新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.802、2008/10/27 14:25 https://www.shinginza.com/qa-hasan.htm

【破産・自由財産の範囲・退職金と破産財団】

質問: 私は,消費者金融等に多額の借金がありますので,自己破産をすることを考えております。ただ,破産すると自分の財産を出すことになると思いますが,生活費のために残している虎の子の5万円や,家にある洋服や布団も出さなければならないのでしょうか。また,退職金はどうなるのでしょうか,会社を退職しなければならないのでしょうか。

回答:
1.あなたが,裁判所に,破産申立てをして,裁判所から破産手続開始決定が下されても,生活費のために残している5万円や,家にある洋服や布団は,破産者の自由財産となりますので,提出する必要はありません。
2.また,退職金請求権については,破産手続開始決定時の退職金請求権の額を算定し,その4分の1(東京地裁の場合,8分の1)が破産財団(債権者に分配される財産)を構成することになります。そして,破産財団の額が一定額の場合(東京地裁の場合,20万円以上),これを,破産手続開始決定後に取得した給与等から積み立てる必要があります。他方,破産財団の額が一定額を充たさない場合(東京地裁の場合,20万円未満),これを,積み立てる必要はありません。そして,いずれにしても,会社を退職しなければならないことはありません。
3.以下,詳しく説明いたします。

解説:
前もって破産手続きの考え方をお話します。破産(免責)とは,支払不能等により自分の財産,信用では総債権者に対して約束に従った弁済ができなくなった債務者の財産(又は相続財産)に関する清算手続きおよび免責手続きをいいますが(破産法2条1項),その目的は,債務者(破産者)の経済的再起更生と債権者に対する残余財産の平等な弁済の2つです。その目的を実現するため手続きは適正,公平,迅速,低廉に行う必要があります。なぜ破産,免責手続きがあるのかといえば,自由で公正な社会経済秩序を建設し,個人の尊厳保障のためです(法の支配の理念)。我が国は,自由主義経済体制をとり自由競争を基本としていますから構造的に勝者,敗者が生まれその差は資本,財力の集中拡大とともに大きくなり恒常的不公正,不平等状態が出現します。しかし,本来自由主義体制の真の目的は公正公平な社会秩序建設による個人の尊厳保障(法の支配の理念)にありますから,自由主義体制に内在する公平公正平等,信義誠実の原則が直ちに発動され不平等状態は解消一掃されなければなりません。

そこで,法は,債務者が再度自由競争に参加できるように従来の債務を減額,解消,整理する権利を国民(法人)に認めています。したがって債務整理を求める権利は法が認めた単なる恩恵ではなく,国民が経済的に個人の尊厳を守るために保持する当然の権利です。その権利内容は,債務者がその経済状態により再起更生しやすいように種々の制度が用意されているのです。大きく分けると債務者の財産をすべて一旦清算し残余財産を分配してゼロからスタートする破産(清算方式の内整理)と,従来の財産を解体分配せずに従来の財産を利用して再起を図る再生型(再起型内整理,特定調停,民事再生,会社更生法)に分かれます。唯,債権の減縮,免除が安易に行われると契約は守られなければならないという自由主義経済の根底が崩れる危険があり,債務者の残余財産の確保,管理,分配(破産財団の充実)は厳格,平等に行われます。但し,人間として生活維持,経済的再起更生のためには必要最小限の資産も必要であり,分配の対象である残余財産の範囲について種々の配慮がなされています。勿論,不法,不当な手段,活動により破産的状態を作出し,陥った債務者は再起更生の法的保護を受ける正当な利益を有しませんので,債務の減縮免除を申し出ることはできない仕組みになっています(法252条,254条。免責不許可,取消等)。破産法の解釈も以上の趣旨から行われます。

