし指,なか指又はくすり指の用を廃したもの
十一 一足の第二の足指を失つたもの,第二の足指を含み二の足指を失つたもの又は第三の足指以下の三の足指を失つたもの
十二 一足の第一の足指又は他の四の足指の用を廃したもの
十三 局部に頑固な神経症状を残すもの
十四 男子の外貌に著しい醜状を残すもの
十五 女子の外貌に醜状を残すもの
二百二十四万円

第十三級
一 一眼の視力が〇・六以下になつたもの
二 正面以外を見た場合に複視の症状を残すもの
三 一眼に半盲症,視野狭窄又は視野変状を残すもの
四 両眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
五 五歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
六 一手のこ指の用を廃したもの
七 一手のおや指の指骨の一部を失つたもの
八 一下肢を一センチメートル以上短縮したもの
九 一足の第三の足指以下の一又は二の足指を失つたもの
十 一足の第二の足指の用を廃したもの,第二の足指を含み二の足指の用を廃したもの又は第三の足指以下の三の足指の用を廃したもの
十一 胸腹部臓器の機能に障害を残すもの
百三十九万円

第十四級
一 一眼のまぶたの一部に欠損を残し又はまつげはげを残すもの
二 三歯以上に対し歯科補綴を加えたもの
三 一耳の聴力が一メートル以上の距離では小声を解することができない程度になつたもの
四 上肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
五 下肢の露出面にてのひらの大きさの醜いあとを残すもの
六 一手のおや指以外の手指の指骨の一部を失つたもの
七 一手のおや指以外の手指の遠位指節間関節を屈伸することができなくなつたもの
八 一足の第三の足指以下の一又は二の足指の用を廃したもの
九 局部に神経症状を残すもの
十 男子の外貌に醜状を残すもの
七十五万円
労働能力の喪失率
自動車損害賠償保障法施行令別表第1の場合
障害等級 労働能力喪失率
第1級 100/100
第2級 100/100
自動車損害賠償保障法施行令別表第2の場合
障害等級
労働能力喪失率
第1級 100/100
第2級 100/100
第3級 100/100
第4級 92/100
第5級 79/100
第6級 67/100
第7級 56/100
第8級 45/100
第9級 35/100
第10級 27/100
第11級 20/100
第12級 14/100
第13級 9/100
第14級 5/100

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