新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.1017、2010/4/16 14:14

【学校教育・体罰・職務行為と許される要件・教育の自由】

質問:先日、公立の小学校に通っている息子が先生から胸倉をつかんで壁に押しあてられ、大声で叱られました。息子が女の子やその先生を蹴ったことが原因とのことですが、この件以降子どもが夜中に泣き叫んだり、食欲がなくたったのを見て大きな精神的苦痛を受けました。体罰は許されないのですから、慰謝料を請求したいのですが。学校、教員に責任はありませんか。

回答:
1.体罰が学校教育法11条ただし書にて禁止されているのは確かです。従って、体罰は基本的に許されません。これが原則です。ただ、文部科学省が教育現場へ出した体罰に関する解釈運用の指針においては、「児童生徒に対する有形力の行使により行われた懲戒は、その一切が体罰として許されないというものではない」とされており、例外的に有形力の行使が体罰に当たらない場合がある旨の見解を示しています。したがって、今回の有形力の行使についても、諸事情を総合的に考慮したうえで、学校教育法11条ただし書にて禁止されている「体罰」に該当するかを検討しなくてはなりません。慰謝料をとれるかどうかは以下の要件から考えると一概にはいえないということになります。
2.刑事(刑法36条、37条)、民事(民法720条)の緊急行為以外で、例外的に正当職務行為(刑法35条)として有形力の行使が許される条件は、判例等を検討すると@被害の程度が軽微であること、A教育の目的があり、B手段の態様、程度が教育の目的を達するのに相当であること、C継続時間は短時間であること、D生徒の性別、年齢から健康状態に影響を最小限にするものであること、E指導を必要とした児童の行為内容を防止するのに最小限の程度であること、等です。学校、教員に対して、法的責任を求めるのであれば、以上の要件に当たる事実の保全が必要でしょう。
3.ただ、言うまでもなく普通教育の本来の目的は、両親と両親から委託を受けた教員が互いに信頼関係をもちながら未成熟な児童が人間としての尊厳を有する豊かな人間性と創造性を備えた価値ある存在として成長していくことを願い教育することにありますから(教育基本法前文理念、同法1条、2条、10条、13条)、両親と教員は、児童の成長の面から教育の自由を担う共同体であり対立する関係にありません。従って、いたずらに学校、教員の責任(民事上、教員の分限責任 地方公務員法29条)を追及というよりも事前に話し合いの機会を設け、両者による冷静な事実認定の資料提出、児童に対する対応の是非、今後の児童の成長を協議する必要があるでしょう。意見がまとまらない場合は法的評価、事実認定等法的専門家等の意見も参考にしてみましょう
4.法律相談事例集キーワード検索1007番1008番1016番参照。

解説:
1.(体罰禁止の原則)体罰とは、国語辞典では「身体に直接苦痛を与える罰」と書かれていますが、教師は、学校教育において学問研究、教育の自由があり、懲戒権もありますが体罰は禁止されており(学校教育法11条)これを行うことはできません。学校教育法11条体罰禁止は当然のことを規定しています。どうして当然のことを規定したかというと、過去の学校教育において体罰が行われた経緯がありこれを戒めた規定と考えられます。

2.(法の理想と自力救済の禁止と問題点)身体に苦痛を与える罰を行使できるのは、国民から信託を受けた国家権力のみであり、一切の自力救済禁止は、教育の現場においても同様です。一教師が独自の判断で罰則権限を行使することなどあり得ないわけです。法の支配のもと個人は生まれながらに生命身体の自由を享受しており、これを制限するのは、国民の代表により決められた適正な法手続きによるものであり(憲法31条)、例外的に許されるのは、刑法上違法性が阻却される緊急行為及び、正当な職務行為によるものだけです。この理論は、法治国家である以上教育現場における幼児、児童、未成年者でも同じく適用になります。又、以上の大原則は、教師の教育の自由、学問研究発表、教授の自由によっても基本的に変更されません。ただ、児童は、教育の現場において未成熟で発達段階にありますので、無分別な行動が予想されどのような場合に教師の懲戒権行使としての体罰が許されるか問題にはなります。

3.(要件)正当な職務行為として例外的に許される条件としては、@被害の程度が軽微であること、A教育の目的があり、B手段の態様、程度が教育の目的を達するのに相当であること、C継続時間は短時間であること、D生徒の性別、年齢から健康状態に影響を最小限にするものであること、E指導を必要とした児童の行為内容を防止するのに最小限の程度であること等です。

