法の支配と民事訴訟実務入門(平成21年8月24日改訂)
総論9、訴状の送達。送達とは何ですか。


Q:知人に対する貸し金請求(500万円)の訴状を裁判所に提出したところ、書記官に、「送達は大丈夫ですか?」と聞かれました。一応「ハイ!」と答えましたが、どうしてそんなことを聞くのですか。「送達」とはどういう意味ですか?
A:
1. 貴方が聞かれた送達とは訴状の送達のことで、貴方の提出した貸し金請求の訴状が記載されている被告の住所地に届く可能性がありますかということです。
2. どうしてそんなことを聞いたかといいますと、訴状が裁判所に提出されても知人である被告に送達されなければ何時までたっても民事訴訟は開始されないからです(訴訟開始の要件です)。ここでつまずくと訴訟進行上時間がかかってしまいます。
3. 送達とは、定義は訴訟手続きを行うために必要な書類を法定の方式に従い訴訟の当事者や関係人に対し交付し、または交付を受ける機会を与える行為です(民訴98条以下)。送達は、訴状(判決書)の交付のように特に重要な内容が記載している書面およびその書面により重要な訴訟上の効果がある書面についてのみ当事者等に主張、立証、異議、反論の機会を与えるため法律上「送達」と明記して認められています。
4. 送達という制度は、法の支配の理念により紛争を適正、公平、迅速、低廉に解決して国民の裁判を受ける権利を手続き進行の面から実質的に保障するためにあります。

解説
1. 国民の裁判を受ける権利を実質的に保障するには、私的紛争が民事訴訟、執行により適正、公平、迅速、低廉に解決されなければいけません。訴訟、執行は、裁判所が当事者の主張立証をよく聞いて法律を解釈適用し訴訟物の存否を判断しその判断に基づき紛争を強制的に解決するのですから、三当事者の間で長期間、主張、連絡が当然必要となります。訴訟の審理は口頭弁論において口頭主義が建前ですが、実質的には主張立証の整理のため裏付ける書面のやり取りが必要とされていますし、訴訟の進行についても迅速、低廉性を確保するため書面による連絡が不可欠です。当事者は渡された書面により自らの主張、異議等の機会が与えられることになります。しかし、重要な書面を当事者、関係者に確実に渡さなければ主張立証の機会を失いますし、交付しても証拠となるものがなければ証明が出来ず事実関係の存否が紛糾し迅速な解決が出来ない危険があります。そこで訴訟等の審理、進行について特に重要な内容、効果を持つ書面の交付については「送達」という特別な方式が採られています。例えば、貴方の提出した訴状は被告に対し送達しなければいけません(民訴138条)。送達されなければ手続きに違法となり上訴で取り消し理由となります(民訴306条)。訴状には原告の基本的主張が記載され被告に送達されることにより訴訟が開始される重要な効果があるからです。すべての書面が送達になっているのではなく、訴訟開始後の答弁書、準備書面は当事者が送達により確定しましたから当事者間で手渡し交付、FAX送信が出来ますし、相手方が裁判所に書面を受け取ったという申し出、確認をすればいいことになっています(規則47条、同83条1項、2項)。

2. 送達は、直接訴訟物、事実主張、立証の内容に直接かかわることではなく、主張の機会を与えるという手続きの進行に関することであり私的自治の原則が適用されず職権主義を採用し裁判所の権限と責任になっています(民訴98条)。

3. 送達の役目は、当事者に訴訟(執行も)の進行上、主張、立証、反論、異議、反論を申し立てる機会を与えるという意味で適正、公平な裁判の前提となる手続き行為であり裁判を受ける権利を手続き面から保障しようとするものですから方式が特別に決まっています。

