地代減額請求|条件・計算方法・通知・調停と裁判例

ホーム / 不動産関係 / 地代減額請求

最終更新・法令等確認日:2026年9月30日

「昔に決めた地代が高いままになっている」「3年ごとに自動的に値上げされる」「契約書に減額しないと書かれている」。このような場合でも、借地借家法11条による地代減額請求を検討できます。ただし、希望する金額に当然に下がるわけではありません。最後に地代を合意した時期、土地の価格・税負担・近隣の地代の変化、契約の経緯を整理し、通知・交渉・調停・訴訟を適切に進めることが大切です。

最初に知っておきたいポイント

  • 「減額しない」という特約があっても、法定の減額請求権を一律に排除できません。ただし、特約や契約締結の経緯は相当地代の判断で考慮されます。
  • 地価が下がった割合だけ地代も下がる、固定資産税の何倍なら適正、という一律の計算ではありません。
  • 減額請求は将来に向かって効力を生じます。請求の意思表示と相手方への到達を記録に残しましょう。
  • 借主が減額を求めた場合と、地主から増額を求められた場合では、争っている間の支払ルールが異なります。自己判断で支払いを止めないことが重要です。
  • 裁判の前には原則として調停が必要です。相談時に契約書、改定履歴、通知書、支払記録をご用意ください。

1.地代を減額できる条件と法律の趣旨

(1)長く続く契約を、公平な地代に調整する制度です

建物所有を目的とする土地の賃貸借は、住まいや事業の基盤を長期にわたって支える契約です。当初の合意は尊重されますが、何十年も続く間に経済事情が変わり、地代が実情に合わなくなることがあります。そこで借地借家法11条は、地主・借主双方の公平を図るため、一定の条件の下で地代を増額又は減額する権利を認めています。

同条1項が挙げる事情は、①土地に対する租税その他の公課の増減、②土地価格の上昇・低下その他の経済事情の変動、③近傍類似の土地の地代等との比較です。これらにより現在の地代が不相当となったことが必要です。すべての事情が同じ方向に変化していなければ請求できない、という意味ではありません。

借地借家法11条1項

地代又は土地の借賃(以下この条及び次条において「地代等」という。)が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。ただし、一定の期間地代等を増額しない旨の特約がある場合には、その定めに従う。

条文全体:e-Gov法令検索

(2)建物所有目的の借地かを確認します

この記事は、建物所有を目的とする土地の借地関係を中心に説明します。単なる青空駐車場や資材置場など、建物所有を目的としない土地の賃貸借には、原則として借地借家法11条は適用されません。契約の名称だけでなく、合意した利用目的と実態を確認します。建物そのものの家賃の増減は同法32条の問題です。

1992年8月1日より前からの借地でも、現在行う地代増減請求については、原則として借地借家法11条が適用されます。附則4条は経過措置の原則を定めています。契約期間や更新などに旧借地法の取扱いが残ることと、地代増減請求の根拠条文とは区別してください。施行前に既に生じた効力は別途確認が必要です。

(3)比較の出発点は「最後に合意した地代」です

長年の契約では、当初の契約日だけを起点にするとは限りません。途中で地代改定の合意をしていれば、原則として直近の合意地代とその合意時点を基礎に、その後の変化を検討します。増減請求によって地代が変わっている場合には、その経過も整理します。

更新契約書に押印した日、実際の地代改定日、自動改定の適用日、争いながら従前額を払い続けた期間は、それぞれ意味が違います。「更新時に同じ金額が記載されていた」「支払いを続けていた」という事実だけで直近合意を即断せず、当時のやり取りを確認しましょう。

地価・物価は地域や時期により変化します。旧記事のように全国の地価が一律に下落し続けることを前提とせず、対象土地に近い地点と適切な期間を選んで判断します。借主の収入減少だけで当然に法定減額が認められるわけではありませんが、一時的な支払猶予や合意による減額を相談することはできます。

2.自動増額・減額禁止の特約と裁判例

(1)「減額請求をしない」という条項

借地借家法11条1項は、当事者の合意でその適用を排除できない強行法規とされています。「いかなる事情があっても地代を下げない」「借地借家法11条を適用しない」と記載されていても、法定の減額請求が一律に封じられるわけではありません。

ただし、契約のすべてが無効になるわけでも、借主の希望額がそのまま通るわけでもありません。特約を前提に当初地代を低く設定した事情、権利金・保証金の授受、長期利用を認めた経緯などは、減額の可否と相当地代を判断する際の重要な事情となり得ます。

