新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.395、2006/4/24 13:25 https://www.shinginza.com/rikon/index.htm

[家事・夫婦]
質問: 子供を連れて家を出て、離婚して1年ほどになります。子供の親権者は私です。一生懸命一人で頑張ってきましたが、一時期体調を崩して、仕事を変えざるを得なくなり、生活も苦しくなりました。子供のために、と思い、養育費を少しでも支払ってくれないか、子供の父親である、元夫に頼んだところ、それなら子供に会わせろ、と言ってきました。子供が幼いので、会わせるには、私も立ち会わなければなりません。正直、気の重い話です。子供も、父親の顔は覚えていないと思います。会わせなければ、法律上、養育費も請求できないのでしょうか。

回答:
1.親権者でなくなっても、親子でなくなるわけではありませんから、父親である以上、父親自身の経済力、母親の経済力との比較に応じて、養育費の支払義務が生じてきます。子供と面会しているかどうかは関係ありませんし、子供と会わせることと、養育費の支払いを受けることが、法律上引き替えになるわけではありません。
2.しかし、そのこととは別に、親は子供と会う権利、面接交渉権があるとされています。もちろん、子供の福祉にかなった形で行う必要がありますから、父親が暴力的であったり、子供を虐待した等の場合は、例外となりますし、子供の精神状態、環境等に最大限配慮した上で、ということになりますが、母親の意思のみで、会わせないということはできません。また、現実的には、子供との接点があった方が、父親としての自覚が生まれ、養育費の支払いも受けやすく、続けてもらいやすくなる、という面もあります。
3.対応としては、面会については、子供の精神状態等を最優先に、無理のない回数、場所で再開するとしつつ、養育費については、それとは別に支払って欲しい、と伝えて話し合うことになると思います。面接の条件を決める際には、必ず、養育費の毎月の支払額、毎月何日に、子供が何歳になるまで支払うのかという支払時期等の条件も、書面で決めて下さい(できれば、公正証書にした方がいいでしょう)。話し合いがうまくいかない、あるいは、子供がどうなるか、自分が立ち会うだけで大丈夫か心配だ、という場合には、家庭裁判所の調停で話し合うことができます。養育費の調停をこちらから申し立てて、元夫も、本当に子供に会いたいということであれば、元夫からも面接交渉の調停を申し立ててくると思います。面接交渉の調停では、一度裁判所で面会してみる等、調査官等の専門家の協力を得ながら、話し合いを進めることができる場合もあります。ご心配でしたら、お近くの法律事務所にご相談下さい。

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