新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.215、2004/12/16 11:57 https://www.shinginza.com/rikon/index.htm

[家事・夫婦]
質問:躁鬱病(そううつ病)で入退院を繰り返す夫と離婚できないでしょうか。方法について、教えてください。離婚話を持ち出しても、なかなか話が進みません。

回答:
1、離婚について、当事者間で話し合いが進まない場合には、まず、お近くの家庭裁判所に離婚の調停を申し立ててください。この手続きはあくまで当事者間の話し合いによる解決ですから、離婚しないといっている相手方と無理矢理離婚することはできません。ただ、調停委員が間に入ってお互いの言い分を聞きながら、説得をしてくれますから、二人だけで話すときより、話が前進することは十分に考えられます。ただ、調停に本人が出頭しなければ、話し合いは困難になりますから、病状によっては調停による解決自体が困難なこともあると思われます。
2、調停によっても話がまとまらない場合には、裁判を起こし、裁判上の和解で離婚することも考えられますが、それも難しい場合には、判決によって強制的に離婚するしかありません。強制的に離婚するという判決をもらうためには、民法770条に定める離婚原因が必要です。一般的にいえば、躁鬱病は民法770条4号のいう「強度の精神病」にあたりうるものですが、4号には、その「強度の精神病」が、「回復の見込みがない」ものでなければならないと規定されています。単に精神病院に入院しているという事実だけでは、証明として不十分で離婚原因として認められないこともあります。また、770条2項は、4号などの離婚原因に該当する事由があっても、一切の事情を考慮して婚姻を継続するのが相当と判断する場合には離婚を認めない旨定めています。最高裁判所の判例としては、夫婦の一方が強度で、しかも不治の精神病にかかっている場合でも、諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活等についてできる限りの具体的方途を講じ、ある程度において前途にその方途の見込みのついたうえでなければ離婚できないとしたものがある一方で、病者の実家が療養のための経済的能力があり、かつ、請求者の生活が必ずしも裕福でないという事情のもと離婚請求を認めたものがあります。離婚によって、精神病者が頼りにできる人を失い、今後の生活の目処がたたなくなってしまうことは好ましくない、との判断も働いているのかもしれません。
3、結局、ご質問の事例で離婚が認められるかについては、事情によって異なるとしかいえないのですが、離婚認容の判決をもらうためには、少なくとも@治療が長期間に渡っていること、A離婚を請求する配偶者がこれまで誠実に療養・監護を行ってきたこと、B離婚後の療養・監護につき具体的な方策がたてられていること、が必要と考えられています。詳しくは、お近くの法律事務所にご相談ください。

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