お金を請求する時、請求された時、債権回収

令和8年10月9日更新

「貸したお金を返してもらえない」「納品したのに代金が入金されない」「突然、古い借金や身に覚えのない料金を請求された」。金銭の問題では、契約や証拠、支払期限、消滅時効、相手方の財産を整理して、適切な手続を選ぶことが大切です。このページでは、お金を請求する方と請求された方の双方に向けて、交渉から裁判・強制執行までの流れを説明します。

先に確認したいこと

  • 請求する方:勝訴の見込みと、実際に回収できる見込みは別です。証拠・時効・差押え可能な財産を早めに確認してください。
  • 請求された方:契約内容や支払済みの金額を確認し、古い債務は承認や一部支払をする前に時効を検討してください。
  • 裁判所から書類が届いた方:身に覚えがなくても放置せず、期限内の異議申立て・答弁書提出などが必要か確認してください。

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1 請求前に整理する資料と回収見込み

(1)誰に、いくら、どのような理由で請求するか

最初に、貸金、売掛金、請負代金、賃料、立替金、損害賠償金など、請求の根拠を確認します。契約相手が会社なのか代表者個人なのかも重要です。会社に対する債権があるだけで、代表者個人やその家族の財産を差し押さえることはできません。保証人に請求する場合も、保証契約の成立と有効性、保証の範囲を別途確認します。

借用書がなくても、口頭の合意などによって債権が成立することはあります。ただし、送金した事実だけでは、貸付けなのか、贈与なのか、別の取引の支払なのかが分からない場合があります。契約内容を示すメールやLINE、返済の約束、入出金の記録などを組み合わせて立証する必要があります。

相談前に準備しておきたい資料
項目具体例・確認する内容
契約・履行の資料契約書、借用書、注文書、見積書、納品書、検収書、請求書、領収書、振込明細
やり取りメール・LINEの一連の履歴、録音、督促状、相手の回答、分割払の約束
金額と日付元金、支払期日、既払金、利息・遅延損害金の合意、最後の返済日、過去の裁判の有無
相手方氏名・正式な会社名、住所・本店、連絡先、保証人、破産等の通知の有無
財産の手掛かり送金先の金融機関・支店、勤務先、取引先、不動産、担保権の有無

(2)勝てるかだけでなく、費用をかけて回収できるか

判決を得ても、相手に差し押さえられる財産がなければ、直ちに回収できるとは限りません。不動産があっても、多額の住宅ローンや先順位の担保権が付いていれば、配当が残らないことがあります。請求額、相手の資力、弁護士費用、裁判費用、担保金、調査に必要な時間を比較して、交渉や分割払、仮差押え、訴訟等の方針を決めます。

相手方に破産・民事再生等の手続が始まっている場合は、個別回収が制限されることがあります。裁判所や管財人からの通知、債権届出の期限を確認してください。

2 請求・交渉と合意書・公正証書

(1)請求の根拠、金額、支払期限を明確にする

請求書や通知書には、どの契約について、いくら未払いとなっているのか、いつまでにどこへ支払ってほしいのかを記載します。内容証明郵便は、送った文書の内容等を証拠にする手段であり、配達証明も利用すれば到達を確認する資料になります。しかし、内容証明を送っただけで差押えができるわけではなく、記載した請求が正しいと公的に認定されるわけでもありません。

支払期限や遅延損害金の発生時期は、契約の定めによって異なります。利率は有効な約定の有無、適用法、遅滞に陥った時期等を確認して計算し、請求書に記載した率を当然に適用できるとは考えないでください。時効が迫るときは、通知だけで十分かを別途検討します。

(2)分割払に応じる場合は、約束を書面に残す

分割払の合意では、対象となる債務、確定した残額、各回の支払額・期日、振込先、振込手数料、支払が滞った場合の残額の扱い、遅延損害金、清算条項などを整理します。「今月から少しずつ払う」という約束だけでは、後で争いになりやすいためです。清算条項は他の債権まで放棄する内容になっていないか確認します。

