新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.328、2006/1/5 14:52 https://www.shinginza.com/syouhisya.htm

[民事・消費者]
質問:4年前、メンバーズクラブに入会していましたが、半年後に解約する内容の書面を送付しました。契約期間内では、実際にサービスは利用していません。最近になって、消費者管理協会というところから連絡があり、『あなたが送付した解約に関する書類は、別の会社に行っており、解約手続きは終了していない。違約金が発生していますので、至急30万円支払ってください。』と強い口調で言われました。どのように対応すればいいでしょうか。

回答:
1、契約の解約は、原則的には契約の中途解約条項等に従い、解約の意思表示を相手方に到達させる必要があります。したがって、解約の有効性を立証するためには、解約の意思表示が相手方に到達していることを証明する必要があります。ですので、本来であれば、解約の意思表示は、配達記録付の内容証明郵便で出すべきでした。これであれば、解約の意思表示の内容と相手方への到達を客観的に証明できます。よって、相手方の解約手続きに関する主張については、一定の合理性はあります。
2、ただ、解約が成立していないとしても、当該契約自体の内容、有効性などに問題がある可能性があるので、相手方の言うとおりに応じる必要はまったくありません。まず、違約金30万円の発生についてですが、契約上違約金の取り決めがあるのか否か、30万円が妥当な金額なのか明らかではありません。違約金の取り決めが無ければ、そもそも違約金の支払い義務は生じませんし、仮に違約金条項があっても当該規定が公序良俗違反や消費者契約法違反になり無効になる可能性もあります。したがって、このことを確認するためにも相手方に対して、違約金の発生の根拠、契約書などについて書面による説明を求めるべきです。相手方が正当な主張をしているのであれば、当然具体的な回答をしてきます。回答がこなければ、それ自体相手方が不合理な主張をしている何よりの証拠となります。相手方が書面による回答をしてきた場合、その内容について弁護士や消費者相談窓口などの専門機関に相談をされるとよいでしょう。
3、さらに、相手方が主張する消費者管理協会というところについても注意をする必要があります。基本的に契約当事者に当事者適格が認められ、第三者については、正式に代理権が授与されているか、債権を譲渡しているかなど、具体的な権限が無ければ法的に請求をすることはできません。したがって、消費者管理協会が契約当事者とどのような関係にあるのかの説明を求めるべきです。相手方はこのことを主張立証する責任がありますので、書面による回答がなされるまで、相手方との交渉を拒否しても良いです。
4、以上の通り、相手方が強い口調で請求してきたとしても、正当な主張ではない可能性が高いので、相手方の主張をそのまま認める必要はありません。前記のとおり、冷静に対応し、場合によっては弁護士や消費者相談窓口に相談してから回答をすれば良いです。裁判で無い以上法的な強制力はありませんので、落ち着いて、くれぐれも相手方のペースにはまらないで、お金の支払いはしないようにして下さい。

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