新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.1724、2017/01/18 10:10 https://www.shinginza.com/qa-hanzai.htm

【刑事、漁業法の制度趣旨、漁業法違反と不起訴処分の方法と対策】

漁業法違反の弁護活動


質問:
 私は,東北地方のある町で公務員をしております。先日,海に釣りに行ったところ,何の気なしに,持ち帰って自宅で食べるため,いくつかサザエを採捕してしま いました。サザエを採捕しているところで警察官の方に見つかり,その場で写真撮影の上でサザエを海に返してから,任意同行され,漁業法違反の被疑事実にて,取 り調べを受けました。取り調べにおいて,サザエについて当地漁業の漁業権が及んでいる,との説明を受けました。

 正直なところ,漁業法という法律自体を知らなかったのですし,サザエを採ってはいけないという看板が近くにあったそうなのですが,気づきませんでした。た だ,私が行ってしまった行為が,法律に違反しているということであれば,率直に申し訳ないと思っております。公務員ですので,刑事処分や職場での処分が心配で す。今後どうなるのでしょうか。



回答:

1 漁業権は,都道府県知事に漁業権を付与することを申請し,免許が付与されることで認められる権利です(漁業法10条)。いかなる海産物に,漁業権が設定 されているかは,地域によって異なるところではありますが,漁業権は,漁業生産力を発展させ漁業の民主化を図るために設定されるものですから(漁業法1条), その地域で良く採捕される海産物については,漁業権が設定されている可能性が高いと言えます。

 サザエについて漁業権が及んでいるのであれば,サザエを採捕することは,漁業協同組合が有する漁業権を侵害することになりますので,漁業法143条1項に より,20万円以下の罰金刑に処される可能性があります。本法律の制度趣旨ですが、漁業組合が有する漁業権の経済的保護と同時に海洋資源全体の保護と漁業の民 主化という社会的法益も含まれています。なお,漁業法を知らなかったとしても,そのことを理由に処罰されない,ということはありません(刑法38条3項本 文)。

2 漁業法143条1項違反の罪は,親告罪(同法2項)ですので,当該海域の漁業協同組合との間で示談が成立し,告訴を取り下げてもらえれば,処罰されるこ とはありません。親告罪とした理由ですが、器物損壊罪と同様に軽微な罪なので被害者の意思を尊重したと考えられます。また,示談が成立しないとしても,その制 度趣旨から贖罪寄付を行い、又は漁業協同組合に対して寄付をしたり,損害賠償金の供託をするなどして,不起訴処分を狙える可能性も十分あります。

3 いずれにせよ,まずは漁業協同組合に接触し,示談交渉を開始する必要がございますので,示談交渉に長けた弁護士に依頼することを推奨いたします。

4 本罪は、迷惑防止条例などと同様に社会的法益も含まれることから検察官によっては示談だけでは不起訴に出来ないという場合がありますので、最悪、告訴取 消が必須となる場合もあります。行業組合側との交渉の方法は、被害の回復、謝罪に加えて本法律の制度趣旨から、海洋資源の保護という趣旨を強調し例えばサザエ の増殖のためこの寄付金(20万円)を利用してくださいという説得も考えられます。その上で告訴取消のお願いです。要は、誠心誠意組合長に制度趣旨からお願い することです。組合によっては関心を示す場合もありますので意外に道が開けるかもしれません。

5 本罪と窃盗罪の関係ですが軽微な漁業資源の侵害(懲役はなく罰金額の上限は20万円です。)は法条競合と考えられます。すなわち漁業法違反のみが成立し ます。


解説:

1 漁業権侵害  

 漁業権の具体的な内容は,@定置漁業権(大型の網などを設置する漁法に関する漁業権),A区画漁業権(養殖業等に関する漁業権),B共同漁業権(その他の 一定の海産物ないし漁法に関する漁業権)の三種類となります(漁業法6条)。いずれの権利も,それぞれ都道府県知事に申請し,免許を付与されることで設定され ることとなります(漁業法10条)。サザエやアワビといった貝類は,共同漁業の中の「第一種共同漁業」の対象であり(漁業法6条5項1号),免許付与の際に漁 場の区域も合わせて定められています。共同漁業権の場合,漁業協同組合または漁業協同組合連合会が免許付与の適格性を有しておりますので(漁業法14条8 項),共同漁業権を有しているのは,原則として漁業協同組合となります。

