定期借家契約について令和2年9月16日最終改訂

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借地借家法に、定期建物賃貸借契約(定期借家契約)の規定があります。建物の賃貸借契約をなされる方は知っておくと良いでしょう。

1、どんな法律でしょう?

  公正証書による等の書面によって契約をする時に限り、契約の更新がないこととする旨を定める賃貸借契約(定期建物賃貸借契約)が可能です。法改正前は、賃借人(借りている人)保護を徹底し、賃借人からみて不利になる特約であるとして排除され無効でした。

2、定期建物賃貸借の利点はなんでしょう?

  貸し手側は立ち退きトラブルが随分楽になると思われます。改正前ですと借り手優位が顕著でした。貸し手側に正当事由がなければ立ち退き等の法的手続きが非常に困難だったのです。本改正により、しっかりと定期建物賃貸借契約を結んで、ある一定の義務を果たせば、立ち退きが容易になったのです。そのような事情により不動産投資をなされる方にも安心感を与えるものだと思われております。賃料を払わず、居座る借り手が多々います。その期間が長く続きますと投資の意味が全く失われます。そこで、投資不動産の賃貸借を定期建物賃貸借契約で結んでおけばトラブルを回避できる可能性があります。

3、どうすれば定期建物賃貸借が利用できるのでしょうか?

  賃貸人(貸す人)に有利となる制度ですから賃貸人には幾つかの条件を満たす事が必要になります。他方、賃借人にもいくつか有利な点も規定されています。以下ひとつひとつ説明します。

@貴殿が不動産の貸し手側になる場合 

@)賃貸人の説明義務   

賃貸人は定期建物賃貸借契約をする際は、あらかじめ、賃借人に対し、この契約は更新がなく、期間の満了により終了する旨を書面で交付して説明しなければならないことになっています。仮に賃貸人がこの説明をしなかった場合には、契約の更新がないこととする旨の定めは無効になってしまいます。

A)賃貸人の通知義務   

期間が一年以上の定期建物賃借権に関しては、期間満了の1年前〜6ヶ月前までの間に、賃借人に対し契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗できないとしています。簡単に言えば、この通知をしなければいくら有効に定期建物賃貸借を結んでいたとして期間が満了したとしても解約ができないのです。

例外)賃貸人が通知期間を経過した後に、賃借人に対し通知をしたならばその通知の日から六ヶ月を経過した後はその終了を対抗できます(借地借家法38条4項但書)。

※対抗できない…第三者に対して主張できない(上記の例でいうならば契約の終了を第三者に対して主張できない)

A不動産の借り手になる場合                 

B)居住用の建物の賃借人からの途中解約 

居住用建物(床面積200u未満のものに限る)の賃借人は、転勤、療養その他やむを得ない事情により、自己の生活の本拠として使用が困難になった時は解約の申し入れをすることが可能です。この途中解約の場合には、解約の申し入れの日から1ヶ月を経過すると定期建物賃貸借は終了します。

注意点) 1)上記改正法施行(平成12年3月1日)前になされた建物賃貸借契約の更新に関しては、従来どおりです。すなわち、定期建物賃貸借契約に変更する事はできません。

     2)改正法施行前にされた居住用建物の賃貸借の当事者が、その契約を合意により終了させ、引き続き新たに同一の建物を目的とする賃貸借をする時は当分の間定期建物賃貸借制度は適用されません。

4、定期建物賃貸借契約の立ち退きについては、定期特約が無効とされ普通賃借権と同様の取り扱いとなり、立ち退き料が必要となる場合があります。定期建物賃貸借契約の説明が不十分である場合、普通建物賃貸借契約から定期建物賃貸借契約に切り替えられた場合、再開発手続に伴う立ち退きなどの場合に問題となることがあります。

5、ご不明な点は、無料電話法律相談03−3248−5791までご連絡下さい。

6、国土交通省による解説ページへのリンクはこちら


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