(2)「3年ごとに5%増額する」という条項

自動改定特約は、経済事情の変動等を示す相当な基準によるものであれば、効力が認められます。一方、その基礎となった事情が失われ、特約による改定が法11条1項の趣旨に照らして不相当となれば、特約の適用や法定の減額請求を検討できます。「自動増額特約はすべて無効」「署名した以上どのような変化があっても有効」のどちらでもありません。

(3)重要な最高裁判例

判決判断の要点と実務上の意味
最高裁平成15年6月12日
第一小法廷(PDF)
地代の自動増額特約が問題となった事件。特約の基礎となった事情が失われ、その適用が不相当となる場合には、当事者は特約に拘束されず、法定の増減請求も妨げられないと判断しました。特約を定めた当時の想定と、その後の変化を示す資料が重要です。
最高裁平成16年6月29日
第三小法廷(PDF)
消費者物価指数等による改定を定めながら、指数が下がっても減額しない特約の事件。11条1項は強行法規であり、特約によって増減請求権の行使を妨げられないとしました。ただし、特約の存在や地代決定の経緯は十分に考慮すべきとし、原審に差し戻しています。最高裁が特定の減額額まで確定した判決ではありません。
最高裁平成26年9月25日
第一小法廷(PDF)
建物賃料の事件で、直近の合意等から増減請求までの変化を総合考慮すること、増減請求の効果が生じた時点の賃料額が判断対象となること等を整理しました。地代の事件とは区別しつつ、基準時と通知を整理する際に参考となります。

一定期間「増額しない」とする特約については、11条1項ただし書が効力を認めています。借主の減額請求まで当然に禁じるものではありません。定期借地でも11条の検討は必要であり、一定の賃料改定特約がある定期建物賃貸借についての同法38条の例外を、そのまま定期借地に当てはめることはできません。

3.適正な「継続地代」はどのように計算するのか

(1)新たに貸す地代と、既存契約の地代は異なります

既に続いている契約の地代を改定する場合は、一般に「継続賃料」の評価を行います。近隣で新規募集されている地代は参考にはなりますが、そのまま現在の契約に置き換えることはできません。長年の契約関係、権利金・更新料等の一時金、利用制限、契約期間、改定の経緯などを反映させる必要があります。

国土交通省の不動産鑑定評価基準(PDF)では、差額配分法、利回り法、スライド法、賃貸事例比較法等を用い、各試算賃料を関連づけて継続賃料を判断します。4つの数値を必ず同じ割合で平均する、特定の比率で加重平均する、という一律のルールではありません。

代表的な評価方法
方法考え方注意点
差額配分法現在の経済価値に即応する適正な実質賃料と、実際の実質賃料との差額について、契約の内容・経緯等を考慮して配分し、改定額を求めます。差額の3分の1を必ず配分するわけではありません。契約関係に即した配分の説明が必要です。
利回り法価格時点の基礎価格に継続賃料利回りを掛け、必要諸経費等を加えます。利回りは直近合意時点の純賃料と基礎価格の関係等から検討します。「最低1%」「一律3%」という法定基準はありません。
スライド法直近合意時点の純賃料に、経済情勢等を反映する変動率を掛け、価格時点の必要諸経費等を加えます。どの指数が対象地の地代に適するかを検討します。物価指数や地価変動率だけを機械的に掛けるものではありません。
賃貸事例比較法比較可能な賃貸事例を集め、事情・時点・地域・個別条件の違いを補正して試算します。新規契約か継続契約か、権利金の有無、用途、面積、接道、期間等の差を調整する必要があります。

(2)「純賃料」と「実際に払う地代」を混同しないこと

純賃料は、賃貸に要する必要諸経費等を控除した収益部分です。また、実質賃料には、毎月の支払地代だけでなく、一時金の運用益・償却額等を含めて評価する場合があります。年額と月額、税負担、一時金の扱いをそろえないと、比較や計算を誤ります。

利回り法の計算の仕組みを示す仮定例

基礎価格4,000万円 × 継続賃料利回り1.5% + 年間必要諸経費等12万円 = 年額72万円(月額換算6万円)

これは計算構造の説明であり、1.5%が相場という意味ではありません。実際には基礎価格・利回り・経費の妥当性、他の方法との整合、一時金から支払賃料への調整等を検討します。

土地残余法は、土地・建物の収益から建物に帰属する部分を控除して土地の収益価格等を求める方法です。基礎価格の評価で役立つ場合はありますが、借地上建物の家賃だけから法的な地代が直ちに決まるわけではありません。

