新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.351、2006/2/6 13:54

[民事・裁判]
質問:訴状が送られてきました。答弁書を提出するよう記載されています。「答弁書」とは何ですか。答弁書の提出期限を守らないと不都合がありますか。

回答:
1、民事裁判は、訴状を裁判所に出すことによって始まります。訴状が受け付けられると、裁判所が裁判の期日を決めて、被告に郵便で訴状と期日を指定した書面を送る事になっています(民事訴訟法139条)。この裁判のことを口頭弁論といいます。
2、口頭弁論において、裁判について発言するには、書面で準備しなければならないと決められています(民訴161)。そして、第1回目の裁判(口頭弁論)では、まず、原告が訴状にもとづいて意見を述べます。これを訴状の陳述といいます。次に、被告が訴状に対する意見を述べる事になります。その意見は書面で準備しなければならないと決められているので、書面が必要です。この、第1回目の裁判で訴状に対する被告の意見を記載した書面を「答弁書」といいます。
3、答弁書の提出期限は、裁判所が定め、訴状と一緒に輸送される「期日を指定する書面」に記載されています。裁判所は裁判を迅速に行うために答弁書の提出期限を決めていますから、被告はこの提出期限を守る義務があります。ただ、期限に遅れたからといって特に不利益を課せられることはありません。
4、答弁書を提出しておくと、第1回目の裁判に欠席しても、答弁書に書かれたことを発言したとみなされます(「擬制陳述」といいます。民訴158)。ですから、もし裁判所にいけない場合は事前に裁判所に答弁書を提出しておく必要があります。第1回目の裁判に出席する場合も答弁書を提出しておく必要があるのですが、どうしても間に合わない場合は、あきらめないで裁判の日に答弁書を持参することもできます。いずれにしろ、指定された期限にどうしても間に合わない場合は、裁判が始まるまでに答弁書を出すことができることになっています。
5、なお、答弁書には請求の趣旨に対する答弁と請求原因に対する答弁を記載することになっています。具体的に記載する事項は裁判所や弁護士に確認したほうが良いでしょう。

法律相談事例集データベースのページに戻る

法律相談ページに戻る(電話03−3248−5791で簡単な無料法律相談を受付しております)

トップページに戻る