新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.446、2006/7/27 11:00

[民事・契約]
質問:ファクタリング契約とはいかなる契約をいうのですか。どのような点が特徴的なのでしょうか。

回答:
1、ファクタリング契約とは、売主(クライアント)が、顧客(カスタマー)に対して商品の販売、サービスの提供、工事の施工等によって得た売掛債権をファクターへ譲渡し、ファクターはこれに対し、前払いによる金融を行ったり、売掛金の支払保証や回収代行、さらには記帳事務の代行をおこなったりする、新しい形の金融サービスをいいます。このように、ファクタリング契約は売主とファクターとの間において売主の売掛債権をファクターに譲渡する債権譲渡契約の一種であるということができます。ただ、現実にはファクタリング契約においては以下に述べるような機能面を重視する点で、純然たる債権譲渡とは異なる特徴があります。
2、ファクタリング契約の特徴としては、以下に述べるような3点の機能があげられます。
@金融的機能(売主が上記売掛債権を引き当てとしてファクターから金銭を弁済期前に受けとることが出来ます。手形割引により前払いを受けるのと近い機能であるといえるでしょう。)
A債権回収代行機能(売主の代わりにファクターが代金債権の回収をします。この意味で回収に伴うリスクを軽減します)
B事務処理的機能(記帳事務をファクターが代行するなど事務処理の便宜を図れます。)
3、以上がファクタリング契約の意義・機能の概要ではありますが、その内容・条件等は売主とファクターとの間の個別の契約で決められます。ファクターの側としては、売主側と買主側の信用状況を調査の上で条件を設定するものと思われます。つまり、調査の結果によって売主側にとって、上記の一部の機能のみを内容とする場合や上記3つの機能を認めたとしても売主にとって不利な条件でしか応じられないということもあります。
4、以上のように、契約内容は一律ではないわけですから、慎重に契約内容を吟味する必要があります。ただ、契約内容から有利不利を的確に判断することはなかなか難しいことです。契約内容の個々の条件で不明な点がある場合はもちろん、契約内容全体として条件が妥当なのかなどの判断が難しい場合には、契約を締結する前に弁護士に相談をされることをお勧めします。より詳しい内容はファクタリング契約@(No.353)で多少詳しく述べておりますので併せて参照してください。

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