 漁業権は,漁業生産力を発展させるために設定されるものですから,サザエが良く捕れる海域では,サザエを対象とした漁が営まれているのが通常であり,多く の場合,その地域の漁業協同組合による共同漁業権の漁場となっている可能性が高いと言えるでしょう。

 漁業権の設定については,免許漁業原簿に登録され(漁業登録令1条,8条1項),誰でも閲覧を請求すれば,免許漁業原簿を閲覧することができます(同令 10条1項)。どの海産物に漁業権が及んでいるかについて,正確に把握するためには,免許漁業原簿を閲覧することが必要になります。

 相談者のケースですと,サザエについて,漁業権が及んでいるとのことですから,相談者が,サザエを採捕した行為は,その漁場で漁業権を有している漁業協同 組合の漁業権を侵害しており,漁業法143条1項に該当する行為であると言えます。

 なお,刑法38条3項本文は,「法の不知は許さず」という法諺を条文化したもので,違法性を意識していなくとも処罰される,という条文です。そのため,漁 業法を知らず,違法性の意識がなかったため,犯罪が成立しない,ということにはなりません。

2 示談交渉の必要性

 漁業法143条1項は,親告罪ですので,告訴がなされないか,あるいは告訴が取り下げられれば(刑事訴訟法237条1項),あなたが処罰されることはあり ません。そのため,あなたが不起訴処分になるためには,まず示談交渉を行い,漁業協同組合に対して,告訴をしないか,取り下げてもらうかする必要があります。

 漁業協同組合は,公益的性格を有して法人であり(水産業協同組合法1条,同法5条),水産資源の管理及び水産動植物の増殖を事業内容としていることもあり (同法11条1号),漁業法違反行為に対しては,一律に告訴をしている,という運用をしている漁業協同組合もございます。その場合には,告訴権放棄,あるいは 告訴の取消を内容とする示談を成立させることは難しいと言えますが,あなたが真摯に反省をした旨を示す反省文を書き,漁業協同組合に反省の意思を明確に示すな どして,他の漁業法違反とは異なり,本件限りで示談をしていただけないかとお願いした上,粘り強く示談交渉をすることになります。示談交渉に際し、被疑事案の サザエ数個という被害品の経済的価値に着目して大した被害ではないという認識で臨むべきではありません。前述の通り漁業権は、国の水産資源の管理維持と、漁業 者の生活権を守るための重要な権利であるという認識が必要です。

 仮に,どうしても,示談に応じて頂けない場合には,以下の通り,寄付金の交付や供託をしていくことになります。また,示談に応じて頂けない場合であって も,本件を職場に知られることを回避するため,被疑者の情報を漁業協同組合から外に漏らすことがないよう,漁業協同組合との間で約束を取り交わすことが必要に なります。

3 寄付金の交付

  仮に,漁業協同組合が,一律に告訴をしている運用であるため,示談に応じることはできないとした場合には,漁業協同組合に対し,寄付をすることができな いか,というお願いをすることになります。

  漁業法は,漁業生産力を発展させることを目的とし(漁業法1条),漁業権とは,漁業を営む権利です(漁業法6条)。そこで,当該海域の漁業協同組合に対 し,水産資源の放流などのために寄付をすることで,漁業権侵害の違法性の実質を減少させるとともに,漁業生産力の回復を図ることができ,有利な情状事実になる と言えます。

  漁業協同組合によっては,上述のとおり,一律に告訴をする,という運用をしている漁業協同組合もあり,その場合,示談を成立させることは難しいと言えま す。しかしながら,漁業協同組合の中には,水産資源の養殖・放流のため,広く寄付金を募っている漁業協同組合もあり,その場合には,寄付をするということを認 めてもらえる場合がございます。

  寄付金を募っている漁業協同組合であっても,漁業法違反を行ってしまったあなたから,寄付金を受領することを躊躇うこともあるかと思われます。そこで, あなたがしてしまった行為は,水産資源の減少につながる行為なので,水産資源の回復につながるような活動をしたいなどと,丁寧に漁業協同組合に説明する必要が あります。

  本来は、寄付金を支払って示談してもらうというのが目的ですが、漁業組合としては、示談はしないが寄付金は受け取るという対応も考えられます。真摯な反 省ということからは、示談できなくても寄付金は支払うという対応が必要です。