1.破産手続
まず,破産手続について,説明いたします。債務者が,裁判所に,破産申立てをして,裁判所から破産手続開始決定が下されますと,債務者は破産者となり,また,債務者に債権を有していた債権者は,通常,破産債権者となります。また,裁判所から破産手続開始決定が下されますと,債務者が有していた財産は,原則として,破産財団となり,また,破産財団の額が一定額の場合(東京地裁の場合,20万円以上),破産管財人が選任されます。なお,破産財団の額が一定額を充たさない場合(東京地裁の場合,20万円未満),破産管財人は選任されず,破産手続開始決定と同時に破産手続廃止決定(同時破産手続廃止決定)が下されます(破産法216条1項)。また,破産管財人は,主に,債務者が有していた財産を管理し(破産財団の管理処分権は,債務者から破産管財人に移ります。),また,破産財団に属すべき財産を収集換価することによって,破産財団を確定し,他方,破産債権者及びその債権額を確定し,最終的に,破産財団から破産債権者に,その債権額に比例分配する形で配当することを職務としております。

2.破産財団の定義,固定主義
このように,破産財団とは,破産者の財産又は相続財産であって,破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するものをいいます(破産法2条14項)。そして,破産者が破産手続開始決定時において有する一切の財産が,原則として,破産財団となります(破産法34条1項)。このように,破産財団は,破産者の破産手続開始決定時の財産に固定されますので(破産宣告時を基準に破産財団の構成を決めることを固定主義といいます),破産手続開始決定後に,破産者が取得した財産(新得財産)(給与の取得等)は,破産財団を構成しません。かかる新得財産は,破産者の自由財産となり,破産者が自由に管理処分することができます。破産法は,破産者が再起更生しやすいように,破産財団の確定時期をなるべく早めて固定主義(膨張主義は宣告手続中の財産も破産財団に組み入れますので自由財産は少なくなります。フランス民法)を採用し「破産宣告時」にしています。

3.自由財産の定義
自由財産とは,破産者の財産のうち,破産財団を構成せず,破産者が自由に管理処分することができる財産をいいます。経済的再起更生のため必要不可欠な財産です。上記の新得財産の他にも,様々な自由財産が認められており,破産財団を構成しない破産者の財産は,自由財産になるため,自由財産は破産財団と裏表の関係になります。

4.将来の請求権
(1)そして,破産法34条2項は,「破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は,破産財団に属する」と規定しております。これは,破産手続開始決定前に生じた原因に基づいているのであれば,現時点では未発生の権利でも,期待権として財産的価値を有することから,規定されているものです。実務上,保険契約に基づく解約返戻金請求権等があります。

(2)退職金請求権
そして,この点に関して,実務上問題となるのが,退職金請求権です。退職金請求権は,賃金の後払的性質を有すると考えられますので,破産者が破産手続開始決定時に有する退職金請求権は,破産手続開始決定前の労働の対価であり,かつ,退職という将来の事実によって具体化する権利ですので,将来の請求権(破産法34条2項)として,破産財団を構成すると考えられます。なお,退職金請求権は,賃金の後払的性質を有し,人の生存に関わるものであることから,その4分の3は,差押禁止債権とされており(民事執行法152条2項),破産法34条3項2号から,差押が禁止されている4分の3については,破産財団を構成せず,4分の1についてのみ,破産財団を構成することになります。ただ,破産者は退職しておらず,具体化していないことから,どのように破産財団を構成すべきかが問題になります。この点,破産者に退職を勧告するのは,破産者に酷であると思われますので,実務では,破産管財人は,破産手続開始決定時点での退職金請求権の4分の1(東京地裁の場合,将来,勤務先の倒産や破産者が懲戒解雇される等の事情で退職金の支給を受けられない危険性を考慮して,8分の1)に相当する額を,破産者の自由財産(破産手続開始決定後に,破産者が取得した給与等)から積み立てさせて破産財団に組み入れさせる運用がなされております。破産者の再起更生という面から東京地裁の取り扱いが妥当でしょう。なお,破産手続開始決定時点での退職金請求権の4分の1(東京地裁の場合,8分の1)が一定額を充たさない場合(東京地裁の場合,20万円未満),そもそも破産管財人は選任されず,破産手続開始決定と同時に破産手続廃止決定(同時破産手続廃止決定)が下されますので(破産法216条1項),破産財産への組み入れは必要ありません。退職金請求権の金額は破産手続開始決定の時点での評価となりますから,破産の申立をする前に勤務先から現時点での退職金の金額を書面で回答してもらう必要があります。勤務先からそのような書面がもらえない場合は,退職金規定と勤務年数を証明できる書類をそろえる必要があります。

