新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.1174、2011/10/31 16:47

【民事・違法駐車と違約金の支払い義務・無人駐車場の表示は契約の申し込みか、申し込みの誘引か・岐阜地方裁判所平成21年10月21日民事第2部判決参照】

質問:先日コインパーキングに駐車し、料金を払わずに出てきてしまいました。防犯カメラに映っていたようで、違約金として10万円請求されてしまいました。無断駐車したのは自分が悪いと思いますが、駐車していたのは30分ほどです。10万円払わなければならないのでしょうか?相手は、看板に、「不法駐車は違約金10万円」と書いていたから10万円払うのは当然、と言っています。何らかの刑罰法規に違反するかどうかも教えて下さい。

回答:
1.違約金10万円を支払う義務はありません。違約金を支払うという契約は成立していませんし、また不法行為による損害の賠償としての責任は実際に生じた損害に限定されますから駐車した時間の駐車代金相当の損害金支払い義務しか発生しません。
2.後記岐阜地方裁判所平成21年10月21日民事第2部判決参照。この判決は、コイン駐車場の設置、看板表示を「契約の申し込み」と認めず、「申し込みの誘引」と解釈し、その結果違法駐車の行為自体は契約の承諾(黙示の意思表示)とはならないと判断しています。この理論的背景は法外な違約金の請求を認めないということにあるようです。すなわち、法外な違約金を定めた契約の申し込みは、法の保護が与えられないということです。適正な違約金の表示であれば、契約の申し込みとして契約成立を認めたものと思われます。従って、理論上駐車場の設置を契約の申し込みと判断し、契約の成立を認めたとしても、根拠のない法外な違約金(例えば、実損害の数倍を超えるもの)は権利濫用、信義則の基本法理(民法1条)から否定される(効力がなく無効である)可能性が大きいでしょう。
3.黙示の意思表に関しては、法律相談事例集キーワード検索:1054番参照。
4.刑罰法規違反について、「器物損壊罪」「威力業務妨害罪」「軽犯罪法1条31号」などの成立する可能性があります。機械式駐車場の不正利用行為は、これらの刑罰法規違反の典型事例ではありませんので、一般的には立件される可能性は低いと言えますが、機械式駐車場運営会社が正式な刑事告訴に踏み切った場合には、検察官としても無視できません。誠意をもって交渉し、民事上の円満な解決を図るのがふさわしい事案といえるでしょう。

解説:
1.(原則)
   コインパーキングのような無人の施設でも、駐車場を利用するという契約が成立し、利用者は代金を支払う義務を負います。そして、契約に違反して料金を支払わなければ、債務不履行責任を負い、駐車した時間に応じた駐車場代の支払い義務を負います。また、最初から支払う気が無いのに利用する場合は、上記の契約は成立しませんが不法行為(民709条)として、駐車代金相当の損害賠償責任を負います。いわゆる不法駐車は決して許される行為ではありません。

2.(問題点)
   しかし、数分間駐車しただけで、10万円という高額な違約金を請求された場合、これも支払いの義務を負うのでしょうか。運営者側は、駐車料金を支払われなかったことにより、駐車料金相当額の損害(不法駐車が無ければ他の自動車の駐車が可能だったのにその機会を失ったことによる損害)を負っていますから、その範囲での損害賠償は仕方が無いでしょう。しかし、このような実損害を超える損害賠償には、別途法律上の根拠が必要になります。その根拠としては駐車場の利用契約に伴う損害賠償の予定の特約が挙げられます。損害賠償は、契約の際、事前に決めておくことができます(民法420条1項)。また、違約金というのは損害賠償の予定のことと考えられます(民法420条3項)。したがって、10万円の違約金、というのは、あらかじめ定められた損害賠償の予定と考えることができます。そこで、駐車場の利用契約が成立しているかどうかが問題となります。

3.(契約成立の要件)
   契約は申し込みと承諾の意思表示により成立します(民法521条以下)。一般の売買のように当事者が最初から確定していて直接互いに意思表示(売ります、買いますという表示)をなす場合が通常ですが、社会生活の簡易、利便化等から相手方が直接面談もなく契約申し込みの意思表示が未確定の第三者へ文書等の表示により行われ、承諾行為が事実行為によりなされる契約形態もあります。自動販売機、コイン駐車場等がその例です。
   そのような場合、何時契約の申し込みがあり、どのような事実行為があった時に承諾があったと評価するか問題となります。駐車場の設置、看板の表示自体を契約の申し込みと考えることができます。口頭で意思表示をする必要がないからです。又、駐車行為自体は契約の承諾と評価することができます。駐車するという意思表示がなくても、その時の客観的事情を総合的に判断し駐車自体が承諾の意思表示の表れと解釈することができるからです。いわゆる「黙示の意思表示」といえると思います。私的自治の原則、契約自由の原則は当事者間に方式、内容、相手方選択の自由を認めて、社会生活を活発、円滑化し公正な社会、経済秩序を維持しようとするものであり、意思表示の形式は自由だからです。しかし、契約自由の原則は対等の当事者が、公平、公正な内容による契約を行うことが前提であり、常に内在する公正公平、信義則、権利濫用禁止の原則(憲法12条、民法1条)により支配されています。従って、形式的に契約の成立があるように見えても、信義則の原則により修正を受けることになります。