  寄付金の金額については,漁業法違反による罰金刑が,20万円以下と規定されておりますので(漁業法143条1項),20万円以上とするべきです。漁業 権侵害によって生じた損害は,無形的な損害であるため,その算定は困難ですので,罰金刑として国に対して支払うであろう金額以上の金額を,寄付金として漁業協 同組合に交付し,漁業協同組合の活動に役立ててもらう,という考えから,罰金刑を基準とすることになります。

  また,贖罪寄付をすることも考えられます。贖罪寄付とは,被害者なき犯罪や保護法益に公益が含まれる犯罪について,反省の意思を示すため,寄付をする行 為をいいます。漁業法の目的は,「漁業生産力を発展させ」ることにありますから(漁業法1条),保護法益に公益を含むものであると言えます。そこで,漁業協同 組合に対する寄付とは別途に贖罪寄付をすることによって,反省の意思を示すことができ,有利な情状事実として主張することができます。漁業組合が寄付金を拒否 する場合は、贖罪寄付ということになりますが、漁業組合が寄付金を受け取る場合も贖罪寄付をしておく方がより不起訴となる可能性が高くなりますので、検討すべ きです。

4 供託

  仮に,漁業協同組合が,示談に応じることもできず,寄付金も受領することができない旨回答された場合には,漁業協同組合に対し,漁業権侵害による損害賠 償金の供託手続を行うという方法があります。

  漁業権侵害の被害者は,漁業協同組合ですので,漁業協同組合は,あなたに対し,民事上,漁業権の侵害による損害賠償請求権を有していると言えます。そこ で,損害賠償債務の履行として金員を現実に提供したものの,受領することを拒否されたとして,供託をすることになります。供託をすることによって,漁業権侵害 の実質的な違法性を減少させることになり,有利な情状事実になると言えます。

  供託の金額については損害賠償金ということですと、取ったサザエの時価相当額になりますが、謝罪の意味を含めて寄付金と同様の金額を供託したほうがいで しょう。

5 検察官との交渉

  仮に,漁業協同組合との間で,示談が成立しない場合には,上記の通り,寄付や供託などをした上,あなたを不起訴処分とするよう,検察官と交渉することに なります。

  検察官との交渉では,寄付や供託などをしたことに加え,採捕したサザエの量が少なく,犯行態様の悪質性が低いこと,サザエの採捕が自己使用目的であった ため,動機の悪質性が低いこと,サザエを海に返していることから,水産資源へのダメージは実質的になく,犯行結果も軽微であること,本件犯行を真摯に反省して いること,看板の存在に気づいておらず,違法性の認識の程度が低いことなど,有利な情状事実を主張し,不起訴処分を獲得することを目指すことになります。