4. 裁判所からの文書は、だいたい次のような意味、内容の文書です。
@ 相手方から裁判が起こされました。添付の訴状に記載された通りの主張が来ていますが、認めますか?反論しないと不利な判決がでる場合がありますよ。」(民訴138条)
A  判決が添付した通りに出ました。反論があれば、上級審の裁判所に不服を申し立てて下さい。放置すると判決確定して争う機会を失いますよ。」(民訴255条)
B  「相手方から強制執行の申立がありました。不服があれば、言い分を書面に書いて出してください。放置するとあなたの財産が奪われてしまいますよ。」(民事執行法29条)

5. 民事訴訟法では、「送達」は、原則として「郵便又は執行官」によって行われることとされています(民訴99条)。交付送達の原則と言って、どのような方法でも、相手に書類を手渡すことが基本になります(民事訴訟法101条)。実際に手渡さなければ反論の機会が十分ではないからです。例外として、後述するように補充、差し置き送達、書留郵便に付する送達、公示送達があります。

6. 特別送達の方式。民事訴訟法における「送達」は、「特別送達」と言って、郵便配達人が配達交付してその事実関係について郵便認証司(郵便会社の管理職、資格者で郵便局の中にいます)の認証を受けて送達報告書を作成し裁判所に提出することになります。勿論執行官でも手続きは可能です(郵便法49条、民事訴訟法109条)。郵便配達のほうが執行官より費用も安ですし担当者が地理に詳しく受け取る人の事情に詳しいので通常郵便による方法が利用されています。上記の通り、送達は、当事者の裁判を受ける権利、適正公平な裁判に影響する可能性を持つ重大な手続ですので、毎回、このように、確認・証明され、報告書が記録として保管されることになっているのです。

7. 前記の通り、送達は、名義人に対して直接手渡しすることが原則ですが、相手が不在だったり、名義人である事を隠したり、居留守を使われた場合、やむを得ず郵便配達人は、同居者等に交付することも出来ますし、理由なく受領しなければそこに置いてくることも出来ます(民訴106条1項。補充送達、差し置き送達。その事情は報告書に記載します)。但し、差し置き送達は後に責任問題になる可能性があり行われていないようです。

8. 送達場所に誰もいなければ不在票を郵便ポストに置いて、戻って行ってしまいます。被告が、不在票と運転免許証と印鑑を持参して、郵便会社で訴状の送達を受けるかもしれません。しかし、保管期間を経過しても、郵便会社に対して連絡をせず、郵便会社に受け取りに出頭しない場合は、裁判所に「○○の経緯で送達できませんでした」という報告書を提出することになります。

9. そうなると、裁判所から、原告である貴方に電話など連絡が来ることになります。裁判所と協議し「休日送達」「就業場所に対する送達」を試みることになります(民訴103条2項)。さらに就業場所に被告がいなくても、その従業員等に交付し、従業員がこれを理由もなく拒むときはおいてくることも出来ます(民訴106条2項。補充送達、差し置き送達)。

10. それでも訴状を渡せない場合、すなわち相手方が住所地に住んでいることは間違い無いのに、ずるい人で訴訟ができないように居留守を使い、受取を拒否していることが明らかな場合は「付郵便送達の上申書」(上申書を出さないでいると訴状を取り下げるよう催促されます)を提出して、書留郵便による送達を行ってもらうことになります。この場合は、差し出した時点で、送達されたものとみなされます(民事訴訟法107条)。国家が、私的紛争の解決権限を独占している以上当事者に書類を渡せなくても最低限書類を当事者が受け取る機会を与え訴訟を開始しなければならないからです。

