新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.405、2006/5/10 13:13

[民事・契約]
質問: 2年前、友人が会社を辞めて、独立して開業する際、絶対に迷惑をかけない、と電話で頼まれて、友人が開業資金として、銀行から500万円の融資を受けた際、その借金の保証人になりました。それ以降、友人からは、おかげさまで事業は順調だ、としか言われておらず、それを信じて安心していたのですが、今日、突然、銀行から内容証明郵便が届きました。残額を、直ちに、一括で返済するように書いてあります。いきなりそんな請求をされても払えません。まず友人に請求してもらえないでしょうか。友人も分割で払っていたはずですので、せめて分割にできないでしょうか。

回答:
1.お気持ちはわかりますが、ご友人からは、一切迷惑をかけないと言われていても、銀行との契約書に署名をして、保証人となった以上、銀行に対しての責任は免れません。
2.銀行との契約書には、通常通り、おそらく、「連帯保証人」、として署名をしていらっしゃると思います。「連帯」と記載のない、単なる「保証人」であれば、ご要望通り、まずご友人に請求して欲しい、と要求できる催告の抗弁権(民法452条)や、ご友人への請求が功を奏さなくても、ご友人には資力があり、ご友人の資産から返済を受けられると証明して、そうさせることができる検索の抗弁権(民法453条)が認められますが、「連帯保証人」にはこれらの権利もありません。
3.また、銀行との契約書には、おそらく、ご友人の分割でのお支払いが一回でも遅れたら、残った借金は一括で請求できる、という約束(期限の利益喪失約款)も入っていると思います。銀行からの内容証明に、「期限の利益を喪失したので」等と書いてあるのであれば、この約束に基づいての請求ですから、それが事実であれば、分割で、と主張することも、法的には難しくなります。
4.以上の点からすると、おそらく、法的には、銀行から一括の請求をされても仕方がない、ということになってしまいます。あとは、銀行と交渉して、分割の交渉をするしかないと思います。法的には、一括の請求ができるので、交渉は難航するかもしれませんが、さすがに、3年前のお話でしたら、ご友人も、ある程度は銀行に返済しているでしょうから、残額によっては、交渉の余地が出てきます。ただ、債務整理として、弁護士を依頼して交渉をしないと、難しいかもしれません。交渉がうまくいかない場合は、ご資力や他の負債の状況にもよりますが、破産も検討しなければいけません。まずは、お近くの法律事務所にご相談下さい。

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