5.差押禁止財産(破産者の生活維持権,再起更生という破産法の理想から認められています)
(1)また,破産手続は,包括執行手続の性質を備えることから,差押禁止財産(差押禁止動産(民事執行法131条),差押禁止債権(民事執行法152条))は,破産法34条3項から,破産財団を構成せず,破産者の自由財産となるとされております。
(2)差押禁止動産
そして,差押禁止動産の主なものとしては,
「債務者等の生活に欠くことができない衣服,寝具,家具,台所用具,畳及び建具」(民事執行法131条1号),
「債務者等の1月間の生活に必要な食料及び燃料」(同法同条2号),
「実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの」(同法同条7号),
「仏像,位牌その他礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物」(同法同条8号),
「債務者等の学校その他の教育施設における学習に必要な書類及び器具」(同法同条11号),
「債務者等に必要な義手,義足その他の身体の補足に供する物」(同法同条13号),
「建物その他の工作物について,災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具,避難器具その他の備品」(同法同条14号)
があり,これらは,主に人の生存に関わるものであり,差押えを認めるべきではないと思われるものであることから,差押禁止動産とされており,破産者の自由財産となります。

(3)差押禁止債権
また,差押禁止債権は,給料債権や退職金請求権ですが(民事執行法152条),実務では,退職金請求権が問題となり,退職金請求権については,上記4(2)に記載のとおりです。なお,破産者が破産手続開始決定時に有する給料債権も,4分の1についてのみ,破産財団を構成することになりますが,金額が少額であるケースが多いことから,実務では,あまり問題とされていないように思われます。

(4)99万円の金銭
また,差押禁止動産として,「標準的な世帯の2月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭」(民事執行法131条3号)があり,これは,66万円とされておりますが(民事執行法施行令1条),破産法34条3項1号は,さらにその額に2分の3を乗じた額の金銭,すなわち,99万円が,破産財団を構成せず,破産者の自由財産となると規定しております。これは,破産法の目的である,破産者について経済生活の再生の機会の確保を図るために規定されており,平成17年の破産法改正で,破産者の生活権,経済的再起更生のため自由財産の範囲が21万円から99万円に拡張されたものです。

6.以上の解説をまとめると,回答に記載した内容になります。より詳しく相談したい場合には,破産等の債務整理に詳しい弁護士に相談するのがよいでしょう。

≪条文参照≫

破産法1条(目的)
「この法律は,支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により,債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し,もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに,債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。」

破産法2条(定義)
1項「この法律において,「破産手続」とは,次章以下(第12章を除く。)に定めるところにより,債務者の財産又は相続財産を清算する手続をいう。」
4項「この法律において,「破産者」とは,債務者であって,第30条第1項の規定により破産手続開始の決定がされているものをいう。」
5項「この法律において,「破産債権」とは,破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権(第97条各号に掲げる債権を含む。)であって,財団債権に該当しないものをいう。」
6項「この法律において,「破産債権者」とは,破産債権を有する債権者をいう。」
12項「この法律において,「破産管財人」とは,破産手続において破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。」
14項「この法律において,「破産財団」とは,破産者の財産又は相続財産であって,破産手続において破産管財人にその管理及び処分をする権利が専属するものをいう。」