一定の金銭支払義務について、債務者が直ちに強制執行に服する旨を記載した公正証書(執行認諾文言付き公正証書)を作成すれば、不履行時に改めて支払を命じる判決を得ずに強制執行できる場合があります。通常の私文書の合意書や、単に公正証書にしただけの文書が、すべて債務名義になるわけではありません。作成には相手方の協力が必要です。

参考:公正証書の解説/合意書作成継続相談

(3)刑事事件なら警察署への被害届を検討

金銭を請求するに至った経緯が悪質で、単なる代金の未払いや返済の遅れにとどまらず、詐欺罪、横領罪、業務上横領罪などに該当し得る場合には、警察署への被害届の提出や、刑事告訴・刑事告発によって、刑事手続による対応を求めることも検討します。例えば、当初から返済する意思がないのに虚偽の説明をして金銭を交付させた疑いがある場合や、管理を任された会社の金銭を私的に着服した疑いがある場合です。ただし、支払わないという結果だけで直ちに犯罪になるわけではなく、金銭を受け取った際の説明、当時の認識、金銭の管理関係や使途などを具体的に確認する必要があります(刑法246条・252条・253条)。

被害届は犯罪被害の事実を捜査機関に申告するものです。刑事告訴は、被害者などの告訴権者が犯罪事実を申告し、犯人の処罰を求める意思を示す手続です。刑事告発は、告訴権者以外の第三者などが犯罪事実を申告し、処罰を求める手続です。被害者ご本人であれば、通常は被害届又は告訴を検討します。告訴・告発は、検察官又は司法警察員に対して、書面又は口頭で行うことができます(刑事訴訟法230条・239条・241条)。

相談や提出に当たっては、契約書、振込明細、帳簿、相手方の説明が分かるメール・LINE、録音などを保存し、いつ、誰が、どのような説明や行為をし、いくらの被害が生じたのかを時系列で整理してください。弁護士に依頼することで、犯罪の成立要件に即した資料の整理、告訴状の作成、警察・検察への説明などを進めることができます。

被害届の提出に際して、警察署が「民事不介入」であるとして受理を渋る場合があります。そのような場合には、被疑事実を基礎づける証拠資料を用意したうえで、代理人弁護士が警察署に同行し、犯罪の成立要件と具体的な事実・証拠との関係を詳細に説明する方法も考えられます。民事上の返還請求や損害賠償請求ができることと、詐欺罪や横領罪などが成立することは両立しますので、民事上の紛争という側面があるだけで、刑事事件としての対応が否定されるわけではありません。犯罪捜査規範61条は、犯罪による被害の届出があったときは、管轄区域内の事件かどうかを問わず受理しなければならないと定めています。相談時には、単なる未払いや契約上の争いとの違いを、資料に即して具体的に説明することが大切です。

相手方に弁護人がついた場合には、被害者側の代理人弁護士と相手方の弁護人との間で、被害弁償や示談の協議ができる場合があります。被害額や支払能力を確認し、一括払・分割払、支払期限、担保、支払が滞った場合の扱いなどを具体的に協議します。合意に至る場合は、実際の入金確認や履行確保の方法、被害届・告訴の取扱いも慎重に検討して、示談書にまとめます。

刑事手続は犯罪の捜査・処罰に関する手続であり、被害届や告訴をしただけで被害金が返還されるものではありません。被害弁償や示談が成立しても、必ず不起訴になる、又は刑事手続が終了するとは限りません。民事の請求・仮差押え・時効管理も並行して検討し、刑事と民事の双方を見据えて対応することが大切です。

参考:新銀座法律事務所・横領罪・背任罪の被害にあった場合/法務省・捜査段階での被害者支援/刑法/刑事訴訟法

3 支払督促・少額訴訟・通常訴訟・民事調停

主な手続の選び方
手続検討しやすい場面主な注意点
支払督促金銭等の請求で、相手の所在が分かり、請求内容に大きな争いが見込まれない場合異議が出ると訴訟へ移行。支払督促だけでは直ちに執行できず、仮執行宣言等が必要
少額訴訟60万円以下の金銭請求で、証拠を早期にそろえられる比較的単純な争い原則1回の審理。相手の申述や裁判所の判断により通常訴訟へ移ることがある
通常訴訟契約内容・履行・損害額などに争いがあり、主張と証拠の審理が必要な場合勝訴後も任意の支払がなければ、原則として別途強制執行が必要
民事調停分割払や取引関係の維持など、話合いで柔軟な解決を図りたい場合合意が成立しなければ、通常は支払を命じる結論には至らない

