新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.197、2004/9/16 10:43 https://www.shinginza.com/qa-souzoku.htm

[税務]
質問:相続時清算課税制度について、教えてください。

回答:
1、相続時精算課税制度とは、被相続人が生前に贈与したものについて、贈与時は特別の控除を受け、被相続人の相続時に相続税と精算して贈与税を支払う制度です。高齢化社会に伴い、高齢者の財産を円滑に若い世代に譲渡しやすくするために設けられたものです。
2、この制度を選択できる資格は、贈与者が65歳以上の親であり、受贈者が20歳以上の子である推定相続人である場合です。
3、この制度の適用を受けるためには、当該贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に、相続時精算課税制度を選択する旨の届出をする必要があります。なお、いったん選択をした場合、届出をした贈与者からの贈与については、その贈与者が亡くなるまで適用が継続され、途中で選択を撤回することはできません。
4、具体的な税額の計算については、次のようになります。まず、生前贈与を受けた時点の贈与税は、2500万円まで特別控除額として非課税です。この特別控除は累積ですので複数年にわたって使用できます。特別控除額を超えた部分については、一律20%の税率となります。そして、相続時において精算がなされます。相続税の計算において、相続財産の価額にこの制度を適用した贈与財産の価額を加算して、相続税額を計算します。加算するときの基準は贈与の時点の時価です。そして、既に支払った贈与税額を相続税額から控除されます。控除しきれない分については還付されます。その際、別途還付申告が必要です。
5、税金や他の相続分遺留分問題がありますので、お近くの税理士や弁護士などの専門家に相談し、手続きをなさってください。

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