窃盗・万引きを犯してしまった場合(平成25年6月12日最終改訂)

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1、「万引き」は、書店やスーパーやコンビニエンスストアなど商店の商品を店員の眼を盗んで窃取する行為であり、商品を服の中やバッグの中に隠した時点(占有取得)で既遂となります。但し、実務上は顧客の犯罪であるということで確実性を重視して、商品を隠してレジの外側に出た場合や、店舗建物の外側に出た場合や、店舗の敷地を出た場合に、検挙される例が多い様です。

 刑罰法規は、刑法235条窃盗罪(他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する)です。沿革的に窃盗罪は経済的困窮などが原因の経済犯として検挙される事が多く、ある程度の被害金額がある時に懲役刑を求刑すべき事案が中心だったため、従来、罰金刑は規定されておりませんでしたが、近年では、財布に金銭が不足していなくても日常生活のストレスなどから常習的に行われる事案も増えてきており、このような社会情勢の変化に対応するため、平成18年の法改正で罰金刑が規定されました。これにより、検察官が略式命令(刑事訴訟法461条、裁判所法33条)の請求をすることができるようになりました。従来、懲役刑を求刑する公判請求(通常の裁判)は不適切であるとして不起訴処分とされていた事案が、略式命令で処理される可能性が高まったと言えます。

 警察庁の平成22年4月21日の通達で、万引き事案は店舗側に全件を通報して貰うよう指導し、取り締まることにより規範意識の低下を防ぐべきことが要請されており、万引き事案の略式命令は益々増えていくものと思われます。略式命令は簡易な手続きですが、略式命令でも前科がついてしまうことになりますので注意が必要です。

2、万引きで検挙されてしまった場合は、これらの事情も踏まえて、最大限、刑事弁護活動の努力が必要です。具体的には、警察署に対する、微罪処分を求める弁護活動です。微罪処分とは、捜査記録書類を検察官に送致せず、検察官への一括報告により、事実上、警察段階で刑事手続を終了させる手続きです(刑事訴訟法246条但し書き、犯罪捜査規範198条)。いわゆる厳重注意という取り扱いです。微罪処分となしうる対象事件は、地域の実情に応じて、検察官から各都道府県の警察宛に指定されており、具体的な基準は公表されておりませんが、概ね、次のような内容となっております。窃盗罪に関係する部分の一例を示します。

※地域警察官が検挙した窃盗、詐欺、横領、業務上横領又は盗品等に関する事件で、次の各号のいずれにも該当するもの。
(1)被害金額が2万円以下であること。
(2)犯情が軽微であること。
(3)被害回復がなされていること。
(4)被害者が処罰を希望していないこと。
(5)素行不良者でない者の偶発的犯行であること。
(6)再犯のおそれがないことが明らかであること。

3、従って、万引きで検挙されてしまった場合は、早急に店舗側と交渉し、被害金を弁償し、場合によっては迷惑料相当額を支払い、「処罰を希望しない」旨の示談合意成立させた上で、警察官にこれらの資料も提出し、微罪処分とするように交渉することが求められます。微罪処分対象事件ではない場合は、送検後の不起訴処分(刑事訴訟法248条)を得るべく、検察官に対する同様の弁護活動が必要でしょう。

合意書の書式例はこちらになります。既に被害届や刑事告訴がなされている場合の取り下げ書はこちらです。

合意書に必ず定めるべき条項は次の通りです。示談交渉や、合意書の作成や鑑定は弁護士に依頼すると良いでしょう。
@合意成立時の金員の受け渡しの事実。
A被害届及び刑事告訴を行わない旨の約束。
B合意書記載以外の支払い義務が存在しない事の確認(清算条項)。

4、データベース事例集検索 万引き 

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≪条文参照≫

刑法第235条(窃盗)他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

刑事訴訟法第461条 簡易裁判所は、検察官の請求により、その管轄に属する事件について、公判前、略式命令で、百万円以下の罰金又は科料を科することができる。この場合には、刑の執行猶予をし、没収を科し、その他付随の処分をすることができる。
第461条の2 検察官は、略式命令の請求に際し、被疑者に対し、あらかじめ、略式手続を理解させるために必要な事項を説明し、通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げた上、略式手続によることについて異議がないかどうかを確めなければならない。
2項 被疑者は、略式手続によることについて異議がないときは、書面でその旨を明らかにしなければならない。
第462条 略式命令の請求は、公訴の提起と同時に、書面でこれをしなければならない。
2項 前項の書面には、前条第二項の書面を添附しなければならない。

裁判所法第33条(裁判権)簡易裁判所は、次の事項について第一審の裁判権を有する。
一号 訴訟の目的の価額が百四十万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。)
二号 罰金以下の刑に当たる罪、選択刑として罰金が定められている罪又は刑法第百八十六条 、第二百五十二条若しくは第二百五十六条の罪に係る訴訟
2項 簡易裁判所は、禁錮以上の刑を科することができない。ただし、刑法第百三十条 の罪若しくはその未遂罪、同法第百八十六条 の罪、同法第二百三十五条 の罪若しくはその未遂罪、同法第二百五十二条 、第二百五十四条若しくは第二百五十六条の罪、古物営業法 (昭和二十四年法律第百八号)第三十一条 から第三十三条 までの罪若しくは質屋営業法 (昭和二十五年法律第百五十八号)第三十条 から第三十二条 までの罪に係る事件又はこれらの罪と他の罪とにつき刑法第五十四条第一項 の規定によりこれらの罪の刑をもつて処断すべき事件においては、三年以下の懲役を科することができる。
3項 簡易裁判所は、前項の制限を超える刑を科するのを相当と認めるときは、訴訟法の定めるところにより事件を地方裁判所に移さなければならない。

刑事訴訟法第246条(書類送検、微罪処分)司法警察員は、犯罪の捜査をしたときは、この法律に特別の定のある場合を除いては、速やかに書類及び証拠物とともに事件を検察官に送致しなければならない。但し、検察官が指定した事件については、この限りでない。
第247条 公訴は、検察官がこれを行う。
第248条 犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況により訴追を必要としないときは、公訴を提起しないことができる。

犯罪捜査規範(国家公安委員会規則昭和32年7月11日)
第198条(微罪処分ができる場合)捜査した事件について、犯罪事実が極めて軽微であり、かつ、検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されたものについては、送致しないことができる。
第199条(微罪処分の報告) 前条の規定により送致しない事件については、その処理年月日、被疑者の氏名、年齢、職業及び住居、罪名並びに犯罪事実の要旨を一月ごとに一括して、微罪処分事件報告書(別記様式第十九号)により検察官に報告しなければならない。
第200条(微罪処分の際の処置) 第198条(微罪処分ができる場合)の規定により事件を送致しない場合には、次の各号に掲げる処置をとるものとする。
一  被疑者に対し、厳重に訓戒を加えて、将来を戒めること。
二  親権者、雇主その他被疑者を監督する地位にある者又はこれらの者に代わるべき者を呼び出し、将来の監督につき必要な注意を与えて、その請書を徴すること。
三  被疑者に対し、被害者に対する被害の回復、謝罪その他適当な方法を講ずるよう諭すこと。


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