4.(教育の自由と教育を受ける権利)人間は、死期を迎えるまで人間の尊厳を維持するため常に社会全体から教育を受け成長していくことになります(生涯学習の理念、教育基本法3条)。特に児童は心身共に成長過程にあり、天賦の人権として教育を受ける権利を有し、その相手は第一義的に両親であり(教育基本法10条、民法820条)、両親から委託を受けた学校、教師、さらには社会国家全体です。憲法26条は、それを国民の義務という面から規定していますが、児童の教育をうける権利に対応して、両親の教育を行う権利と義務(教育の自由)、さらに、両親から委託を受ける教育機関としての教師の学問研究、教育、教授の自由(憲法23条)が認められ一体として教育の自由権を保持しています(憲法26条全体の趣旨)。しかし、児童に天賦の人権がある以上、これを適正な手続きなしに両親、及び委託を受けた教師が自らの独自の判断で侵害することは許されませんし、そもそも苦痛を伴う体罰自体には教育的色彩が含まれておらず、発達段階にある児童の人間性及び創造性豊かな成長とは性質上相容れないものです。刑法上刑罰においてさえ死刑を除き身体に直接苦痛を与える罰など存在しません。従って、理論的に必要最小限の厳格な要件のものにしか有形力の行使は許されないことになります。

5.(判例の検討)体罰は学校教育法11条にて禁止されていますので(「校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。」)、この条文を厳格に解釈し、教師が小学生の頭を拳で一回殴った事案において暴力行為に対する刑事責任を認めた判決も存在します(最高裁第一小法廷昭和33年4月3日決定)。しかしながら、中学校の教師が生徒の頭を数回軽くたたいた行為が問題となった東京高等裁判所昭和56年4月1日判決は、それまでの体罰に対する姿勢をやや軟化させ、「裁判所が教師の生徒に対する有形力の行使が懲戒権の行使として相当と認められる範囲内のものであるかどうかを判断するにあたっては、教育基本法、学校教育法その他の関係諸法令にうかがわれる基本的な教育原理と教育指針を念頭に置き、更に生徒の年齢、性別、性格、成育過程、身体的状況、非行等の内容、懲戒の趣旨、有形力行使の態様・程度、教育的効果、身体的侵害の大小・結果等を総合して、社会通念に則り、結局は各事例ごとに相当性の有無を具体的・個別的に判定するほかはないものといわざるをえない」という基準を示し、結果として、生徒に対する有形力の行使ではあるものの正当な懲戒権の行使として許容できるという判断を下しました。その後、この判決の体罰に対する判断を採用する下級審判例が複数表れるようになりました。

6.(文部省通知)平成19年、文部科学省は、問題を起こす児童に対する毅然とした指導を要請する通知を学校現場に出しました。その中には、「教員が児童生徒に対して行った懲戒の行為が体罰に当たるかどうかは、当該児童生徒の年齢、健康、心身の発達状況、当該行為が行われた場所的時間的環境、懲戒の態様等の諸条件を総合的に考え、個々の事案ごとに判断する必要がある。」「児童生徒に対する有形力の行使により行われた懲戒は、その一切が体罰として許されないというものではない」という記述があります。これは、その内容からして、先に紹介した昭和56年東京高裁判例に近い考え方によっているものと思われます。

7.(新しい判例)文部科学省の通知を踏まえたものと思われる判例が、最近最高裁から出ました。これは、小学校の教員が、女子数人を蹴るなどの悪ふざけをした2年生の男子を追い掛けて捕まえ、胸元をつかんで壁に押し当て、大声で叱った行為について、その目的、態様、継続時間等から判断して、損害賠償の対象とはならないと判断したものです(最高裁第三小法廷平成21年4月28日)。この事案における体罰の目的について最高裁は、「他人を蹴るという被上告人の一連の悪ふざけについて,これからはそのような悪ふざけをしないように被上告人を指導するために行われたものであり,悪ふざけの罰として被上告人に肉体的苦痛を与えるために行われたものではないことが明らかである」としました。そして、態様及び継続時間については「(他人を蹴るという悪ふざけをしていた生徒を)追い掛けて捕まえ,その胸元を右手でつかんで壁に押し当て,大声で『もう,すんなよ。』と叱った」というのであるから、目的も含めて総合的に考えると「やや穏当を欠くところがなかったとはいえない」としながらも体罰には該当せず、違法性はないと判断したのです。教育現場において児童生徒に対する指導の一環として、一切の有形力の行使が許されないというのは現実的ではありません。むしろ、許容できる範囲を逸脱したものが「体罰」に該当するのであって、個別具体的な状況を基に「体罰」かどうかを判断するというのが社会常識にもかなっていると思われますので、この判例は妥当なものといえます。

