新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.299、2005/10/12 10:44 https://www.shinginza.com/qa-sarakin.htm

[民事・消費者]
質問:多重債務の状態に陥って、債務を一本化してくれる業者を紹介してくれるというので行ってみましたが、結局借りることはできませんでした。すると、その業者がお金を貸すことはできないが、知り合いの弁護士を紹介するから、債務整理をお願いしたらどうかと持ちかけてきました。そのような弁護士に依頼しても大丈夫でしょうか。

回答:
1、ご質問の件について、紹介された弁護士は非弁提携弁護士といわれる弁護士である可能性が高く、依頼することはお薦めできません。
2、非弁提携弁護士とは、一般には、整理屋・紹介屋などの業者と組んで,多重債務者の相談にのるが,実際は活動せずに高額の手数料や業者からの報酬を受け取る弁護士、などと定義されることが多いでしょう。整理屋というのは、会社整理等を行なっている会社に乗り込むなどして、債権の回収を図り、手数料をとる者のことです。質問にあるような非弁提携弁護士を紹介して手数料をとるような業者を紹介屋といいます。
3、このような非弁提携弁護士は、債務者からの依頼をうけると、事務員と称するものの面談を経た後(非弁提携弁護士は直接でてこないことが多いようです。)、一応、すべての貸し金業者(債権者)に受任通知を送ります。通知を受け取った業者は、金融庁の事務ガイドラインにより、多重債務者本人に直接請求・取立てをすることはできないことになっていますから、この時点で債務者への連絡はとまります。(この受任通知は通常の弁護士でも必ず行います。)この受任通知によって、債務者は支払いが止まったことを感謝し、弁護士報酬や任意整理の場合の支払い原資をいわれるままに支払い続けることになるのですが、このような非弁提携弁護士が定める報酬は弁護士会などで定めている報酬基準に比べると法外に高く、債務者の送金は支払い原資のほかは非提携弁護士や整理屋・紹介屋が一定の割合で分配してしまいます。また、債務整理の場合に、そもそもの和解案自体も、利息制限法に基づいて計算すれば大幅な減額が見込めるような場合にも、これをしないで債権者の言い値で和解してしまっているものもあり、その後,債務者がいつまで支払いをしてよいのか不安になり、説明を求めても、法律事務所に弁護士がいることはほとんどなく、回答されることもないようです。さらに、悪質なものになると、財産を処分させられ、紹介した業者の弁済にあて、そのまま辞任されてしまうようなケースもあると聞きます。
4、このような非弁提携弁護士は弁護士法37条により罰金等の刑事罰の対象になっているものの、残念ながら全国にかなりいるといわれています。非弁提携弁護士はこのように@紹介屋等から紹介されるA弁護士が直接でてこない、また、きちんとした説明をしないB弁護士費用が高額あるいは不明確などの特徴がありますから、依頼にあたっては十分に注意してください。また、万が一依頼してしまった場合でもただちに解任し、書類や金員の返還を請求するとともに、債務整理をやり直してもらう必要がありますので、弁護士にご相談ください。

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