4.(申し込みの誘引)
   以上が原則ですが、申し込みの意思表示に類似するものとして、「申込みの誘引」があります。申込みの誘引とは、第三者を誘って申し込みをさせようとする意思の表示であり、相手方が承諾してもその承諾は申し込みにすぎず契約は成立しませんから、重ねて誘引者の承諾が必要となります。又、申込みの誘引は申し込みの法的拘束力がないので(民法521条以下)相手方が申し込んでも撤回も自由で承諾を拒否することもできます。その例として賃貸の広告、タクシーの流し行為、商品の陳列等が挙げられますがその線引きは難しい場合もあります。「誘引」と「申し込み」の違いは、第三者の承諾を拒否できるかどうかにあります。すなわち、相手方の承諾を拒否できる権利を留保しているかどうかにより判断されることになります。

5.(駐車場の設置は申し込みかそれとも誘引か)
   それでは、駐車場の設置は、契約の申し込み、誘引のどちらに該当するでしょうか。原則的には申し込みと評価されると思います。有料の駐車場の設置、料金内容の看板の表示等の事情を総合すれば、第三者の駐車行為(承諾)があればこれを撤回する権利を留保していると判断することはできないからです。しかし、契約の申し込みは、信義則の関係上適正公正な内容を持つ必要があり、法外な違約金(実際の駐車料金の数十倍以上の内容)の定めた申し込みは効力がなく契約の申し込みの法的保護を受けることはできないと考えます。
   すなわち、法的拘束力がない申し込みの誘引と評価されます。従って、第三者の駐車行為も申し込みに対する承諾とならず、又、違法駐車したものが法外な違約金を定める駐車契約の申し込みも行った(黙示の意思表示)と客観的事情から判断することもできませんから、いずれにしろ契約は不成立となるでしょう。尚、仮に契約の申し込みと判断されても、法外な違約金の定め自体は権利濫用、信義則、公序良俗違反として請求は認められないと思われます。法外な違約金の表示は、第三者の違法駐車を抑制する効果はありますが、実際に違法駐車をされても法的に請求することはできないでしょう。

6.(類似判例の検討)
   この点について、裁判例があります。簡易裁判所の控訴事件で、地方裁判所が下した判決です。同判決によると、駐車車両は、フラップ板(車が駐車されると起き上がる板で、このまま出ようとすると車輪が引っかかるようになっている。料金を払えば下がる)を踏みつける形で駐車していたという事案でした。このような場合、「本件車両は、最初から駐車料金を払う意思が無かったので、契約の申し込みの意思表示が無く、駐車場を利用するという契約は成立していない。したがって、契約の成立を前提とする(違約金)は発生しない。」という判断をしました。そもそも、違法に駐車する意図だったので契約など結ぶ意思はないという判断です。判決は、「無人の施設の利用は、利用者と設置者が契約を成立させる意思を有していると認められる限りにおいて契約の成立を認める。」としています。民法上、契約の成立は、申し込みの意思表示と承諾の意思表示の合致が必要であるといわれていますが、無人の施設の場合契約当事者の一方がいないことからこれを制限的に解釈したといえます。駐車場側は、看板の掲示が申し込みの意思表示だと主張しましたが、これは単なる(申し込みの誘引)であって、意思表示とは認められない、としています。

7.(判例理論の背景)
   この判決は、フラップ板を踏みつけるという不当な方法で駐車をした者がお金を支払わなくて良いという結論で、何か不公平、不正義のような感じもします。しかし、本判決は、10万円という請求に対して下されたものであるということに注意が必要です。本件のような事例において、簡単に10万円という金銭の支払いを許容すれば、看板に書いてさえいれば、どんなに高額な違約金でも請求できるということになりかねません。発生した損害は、駐車料金を基本とするべきであり、それ以外の損害については請求者側で立証を要するという民法の原理原則にも叶うものがあります。本件の後日談などは不明ですが、当然、正規の駐車料金を請求されれば、駐車した者はこれを拒むことはできないと思われます。

