新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.381、2006/4/3 19:03

[刑事・違法性]
質問:ある会社のホームページ上で公開されている情報を自分の会社のホームページにそのまま記載した場合、著作権法違反になりますか。

回答:
1、インターネット上に記載されている文字や文章、画像、映像などのデータや創作性のあるデータベースについては、著作権の対象となり、著作権法によって保護されています。したがって、著作権法に定めるルールに従った取り扱いをしないと著作権法違反となり、刑事罰や損害賠償の対象となります。
2、著作権の対象となる著作物については、原則として、著作権者に無断で転載したり、複製したりすることはできません。しかし、著作権法上の例外として、「引用」することは認められています。すなわち、「公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。」と規定されています(著作権法32条)。具体的にどのような条件を満たせば引用として許されるかについて、一般的には次のように考えられています。すなわち、@引用すること、及び引用する範囲について必然性があること、A括弧書きなどで引用した部分を他と明確に区分して、出典を明確に示すこと、B自己の著作物と引用した部分に質的にも量的にも主従の関係が明確であること、などが条件と考えられています。
3、また、このほかに私的使用として著作物を複製することは認められています。すなわち、「著作権の目的となっている著作物は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。」と規定されています(著作権法30条1項)。したがって、インターネット上のデータや画像を自分のパソコンに取り込んで、自分の趣味などとして個人的に楽しむ分には、この私的使用としての複製に当たり許容されています。しかし、自分のホームページやブログに記載することは、私的使用の範囲を超えてしまい、認められないと考えられます。ホームページやブログはインターネット上で公開されており不特定多数の者がアクセス可能であり、個人の使用の領域を超えているといえるからです。
4、したがって、他の会社のホームページ上で公開されている情報を自分の会社のホームページに記載する場合、引用の条件を満たす形で記載するか、著作権者の許諾を得た上で記載する方法をとることになります。

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