(1)支払督促の流れと2週間の期限

支払督促は、原則として相手の住所地を管轄する簡易裁判所の裁判所書記官に申し立てます。金額の上限はありません。通常の訴訟のように双方から証拠を調べる手続ではなく、申立内容に基づいて審査されるため、発付されたことだけで債権の実在が十分に審理されたとはいえません。

  1. 債権者が申し立て、支払督促が債務者に送達されます。
  2. 債務者が受け取ってから2週間以内に異議を申し立てれば、通常訴訟へ移行します。争う場合は早急に手続をしてください。
  3. 異議がなく2週間を経過したときは、債権者はその後30日以内に仮執行宣言を申し立てます。この期間を過ぎると支払督促は効力を失います。
  4. 仮執行宣言付支払督促に基づき、債権者は強制執行を申し立てることができます。
  5. 債務者は、仮執行宣言付支払督促の送達後も2週間以内に異議を申し立てられますが、この段階の異議だけで執行が当然に止まるわけではありません。執行停止の申立てが必要か、すぐに確認します。

相手の住所が不明で公示送達を要する場合には、支払督促は利用できません。初めから強い反論が予想されるときは、通常訴訟を選ぶ方が適切なこともあります。手数料・提出方法は、裁判所の支払督促案内でご確認ください。

(2)少額訴訟と通常訴訟

少額訴訟は60万円以下の金銭請求に限られ、原則として最初の期日までに主張と証拠を準備します。借用書や送金履歴だけでなく、相手の反論に対応する資料も必要です。勝訴しても分割払や支払猶予などが認められる場合があり、「少額だから確実に一括回収できる」という制度ではありません。同一の簡易裁判所で利用できる回数にも年10回の制限があります。

通常訴訟では、原則として訴額140万円以下は簡易裁判所、これを超えるものは地方裁判所が第一審を担当します。例外や特別な管轄があり、相手の住所、義務履行地、管轄合意等も検討します。訴訟の途中で裁判上の和解が成立する場合もあります。

(3)民事調停と裁判上の和解

一度に支払えないものの返済意思がある場合などは、調停委員会を介した民事調停も選択肢です。合意が調停調書に記載されると確定判決と同一の効力を持ち、金銭支払条項に基づいて強制執行できる場合があります。訴訟上の和解も、対象債務、支払条件、不履行時の扱いを明確にすることが大切です。

4 財産隠しに備える仮差押え

判決が出るまでに預金を引き出されたり、不動産を処分されたりするおそれがあるときは、訴訟に先立ち、又は訴訟と並行して仮差押えを検討します。民事保全法20条は、金銭債権について、将来の強制執行ができなくなるおそれ又は著しく困難になるおそれがある場合の仮差押えを定めています。

申立てでは、債権の存在と保全の必要性を疎明し、対象財産を特定します。通常は裁判所が定める担保を用意する必要もあります。仮差押えは財産を保全するための手続であり、命令が出ただけで弁済を受けられるわけではありません。原則として本案で債務名義を得て本執行へ進みますが、その間に支払や和解に至ることもあります。

財産処分の危険が切迫している場合、先に督促すると処分を早めるおそれもあります。相手への連絡の順序を含めて相談してください。仮差押えが不当であった場合の損害賠償リスクも考慮します。詳しくは不動産仮差押えの検討、手続の流れをご覧ください。

5 判決後の強制執行

(1)債務名義を得る段階と、回収する段階は別です

強制執行の根拠となる「債務名義」には、確定判決、仮執行宣言付判決、仮執行宣言付支払督促、裁判上の和解・調停の調書、執行認諾文言付き公正証書などがあります。債務名義を取得しても、裁判所が自動的に全財産を調べて回収してくれるわけではありません。債権者側で対象財産を特定し、必要な執行手続を申し立てます。