(3)固定資産税の倍率や税務上の「相当の地代」は目安を混同しない

「固定資産税・都市計画税の何倍」「土地価格の何%」という説明は、検討の入口となることはあっても、法11条の相当地代を一律に決定するものではありません。固定資産評価額・課税標準額・実際の税額は別の数値です。税務上の借地権認定等に用いる「相当の地代」も、当事者間の継続地代の適否を判断する制度とは目的が異なります。

(4)不動産鑑定士の鑑定書・評価書を主張の根拠資料にする

不動産鑑定士が作成した鑑定書(鑑定評価書・評価書)は、適正な地代額を主張するための根拠資料となり得ます。地代減額の交渉や調停では、単に「高すぎる」と伝えるだけでなく、専門家による評価額とその算定根拠を示すことで、減額の必要性や希望額の合理性を具体的に説明できます。訴訟でも、当事者が依頼して作成された鑑定評価書を証拠として提出し、減額請求時点における相当な継続地代を主張・立証する資料とすることができます。

依頼する際は、土地の売買価格ではなく、対象の借地契約における継続地代の適正額を評価する目的であることを伝え、契約書、直近の地代合意と改定履歴、一時金、公租公課等の資料を提供します。評価の基準時、採用した手法、比較事例、各試算額の調整理由が説明されていることが重要です。ただし、鑑定書を提出すればその評価額が当然に採用されるわけではありません。相手方の反論や他の証拠も踏まえて判断され、裁判所が選任した鑑定人による鑑定が別途行われる場合もあります。簡易な評価書等については、名称だけでなく、調査範囲・前提条件・算定根拠を確認してください。

4.調べる資料と、公的な情報の集め方

資料確認する点
契約書・更新書・覚書当初契約、最後の地代合意、改定条項、減額禁止条項、権利金・保証金・更新料、利用制限。
改定・支払の履歴地代がいつ、いくらに、どのように変わったか。合意書、請求書、振込記録、領収書、異議を述べたメール等。
土地・建物の資料登記事項証明書、公図、面積、接道、用途地域、利用状況、借地契約の対象範囲。
価格・税負担の資料直近合意時点と減額請求時点の地価、固定資産評価額、課税標準額、実際の公租公課。各数値を区別します。
比較事例・鑑定資料条件が近い借地の地代、募集と成約の違い、新規と継続の違い。鑑定評価書や専門家の意見。

地価の資料は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」で、地価公示、都道府県地価調査、取引価格等を調べられます。全国平均だけでなく、対象地と条件が近い地点を選び、比較期間をそろえましょう。地価公示は売買価格を考える資料であり、それ自体が地代の相場表ではありません。物価変動の確認には総務省統計局の消費者物価指数も参考になります。

税関係の資料は、地主からの開示を求めるほか、借地人自身が取得できる証明・閲覧制度を確認します。東京都主税局の案内では、対価を支払っている借地人は対象の借地について評価証明の申請や課税台帳の閲覧ができるとされています。本人確認書類、賃貸借関係・支払いを確認できる書類等を準備し、取得できる年度と範囲を窓口に確認してください。東京都23区外は各市町村等の窓口で確認します。

正式な鑑定は有用ですが、通知前に必ず完成させなければならないわけではありません。まず契約と資料を整理し、減額の見込み、適切な請求時期、簡易な調査で足りるか、正式鑑定が必要かを弁護士・不動産鑑定士と検討します。

5.通知・交渉の進め方と文例

(1)「相談」と「減額請求の意思表示」を区別します

法定の減額請求は形成権の行使であり、要件を満たす場合には、原則として相手方への意思表示の到達により将来に向かって相当額への変更の効果が生じます。地主の承諾がなければ一切効力がない、という制度ではありません。一方、意思表示をしただけで希望額が正しいと確定するわけでもありません。

「安くできないでしょうか」という交渉の申入れだけでは、法定の権利行使をしたのか争われることがあります。対象の契約・土地を特定し、法11条に基づく減額請求であること、理由、希望額、適用を求める時点を明確にします。内容証明郵便は法律上の必須要件ではありませんが、配達証明と併用すると通知内容と到達の証拠を残しやすくなります。

