新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.164、2004/5/18 18:33

[民事・消費者]
質問:突然、ある団体から電話があり、『あなたが加入していた出会い系サイトの業者が倒産し、警察に摘発されています。あなたの携帯番号とメールアドレスが登録されており、使用料金が未払いの状態となっていました。延滞料金・脱会料金として今日中に00万円を支払ってください。』『データ買取り料金として00万円を至急支払ってください。』『弁護士費用と調査費用として00万円を今日中に支払ってください。』と言われました。身に覚えがないのですが、どうしたらいいでしょう。

回答:
1、あなたが、身に覚えのない請求を受けた場合、現在、多くの被害が生じ問題となっている架空請求(不当請求)の可能性があります。架空請求とは、手当たり次第電話をし、身に覚えのない人に対して、当たり前のように請求権があるよう装い、巧みな話術をもって不当請求をするという、いわゆる悪徳業者の手口です。出会い系という点を口実にするのは、1度くらい、そういうサイトに興味を持つ人間が多いとの推測と、公にしたくないとの気持ちを逆手に取っている可能性が大きいと思います。請求の根拠を明示できないにも関わらず、『あなたは出会い系サイトを使用しましたね。登録されており延滞料金が発生しています。』などと言い、半ば強引に支払いをさせるというものです。また、『今日中に支払ってください。』と強要し、あなたに冷静な判断力を与えないよう請求を続けます。また、お金がないと伝えると、簡単に減額に応じ、あたかもあなたが特遇を受けたような口調に翻り、同じく支払いを促してくることが多いのです。まったく身に覚えがないようであれば、本件は、出会い系サイトというあまり公表されたくないという人間の心理を利用した悪質な請求といえるでしょう。
2、身に覚えのない請求を受けたのであれば、毅然とした態度で、支払わないという意思表示をすることが大切です。仮に、一度でも支払いに応じてしまうと、延滞料金・データ消去代金・調査費用・契約違反などの名目で、請求が続くようになります。一度でも支払いに応じた場合は、業者間であなたの情報が漏れてしまう可能性があり、他の業者から同じように不当請求を受ける可能性が生じます。
3、上記事案では、出会い系サイト協会が、倒産した出会い系サイトの債権を成り代わって請求すると主張していますが、このように、紛争債権を譲り受けて回収することを業として行うことは、法律上禁止されています(弁護士法73条)。例え、業として行っていないとしても、あなたが債権譲渡の通知を受けていない限り(民法 467条)、支払いを請求する権利はありません。
4、まずは、このような業者から不当な請求を受けた場合や、一旦、支払に応じてしまった場合などは、ご自身だけで解決しようとするだけではなく、専門化などのアドバイス、お近くの弁護士、消費者センター、役所の相談窓口などでご相談されることをお勧めします。弁護士であれば、あなたの代理人となり、不当請求を拒絶する交渉をすることもできます。

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