8.(まとめ)
   本判例から、駐車場を不正に利用しても、契約が成立していないからお金を払わなくてよい、という考え方を学ぶのは間違いです。本判例は、看板に書いてあるというだけで、根拠のない高額な違約金を請求できるわけではない、という判断である、と理解するべきでしょう。

9.なお、本件のような駐車場の不正利用について、駐車場運営会社から「賠償に応じなければ刑事告訴する」という主張がなされることもありますので、この点についても説明したいと思います。刑事告訴される可能性のある罪名は、「器物損壊罪」「業務妨害罪」「軽犯罪法1条31号」です。無人の機械式駐車場ですので、人に対する詐欺罪などは成立しません。

   「器物損壊罪(刑法261条)」は、駐車場の機械に不正に自動車を駐車することにより一時的にでも駐車場機械の効用を喪失させていますので、成立する可能性があります。
   判例上、窓ガラスにビラ貼り行為した事例で窓ガラスの効用を著しく減損するとして器物損壊罪の成立を認めたものがあります(最高裁判所昭和46年3月23日判決)。判例は器物損壊罪について物理的損壊を要せず効用減損で足りると判断していますので、機械式駐車場に不正に駐車して他の一般客の自動車が駐車できなくなり、料金を収受する機能を使用不能にさせる行為は器物損壊罪の成立する可能性が否定できません。
   現在のところ、機械式駐車場の不正利用について器物損壊罪を認めた上級審判決は見当たりませんが、機械式駐車場運営会社が全ての資料を用意して正式に刑事告訴した場合は、検察当局としても無視はできない案件になると予想されます。

   「威力業務妨害罪(刑法234条)」は、「人の意思を制圧する勢力」を用いて、社会生活上の地位に基いて継続して行われる事務又は事業を妨害することとされており、本件の不正駐車行為も成立する可能性があります。
   東京高裁昭和39年11月25日判決は「直接人に暴行を加えたり、畏怖させたりする行為に限らず、一定の物的状態を作為し、その状態のため人の自由な行動を不可能もしくは困難にするものもまたこれにあたる」としています。
   現在のところ、機械式駐車場の不正利用について威力業務妨害罪を認めた上級審判決は見当たりませんが、機械式駐車場運営会社が全ての資料を用意して正式に刑事告訴した場合は、検察当局としても無視はできない案件になると予想されます。

   「軽犯罪法1条31号」は、「他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者」とされている行為で、威力業務妨害罪の「威力」の程度に至らない場合でも、悪戯などで人の業務を妨害した場合に成立しうる罰則規定ですので、検察官が本件の行為を「威力」に当たらないと判断する場合でも、十分成立しうるものです。
   軽犯罪法違反については、警察段階の微罪処分(刑訴法246条但書)や検察段階での不起訴処分(刑訴法248条)が活用され、同罪での立件は一般的に抑制的に運用されているとは言えますが、機械式駐車場運営会社が全ての資料を用意して正式に刑事告訴した場合は、検察当局としても無視はできない案件になると予想されます。

   このように、本件に関する刑罰法規違反は、典型事例ではないものの、十分に可能性のある問題です。駐車場運営会社との交渉態度が悪いと、相手方の心証を害し、正式な刑事告訴に踏み切られてしまう可能性があると思います。前述の通り、「看板に10万円と掲示しているから10万円を払う」という法的義務はありませんが、相手方会社に何らかの経済的損害が生じている事は間違いのないことであり、被害弁償の交渉には誠実に対応する必要があるでしょう。損害額の算定や、刑罰法規の解釈など、法的に複雑な問題を生じますので、弁護士に相談し、交渉の代理人を依頼することも検討されると良いでしょう。

<参考条文>

民法
(基本原則)
第一条  私権は、公共の福祉に適合しなければならない。
2  権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
3  権利の濫用は、これを許さない。
(賠償額の予定)
第四百二十条  当事者は、債務の不履行について損害賠償の額を予定することができる。この場合において、裁判所は、その額を増減することができない。
2  賠償額の予定は、履行の請求又は解除権の行使を妨げない。
3  違約金は、賠償額の予定と推定する。

刑法
第233条(信用毀損及び業務妨害) 虚偽の風説を流布し、又は偽計を用いて、人の信用を毀損し、又はその業務を妨害した者は、三年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
第234条(威力業務妨害) 威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。第261条(器物損壊等) 前三条に規定するもののほか、他人の物を損壊し、又は傷害した者は、三年以下の懲役又は三十万円以下の罰金若しくは科料に処する。