(2)通知書の基本文例

地代減額請求通知書

私は、貴殿との[契約日]付土地賃貸借契約に基づき、[所在・地番・面積]の土地を建物所有目的で賃借しています。

直近の地代合意後、[近傍類似地の地代との比較、土地価格・公租公課等の変動に関する具体的事情]により、現在の地代月額[現行額]円は不相当となっています。

そこで、借地借家法11条1項に基づき、本書面到達日の翌月1日から、地代を月額[請求額]円に減額する旨の意思表示をします。

算定の考え方は[資料・説明]のとおりです。本書面到達後[14日程度など]を目安に、協議についてご連絡ください。

なお、協議中の従前額の支払いは、減額請求を撤回し、又は減額しないことに合意する趣旨ではありません。

[日付・通知人の住所氏名・連絡先/相手方の住所氏名]

上記は構成を示す例です。到達時からの減額を求めるか、翌月からとするか、金額をどう定めるかは事案に応じて選びます。請求額はその後の手続にも関わるため、根拠を検討してください。回答期限を過ぎても、地主が減額に同意したことにはなりません。

(3)合意したら書面で残します

地代額だけでなく、適用開始日、既払地代との差額、利息の扱い、返金又は翌月以降との精算方法、今後の改定条項を確認します。支払猶予なのか、一定期間だけの減額なのか、恒久的な改定なのかも明記しましょう。既に争いがある場合は、合意書が過去の請求をどこまで解決するものかを確認する必要があります。

6.争っている間の支払い・供託・年1割の利息

(1)減額を求めた後も、勝手に減らして払わないこと

借主から減額請求をしたものの協議がまとまらないときは、地主は、減額を正当とする裁判が確定するまで、自ら相当と認める額の支払いを請求できます(法11条3項)。実務上は、減額の権利を留保しつつ、従前額を支払い続けて解決を図ることが多くなります。

借主が「妥当なのはこの額」と考えて一方的に減額した金額だけを払うと、不足分を債務不履行として争われるおそれがあります。特に、滞納の催告や解除通知が届いている場合は早急な対応が必要です。地主がどのような金額でも無制限に請求できるという意味ではないため、増額請求も併存する場合などは請求を分けて検討します。

(2)裁判で減額が認められた場合の精算

既に受け取った額が裁判で正当とされた地代を超えるとき、地主はその超過額に、各受領時から年1割(10%)の利息を付して返還しなければなりません(11条3項ただし書)。これは同条による特別の利息であり、民法の一般的な法定利率に当然に置き換わるものではありません。

精算の例

月額10万円を払い続け、請求が効力を生じた時点から月額8万円が正当とされた場合、対象となる各月の差額は2万円です。12か月分なら元本合計24万円ですが、利息は各月の2万円について、それぞれ受領された時から計算します。24万円全体に一律で1年分の利息を付けるわけではありません。

交渉・調停・和解で解決する場合は、返還額・利息・支払期限を合意内容として明確にします。差額を将来の地代から一方的に差し引く前にも、合意や相殺の可否を確認してください。

(3)地主から増額を求められた場合との違い

増額について協議がまとまらない場合、借主は増額を正当とする裁判が確定するまで、自ら相当と認める額を支払うことができます(11条2項)。ただし、確定した額に不足があれば、不足額に支払期後の年1割の利息を付けて支払う必要があります。このルールを、借主自身の減額請求の場合と混同しないでください。

(4)受取りを拒否されたときは供託を検討します

地主が受取りを拒むなど、民法494条の要件を満たす場合には弁済供託を検討します。地代の金額に争いがあるというだけで、任意の額を供託すれば必ず有効になるわけではありません。適法な支払の提供、拒否の事実、供託額・供託先を確認します。法務省「供託Q&A」も参考になります。

7.調停・訴訟・費用の見通し

  1. 資料整理・専門家への相談
    契約、直近合意、改定履歴を確認し、減額の根拠と見込額、鑑定の要否を検討します。
  2. 減額請求の通知・交渉
    通知内容と到達を記録し、支払いを適切に続けながら協議します。
  3. 宅地建物調停
    合意に至らなければ、原則として裁判の前に調停を申し立てます。
  4. 地代減額確認訴訟等
    調停不成立の場合は、減額後の地代額の確認や、必要に応じて既払差額等の返還を求めます。
  5. 解決・精算
    合意又は裁判の内容に従い、地代、差額、利息、支払方法を整理します。

(1)調停前置の根拠は民事調停法24条の2です

地代等増減請求の事件について訴えを提起するには、原則として先に調停の申立てが必要です。調停を経ずに提訴した場合は、裁判所は原則として調停に付します。例外もありますが、通常は通知・交渉から調停へ進める計画を立てます。

