新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.1743、2017/01/18 16:05 https://www.shinginza.com/idoushin.htm

【行政事件、行政処分事案報告書、刑法27条、刑の消滅】

執行猶予期間満了間際の医道審議会対応

質問:

私は,昨年の8月1日,高速道路で90キロオーバーのスピード違反をしてしまい,刑事裁判で懲役6月,執行猶予2年の判決を受けました。現在は11月1日で すので,あと9か月程度で執行猶予期間が満了することになります。
そうしたところ,先日,県の医療指導課から,私の事件が医道審議会の審議対象となった為,県に対して事案報告書を提出して欲しいとの依頼がありました。
 私は,今後医道審議会で医業停止等の処分を受けることになると思いますが,どのように手続は進むのでしょうか。また,私は刑を受けてから一切の交通違反もせ ず,真面目に生活しています。当然,執行猶予が取り消されることなく,執行猶予期間を満了する予定です。仮に執行猶予期間を何事も無く満了した場合でも,医業 停止等の処分を回避することはできないでしょうか。


回答:

1 医道審議会は,例年ですと毎年9月頃及び2月頃に、年2回開催されております。手続の流れとしては,まず,県の保険局が,処分の対象となる人物に,事件 についての事案報告書の提出を指示し,当該報告書の内容を踏まえた上で,想定される処分に応じて,処分対象者に対する意見陳述の機会が与えられます。意見陳述 の機会は,通常医道審議会の約1か月前に設定され,そこで主張した内容をもとに,医道審議会が処分を決定することになります。

 本件のように11月頃に事案報告書を提出した場合,翌年の2月又は9月の医道審議会において,処分が決定される見込みが高いと言えます。

2 本件のような大幅な速度超過で懲役刑を宣告されている場合,数か月程度の医業停止処分が下される可能性が高いといえます。

 もっとも,事案報告書及び意見陳述の機会において,処分対象となった事実及びその後の有利な情状等について,客観的な事情も踏まえて適切な主張を行うこと で,医業停止期間の軽減,又は戒告処分,厳重注意処分等への軽減も考えられます。

3 なお,本件の場合,残り数か月で執行猶予期間が満了するとのことですが,執行猶予期間が満了した場合,法律上,刑の言い渡しの効力が消滅することになりま す(刑法27条)。刑事処罰を受けた医師に対する行政処分は,「罰金以上の刑に処せられた者」を対象としているところ、刑の言渡しが失効している場合、そもそ も「刑に処せられた者」に該当しなくなっているため,原則として行政処分を科すことはできなくなります。同様の刑の消滅の規定は,刑の執行を受けた後一定期間 を経過した場合にも定められています(刑法34条の2)。

本件の場合でも,医道審議会による処分の時期が執行猶予期間満了後となれば,不処分となるはずです。

一方で,行政機関によっては,刑の消滅後にも関わらず医業停止処分を科してしまう場合もございます。そのような違法処分を回避する為には,刑の消滅により行政 処分が不可能となった点について,行政機関に強く主張をする必要がございます。

4 このように処分を軽減する、あるいは処分の対象外となる為には,法的な見地から事案について詳細な準備と主張を行うことが肝要です。法的な主張ですので、 代理人弁護士が行った方が良いでしょう。

5 その他、医師免許に関する事例集として、1692 番1630番1606 番1540番1538 番1500番1489 番1485番1411 番1343番1325 番1303番1288 番1245番1241 番1144番1085 番1102番1079 番1042番1034 番869番735 番653番551 番313番266 番246番211 番48番 参照。


解説:

1 医道審議会の手続き

 ⑴ 基本的な手続きの流れ

 医師が刑事事件を起こして罰金以上の刑を受けてしまった場合,医道審議会の審議を経て,医師免許に対する行政処分を受けることになります(医師法 7条,4条3 号)。

 厚生労働省と検察庁の協定により,医師が刑事処罰を受けた事実は,原則として検察庁から全件厚生労働省に通知されます。通知を受けた厚生労働省 は,当該医師に 対する行政処分を行うために,各都道府県の医療指導課等の所管部署に対して,医師に対する事実確認を行うように指示をします。支持を受けた各都道府県は,医師 に対して,事案報告書の提出を求める照会を行います。事案の照会が行わる時期は,事案によってまちまちですが,おおよそ判決後1年以内に事案照会 が行われま す。