11. 付郵便送達の上申書書式
平成○年○第○号○○事件
原告
被告
付郵便送達の上申書
○○簡易裁判所 民事部 御中
平成○年○月○日
原告 ○○○○
頭書事件について、被告に対する訴状等の送達が不能となっておりますが、下記の調査報告及び添付の住民票により被告の住所を確認することができますので、同被告に対する送達は書留郵便に付する方法により送達されたく上申いたします。
調査報告
調査日時 ○年○月○日
調査者  原告本人が被告住所地に被告本人を訪問した
調査方法 原告本人が被告住所地に被告本人を訪問し、呼び鈴を鳴らしたが応答は無かった。居留守を使われた可能性がある。そこで、隣家の○○○○氏(住所○県○市○町○番地、電話番号○―○―○)に、裁判を起こしている旨、訴状が送達されなくて困っている旨を説明し、住民票所在地に被告本人が居住しているか聴取したところ、「○○さんは確かに居住しています。買い物や犬の散歩で週に数回挨拶しますよ。」という回答を得ました。

12. 公示送達。
 ほとんどの事件は、上記の「付郵便送達」で、送達の問題は解決すると思いますが、相手が夜逃げしてしまった場合など、住民票所在地に居住しておらず、転居先も不明となってしまった場合は、付郵便送達により手続を進めることができません。住居が不明な場合は、公示送達という方法(民事訴訟法110条)で送達することになります。国家として国民の裁判を受ける権利を保障し迅速な解決のたに訴訟を開始しなければなりませんから最後の手段として認められます。具体的には、裁判所建物の前の掲示板に「公示送達の公告」を行い、交付する書類を準備しているのでいつでも渡すことができると掲示して、送達の効力を発生させることになります。この場合は掲示を始めてから2週間で送達の効力が生じます(同112条)。公示送達の要件は「当事者の住所、居所、その他送達をすべき場所が知れない場合」ですから、公示送達の上申書では、この事情を詳細に説明する必要があります(その後の欠席判決につながりますので公平上事情を証明するように裁判所は種々の書類を要求します)。公示送達により裁判が開始され被告欠席の最初の弁論では被告の答弁書等一切の書面が提出されていないので公平上「擬制自白」の規定が適用されません(民訴159条)。証拠提出により立証が不十分であると裁判所が判断すると敗訴する可能性もありますので500万円の借用書等の証拠提出が事前に必要です。また、公示送達で勝訴判決を取っても、強制執行する財産が見つからないことが多いので、裁判所に納付する印紙代が費用倒れとなってしまうリスクがあります。付郵便送達の上申書よりも調査すべき事項も多くなりますので、本人訴訟で行うのは難しいかもしれません。弁護士に相談しながら手続を進めると良いでしょう。
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平成○年○第○号○○事件
原告
被告
公示送達の申立書
○○簡易裁判所 民事部 御中
平成○年○月○日
原告 ○○○○
上記当事者間の上記事件について、被告の住所、居所、その他送達をなすべき場所が知れないため、通常の手続では訴訟上の書類の送達ができないので、公示送達の方法をとられるよう申し立てます。

添付書類

1、 被告の最後の住民票(法人の場合は商業登記簿謄本及び代表者の住民票)
2、 調査報告書
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平成○年○第○号○○事件
原告
被告
調査報告書(公示送達の申立書に添付)
○○簡易裁判所 民事部 御中
平成○年○月○日
原告 ○○○○
調査内容(詳細に記載しないと裁判所は着手してくれません)

1、 知れている最後の住所地、居所、就業場所に対する調査した内容を書きます(法人の場合は、法人の本店所在地と代表者の住所の双方について調査)。
2、 住民票添付。住所があったことの証拠として提出。職権末梢された住民票があれば証明として有効です。
3、 郵便物の転送先が分かればその調査内容。
4、 被告が生活等をしていた建物の特定。
5、 上記建物の現況。
6、 被告の転居先が知れないことについての記載(被告が上記建物で生活等をしていたときの居住状況、被告が転居した時期及び状況、被告の転居先が知れないこと等を具体的に記載する。現在の占有者、管理人、近隣の住民等に事情を尋ね、その結果を記載する。)。
7、 事情聴取した者の氏名・連絡先、原告との関係。その他必要に応じて、裁判所書記官と話し合うことになります。