8.(本件の検討)平成19年の文部科学省の教育現場への通知と、平成21年4月28日最高裁判例から考えると、あなたのお子さんが教員から大声で叱られたという本件の場合、@その主な目的がお子さんに対して苦痛を与えるためであることA態様が大声で怒鳴るだけでなく肉体的に許容できないような暴力をふるわれるようなものであることBその継続時間が合理的な時間を超えていること などといった事情を根拠に、学校教育法上許されない体罰に該当するかどうかを総合的に判断することになりましょう。その判断は具体的なご事情を基にしますので、不安なときは事実認定、法的評価に関し弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

≪参考条文≫

国家賠償法
第一条  国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。
学校教育法
第十一条  校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。
第十六条  保護者(子に対して親権を行う者(親権を行う者のないときは、未成年後見人)をいう。以下同じ。)は、次条に定めるところにより、子に九年の普通教育を受けさせる義務を負う。
第二十一条  義務教育として行われる普通教育は、教育基本法 (平成十八年法律第百二十号)第五条第二項 に規定する目的を実現するため、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一  学校内外における社会的活動を促進し、自主、自律及び協同の精神、規範意識、公正な判断力並びに公共の精神に基づき主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
二  学校内外における自然体験活動を促進し、生命及び自然を尊重する精神並びに環境の保全に寄与する態度を養うこと。
三  我が国と郷土の現状と歴史について、正しい理解に導き、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うとともに、進んで外国の文化の理解を通じて、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
四  家族と家庭の役割、生活に必要な衣、食、住、情報、産業その他の事項について基礎的な理解と技能を養うこと。
五  読書に親しませ、生活に必要な国語を正しく理解し、使用する基礎的な能力を養うこと。
六  生活に必要な数量的な関係を正しく理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
七  生活にかかわる自然現象について、観察及び実験を通じて、科学的に理解し、処理する基礎的な能力を養うこと。
八  健康、安全で幸福な生活のために必要な習慣を養うとともに、運動を通じて体力を養い、心身の調和的発達を図ること。
九  生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸その他の芸術について基礎的な理解と技能を養うこと。
十  職業についての基礎的な知識と技能、勤労を重んずる態度及び個性に応じて将来の進路を選択する能力を養うこと。