 対象医師は,照会に対して,判決文等の書類と共に事案報告書を提出することになります。事案報告書受けた各都道府県は,報告書を取りまとめて厚生 労働省に報告 します。

 報告を受けた厚生労働省は,各都道府県に向けて,医師に「意見陳述の機会」を与える手続きを開催することを指示します。意見陳述の機会には,医師 免許の取消処 分が想定される重い事案の場合に実施される「意見の聴取」手続きと,医師免許取消処分には至らない程度の事案(医業停止以下の処分)の場合に実施される「弁明 の聴取」の手続きが存在します(医師法7条6項,11項)。

 各都道府県は,対象医師に対して,与えられ意見陳述の機会の種類と開催日時,想定される処分の内容を通知します。もっともこの段階で通知される処 分の内容は, 上記の2つの手続きの区分,即ち取消処分の可能性が存在するか否か,の程度しか分かりません。「意見の聴取」が行われた場合でも,免許取消処分を回避できる場 合も存在します。意見陳述の機会は,医道審議会が開催される1か月前程度の時期になります。

 医道審議会は,例年2月と9月の年2回開催されておりますので,意見陳述の機会が与えられるのは,1月や8月が多いと言えます。

 通知を受けた対象医師は,当該意見陳述の機会に出頭した場合,県の担当者から,事案についての最終的な確認を直接受けた上で,事案に対する自分の主張を述 べることになります。処分手続きの中で,自己にとって有利な事情を述べる機会は基本的にこの手続き中のみとなりますので,処分を軽減する為には,この手続きが 非常 に重要となります。

 意見陳述の後,各県の担当者は,適当と考える処分の内容を具体的に指定した上で,厚労省に対して報告書を提出します。医道審議会では,報告書で指 定された処分 を基礎として処分が決められることになりますので,報告書を作成する県担当者に対して直接意見を主張できる意見陳述の機会は,やはり重要な手続きであると言え ます。

 ⑵ 本件で想定される手続きの流れ

   本件では,11月に事案報告書の提出依頼が来ておりますので,意見陳述の機会が設定されるのは,早くて翌年1月頃,通常ですと7〜8月頃と なり,医道審 議会で処分が決められるのは,2月又は9月頃となると考えられます。

2 意見陳述に向けた具体的な準備

⑴ 想定される処分内容

 本件のような大幅な速度超過で懲役刑を宣告されている場合,数か月程度の医業停止処分が下される可能性が高いといえます。

 もっとも,事案報告書及び意見陳述の機会において,処分対象となった事実及びその後の有利な情状等について,客観的な事情も踏まえて適切な主張を 行うことで, 医業停止期間の軽減,又は戒告処分,厳重注意処分等への降格も考えられます。

⑵ 具体的な準備

  処分を軽減するための具体的な準備としては,下記のような方法が考えられます。

ア 処分対象者に有利な事情の抽出作業(刑事確定記録の検討)

  医道審議会は、弁明聴取時、判決書,起訴状及び処分対象者からの事案報告以外の刑事事件の内容については把握していない状態です。

  したがって、事件当時の経緯等について処分対象者に有利な事情のうち,判決書に現れていない事情は,処分対象者が自ら主張する必要があります。し かし,処分対 象者本人の主張だけでは,医道審議会を説得することはできません。

  そこで有効なことが,刑事確定記録を入手し,あなたの供述調書等の裁判上の証拠書類等を医道審議会に資料として提出する方法です。事件の 当事者(又は その委任を受けた代理人の弁護士)であれば,刑事事件が継続していた検察庁に対して,刑事確定記録の閲覧の手続を取ることができます(刑事訴訟確定記録法)。 また、謄写もできます(記録事務規程(法務省訓令)16条1項)。

  検察官の面前で作成された供述調書その他の裁判証拠は医道審議会においても強い信用性を有するため,可能な限り入手し,有利なものは積極的に医道 審議会にも提 出すべきです。

  最大限自己に有利な主張をするためにも,基本となる刑事記録を詳細に検討した上で,最大限自己に有利な主張を準備する必要があるでしょ う。

イ 贖罪寄付

  道路交通法違反の事案は,交通社会の安全という公益が保護法益であり,特定の被害者に対する犯罪ではありません。従って被害者との間で示談 を行うことに よって,被害回復を達成することはできません。