軽犯罪法
第1条  左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
第31号  他人の業務に対して悪戯などでこれを妨害した者

刑事訴訟法
第246条(送検手続、微罪処分)  司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。
第248条(不起訴処分) 犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。

<参考判例>

岐阜地方裁判所平成21年(レ)第15号
平成21年10月21日民事第2部判決(抜粋)

第3 当裁判所の判断
1 (1)証拠(甲1ないし6)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる。
ア 控訴人は,名古屋市a区bc丁目で本件駐車場を管理している。
 本件駐車場は無人の駐車場で、駐車代金の精算は駐車場の利用者が精算機に千円札又は硬貨を投入することによってなされている。 
イ 本件駐車場には,「昼間8:00〜18:00 100円/40分 夜間18:00〜8:00 200円/40分 土日祝 昼間 8:00〜18:00 100円/30分」と大きな文字で書かれ,「入庫時 フラップ板(ロック板)が下げっていることを確認の上,ゆっくり入庫してください。フラップ板を前輪又は後輪で完全に乗り越えて車室枠線内に駐車してください。」「出庫時 料金精算後,フラップ板が完全に下がったことを確認の上,5分以内に出庫願います。」「駐車場のご利用は,48時間以内に限ります。ロック板が上がっていたり,車高が低く,車に破損を与えそうな車両は十分に注意していただくか,又は駐車を見合わせてください。料金精算後にロック板が完全に下がって,車両が出庫出来るのを確認の上,車を出庫させてください。不正行為又は利用方法,利用規約に違反した場合,・・・駐車場利用者(所有者及び同乗者を含む。)は,(1)正規駐車料金,(2)損害賠償金(チェーン施錠,レッカー移動費用等実損諸費用)及び(3)違約金10万円を管理者に支払わなければなりません。」などと小さな文字で書かれた看板がある(甲4,5)。
ウ 被控訴人は,平成20年6月19日,本件車両を本件駐車場に駐車した。その際,被控訴人は,本件車両がフラップ板を踏みつけた状態で駐車し,駐車料金の支払いをしないまま,出庫した。控訴人の関係者は,同日午前11時19分ころ,本件車両が車輪止めを踏みつけた状態で駐車しているのを見つけ,写真を撮影した(甲6)
(2)この点,被控訴人は,「平成20年6月19日ころ,本件車両を修理に出してあって,修理代金が支払えなかったことから,本件車両を引取りにいくことができなかった。したがって,被控訴人は,本件駐車場に本件車両を駐車していない。」旨主張する。
 しかし,被控訴人は,平成20年6月ころ本件車両を使用していたものであること(甲3),被控訴人は本件車両を修理に出したと主張しながら,どこに修理に出したかも明らかにしないことからすると,被控訴人が本件駐車場に本件車両を駐車したものと推認するのが相当であって,被控訴人の同主張は採用できない。
(3)ところで,財又はサービスの提供を受けようとする者が,自ら硬貨や紙幣等を入れて代金を精算するという無人の設備でもって,財又はサービスの提供を受けた場合,財又はサービスの提供者と利用者の双方とも契約の申込み又は承諾の意思表示をしたとはいえないものの,財又はサービスの提供者と利用者の双方が契約を成立させる意思を有すると認められる限りにおいて,その契約が成立したものと解するのが相当である。
 これを本件についてみるに,被控訴人が,フラップ板を踏みつけた状態で本件車両を駐車し,駐車料金の支払いをしないまま,出庫していることからすると,被控訴人は,そもそも本件駐車場の駐車料金を支払う意思は全くなく,本件契約を締結する意思がなかったものと認められる。そうとすると,控訴人と被控訴人との間で本件契約は成立していないというべきである。
 この点,控訴人は,「控訴人が,管理する駐車場を利用者に対し一定の内容で賃貸する意思があることを駐車場内の看板で表示していること,被控訴人が,控訴人の掲示した看板に表示された意思内容を十分に認識していることから,控訴人と被控訴人間に意思表示の合致がある。」と主張するが,控訴人が駐車場施設を設置して看板に賃貸する意思があることを掲示しただけでは,本件契約の申込みの誘因があったというにとどまり,控訴人に本件契約の申込みの意思表示があるとはいえず,また,被控訴人が看板を見て駐車場内に駐車しただけでは被控訴人に本件契約の承諾の意思表示があるとはいえない。また,被控訴人の本件駐車場の利用形態からして,被控訴人に本件駐車場の駐車料金を支払う意思がないと認められることは上記認定のとおりである。したがって,控訴人の同主張は採用できない。

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