教育基本法
(平成十八年十二月二十二日法律第百二十号)
 教育基本法(昭和二十二年法律第二十五号)の全部を改正する。我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものである。我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。ここに、我々は、日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く教育の基本を確立し、その振興を図るため、この法律を制定する。
 前文
 第一章 教育の目的及び理念(第一条―第四条)
 第二章 教育の実施に関する基本(第五条―第十五条)
 第三章 教育行政(第十六条・第十七条)
 第四章 法令の制定(第十八条)
 附則
   第一章 教育の目的及び理念
(教育の目的)
第一条  教育は、人格の完成を目指し、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。
(教育の目標)
第二条  教育は、その目的を実現するため、学問の自由を尊重しつつ、次に掲げる目標を達成するよう行われるものとする。
一  幅広い知識と教養を身に付け、真理を求める態度を養い、豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体を養うこと。
二  個人の価値を尊重して、その能力を伸ばし、創造性を培い、自主及び自律の精神を養うとともに、職業及び生活との関連を重視し、勤労を重んずる態度を養うこと。
三  正義と責任、男女の平等、自他の敬愛と協力を重んずるとともに、公共の精神に基づき、主体的に社会の形成に参画し、その発展に寄与する態度を養うこと。
四  生命を尊び、自然を大切にし、環境の保全に寄与する態度を養うこと。
五  伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養うこと。
(生涯学習の理念)
第三条  国民一人一人が、自己の人格を磨き、豊かな人生を送ることができるよう、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所において学習することができ、その成果を適切に生かすことのできる社会の実現が図られなければならない。
(教育の機会均等)
第四条  すべて国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。
2  国及び地方公共団体は、障害のある者が、その障害の状態に応じ、十分な教育を受けられるよう、教育上必要な支援を講じなければならない。
3  国及び地方公共団体は、能力があるにもかかわらず、経済的理由によって修学が困難な者に対して、奨学の措置を講じなければならない。
   第二章 教育の実施に関する基本
(義務教育)
第五条  国民は、その保護する子に、別に法律で定めるところにより、普通教育を受けさせる義務を負う。
2  義務教育として行われる普通教育は、各個人の有する能力を伸ばしつつ社会において自立的に生きる基礎を培い、また、国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養うことを目的として行われるものとする。
3  国及び地方公共団体は、義務教育の機会を保障し、その水準を確保するため、適切な役割分担及び相互の協力の下、その実施に責任を負う。
4  国又は地方公共団体の設置する学校における義務教育については、授業料を徴収しない。
(学校教育)
第六条  法律に定める学校は、公の性質を有するものであって、国、地方公共団体及び法律に定める法人のみが、これを設置することができる。
2  前項の学校においては、教育の目標が達成されるよう、教育を受ける者の心身の発達に応じて、体系的な教育が組織的に行われなければならない。この場合において、教育を受ける者が、学校生活を営む上で必要な規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めることを重視して行われなければならない。
(大学)
第七条  大学は、学術の中心として、高い教養と専門的能力を培うとともに、深く真理を探究して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供することにより、社会の発展に寄与するものとする。
2  大学については、自主性、自律性その他の大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない。
(私立学校)
第八条  私立学校の有する公の性質及び学校教育において果たす重要な役割にかんがみ、国及び地方公共団体は、その自主性を尊重しつつ、助成その他の適当な方法によって私立学校教育の振興に努めなければならない。
(教員)
第九条  法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。
2  前項の教員については、その使命と職責の重要性にかんがみ、その身分は尊重され、待遇の適正が期せられるとともに、養成と研修の充実が図られなければならない。
(家庭教育)
第十条  父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであって、生活のために必要な習慣を身に付けさせるとともに、自立心を育成し、心身の調和のとれた発達を図るよう努めるものとする。
2  国及び地方公共団体は、家庭教育の自主性を尊重しつつ、保護者に対する学習の機会及び情報の提供その他の家庭教育を支援するために必要な施策を講ずるよう努めなければならない。
(幼児期の教育)
第十一条  幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることにかんがみ、国及び地方公共団体は、幼児の健やかな成長に資する良好な環境の整備その他適当な方法によって、その振興に努めなければならない。
(社会教育)
第十二条  個人の要望や社会の要請にこたえ、社会において行われる教育は、国及び地方公共団体によって奨励されなければならない。
2  国及び地方公共団体は、図書館、博物館、公民館その他の社会教育施設の設置、学校の施設の利用、学習の機会及び情報の提供その他の適当な方法によって社会教育の振興に努めなければならない。
(学校、家庭及び地域住民等の相互の連携協力)
第十三条  学校、家庭及び地域住民その他の関係者は、教育におけるそれぞれの役割と責任を自覚するとともに、相互の連携及び協力に努めるものとする。
(政治教育)
第十四条  良識ある公民として必要な政治的教養は、教育上尊重されなければならない。
2  法律に定める学校は、特定の政党を支持し、又はこれに反対するための政治教育その他政治的活動をしてはならない。
(宗教教育)
第十五条  宗教に関する寛容の態度、宗教に関する一般的な教養及び宗教の社会生活における地位は、教育上尊重されなければならない。
2  国及び地方公共団体が設置する学校は、特定の宗教のための宗教教育その他宗教的活動をしてはならない。