【参照条文】
<漁業法>
(この法律の目的)
第一条  この法律は,漁業生産に関する基本的制度を定め,漁業者及び漁業従事者を主体とする漁業調整機構の運用によつて水面を総合的に利用し,もつて漁業生産力を発展させ,あわ せて漁業の民主化を図ることを目的とする。
(漁業権の定義)
第六条  この法律において「漁業権」とは,定置漁業権,区画漁業権及び共同漁業権をいう。
2  「定置漁業権」とは,定置漁業を営む権利をいい,「区画漁業権」とは,区画漁業を営む権利をいい,「共同漁業権」とは,共同漁業を営む権利をいう。
3  「定置漁業」とは,漁具を定置して営む漁業であつて次に掲げるものをいう。
一  身網の設置される場所の最深部が最高潮時において水深二十七メートル(沖縄県にあつては,十五メートル)以上であるもの(瀬戸内海(第百十条第二項に規定する瀬戸内海を いう。)におけるます網漁業並びに陸奥湾(青森県焼山崎から同県明神崎燈台に至る直線及び陸岸によつて囲まれた海面をいう。)における落とし網漁業及びます網 漁業を除く。)
二  北海道においてさけを主たる漁獲物とするもの
4  「区画漁業」とは,次に掲げる漁業をいう。
一  第一種区画漁業 一定の区域内において石,かわら,竹,木等を敷設して営む養殖業
二  第二種区画漁業 土,石,竹,木等によつて囲まれた一定の区域内において営む養殖業
三  第三種区画漁業 一定の区域内において営む養殖業であつて前二号に掲げるもの以外のもの
5  「共同漁業」とは,次に掲げる漁業であつて一定の水面を共同に利用して営むものをいう。
一  第一種共同漁業 藻類,貝類又は農林水産大臣の指定する定着性の水産動物を目的とする漁業
二  第二種共同漁業 網漁具(えりやな類を含む。)を移動しないように敷設して営む漁業であつて定置漁業及び第五号に掲げるもの以外のもの
三  第三種共同漁業 地びき網漁業,地こぎ網漁業,船びき網漁業(動力漁船を使用するものを除く。),飼付漁業又はつきいそ漁業(第一号に掲げるものを除く。)であつて,第 五号に掲げるもの以外のもの
四  第四種共同漁業 寄魚漁業又は鳥付こぎ釣漁業であつて,次号に掲げるもの以外のもの
五  第五種共同漁業 内水面(農林水産大臣の指定する湖沼を除く。)又は農林水産大臣の指定する湖沼に準ずる海面において営む漁業であつて第一号に掲げるもの以外のもの
(漁業の免許)
第十条  漁業権の設定を受けようとする者は、都道府県知事に申請してその免許を受けなければならない。
(免許についての適格性)
第十四条  定置漁業又は区画漁業の免許について適格性を有する者は、次の各号のいずれにも該当しない者とする。
一  海区漁業調整委員会における投票の結果、総委員の三分の二以上によつて漁業若しくは労働に関する法令を遵守する精神を著しく欠き、又は漁村の民主化を阻害すると認められ た者であること。
二  海区漁業調整委員会における投票の結果、総委員の三分の二以上によつて、どんな名目によるのであつても、前号の規定により適格性を有しない者によつて、実質上その申請に 係る漁業の経営が支配されるおそれがあると認められた者であること。
2  特定区画漁業権の内容たる区画漁業の免許については、第十一条に規定する地元地区(以下単に「地元地区」という。)の全部又は一部をその地区内に含む漁業協同組合又はそ の漁業協同組合を会員とする漁業協同組合連合会であつて当該特定区画漁業権の内容たる漁業を営まないものは、前項の規定にかかわらず、次に掲げるものに限り、 適格性を有する。ただし、水産業協同組合法第十八条第四項 の規定により組合員たる資格を有する者を特定の種類の漁業を営む者に限る漁業協同組合及びその漁業協同組合を会員とする漁業協同組合連合会は、適格性を有しない。
一  その組合員のうち地元地区内に住所を有し当該漁業を営む者の属する世帯の数が、地元地区内に住所を有し当該漁業を営む者の属する世帯の数の三分の二以上であるもの
二  二以上共同して申請した場合において、これらの組合員のうち地元地区内に住所を有し当該漁業を営む者の属する世帯の総数が、地元地区内に住所を有し当該漁業を営む者の属 する世帯の数の三分の二以上であるもの
3  前項の地元地区内に住所を有し当該漁業を営む者を組合員とする漁業協同組合又は漁業協同組合連合会が同項の規定により適格性を有する漁業協同組合又は漁業協同組合連合会 に対して同項に規定する漁業の免許を共同して申請することを申し出た場合には、その漁業協同組合又は漁業協同組合連合会は、正当な事由がなければ、これを拒む ことができない。
4  第二項の規定により適格性を有する漁業協同組合又は漁業協同組合連合会が同項に規定する漁業の免許を受けた場合には、その免許の際に同項の地元地区内に住所を有し当該漁 業を営む者であつた者を組合員とする漁業協同組合又は漁業協同組合連合会は、都道府県知事の認可を受けて、その漁業協同組合又は漁業協同組合連合会に対し当該 漁業権を共有すべきことを請求することができる。この場合には、第二十六条第一項の規定は、適用しない。
5  前項の認可の申請があつたときは、都道府県知事は、海区漁業調整委員会の意見を聴かなければならない。
6  第十一条第五項の規定により公示された特定区画漁業権の内容たる区画漁業に係る漁場の区域の全部が当該公示の日(当該区画漁業に係る漁場の区域について同項の規定による 変更の公示がされた場合には、当該公示の日)以前一年間に当該区画漁業を内容とする特定区画漁業権の存しなかつた水面である場合における当該特定区画漁業権の 内容たる区画漁業の免許については、地元地区の全部又は一部をその地区内に含む漁業協同組合又はその漁業協同組合を会員とする漁業協同組合連合会であつて当該 特定区画漁業権の内容たる漁業を営まないものは、第一項及び第二項の規定にかかわらず、次に掲げるものに限り、適格性を有する。
一  その組合員のうち地元地区内に住所を有し一年に九十日以上沿岸漁業を営む者(河川以外の内水面における当該漁業の免許については当該内水面において一年に三十日以上漁業 を営む者、河川における当該漁業の免許については当該河川において一年に三十日以上水産動植物の採捕又は養殖をする者。以下同じ。)の属する世帯の数が、地元 地区内に住所を有し一年に九十日以上沿岸漁業を営む者の属する世帯の数の三分の二以上であるもの
二  二以上共同して申請した場合において、これらの組合員のうち地元地区内に住所を有し一年に九十日以上沿岸漁業を営む者の属する世帯の総数が、地元地区内に住所を有し一年 に九十日以上沿岸漁業を営む者の属する世帯の数の三分の二以上であるもの
7  第二項ただし書及び第三項から第五項までの規定は、前項の区画漁業の免許について準用する。この場合において、第三項及び第四項中「当該漁業を営む者」とあるのは、「一 年に九十日以上沿岸漁業を営む者」と読み替えるものとする。
8  共同漁業の免許について適格性を有する者は、第十一条に規定する関係地区(以下単に「関係地区」という。)の全部又は一部をその地区内に含む漁業協同組合又はその漁業協 同組合を会員とする漁業協同組合連合会(第二項ただし書に規定する漁業協同組合又は漁業協同組合連合会を除く。)であつて次に掲げるものとする。
一  その組合員のうち関係地区内に住所を有し一年に九十日以上沿岸漁業を営む者の属する世帯の数が、関係地区内に住所を有し一年に九十日以上沿岸漁業を営む者の属する世帯の 数の三分の二以上であるもの
二  二以上共同して申請した場合において、これらの組合員のうち関係地区内に住所を有し一年に九十日以上沿岸漁業を営む者の属する世帯の総数が、関係地区内に住所を有し一年 に九十日以上沿岸漁業を営む者の属する世帯の数の三分の二以上であるもの
第百四十三条  漁業権又は漁業協同組合の組合員の漁業を営む権利を侵害した者は,二十万円以下の罰金に処する。
2  前項の罪は告訴がなければ公訴を提起することができない。

