新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.158、2004/4/20 17:32

[刑事・起訴前]
質問: 中学生の息子が女性にわいせつな行為(痴漢・ちかん行為)をしたとのことで逮捕されたと警察から連絡がありました。息子は退学になってしまうのでしょうか。どうしたらよいか教えて下さい。

回答:

本件のような場合、息子さんは,各都道府県の条例(迷惑防止条例等)違反もしくは、刑法上の強制わいせつ罪(刑法第176条)などの罪を犯したとして逮捕され、警察に身柄を拘束され、その後家庭裁判所に送致され、家庭裁判所により、観護措置決定が下される可能性があります(少年法17条1項2号)。
観護措置となった場合、原則として2週間、例外的に4週間(さらに例外的に最大8週間)少年鑑別所に収監されることになります(少年法17条3項,4項)。そして、この観護措置が終了した後に、家庭裁判所により少年審判が開かれ、少年院送致や保護観察処分等の最終的な処分なされることとなります。

観護措置となった場合、息子さんは2週間は自宅に帰れないということになりますから、早期の身柄解放に向けた行動が必要となります。原則として家庭裁判所から学校に事件のことは通知されませんが、長期間欠席を続けてしまうと、学校になんらかの事件を引き起こしたと疑われてしまい、仮にそのような犯行が学校に明るみになれば、退学処分は事実上免れませんので、なおさら早期の身柄解放が重要となります。

このような20歳未満の少年が起こした刑事事件の場合、その少年及びその保護者には、付添人を選任する権利があります(少年法10条)。通常、付添人には弁護士が就任します。

息子さんが観護措置になり、両親から付添人の依頼を受けた場合、弁護士としては、少年鑑別所に面接に赴き、身柄拘束で精神的に疲弊していると思われる少年を励ましたり、また、早期の身柄解放を実現するべく、裁判所への意見書等の書面を作成して裁判所に提出したり、さらに、将来の少年審判に向けて、息子さんが少年院送致などの厳しい処分を受けないように様々な活動をすることになります。特に、本件のように被害者の方がある場合には、その方に対する謝罪や被害弁償がなされたかという点が、将来の審判において重要なポイントとなりますので、付添人としては、息子さん本人やご両親の謝罪の気持ちが被害者の側に伝わるように交渉をすることが重要です。さらに、後日の少年審判の際には、付添人として出頭し、息子さんに有利な事情を主張するなどの活動もします。

本件のような事件の場合には、息子さんが少年院送致になり得る可能性もあるような重大犯罪であり、また、直接ご両親が相手方との交渉の機会を設けて謝罪をするということは極めて困難なケースと思われますので、一度弁護士に相談されることをお勧めします。

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