≪条文参照≫
民事訴訟法
(職権送達の原則等)
第九十八条  送達は、特別の定めがある場合を除き、職権でする。
2  送達に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
(送達実施機関)
第九十九条  送達は、特別の定めがある場合を除き、郵便又は執行官によってする。
2  郵便による送達にあっては、郵便の業務に従事する者を送達をする者とする。
(裁判所書記官による送達)
第百条  裁判所書記官は、その所属する裁判所の事件について出頭した者に対しては、自ら送達をすることができる。
(交付送達の原則)
第百一条  送達は、特別の定めがある場合を除き、送達を受けるべき者に送達すべき書類を交付してする。
(送達場所)
第百三条  送達は、送達を受けるべき者の住所、居所、営業所又は事務所(以下この節において「住所等」という。)においてする。ただし、法定代理人に対する送達は、本人の営業所又は事務所においてもすることができる。
2  前項に定める場所が知れないとき、又はその場所において送達をするのに支障があるときは、送達は、送達を受けるべき者が雇用、委任その他の法律上の行為に基づき就業する他人の住所等(以下「就業場所」という。)においてすることができる。送達を受けるべき者(次条第一項に規定する者を除く。)が就業場所において送達を受ける旨の申述をしたときも、同様とする。
(送達場所等の届出)
第百四条  当事者、法定代理人又は訴訟代理人は、送達を受けるべき場所(日本国内に限る。)を受訴裁判所に届け出なければならない。この場合においては、送達受取人をも届け出ることができる。
2  前項前段の規定による届出があった場合には、送達は、前条の規定にかかわらず、その届出に係る場所においてする。
3  第一項前段の規定による届出をしない者で次の各号に掲げる送達を受けたものに対するその後の送達は、前条の規定にかかわらず、それぞれ当該各号に定める場所においてする。
一  前条の規定による送達
     その送達をした場所
二  次条後段の規定による送達のうち郵便の業務に従事する者が郵便事業株式会社の営業所(郵便事業株式会社から当該送達の業務の委託を受けた者の営業所を含む。第百六条第一項後段において同じ。)においてするもの及び同項後段の規定による送達
     その送達において送達をすべき場所とされていた場所
三  第百七条第一項第一号の規定による送達
     その送達においてあて先とした場所
(出会送達)
第百五条  前二条の規定にかかわらず、送達を受けるべき者で日本国内に住所等を有することが明らかでないもの(前条第一項前段の規定による届出をした者を除く。)に対する送達は、その者に出会った場所においてすることができる。日本国内に住所等を有することが明らかな者又は同項前段の規定による届出をした者が送達を受けることを拒まないときも、同様とする。
(補充送達及び差置送達)
第百六条  就業場所以外の送達をすべき場所において送達を受けるべき者に出会わないときは、使用人その他の従業者又は同居者であって、書類の受領について相当のわきまえのあるものに書類を交付することができる。郵便の業務に従事する者が郵便事業株式会社の営業所において書類を交付すべきときも、同様とする。
2  就業場所(第百四条第一項前段の規定による届出に係る場所が就業場所である場合を含む。)において送達を受けるべき者に出会わない場合において、第百三条第二項の他人又はその法定代理人若しくは使用人その他の従業者であって、書類の受領について相当のわきまえのあるものが書類の交付を受けることを拒まないときは、これらの者に書類を交付することができる。