  そこで示談の代わりに考えられるのが,贖罪寄付を行う方法です。贖罪寄付とは,自らが社会全体に対して迷惑をあたえる罪を犯した事につい て,深い謝罪と 反省の意を表明するために行う寄付のことです。贖罪寄付は,寄付者が深い反省の意思を有していることの証明として,裁判や行政処分の量刑に大きな影響を与えま す。
主な贖罪寄付の受け入れ先としては,弁護士会等が考えられます。団体によっては弁護士を通じての寄付を要請される場合もありますので,弁護士に相 談するとよい でしょう。

ウ 嘆願書や反省文等の作成

  行政処分の対象となる医師の性格や反省の程度は,行政処分の決定の際の考慮要素となります。特に重要なことが,処分対象者の医師としての適格性です。

  あなたに医師としての適格性があることを示す為には,あなたの上司や同僚,看護師,患者様等から,処分の軽減を求める嘆願書を提出することが有効 です。刑事裁 判の場合,厳格な法の適用という側面が強いため,嘆願書等の効果はそれほど大きくありませんが,医道審議会は,処分対象者の医師としての適格性を審査する場所 ですから,実際にあなたが医師として接した人たちの嘆願書には大きな効果があります。

エ 車の運転状況について

  また,交通違反の場合,再犯を防止するための取り組みの一つとして,運転に関する事情を主張することが必要となります。

  再犯防止という意味では,車両を第三者に売却する等して,車の運転を当面の間休止することが最も実効性が高いといえます。

  一方,当然仕事の都合などにより運転が必須という場合もあるかと存じますので,その場合は,私用運転の機会を減らしたり,速度抑制装置を取り 付けたりする 等の具体的な対策ができると良いでしょう。

オ 調書及び報告書の開示請求

  意見の聴取期日の際に,都道府県の主宰者作成した調書や,知事に対する報告書等は,処分対象者又は代理人が閲覧の請求をすることができます (行政手続法 18条1項,24条4項)。意見聴取の期日の後は,可能な限り調書の閲覧を行い,自分の主張で伝わっていないことがあれば,補充して書面を提出した方が良いで しょう。

  この点,県の担当者が開示の手続について不慣れである場合,スムーズな開示が受けられない場合があります。意見の聴取の後,知事の意見書が 作成され医道 審議会に提出されるまでの時間は長くはありません。手続を熟知した弁護士に予め依頼しておくのが安心です。

カ これらの活動を行うことによって,行政処分の内容を相当程度軽減することが期待できるでしょう。

3 刑の消滅との関係

⑴ 刑の消滅と行政処分

ア 本件の場合,残り数か月で執行猶予期間が満了するとのことですが,その場合,通常の医道審議会の対応に加えて,処分前に執行猶予期間が満了し た事態に備え た対応も別途検討する必要がございます。
猶予期間中に何の罪も犯さずに期間を満了すると,法律上,当該刑の言渡しの効力が消滅することになります(刑法27条)。

  そうすると,「懲役刑を受けたと」いう事実が,将来的に消滅することになります。例えば,執行猶予の要件を定めた刑法25条1項1号の「前に禁錮 以上の刑に処 せられたことがない者」にも該当することになります。

  同様の刑の消滅の規定は,刑の執行を受けた後一定期間を経過した場合にも定められています(刑法34条)。
この点,刑事処罰を受けた医師に対して行政処分が為されるのは,医師法7条2項の引用する同法4条3号の「罰金以上の刑に処せられた者」に該当す る場合です が,刑の言渡しが失効している場合、そもそも「刑に処せられた者」に該当しなくなっていることになります。

  その為,猶予期間の満了により刑の言渡しの効力が消滅した後は,原則として医師免許に対する行政処分を科すことはできなくなります。

イ なお,医師法7条では,「医師としての品位を損するような行為のあつたとき」にも,行政処分を科すことができるとされているため,刑の言 渡しの効力が 消滅した場合でも,当該条項を適用して行政処分を科すことが可能か否かが問題となります。

  しかし,医師法上,刑法上の犯罪について4条3号として別途条項を設けていること,及び刑法が刑の消滅について規定していることからすれ ば,刑が消滅 している場合にまで「品位を損する行為」の規定を適用して処分を行うことは,法律の趣旨に反する違法な処分と評価されることになるでしょう。

