新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.320、2006/1/5 10:54 https://www.shinginza.com/qa-hanzai.htm

[刑事・起訴後]
質問: 私は現在、執行猶予中の身ですが、海外旅行をすることはできるのでしょうか。

回答:
法律上、海外旅行は禁じられていません。
1、保護観察が付されている場合には保護観察所の長に届出をしなければならないことがあるという縛りはありますが、法律上、一般的に海外旅行は禁じられているわけではありません。とはいえ、実際に海外旅行ができるかどうかは別問題です。
2、まず、海外旅行に行くためには旅券(パスポート)が必要ですが、もし現在旅券を所持していない場合には、旅券の発行を申請することになります。その際、申請書面に刑罰等関係について記載しなければならない箇所があり、執行猶予期間中の場合にはその旨記載することになります。執行猶予期間中であることの一事をもって直ちに旅券の発行申請が却下されるわけではありませんが、審査の過程で執行猶予期間中であることが考慮されるのは間違いありませんので、裁量次第で却下される可能性もあります。
3、次に、旅券をあらかじめ持っていた、あるいは旅券自体は取得できた場合についてですが、この場合、出国することは可能です。しかし出国できたからといって、必ずしも旅行先の国の入国審査をパスできるとは限りません。また、入国は可能であるとしても、通常であればビザは不要である国にもかかわらず、ビザの発行を受けなければ入国できないこともあります。入国できるのかどうか、あるいはビザが必要かどうかについては犯罪の種類、旅行先の対応にもよりますので一概に回答をすることができません。さらに言うならば、各国の対応それ自体も完全に定まったものではなく、通達等によって度々変更されるものですので、旅行する際にあらかじめ大使館等に確認をとるのが最良の策であろうと思います。

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