執行文の付与、送達の証明など、必要な準備は債務名義の種類により異なります。令和8年5月の民事訴訟のデジタル化後は、電子的に作成された債務名義について記録事項証明書や事件特定情報を用いる取扱いもあります。紙の判決正本を常に提出するという説明だけでは足りません。

(2)何を差し押さえるか

  • 預貯金:金融機関・支店等を特定して預金債権を差し押さえます。残高や先行する差押え等によって回収額が変わり、差押え後の入金すべてを当然に確保できるわけではありません。
  • 給与:勤務先に対する給与債権を差し押さえます。一般の貸金等では、原則として税金・社会保険料等を控除した額の4分の1が対象です。月額の手取額が44万円を超える場合は33万円を除いた額が対象となるなどのルールがあり、養育費等には別の特則があります。
  • 売掛金:債務者の取引先に対する代金債権を差し押さえます。取引先、対象となる債権の内容、相殺等の主張の可能性を調べます。
  • 不動産:強制競売等を検討します。予納金や期間に加え、先順位の抵当権・租税債権等を考慮し、配当見込みを確認します。

給与や生活必需品などには差押禁止の範囲があり、生活状況に応じた差押範囲の変更が認められる場合もあります。強制執行の費用と効果を比較してください。参考:裁判所・債権執行の案内

6 財産開示と第三者からの情報取得

債務者の財産が分からない場合には、まず契約資料、従前の振込口座、不動産登記などを調査します。債務者の過去の住民票所在地の建物登記情報を全て取得すると良いでしょう。そのうえで、民事執行法の財産開示手続や第三者からの情報取得手続を検討します。この二つは異なる手続です。

(1)財産開示手続

財産開示は、裁判所が債務者側の開示義務者を呼び出し、財産を陳述させる手続です(民事執行法196条以下)。執行力のある債務名義を有すること等に加え、既に行った執行で完全な弁済を得られなかったこと、又は通常の調査で分かった財産に執行しても完全な弁済を得られないことの疎明など、法定の要件があります。単に相手の財産を知りたいというだけでは利用できません。正当な理由のない不出頭や虚偽の陳述等には刑事罰の定めがあります。

(2)第三者からの情報取得手続

登記所、金融機関、市区町村、日本年金機構等に、財産に関する情報を提供させる制度です(民事執行法205~207条等)。銀行預金を調べる場合でも、債権者が対象の金融機関を選ぶ必要があり、裁判所が全国の全口座を自動検索する制度ではありません。

情報の種類による主な違い
情報主な要件・制限
不動産原則として申立て前3年以内に財産開示期日が実施されていることが必要
給与の支払者・勤務先原則として財産開示の前置が必要。養育費・婚姻費用等や生命・身体の侵害による損害賠償等、利用できる債権者が限定される。一般の貸金・売掛金だけでは利用できない
預貯金・振替社債等財産開示の前置は不要。ただし、債務名義等や回収不足に関する要件は別途満たす必要がある

財産の情報を取得しても、通常は別途差押えが必要です。ただし、令和8年4月からは、養育費等の扶養義務に係る定期金債権について、財産調査と判明した給与の差押えをつなぐ「ワンストップ執行手続」が設けられています。また、子の監護費用に係る一般先取特権に基づく制度もあるため、養育費は一般の貸金等と分けて検討します。

参考:裁判所・情報取得手続/養育費等のワンストップ執行手続

7 消滅時効と時効援用

(1)原則は「知った時から5年」又は「行使できる時から10年」

現行民法166条1項は、一般の債権について、①債権者が権利を行使できることを知った時から5年間行使しないとき、又は②権利を行使できる時から10年間行使しないときに、消滅時効が完成すると定めています。両方の期間が経過する必要はなく、どちらかの要件を満たせば問題になります。弁済期が決まった通常の契約上の債権では、①の5年が重要になることが多いですが、契約日から一律に数えるものではありません。