地方公務員法
(降任、免職、休職等)
第28条  職員が、左の各号の一に該当する場合においては、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。
一  勤務実績が良くない場合
二  心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
三  前二号に規定する場合の外、その職に必要な適格性を欠く場合
四  職制若しくは定数の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合
2  職員が、左の各号の一に該当する場合においては、その意に反してこれを休職することができる。
一  心身の故障のため、長期の休養を要する場合
二  刑事事件に関し起訴された場合
3  職員の意に反する降任、免職、休職及び降給の手続及び効果は、法律に特別の定がある場合を除く外、条例で定めなければならない。
4  職員は、第十六条各号(第三号を除く。)の一に該当するに至つたときは、条例に特別の定がある場合を除く外、その職を失う。
29条(懲戒)
 1項 職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
 1号 この法律若しくは第57条に規定する特例を定めた法律またはこれに基づく条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
 2号 職務上の義務に違反し、または職務を怠った場合
 3号 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行があった場合
国家公務員法
第六節 分限、懲戒及び保障
(分限、懲戒及び保障の根本基準)
第七十四条  すべて職員の分限、懲戒及び保障については、公正でなければならない。
○2  前項に規定する根本基準の実施につき必要な事項は、この法律に定めるものを除いては、人事院規則でこれを定める。
     第一款 分限
      第一目 降任、休職、免職等
(身分保障)
第七十五条  職員は、法律又は人事院規則に定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任され、休職され、又は免職されることはない。
○2  職員は、人事院規則の定める事由に該当するときは、降給されるものとする。
(欠格による失職)
第七十六条  職員が第三十八条各号の一に該当するに至つたときは、人事院規則に定める場合を除いては、当然失職する。
(離職)
第七十七条  職員の離職に関する規定は、この法律及び人事院規則でこれを定める。
(本人の意に反する降任及び免職の場合)
第七十八条  職員が、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、人事院規則の定めるところにより、その意に反して、これを降任し、又は免職することができる。
一  人事評価又は勤務の状況を示す事実に照らして、勤務実績がよくない場合
二  心身の故障のため、職務の遂行に支障があり、又はこれに堪えない場合
三  その他その官職に必要な適格性を欠く場合
四  官制若しくは定員の改廃又は予算の減少により廃職又は過員を生じた場合
(本人の意に反する休職の場合)
第七十九条  職員が、左の各号の一に該当する場合又は人事院規則で定めるその他の場合においては、その意に反して、これを休職することができる。
一  心身の故障のため、長期の休養を要する場合
二  刑事事件に関し起訴された場合
(休職の効果)
第八十条  前条第一号の規定による休職の期間は、人事院規則でこれを定める。休職期間中その事故の消滅したときは、休職は当然終了したものとし、すみやかに復職を命じなければならない。
○2  前条第二号の規定による休職の期間は、その事件が裁判所に係属する間とする。
○3  いかなる休職も、その事由が消滅したときは、当然に終了したものとみなされる。
○4  休職者は、職員としての身分を保有するが、職務に従事しない。休職者は、その休職の期間中、給与に関する法律で別段の定めをしない限り、何らの給与を受けてはならない。
(適用除外)
第八十一条  次に掲げる職員の分限(定年に係るものを除く。次項において同じ。)については、第七十五条、第七十八条から前条まで及び第八十九条並びに行政不服審査法 (昭和三十七年法律第百六十号)の規定は、適用しない。
一  臨時的職員
二  条件付採用期間中の職員
○2  前項各号に掲げる職員の分限については、人事院規則で必要な事項を定めることができる。
第二款 懲戒
(懲戒の場合)
第八十二条  職員が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。
一  この法律若しくは国家公務員倫理法 又はこれらの法律に基づく命令(国家公務員倫理法第五条第三項 の規定に基づく訓令及び同条第四項 の規定に基づく規則を含む。)に違反した場合
二  職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
三  国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合
○2  職員が、任命権者の要請に応じ特別職に属する国家公務員、地方公務員又は沖縄振興開発金融公庫その他その業務が国の事務若しくは事業と密接な関連を有する法人のうち人事院規則で定めるものに使用される者(以下この項において「特別職国家公務員等」という。)となるため退職し、引き続き特別職国家公務員等として在職した後、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合(一の特別職国家公務員等として在職した後、引き続き一以上の特別職国家公務員等として在職し、引き続いて当該退職を前提として職員として採用された場合を含む。)において、当該退職までの引き続く職員としての在職期間(当該退職前に同様の退職(以下この項において「先の退職」という。)、特別職国家公務員等としての在職及び職員としての採用がある場合には、当該先の退職までの引き続く職員としての在職期間を含む。以下この項において「要請に応じた退職前の在職期間」という。)中に前項各号のいずれかに該当したときは、これに対し同項に規定する懲戒処分を行うことができる。職員が、第八十一条の四第一項又は第八十一条の五第一項の規定により採用された場合において、定年退職者等となつた日までの引き続く職員としての在職期間(要請に応じた退職前の在職期間を含む。)又は第八十一条の四第一項若しくは第八十一条の五第一項の規定によりかつて採用されて職員として在職していた期間中に前項各号のいずれかに該当したときも、同様とする。
(懲戒の効果)
第八十三条  停職の期間は、一年をこえない範囲内において、人事院規則でこれを定める。
○2  停職者は、職員としての身分を保有するが、その職務に従事しない。停職者は、第九十二条の規定による場合の外、停職の期間中給与を受けることができない。

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