破産法34条(破産財団の範囲)
1項「破産者が破産手続開始の時において有する一切の財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)は,破産財産とする。」
2項「破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は,破産財団に属する。」
3項「第1項の規定にかかわらず,次に掲げる財産は,破産財団に属しない。」
1号「民事執行法(昭和54年法律第4号)第131条第3号に規定する額に2分の3を乗じた額の金銭」
2号「差し押さえることができない財産(民事執行法第131条第3号に規定する金銭を除く)。ただし,同法第132条第1項(同法第192条において準用する場合を含む。)の規定により差押えが許されたもの及び破産手続開始後に差し押さえることができるようになったものは,この限りでない。」
破産法216条(破産手続開始の決定と同時にする破産手続廃止の決定)
1項「裁判所は,破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときは,破産手続開始の決定と同時に,破産手続廃止の決定をしなければならない。」
(免責許可の決定の要件等)
第252条  裁判所は,破産者について,次の各号に掲げる事由のいずれにも該当しない場合には,免責許可の決定をする。
一  債権者を害する目的で,破産財団に属し,又は属すべき財産の隠匿,損壊,債権者に不利益な処分その他の破産財団の価値を不当に減少させる行為をしたこと。
二  破産手続の開始を遅延させる目的で,著しく不利益な条件で債務を負担し,又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと。
三  特定の債権者に対する債務について,当該債権者に特別の利益を与える目的又は他の債権者を害する目的で,担保の供与又は債務の消滅に関する行為であって,債務者の義務に属せず,又はその方法若しくは時期が債務者の義務に属しないものをしたこと。
四  浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ,又は過大な債務を負担したこと。
五  破産手続開始の申立てがあった日の一年前の日から破産手続開始の決定があった日までの間に,破産手続開始の原因となる事実があることを知りながら,当該事実がないと信じさせるため,詐術を用いて信用取引により財産を取得したこと。
六  業務及び財産の状況に関する帳簿,書類その他の物件を隠滅し,偽造し,又は変造したこと。
七  虚偽の債権者名簿(第二百四十八条第五項の規定により債権者名簿とみなされる債権者一覧表を含む。次条第一項第六号において同じ。)を提出したこと。
八  破産手続において裁判所が行う調査において,説明を拒み,又は虚偽の説明をしたこと。
九  不正の手段により,破産管財人,保全管理人,破産管財人代理又は保全管理人代理の職務を妨害したこと。
十  次のイからハまでに掲げる事由のいずれかがある場合において,それぞれイからハまでに定める日から七年以内に免責許可の申立てがあったこと。
イ 免責許可の決定が確定したこと 当該免責許可の決定の確定の日
ロ 民事再生法 (平成十一年法律第二百二十五号)第二百三十九条第一項 に規定する給与所得者等再生における再生計画が遂行されたこと 当該再生計画認可の決定の確定の日
ハ 民事再生法第二百三十五条第一項 (同法第二百四十四条 において準用する場合を含む。)に規定する免責の決定が確定したこと 当該免責の決定に係る再生計画認可の決定の確定の日
十一  第四十条第一項第一号,第四十一条又は第二百五十条第二項に規定する義務その他この法律に定める義務に違反したこと。
2  前項の規定にかかわらず,同項各号に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても,裁判所は,破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは,免責許可の決定をすることができる。
3  裁判所は,免責許可の決定をしたときは,直ちに,その裁判書を破産者及び破産管財人に,その決定の主文を記載した書面を破産債権者に,それぞれ送達しなければならない。この場合において,裁判書の送達については,第十条第三項本文の規定は,適用しない。
4  裁判所は,免責不許可の決定をしたときは,直ちに,その裁判書を破産者に送達しなければならない。この場合においては,第十条第三項本文の規定は,適用しない。
5  免責許可の申立てについての裁判に対しては,即時抗告をすることができる。
6  前項の即時抗告についての裁判があった場合には,その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては,第十条第三項本文の規定は,適用しない。
7  免責許可の決定は,確定しなければその効力を生じない。
(免責取消しの決定)
第二百五十四条  第二百六十五条の罪について破産者に対する有罪の判決が確定したときは,裁判所は,破産債権者の申立てにより又は職権で,免責取消しの決定をすることができる。破産者の不正の方法によって免責許可の決定がされた場合において,破産債権者が当該免責許可の決定があった後一年以内に免責取消しの申立てをしたときも,同様とする。
(詐欺破産罪)
第二百六十五条  破産手続開始の前後を問わず,債権者を害する目的で,次の各号のいずれかに該当する行為をした者は,債務者(相続財産の破産にあっては相続財産,信託財産の破産にあっては信託財産。次項において同じ。)について破産手続開始の決定が確定したときは,十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。情を知って,第四号に掲げる行為の相手方となった者も,破産手続開始の決定が確定したときは,同様とする。
一  債務者の財産(相続財産の破産にあっては相続財産に属する財産,信託財産の破産にあっては信託財産に属する財産。以下この条において同じ。)を隠匿し,又は損壊する行為
二  債務者の財産の譲渡又は債務の負担を仮装する行為
三  債務者の財産の現状を改変して,その価格を減損する行為
四  債務者の財産を債権者の不利益に処分し,又は債権者に不利益な債務を債務者が負担する行為
2  前項に規定するもののほか,債務者について破産手続開始の決定がされ,又は保全管理命令が発せられたことを認識しながら,債権者を害する目的で,破産管財人の承諾その他の正当な理由がなく,その債務者の財産を取得し,又は第三者に取得させた者も,同項と同様とする。

