ストーカー対策 最終改訂平成22年12月9日


 ストーカーに悩んでおられる方は少なくありません。

 そこで、平成12年5月18日、国会でストーカー規制法(「ストーカー行為等の規制等に関する法律」)が成立しました。この法律が施行される前でも、「勝手に家に入ってくる」「誹謗中傷のビラを家の近所に貼られた」等の場合には、住居侵入罪や名誉毀損罪での刑事告訴などを通じて、ストーカー行為をやめさせる手段がありましたが、刑罰法規に触れない軽微な「いやがらせ行為」が続いているだけでは、実際には、有効な対策がありませんでした。

 ストーカー防止法では、以下の8種類の行為が反復して(2回以上)行われたときにストーカー行為として処罰の対象としています。

     ア つきまとい・待ち伏せ・押しかけ等(自宅・学校・職場など)

     イ 監視していると告げる行為

     ウ 面会・交際の要求

     エ 乱暴な言動(生命・身体・自由・名誉・財産に危害を加える言動が必要です)

     オ 無言電話、連続した電話・FAX

     カ 汚物・動物の死体などの送付

     キ 名誉を傷つける文書の送付

     ク 性的しゅう恥心を侵害させる物品の送付


 以上の行為が確認されたときは、内容証明郵便による警告書を送付して、相手の行為を牽制することができます。この警告書が、のちに刑事告訴が必要な事態になったとき証拠として役立つことがあります。
 また事案によっては、民事上の法的措置として、相手方に損害賠償請求が可能な場合がありますし、さらに、裁判所から相手方に「半径○○m以内に近寄ってはならない」という面接禁止の仮処分を出してもらうことが可能なこともあります。

 もっとも、ストーキングの態様は様々です。ご自身の被害の状況に応じて、的確かつ迅速な対策が必要になりますので、警察あるいは弁護士に相談されることをお勧めします。

警察・弁護士に相談される際の留意点

 「ストーカーで困っているが、証拠もないし、どう相談していいかわからない」とお考えの方も少なからずおられるかと思います。
 この点、証拠が残るようにわざと相手を挑発したりすることはお勧めできませんが、警察官にしろ弁護士にしろ、ストーキングの現場を目撃しているわけではないので、事実関係をある程度客観的に把握する材料・証拠が必要になります。

 写真、録音テープ、相手からの手紙などがあれば、それが有力な証拠になりうるのはいうまでもありません。また、前述しましたように内容証明郵便による警告文も役立ちます。
 簡便ながら効果的なのが、ストーキングの事実をメモすることです。日記でも構いません。その際のポイントは、日時・状況などをなるべく詳細に記録することです。詳細な記録であるほど有利です。

これらの資料をお持ちになった上で警察や弁護士にご相談されると、相談を受ける側としては大変助かりますし、また方針を立てやすくなります。

参考URL:警察庁HP、ストーカー事案対策フローチャート
http://www.npa.go.jp/safetylife/stalkerlaw/stalkerhomepage.htm
http://www.npa.go.jp/safetylife/stalkerlaw/stalkerchart.pdf

ストーカー行為等の規制等に関する法律
第1条(目的)この法律は、ストーカー行為を処罰する等ストーカー行為等について必要な規制を行うとともに、その相手方に対する援助の措置等を定めることにより、個人の身体、自由及び名誉に対する危害の発生を防止し、あわせて国民の生活の安全と平穏に資することを目的とする。 

第2条(定義)この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
一  つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、又は住居等に押し掛けること。
二  その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
三  面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
四  著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
五  電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ若しくはファクシミリ装置を用いて送信すること。
六  汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
七  その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
八  その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置くこと。
2  この法律において「ストーカー行為」とは、同一の者に対し、つきまとい等(前項第一号から第四号までに掲げる行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を反復してすることをいう。

第3条(つきまとい等をして不安を覚えさせることの禁止)何人も、つきまとい等をして、その相手方に身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせてはならない。

第4条(警告)警視総監若しくは道府県警察本部長又は警察署長(以下「警察本部長等」という。)は、つきまとい等をされたとして当該つきまとい等に係る警告を求める旨の申出を受けた場合において、当該申出に係る前条の規定に違反する行為があり、かつ、当該行為をした者が更に反復して当該行為をするおそれがあると認めるときは、当該行為をした者に対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、更に反復して当該行為をしてはならない旨を警告することができる。
2  一の警察本部長等が前項の規定による警告(以下「警告」という。)をした場合には、他の警察本部長等は、当該警告を受けた者に対し、当該警告に係る前条の規定に違反する行為について警告又は第六条第一項の規定による命令をすることができない。
3  警察本部長等は、警告をしたときは、速やかに、当該警告の内容及び日時その他当該警告に関する事項で国家公安委員会規則で定めるものを都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)に報告しなければならない。
4  前三項に定めるもののほか、第一項の申出の受理及び警告の実施に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

第5条(禁止命令等)公安委員会は、警告を受けた者が当該警告に従わずに当該警告に係る第三条の規定に違反する行為をした場合において、当該行為をした者が更に反復して当該行為をするおそれがあると認めるときは、当該行為をした者に対し、国家公安委員会規則で定めるところにより、次に掲げる事項を命ずることができる。
一  更に反復して当該行為をしてはならないこと。
二  更に反復して当該行為が行われることを防止するために必要な事項
2  公安委員会は、前項の規定による命令(以下「禁止命令等」という。)をしようとするときは、行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第十三条第一項 の規定による意見陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
3  前二項に定めるもののほか、禁止命令等の実施に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

第7条(警察本部長等の援助等)警察本部長等は、ストーカー行為又は第三条の規定に違反する行為(以下「ストーカー行為等」という。)の相手方から当該ストーカー行為等に係る被害を自ら防止するための援助を受けたい旨の申出があり、その申出を相当と認めるときは、当該相手方に対し、当該ストーカー行為等に係る被害を自ら防止するための措置の教示その他国家公安委員会規則で定める必要な援助を行うものとする。
2  警察本部長等は、前項の援助を行うに当たっては、関係行政機関又は関係のある公私の団体と緊密な連携を図るよう努めなければならない。
3  警察本部長等は、第一項に定めるもののほか、ストーカー行為等に係る被害を防止するための措置を講ずるよう努めなければならない。
4  第一項及び第二項に定めるもののほか、第一項の申出の受理及び援助の実施に関し必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。

第13条(罰則)ストーカー行為をした者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2  前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
第14条  禁止命令等(第五条第一項第一号に係るものに限る。以下同じ。)に違反してストーカー行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2  前項に規定するもののほか、禁止命令等に違反してつきまとい等をすることにより、ストーカー行為をした者も、同項と同様とする。
第15条  前条に規定するもののほか、禁止命令等に違反した者は、五十万円以下の罰金に処する。


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