 ⑵ 医道審議会の開催時期の調整

ア そうすると,本件のように,執行猶予期間の残りがわずかの場合,医道審議会による処分の決定を猶予期間満了の後まで遅らせることができれ ば,結果とし て医師免許に対する行政処分を回避することが可能となります。

  しかし,行政機関としては,当然事案発覚後速やかに処分を行おうとするため,原則として,執行猶予期間の満了まで行政処分が遅れるという ことはありま せん。

  一方で,医師免許に対する行政処分は,法律上非常に大きな効力を持つ不利益処分ですので,法は,上記の意見陳述の手続き等により,処分対 象者が自己に 有利な事情を主張することが可能とする為の手続き保障を重視しています。その法の趣旨からすれば,上記意見陳述の機会を形式的な儀式にしない為に,処分対象者 には,機会に向けた十分な準備期間を与えることが必要であると言えます。逆に言えば,処分対象者に対して事案報告の照会をしてから,拙速に意見陳 述の日時を設 定して行政処分を行うことは許されません。

  そのため,上記のような事情を行政機関(各都道府県の医療指導課等)に対して主張し,意見陳述に向けた十分な準備期間が必要であることを 主張すれば, 取り扱う医道審議会の時期が後ろにずれこみ,処分の時期を執行猶予期間の満了後まで遅れることとなる場合があります。

  そのような取扱いは,単に本人が行政機関に主張しても認められるものではありません。弁護士等の代理人から,意見陳述に向けた準備として いかなる活動 が必要であり,その為にどれ位の期間が必要なのかを説得的に主張する必要がございます。

  当該主張が認められれば,結果として,刑の消滅による不処分という結果になることも大いに考えられます。

イ なお,行政機関によっては,既に執行猶予期間の満了などにより刑が消滅しているにも関わらず,行政処分手続きを続行しようとしてくる場合 があります。

  その場合には,前項記載のような法的理論を主張し,手続きを停止するように行政機関と協議を行う必要があります。

  猶予期間満了後の行政機関との交渉等については,別途事例集1634等も参照下さい。

4 まとめ

  医道審議会は,行政主導で進行する手続きですので,その流れや法律上の規定の内容をしっかり把握した上で手続きに臨まないと,思わぬ不利益を受け てしまう場合 があります。

  特に医師免許に関する行政処分は,医師自身の生活,そして患者の方の生命・身体にも関わる重大な処分ですので,大きな不利益が生じることを回避す る為にも,専 門家に適切な方策と対応を相談することをお勧め致します。