調停の管轄は、土地所在地を管轄する簡易裁判所、又は当事者が合意で定めるその所在地を管轄する地方裁判所です(民事調停法24条)。契約書の一般的な訴訟管轄条項が、そのまま調停の合意管轄を定めたものとなるとは限りません。

調停では資料や評価の根拠を示しながら、調停委員会を介して解決を協議します。月額だけでなく、段階的な減額、既払差額の精算、将来の改定時期等を含めた合意も検討できます。裁判所が地代を当然に一方的決定する通常の手続ではありませんが、法17条の決定や、要件を満たす場合の24条の3の手続などもあります。

(2)調停不成立後の訴訟

訴訟では、減額請求がいつ到達したか、その時点で地代が不相当となっていたか、相当地代はいくらかを主張・立証します。私的な鑑定評価書を提出したり、裁判所の鑑定が行われたりする場合があります。

訴訟の管轄は、相手方住所地・不動産所在地等の土地管轄に加え、訴額による簡易裁判所・地方裁判所の事物管轄、合意管轄等を確認します。地代減額事件がすべて地方裁判所になるわけではありません。申立て・提訴時の必要書類、手数料、提出方法は提出先の案内で確認してください。

(3)見込減額と費用の比較も大切です

検討する費用には、相談・交渉・調停・訴訟の弁護士費用、資料取得費、裁判所の手数料、鑑定費用などがあります。鑑定は内容や対象地によって費用が変わります。月額の減額見込みだけでなく、利用を続ける期間、既払差額の回収見込み、将来の紛争予防を含めて比較します。

裁判所「民事調停で使う書式」に、賃料増減額の申立書と記載例があります。建物賃料を例にした記載箇所は、対象が土地であることに合わせて調整し、提出先に確認してください。

8.よくある質問

Q.契約時より地価が30%下がったら、地代も30%下がりますか。

必ずしもそうではありません。直近の地代合意、税負担、近隣の地代、権利金等の一時金、契約の経緯も検討します。地価変動率と地代変動率は同じではありません。

Q.減額禁止の特約があると、相談しても無駄ですか。

いいえ。法11条の適用を一律に排除することはできません。ただし、特約を定めた事情も評価対象ですので、契約書全体を確認します。

Q.以前から高すぎた地代を、何年分も返してもらえますか。

法11条の請求は将来に向かうものです。今回初めて請求した場合、単に昔から高かったという理由で請求前の地代まで当然に返還されるわけではありません。過去に有効な減額請求をしていた場合や、別の返還根拠がある場合は個別に検討します。

Q.更新の時まで減額を請求できませんか。

必ず更新時まで待たなければならない制度ではありません。法定要件と請求時点を検討します。ただし、最近地代に合意したばかりの場合には、その後にどのような変化があったかが重要です。

Q.地主が変わったら、新しい地主の提示額に従う必要がありますか。

所有者の変更だけで地代が当然に変更されるわけではありません。賃貸人の地位の承継、現在の契約内容、増減請求の根拠を確認します。相続や売買の後に通知する場合は、誰が適切な相手方かも調べます。

Q.減額を請求したことだけで契約を解除されますか。

適法な減額請求をしたこと自体が、当然に解除理由になるわけではありません。一方、支払方法を誤って滞納を生じさせたり、別の契約違反があったりする場合は別問題です。請求と日々の地代支払いを分けて対応します。

9.新銀座法律事務所への無料相談

地代が高すぎると感じる方、自動増額・減額禁止の特約について確認したい方、地主との交渉や調停を検討している方は、新銀座法律事務所の無料法律相談をご利用ください。地主から増額を求められた場合や、地主側からのご相談にも対応しています。

03-3248-5791

無料相談の受付・メール・LINE等の案内

相談時には、土地の所在地、建物の利用目的、現行地代、最後に地代を合意した時期、契約書、改定履歴、相手方からの通知、希望する解決内容をお知らせください。資料がそろっていなくても、分かる範囲から相談できます。

無料相談の方法・受付条件は案内ページをご確認ください。交渉・調停・訴訟の代理や鑑定等に要する費用は個別にご案内します。弁護士費用 / 所在地・アクセス

11.法令・判例・資料・PDFリンク

2026年9月30日に確認した法令・公表資料に基づく解説です。旧記事の古い地価資料・鑑定評価基準へのリンクは、現在の公的な情報源に更新しました。判例は判決当時の事実に対する判断であり、各事案の減額結果を保証するものではありません。

本記事は一般的な法律情報です。個別の減額の可否・相当地代・通知内容・支払方法は、契約と資料に基づいて検討する必要があります。