3  送達を受けるべき者又は第一項前段の規定により書類の交付を受けるべき者が正当な理由なくこれを受けることを拒んだときは、送達をすべき場所に書類を差し置くことができる。
(書留郵便等に付する送達)
第百七条  前条の規定により送達をすることができない場合には、裁判所書記官は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める場所にあてて、書類を書留郵便又は民間事業者による信書の送達に関する法律 (平成十四年法律第九十九号)第二条第六項 に規定する一般信書便事業者若しくは同条第九項 に規定する特定信書便事業者の提供する同条第二項 に規定する信書便の役務のうち書留郵便に準ずるものとして最高裁判所規則で定めるもの(次項及び第三項において「書留郵便等」という。)に付して発送することができる。
一  第百三条の規定による送達をすべき場合
     同条第一項に定める場所
二  第百四条第二項の規定による送達をすべき場合
     同項の場所
三  第百四条第三項の規定による送達をすべき場合
     同項の場所(その場所が就業場所である場合にあっては、訴訟記録に表れたその者の住所等)
2  前項第二号又は第三号の規定により書類を書留郵便等に付して発送した場合には、その後に送達すべき書類は、同項第二号又は第三号に定める場所にあてて、書留郵便等に付して発送することができる。
3  前二項の規定により書類を書留郵便等に付して発送した場合には、その発送の時に、送達があったものとみなす。
(送達報告書)
第百九条  送達をした者は、書面を作成し、送達に関する事項を記載して、これを裁判所に提出しなければならない。
(公示送達の要件)
第百十条  次に掲げる場合には、裁判所書記官は、申立てにより、公示送達をすることができる。
一  当事者の住所、居所その他送達をすべき場所が知れない場合
二  第百七条第一項の規定により送達をすることができない場合
三  外国においてすべき送達について、第百八条の規定によることができず、又はこれによっても送達をすることができないと認めるべき場合
四  第百八条の規定により外国の管轄官庁に嘱託を発した後六月を経過してもその送達を証する書面の送付がない場合
2  前項の場合において、裁判所は、訴訟の遅滞を避けるため必要があると認めるときは、申立てがないときであっても、裁判所書記官に公示送達をすべきことを命ずることができる。
3  同一の当事者に対する二回目以降の公示送達は、職権でする。ただし、第一項第四号に掲げる場合は、この限りでない。
(公示送達の方法)
第百十一条  公示送達は、裁判所書記官が送達すべき書類を保管し、いつでも送達を受けるべき者に交付すべき旨を裁判所の掲示場に掲示してする。
(公示送達の効力発生の時期)
第百十二条  公示送達は、前条の規定による掲示を始めた日から二週間を経過することによって、その効力を生ずる。ただし、第百十条第三項の公示送達は、掲示を始めた日の翌日にその効力を生ずる。
2  外国においてすべき送達についてした公示送達にあっては、前項の期間は、六週間とする。
3  前二項の期間は、短縮することができない。
(公示送達による意思表示の到達)
第百十三条  訴訟の当事者が相手方の所在を知ることができない場合において、相手方に対する公示送達がされた書類に、その相手方に対しその訴訟の目的である請求又は防御の方法に関する意思表示をする旨の記載があるときは、その意思表示は、第百十一条の規定による掲示を始めた日から二週間を経過した時に、相手方に到達したものとみなす。この場合においては、民法第九十八条第三項 ただし書の規定を準用する。