<漁業登録令>
(目的)
第一条  この政令は、漁業権、これを目的とする先取特権及び抵当権並びに入漁権に関する登録について定めることを目的とする。
(免許漁業原簿の備付)
第八条  第一条の登録は、免許漁業原簿にする。
2  免許漁業原簿は、漁業権登録簿、入漁権登録簿、漁場図及び漁業信託登録簿とする。
3  第二条の規定により登録をすべき行政庁(以下「登録庁」という。)は、前項の免許漁業原簿を備え付けなければならない。
(謄本等の交付及び閲覧の請求)
第十条  何人も、免許漁業原簿の謄本若しくは抄本の交付又は免許漁業原簿若しくはその附属書類の閲覧を請求することができる。
2  何人も、農林水産省令で定めるところにより、送付に要する費用を納付して、免許漁業原簿の謄本又は抄本の送付を請求することができる。
3  免許漁業原簿の附属書類については、行政機関の保有する情報の公開に関する法律 (平成十一年法律第四十二号)の規定は、適用しない。
4  免許漁業原簿の附属書類に記録されている保有個人情報(行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律 (平成十五年法律第五十八号)第二条第三項 に規定する保有個人情報をいう。)については、同法第四章 の規定は、適用しない。

<水産業協同組合法>
(この法律の目的)
第一条  この法律は,漁民及び水産加工業者の協同組織の発達を促進し,もつてその経済的社会的地位の向上と水産業の生産力の増進とを図り,国民経済の発展を期することを目的とす る。
(組合の人格)
第五条  組合は,法人とする。
(事業の種類)
第十一条  漁業協同組合(以下この章及び第四章において「組合」という。)は,次の事業の全部又は一部を行うことができる。
一  水産資源の管理及び水産動植物の増殖

<刑法>
(故意)
第三十八条  罪を犯す意思がない行為は,罰しない。ただし,法律に特別の規定がある場合は,この限りでない。
2  重い罪に当たるべき行為をしたのに,行為の時にその重い罪に当たることとなる事実を知らなかった者は,その重い罪によって処断することはできない。
3  法律を知らなかったとしても,そのことによって,罪を犯す意思がなかったとすることはできない。ただし,情状により,その刑を減軽することができる。

<刑事訴訟法>
第二百三十七条  告訴は,公訴の提起があるまでこれを取り消すことができる。
2  告訴の取消をした者は,更に告訴をすることができない。
3  前二項の規定は,請求を待つて受理すべき事件についての請求についてこれを準用する。

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