不法行為の損害賠償、生命・身体の侵害、賃金等には特則があります。確定判決等で確定した権利については、民法169条により、10年より短い時効期間が10年となる場合があります。ただし、確定時にまだ弁済期が来ていない債権は別に扱います。

(2)令和2年4月1日より前の契約は経過措置に注意

令和2年4月1日の債権法改正により、旧法の職業別の短期消滅時効や商事消滅時効は廃止されました。しかし、施行日前に生じた債権や、施行日前の法律行為を原因として生じた債権の時効期間には、原則として旧法が適用されます。古い請求を「すべて5年」「サイト料金だから1年」と判断することはできません。契約・債権発生・支払期限の各日付を確認します。

参考:法務省・改正民法の経過措置に関する資料(PDF)

(3)催告、裁判、債務承認で時効はどう変わるか

内容証明等による催告は、原則として催告の時から6か月間、時効の完成を猶予するにとどまります(民法150条)。その間に催告を繰り返しても、さらに猶予期間を延ばせるわけではありません。請求する側は、訴えの提起や支払督促等を適時に検討する必要があります。

裁判上の請求等には完成猶予・更新の規定があり、手続の結果によって効果が異なります(民法147条等)。債務者が債務を承認した場合は、そこから時効が新たに進行します(民法152条)。一部返済、分割払の合意、支払猶予の依頼などが承認に当たることがあるため、請求された側は時効の確認前に安易な約束をしないでください。

(4)時効援用に和解金の支払は必要ありません

時効期間が過ぎていても、裁判所は当事者による援用がなければ時効を理由に裁判できません(民法145条)。援用は、時効の利益を受ける意思を示すことです。裁判外では内容証明郵便等により対象債権と援用の意思を明確にし、訴訟になっている場合は裁判手続の中でも主張します。

有効に時効を援用するために、債権額の数パーセントを和解金として支払う義務はありません。事実関係に争いがあり、紛争解決のため別途和解を選ぶ場合はありますが、時効援用そのものとは区別します。

(5)判例から分かる注意点

最高裁大法廷昭和41年4月20日判決(民集20巻4号702頁)は、時効完成後に債務を承認した場合、時効完成を知らなかったとしても、その後の時効援用が信義則上許されないとする判断を示しています。もっとも、承認の有無や当時の事情は個別に検討されます。一部支払をしてしまった場合も、直ちに断念せず資料を持って相談してください。

宮崎地方裁判所令和2年10月21日判決について、当事務所の事例2007は、支払督促に異議を述べず放置したという消極的対応だけでは、時効援用が信義則に反するとはいえないとした事案を紹介しています。ただし、これは放置してよいという意味ではありません。仮執行宣言付支払督促により執行される危険があり、期限経過後は請求異議訴訟や執行停止などの追加対応が必要になることがあります。確定判決の既判力が及ぶ場合と同じようには扱えません。

8 請求されたとき・架空請求への対応

(1)請求書が届いても、直ちに全額を支払うとは限りません

請求の根拠となる契約、請求者の権限、元金、既払金、利息・遅延損害金、時効を確認してください。売買や請負では、納品・仕事の完成、契約不適合、解除、相殺などが問題になる場合もあります。債権譲渡を理由に見知らぬ会社が請求してきた場合は、譲渡の事実や対抗要件も確認し、相手の説明だけで支払先を変更しないでください。

本当に支払義務があるものの返済が困難な場合は、放置するより、収入・生活費・他の債務を整理して、分割払交渉や任意整理、個人再生、自己破産等を検討します。返済のために無理な借入れを重ねる前に相談してください。

(2)架空請求の連絡と、本物の裁判所の手続を区別する

契約した覚えのない料金をメールやSMSで請求された場合、慌てて電話をかけたり、個人情報を伝えたり、少額だけ支払ったりしないでください。画面・メッセージ・送信元・振込先を保存し、消費者ホットライン188、警察、弁護士へ相談します。脅迫や詐欺の疑いがあれば、証拠を保全して被害申告等を検討します。

