新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.253、2005/5/20 14:43 https://www.shinginza.com/rikon/index.htm

[家事・夫婦]
質問:離婚訴訟について、教えてください。

回答:
1、離婚について、夫婦の間で話し合い(協議)がまとまらない場合は、裁判所で、ということになりますが、いきなり裁判を起こすことはできません。できるだけ話し合いで解決することが望ましいという考えから、相手方の住所地の家庭裁判所で離婚調停(調停委員を介した話し合い)を行い、調停も成立せず、それでも離婚を望む場合には、訴訟を起こします。
2、離婚訴訟を起こす場合には、調停が不成立になった際に、調停不成立の調停調書を作成してもらい、訴状にそれを添付して、訴訟提起することになります。管轄(訴訟を起こす裁判所)は、夫婦どちらかの住所地の家庭裁判所となるのが通常ですが、家庭裁判所が自ら調停を行った経緯や未成年の子の利益を考えて判断する場合もあります(平成16年4月1日から施行)。
3、離婚訴訟を起こされた場合には、答弁書を作成して、反論することになります。もっとも、訴訟の場合でも、離婚についてはやはり話し合いを、という考え方が基本になりますから、書面による主張、反論を行いつつ、裁判官を介して和解できないか、という解決策が検討されていくのが通常です。最初の期日は法廷で行いますが、その次からは和解室を使うことも多くあります。いろいろなケースがありますが、通常、当初数回の期日は書面のやりとりを行いながら、状況を見て話し合いをし、話し合いがうまく進むようならそのまま和解交渉になりますが、難しいようなら、陳述書を提出して、法廷での本人(状況によっては証人)尋問、その後の和解も難しければ判決、という流れが想定されます。裁判所の期日は一ヶ月に一回程度しか入りませんので、通常は、事件解決までに半年以上かかります。
4、家庭裁判所でも、本人訴訟のため、書式例などを用意し、形式や手続などの相談には乗ってくれますが、期日のたびに、できるだけご自分に有利な書面を作成、提出して、それと同時に和解についても考えながら、並行して手続を進めていくというのは、やはり法的な手続にご経験のない方には、ご負担が大きいかと存じます。
5、あくまでも裁判所は中立の立場にありますから、当事者どちらかの味方にはなってくれません。どのような主張をするか、書面にはどこまで書けばいいのか、どのように和解した方がいいのか、どの時期にどのような対応をした方が有利なのか、という、一番大事なことは、あくまでも自分で決めなければいけません。このような訴訟方針については、弁護士によっても判断が分かれるほど微妙なところですから、ご本人様お一人では、不安も大きいと思います。調停では、決心が付かなければ不成立にする、という方法もありますが、訴訟はあくまでも判決を出す手続ですから、何らかの形で結論が出てしまいます。
6、調停までは、ご本人様でも対応可能なケースが少なからずあると思いますが、訴訟となると、やはりご負担も影響も大きいですので、できれば、弁護士に相談し、依頼をして代理人として訴訟活動を行ってもらうことをおすすめいたします。

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