新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.105、2001/6/28 17:06

[民事・契約]
質問:借地権について教えて下さい。
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回答:借地権とは、土地を適法に借りるための権利です。使用借権、地上権、賃借権があります。賃借権は、借地法、借地借家法で規定された建物所有を目的とする賃借権です。
1、借地上の建物の所有権保存登記をしているときは、土地の登記簿に借地権の登記をしていない場合でも、土地を譲り受けた新所有者に借地権を主張することができます(借地借家法10条)。
2、借地権の存続期間は、30年以上です。最初の更新時は20年以上で更新され、その次は10年以上の期間で更新されます。契約の更新は、更新契約書を作成しなくても、借地借家法5条で法定更新ができます。地主が更新拒絶の意思表示をしても、自己使用の必要性や建物老朽化による建て替えの必要性など、正当事由がなければ更新拒絶は認められませんので、賃料を払ってそのまま建物を使用し続けることができます。
3、建物の増改築をしたい場合は、地主と協議することになりますが、どうしても同意が得られない場合は、増改築の必要性を立証して、裁判所に代わりの許可を出してもらいます(借地借家法17条)。都市部の場合、全面改築の場合で、更地価格の3パーセント程度を承諾料とする先例が多いようです。
4、建物を譲渡する場合は、地主から借地権譲渡の許可を得なければなりませんが、どうしても許可が得られない場合は、裁判所に代わりの許可を出してもらいます(借地借家法19条)。借地権価格の10パーセント程度を承諾料とする先例が多いようです。
5、借地契約の賃貸料、いわゆる地代、が実状に合わなくなったときは、地代の増減を相手方に請求できます。話し合いでまとまらない場合は、不動産鑑定士の鑑定書を添付して賃料確認請求訴訟を起こします。適正地代の計算方法は、いくつかありますが、主なものとして@利回り法とA公課倍率法があります。
@利回り法では、次のように計算します。
年額地代=(更地価格−借地権価格)×期待利回り+固定資産税+都市計画税+管理費
     期待利回りは、長期国債の利回りなどを参考に2〜6パーセントで決めます。
A公課倍率法では、次のようになります。
年額地代=(固定資産税+都市計画税)×2〜3倍

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