一方で、本物の裁判所から届いた支払督促・訴状・呼出状は、架空請求だと思っても無視してはいけません。裁判所が請求内容をまだ実質的に審理していない段階で送られる書類もあるためです。真偽は、書類に書かれた不審な連絡先だけに頼らず、裁判所の公式サイトで調べた電話番号に、事件番号等を伝えて確認してください。受領した日と提出期限を記録し、必要な異議・反論を行います。

参考:東京都・架空請求Q&A/裁判所の手続を悪用した架空請求等への注意

(3)債権回収会社からの請求はすべて違法なのですか

そうではありません。弁護士法72条・73条等との関係は問題になりますが、法務大臣の許可を受けた債権回収会社(サービサー)が、法律で定められた特定金銭債権を管理・回収する制度があります。債権を譲り受けた会社というだけで、直ちに違法とはいえません。他方、実在の会社に似た名称を使う架空請求もあります。許可の有無、正式な連絡先、対象債権の内容を確認してください。

法務省は、許可を受けた債権回収会社が出会い系・アダルトサイトの利用料等を請求することはないと注意喚起しています。参考:法務省・債権回収会社をかたる架空請求への注意

9 令和8年の手続変更にも注意してください

令和8年5月21日施行の改正により、民事訴訟のオンライン提出や記録の電子化等が実施されています。新法の対象となる訴訟では、弁護士等の訴訟代理人はオンライン提出が義務となり、本人が手続をする場合には紙による提出も可能です。支払督促もmints等による電子申立てに対応しています。施行前から続く事件には経過的な取扱いがあります。

新制度では訴え提起・支払督促等の手数料と郵便費用相当額の扱いも変更されています。過去のページにある印紙額や郵便切手の説明をそのまま用いず、申立先の最新案内を確認してください。

なお、民事執行などの手続は、この時点で民事訴訟と同様にすべてオンライン化されたわけではありません。訴訟と強制執行の提出方法を混同しないことが大切です。参考:裁判所・改正民訴法等で変わる民事訴訟手続の概要

10 新銀座法律事務所の無料法律相談・債権回収無料相談

債権回収では、請求する権利があるか、どの手続が適切か、費用に見合った回収が期待できるかを一緒に検討することが大切です。請求された方も、時効・既払金・契約上の問題、裁判所への対応についてご相談いただけます。裁判書類が届いている場合は、書類名、受領日、提出期限、期日を最初にお知らせください。

債権回収無料相談

当事務所では、債権回収事件の弁護士費用と、回収見込みについての当事務所の意見を無料にて回答しております。御希望の場合は、①ご相談者様の御名前、②ご相談者様の電話番号、③債権の種類および債権額、④債務者名、⑤債務者住所、⑥債権回収について従前の経緯を、webmaster@shinginza.com までお知らせ下さい。法令調査および検討のうえ、当事務所の見解を無料にて御回答致しております。03-3248-5791電話無料法律相談で受け付けすることも出来ます。

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電話・LINE・メールによる無料法律相談を受け付けています。受付当日中に弁護士が電話で、5分程度を目安に一般的な見解を回答するご案内です。詳しい相談方法は無料法律相談ページをご確認ください。

無料相談と、書類を詳しく検討する有料相談・代理人としての受任は別です。有料相談は1時間以内・税込1万1000円の案内です。受任時は、交渉・保全・訴訟・執行のどこまでが費用の対象か、着手金、報酬金、実費等を確認して契約します。無料相談への連絡だけで、時効や裁判所の期限が延びるわけではありません。

以下の事例は、争点の整理や具体的な手続を考える際の参考になります。古い事例の条文・制度・金額等には改正前の記載が含まれるため、本ページの説明と最新の公的案内も併せてご確認ください。

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13 参照条文・公的資料

本文は主な制度の説明です。個々の事件では、契約時期、債権の種類、手続の開始時期等に応じて適用条文と経過措置を確認してください。

本ページは一般的な法律情報です。個別事件の結論や回収を保証するものではありません。参照先の情報は更新されるため、申立てや対応の際は最新の案内をご確認ください。