≪参照条文≫
【医師法】
第四条  次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一  心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二  麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三  罰金以上の刑に処せられた者
四  前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者
第七条  医師が、第三条に該当するときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消す。
2  医師が第四条各号のいずれかに該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。
一  戒告
二  三年以内の医業の停止
三  免許の取消し
3  前二項の規定による取消処分を受けた者(第四条第三号若しくは第四号に該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあつた者として前項の規定による取消処分を受け た者にあつては、その処分の日から起算して五年を経過しない者を除く。)であつても、その者がその取消しの理由となつた事項に該当しなくなつたと き、その他そ の後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至つたときは、再免許を与えることができる。この場合においては、第六条第一項及び第二項の規 定を準用する。
4  厚生労働大臣は、前三項に規定する処分をなすに当つては、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。
5  厚生労働大臣は、第一項又は第二項の規定による免許の取消処分をしようとするときは、都道府県知事に対し、当該処分に係る者に対する意見の聴取を行うことを求め、当該意 見の聴取をもつて、厚生労働大臣による聴聞に代えることができる。
6  行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第三章第二節 (第二十五条、第二十六条及び第二十八条を除く。)の規定は、都道府県知事が前項の規定により意見の聴取を行う場合について準用する。この場合において、同節 中「聴聞」とあるのは「意見の聴取」と、同法第十五条第一項 中「行政庁」とあるのは「都道府県知事」と、同条第三項 (同法第二十二条第三項 において準用する場合を含む。)中「行政庁は」とあるのは「都道府県知事は」と、「当該行政庁が」とあるのは「当該都道府県知事が」と、「当該行 政庁の」とあるのは「当該 都道府県の」と、同法第十六条第四項 並びに第十八条第一項 及び第三項 中「行政庁」とあるのは「都道府県知事」と、同法第十九条第一項 中「行政庁が指名する職員その他政令で定める者」とあるのは「都道府県知事が指名する職員」と、同法第二十条第一項 、第二項及び第四項中「行政庁」とあるのは「都道府県」と、同条第六項 、同法第二十四条第三項 及び第二十七条第一項 中「行政庁」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。
7  厚生労働大臣は、都道府県知事から当該処分の原因となる事実を証する書類その他意見の聴取を行う上で必要となる書類を求められた場合には、速やかにそれらを当該都道府県 知事あて送付しなければならない。
8  都道府県知事は、第五項の規定により意見の聴取を行う場合において、第六項において読み替えて準用する行政手続法第二十四条第三項 の規定により同条第一項 の調書及び同条第三項 の報告書の提出を受けたときは、これらを保存するとともに、当該調書及び報告書の写しを厚生労働大臣に提出しなければならない。この場合において、当該処分の決定について の意見があるときは、当該写しのほか当該意見を記載した意見書を提出しなければならない。
9  厚生労働大臣は、意見の聴取の終結後に生じた事情に鑑み必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、前項前段の規定により提出された調書及び報告書の写し並びに同項 後段の規定により提出された意見書を返戻して主宰者に意見の聴取の再開を命ずるよう求めることができる。行政手続法第二十二条第二項 本文及び第三項 の規定は、この場合について準用する。
10  厚生労働大臣は、当該処分の決定をするときは、第八項の規定により提出された意見書並びに調書及び報告書の写しの内容を十分参酌してこれをしなければならない。
11  厚生労働大臣は、第二項の規定による医業の停止の命令をしようとするときは、都道府県知事に対し、当該処分に係る者に対する弁明の聴取を行うことを求め、当該弁明の聴取 をもつて、厚生労働大臣による弁明の機会の付与に代えることができる。
12  前項の規定により弁明の聴取を行う場合において、都道府県知事は、弁明の聴取を行うべき日時までに相当な期間をおいて、当該処分に係る者に対し、次に掲げる事項を書面に より通知しなければならない。
一  第二項の規定を根拠として当該処分をしようとする旨及びその内容
二  当該処分の原因となる事実
三  弁明の聴取の日時及び場所
13  厚生労働大臣は、第十一項に規定する場合のほか、厚生労働大臣による弁明の機会の付与に代えて、医道審議会の委員に、当該処分に係る者に対する弁明の聴取を行わせること ができる。この場合においては、前項中「前項」とあるのは「次項」と、「都道府県知事」とあるのは「厚生労働大臣」と読み替えて、同項の規定を適 用する。
14  第十二項(前項後段の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の通知を受けた者は、代理人を出頭させ、かつ、証拠書類又は証拠物を提出することができる。
15  都道府県知事又は医道審議会の委員は、第十一項又は第十三項前段の規定により弁明の聴取を行つたときは、聴取書を作り、これを保存するとともに、報告書を作成し、厚生労 働大臣に提出しなければならない。この場合において、当該処分の決定についての意見があるときは、当該意見を報告書に記載しなければならない。
16  厚生労働大臣は、第五項又は第十一項の規定により都道府県知事が意見の聴取又は弁明の聴取を行う場合においては、都道府県知事に対し、あらかじめ、次に掲げる事項を通知 しなければならない。
一  当該処分に係る者の氏名及び住所
二  当該処分の内容及び根拠となる条項
三  当該処分の原因となる事実
17  第五項の規定により意見の聴取を行う場合における第六項において読み替えて準用する行政手続法第十五条第一項 の通知又は第十一項 の規定により弁明の聴取を行う場合における第十二項 の通知は、それぞれ、前項の規定により通知された内容に基づいたものでなければならない。
18  第五項若しくは第十一項の規定により都道府県知事が意見の聴取若しくは弁明の聴取を行う場合又は第十三項前段の規定により医道審議会の委員が弁明の聴取を行う場合におけ る当該処分については、行政手続法第三章 (第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。

≪刑法≫
(刑の全部の執行猶予の猶予期間経過の効果)
第二十七条  刑の全部の執行猶予の言渡しを取り消されることなくその猶予の期間を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。
(刑の消滅)
第三十四条の二  禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで十年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又 はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年を経過したときも、同様とする。
2  刑の免除の言渡しを受けた者が、その言渡しが確定した後、罰金以上の刑に処せられないで二年を経過したときは、刑の免除の言渡しは、効力を失う。
以上

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