嫡出子・非嫡出子・婚外子(ちゃくしゅつし、ひちゃくしゅつし、こんがいし)(最終改訂、平成25年9月5日)

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 「嫡出子」とは、法律上の婚姻関係のある(婚姻届を出している)男女の間に生まれた子のことをいい、「非嫡出子(婚外子)」とは、法律上の婚姻関係にない男女の間に生まれた子のことをいいます。
 「婚姻関係にある男女」の間に生まれた子とは、婚姻中に「妊娠・出産した子」をいいますが、民法では以下の子も嫡出子としての身分を取得することができるとされています(民法722条、789条、809条)。

 1 男女が結婚中に妊娠した子。離婚後に出産しても、嫡出子となります。
 2 妊娠が結婚前であっても、結婚後200日を経過した後に生まれた子
 3 男女が離婚し、または結婚を取り消した後300日以内に生まれた子
 4 妊娠、出産とも結婚前だが、出生後に父から認知をされた子で、その後父と母が結婚した子。婚姻時に嫡出子の身分を取得します。
 5 婚姻前に生まれ、出生後に父母が婚姻した後に父が認知した子。通説では、婚姻時に遡って嫡出の身分を取得するとされています。
 6 養親と養子縁組をした子

非嫡出子の相続分は、民法900条4号で嫡出子の相続分の2分の1と規定されておりましたが、平成25年9月4日最高裁決定で、この取扱いの区別について「遅くとも13年7月の時点で嫡出子と婚外子の法定相続分を区別する合理的な根拠は失われていた」と判断しました。この判例では、既に決着した相続事案には影響しないという異例の言及もなされております。平成13年前後以降に発生した相続案件で、未だに決着していない事案については、この判例の射程内に含まれる可能性がありますので注意が必要です。

※参考条文

(嫡出の推定)
民法第七百七十二条 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2 婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消若しくは取消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

(準正)
第七百八十九条 父が認知した子は、その父母の婚姻によって嫡出子の身分を取得する。
2 婚姻中父母が認知した子は、その認知の時から、嫡出子の身分を取得する。
3 前二項の規定は、子が既に死亡していた場合について準用する。

(嫡出子の身分の取得)
第八百九条 養子は、縁組の日から、養親の嫡出子の身分を取得する。

(法定相続分)
第九百条  同順位の相続人が数人あるときは、その相続分は、次の各号の定めるところによる。
一  子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各二分の一とする。
二  配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は、三分の二とし、直系尊属の相続分は、三分の一とする。
三  配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は、四分の三とし、兄弟姉妹の相続分は、四分の一とする。
四  子、直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは、各自の相続分は、相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。


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