強姦罪で刑事告訴されたとき、取調べを受けているとき 平成20年7月21日最終改訂

1、 強姦罪(婦女暴行罪)で刑事告訴され、任意の事情聴取の呼び出しを受け、取調べを受けているとき、対応を間違えると、逮捕・起訴され、実刑判決を受ける可能性があります。夫婦間でも、恋人間でも、ラブホテルでも、強姦罪は成立し得るものです。「合意があった」と自分なりに考えて、被害者の声を無視していると大変なことになってしまう場合があります。

2、 単純強姦罪は「親告罪」です。被害者からの刑事告訴が起訴の条件になります(刑法180条1項)。集団強姦・強姦致傷・強姦致死は非親告罪です。重大事案であるため被害者の熟慮期間が必要であるとされ、告訴期間は通常の親告罪の告訴期間である6ヶ月が適用されず、公訴時効期間である10年間、いつでも告訴できます(刑事訴訟法250条3号)。被害者からの刑事告訴が取り下げられれば、起訴されずに事件は終了します。勿論、被害者の真意に基づく取下げが必要ですから、民事賠償についても示談が成立することが多いと思います。示談は、和解合意書として書面の形をとるのが原則です。告訴の取下げは、撤回することが出来ません(刑事訴訟法237条2項)。検察庁に告訴取下書が提出されると、担当検事から、被害者に対して真意を確認する(電話等の)連絡が行きます。そこで意思が確認されると、正式に告訴取り下げがあったものとして取り扱われ、不起訴処分となります。

3、 親告罪の制度趣旨は、被害者の意思を刑事訴追の条件とすることにより、被害者が希望しない刑事訴追を排除し、裁判手続を通して事実関係が明らかになることにより被害者の精神的苦痛が増大してしまうのを防止することにあると思います。また、結果的に民事上の被害弁償を促し、当事者間で民事上の和解が成立した場合は、刑事手続を進めるよりも、事件を終結させ、被害者の精神的苦痛を回復させることを主眼とすることも、趣旨に含まれているでしょう。従って、強姦が事実であれば、一刻でも早く謝罪の意思を伝え、被害者との示談を成立させることが重要です。被害者の心情を考えれば、加害者本人が被害者に働きかけて示談することは通常困難でしょう。第三者が代理として謝罪の意思を伝え、示談の書類を作成することが一般的です。

4、 強姦行為の意図も事実も無かった場合(いわゆる冤罪事案)でも、被害者が強く訴えている場合は、手続きが進められてしまうことがあります。このような場合の対応は慎重を要します。闇雲に全面否認や全面黙秘をして冤罪のみ主張し続けて、被害者を批判したりすることが必ずしも得策とは言えません。担当警察・検察を通じて被害者に連絡を取り、折衝することにより誤解を解くことができる場合もあります。否認事件の場合には、弁護士が接見した時に供述録取書を作成し、これに被疑者の署名捺印を行い、かつ、公証役場で確定日付の付与を行い、更に、弁護人の意見書を作成し、勾留決定に対する準抗告の申立書類として裁判所に提出し、後日、刑事訴訟法322条の書面として公判に提出できる様準備(意見書は立証趣旨を起訴前弁護活動の経過とする)しておき、これを検察官、担当警察官にも報告(送付、FAX)しておくことが不起訴処分を得るのに有効な場合もあります。至急弁護人と協議しましょう。

条文参照
刑訴第322条  被告人が作成した供述書又は被告人の供述を録取した書面で被告人の署名若しくは押印のあるものは、その供述が被告人に不利益な事実の承認を内容とするものであるとき、又は特に信用すべき情況の下にされたものであるときに限り、これを証拠とすることができる。但し、被告人に不利益な事実の承認を内容とする書面は、その承認が自白でない場合においても、第三百十九条の規定に準じ、任意にされたものでない疑があると認めるときは、これを証拠とすることができない。
2  被告人の公判準備又は公判期日における供述を録取した書面は、その供述が任意にされたものであると認めるときに限り、これを証拠とすることができる。
同第319条  強制、拷問又は脅迫による自白、不当に長く抑留又は拘禁された後の自白その他任意にされたものでない疑のある自白は、これを証拠とすることができない。
2  被告人は、公判廷における自白であると否とを問わず、その自白が自己に不利益な唯一の証拠である場合には、有罪とされない。
3  前二項の自白には、起訴された犯罪について有罪であることを自認する場合を含む。

5、 刑事事件に付随して、所轄警察から情報が出ることにより、事件のマスコミ報道や、職場等に対する連絡が行われてしまうこともあります。これについて、具体的な処理基準は法律では定められておりません。法律論でいうと、国民全体の知る権利(報道の自由、取材の自由)と、被疑者個人のプライバシー権の調整という問題ですが、公共的な社会的地位のある被疑者ですと、報道の必要性も高まってしまうことも事実です。そのような場合には、弁護人は、事件の態様や、民事被害弁償の状況や、本人の社会的更生の必要性などを、担当警察署に粘り強く説明し、一切外部に公表しないことが必要であると求めていくことが必要となります。


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