民事執行法131条(差押禁止動産)
「次に掲げる動産は,差し押さえてはならない。」
1号「債務者等の生活に欠くことができない衣服,寝具,家具,台所用具,畳及び建具」
2号「債務者等の1月間の生活に必要な食料及び燃料」
3号「標準的な世帯の2月間の必要生計費を勘案して政令で定める額の金銭」
4号「主として自己の労力により農業を営む者の農業に欠くことができない器具,肥料,労役の用に供する家畜及びその飼料並びに次の収穫まで農業を執行するために欠くことができない種子その他これに類する農産物」
5号「主として自己の労力により漁業を営む者の水産物の採捕又は養殖に欠くことができない漁網その他の漁具,えさ及び稚魚その他これに類する水産物」
6号「技術者,職人,労務者その他の主として自己の知的又は肉体的な労働により職業又は営業に従事する者(前2号に規定する者を除く。)のその業務に欠くことができない器具その他の物(商品を除く。)」
7号「実印その他の印で職業又は生活に欠くことができないもの」
8号「仏像,位牌その他礼拝又は祭祀に直接供するため欠くことができない物」
9号「債務者に必要な系譜,日記,商業帳簿及びこれらに類する書類」
10号「債務者又はその親族が受けた勲章その他の名誉を表章する物」
11号「債務者等の学校その他の教育施設における学習に必要な書類及び器具」
12号「発明又は著作に係る物で,まだ公表していないもの」
13号「債務者等に必要な義手,義足その他の身体の補足に供する物」
14号「建物その他の工作物について,災害の防止又は保安のため法令の規定により設備しなければならない消防用の機械又は器具,避難器具その他の備品」

民事執行法152条(差押禁止債権)
1項「次に掲げる債権については,その支払期に受けるべき給付の4分の3に相当する部分(その額が標準的な世帯の必要生計費を勘案して政令で定める額を超えるときは,政令で定める額に相当する部分)は,差し押さえてはならない。」
1号「債務者が国及び地方公共団体以外の者から生計を維持するために支給を受ける継続的給付に係る債権」
2号「給料,賃金,俸給,退職年金及び賞与並びにこれらの性質を有する給与に係る債権」
2項「退職手当及びその性質を有する給与に係る債権については,その給付の4分の3に相当する部分は,差し押さえてはならない。」

民事執行法施行令1条(差押えが禁止される金銭の額)
「民事執行法(以下「法」という。)第131条第3号(法第192条において準用する場合を含む。)の政令で定める額は,66万円とする。」

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