(訴状の送達)
第百三十八条  訴状は、被告に送達しなければならない。
2  前条の規定は、訴状の送達をすることができない場合(訴状の送達に必要な費用を予納しない場合を含む。)について準用する。
(訴えの変更)
第百四十三条  原告は、請求の基礎に変更がない限り、口頭弁論の終結に至るまで、請求又は請求の原因を変更することができる。ただし、これにより著しく訴訟手続を遅滞させることとなるときは、この限りでない。
2  請求の変更は、書面でしなければならない。
3  前項の書面は、相手方に送達しなければならない。

(自白の擬制)
第百五十九条  当事者が口頭弁論において相手方の主張した事実を争うことを明らかにしない場合には、その事実を自白したものとみなす。ただし、弁論の全趣旨により、その事実を争ったものと認めるべきときは、この限りでない。
2  相手方の主張した事実を知らない旨の陳述をした者は、その事実を争ったものと推定する。
3  第一項の規定は、当事者が口頭弁論の期日に出頭しない場合について準用する。ただし、その当事者が公示送達による呼出しを受けたものであるときは、この限りでない。


(期日の呼出し)
第九十四条  期日の呼出しは、呼出状の送達、当該事件について出頭した者に対する期日の告知その他相当と認める方法によってする。
(判決書等の送達)
第二百五十五条  判決書又は前条第二項の調書は、当事者に送達しなければならない。
2  前項に規定する送達は、判決書の正本又は前条第二項の調書の謄本によってする。


(控訴状の送達)
第二百八十九条  控訴状は、被控訴人に送達しなければならない。


民事執行法

(債務名義等の送達)
第二十九条  強制執行は、債務名義又は確定により債務名義となるべき裁判の正本又は謄本が、あらかじめ、又は同時に、債務者に送達されたときに限り、開始することができる。第二十七条の規定により執行文が付与された場合においては、執行文及び同条の規定により債権者が提出した文書の謄本も、あらかじめ、又は同時に、送達されなければならない。
民事保全法
(送達)
第十七条  保全命令は、当事者に送達しなければならない。


郵便法

第四十九条 (特別送達)  特別送達の取扱いにおいては、会社において、当該郵便物を民事訴訟法 (平成八年法律第百九号)第百三条 から第百六条 まで及び第百九条 に掲げる方法により、送達し、その送達の事実を証明する。
○2  前項の取扱いにおいては、郵便認証司による第五十八条第二号の認証を受けるものとする。
○3  特別送達の取扱いは、法律の規定に基づいて民事訴訟法第百三条 から第百六条 まで及び第百九条 に掲げる方法により送達すべき書類を内容とする郵便物につき、これをするものとする。
(職務)
第五十八条  郵便認証司は、次に掲げる事務(以下この章において「認証事務」という。)を行うことを職務とする。
一  内容証明の取扱いに係る認証(総務省令で定めるところにより、当該取扱いをする郵便物の内容である文書の内容を証明するために必要な手続が適正に行われたことを確認し、当該郵便物の内容である文書に当該郵便物が差し出された年月日を記載することをいう。)をすること。
二  特別送達の取扱いに係る認証(総務省令で定めるところにより、当該取扱いをする郵便物が民事訴訟法第百三条 から第百六条 までに掲げる方法により適正に送達されたこと及びその送達に関する事項が同法第百九条 の書面に適正に記載されていることを確認し、その旨を当該書面に記載し、これに署名し、又は記名押印することをいう。)をすること。
(任命)
第五十九条  郵便認証司は、認証事務に関し必要な知識及び能力を有する者のうちから、総務大臣が任命する。
2  前項の任命は、会社の使用人であり、かつ、管理又は監督の地位にある者のうちから、会社の推薦に基づいて行うものとする。

民事訴訟規則

(書類の送付)
第四十七条 直送(当事者の相手方に対する直接の送付をいう。以下同じ。)その他の送付は、送付すべき書類の写しの交付又はその書類のファクシミリを利用しての送信によってする。
2 裁判所が当事者その他の関係人に対し送付すべき書類の送付に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。
3 裁判所が当事者の提出に係る書類の相手方への送付をしなければならない場合(送達をしなければならない場合を除く。)において、当事者がその書類について直送をしたときは、その送付は、することを要しない。
4 当事者が直送をしなければならない書類について、直送を困難とする事由その他相当とする事由があるときは、当該当事者は、裁判所に対し、当該書類の相手方への送付(準備書面については、送達又は送付)を裁判所書記官に行わせるよう申し出ることができる。

(準備書面の直送)
第八十三条 当事者は、準備書面について、第七十九条(準備書面)第一項の期間をおいて、直送をしなければならない。
2 前項の規定による準備書面の直送を受けた相手方は、当該準備書面を受領した旨を記載した書面について直送をするとともに、当該書面を裁判所に提出しなければならない。
3 前項の規定は、当事者が、受領した旨を相手方が記載した準備書面を裁判所に提出した場合には、適用しない。


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