新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.1723、2017/01/18 09:57 https://www.shinginza.com/qa-hanzai.htm

【刑事、迷惑防止条例違反、余罪と被疑事実の量刑】

痴漢の起訴前弁護と取調べ時に発見されたラブホテル内での盗撮画像データへの対応

質問:

 私は東京都内に住む所帯持ちの会社員です。本日,通勤中の電車内で女性に痴漢行為をしたということで,迷惑防止条例違反の容疑で逮捕されてしまいました。 事実関係に間違いはありません。

 実はこの件以外にも,私のスマートフォンには,ホテルに呼んだ風俗嬢に対する盗撮動画が多数格納されており,取調べ時に担当の警察官に見られて発覚してし まいました。警察官から,「これは重い罪になるよ」などと脅され,とても不安な状態です。

 前科等は特にないのですが,私はここから出ることが出来るのでしょうか。また,懲役刑等の重い刑が科されてしまうのでしょうか。



回答:

1 電車内での痴漢行為については,公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の処罰に関する条例(以下「東京都条例」といいます。)第5条1項1号に規定 がありに該当し,法定刑は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金とされています(東京都条例8条1項2号)。

  次に,ホテル内での風俗サービスの盗撮行為については,東京都条例には該当しないと判断される可能性が高いですが,軽犯罪法第1条23号が規定するのぞ き見行為(窃視行為)に該当することになります。なお,軽犯罪法違反の法定刑は拘留又は科料とされています(同法1条柱書き)。

2 以上を前提に,まずは身体拘束からの解放を早急に目指します。迷惑防止条例違反による逮捕の場合,類型的に,勾留の理由と必要性を否定する事情を集める ことで,逮捕後の検察官の勾留請求を阻止出来る可能性が十分にあります。仮に検察官が勾留請求した場合でも,裁判官に勾留請求を却下するよう求めることで,勾 留されずに済む可能性が十分にありますし,勾留決定が出た場合は準抗告の申立てを行う途も残されています。

3 無事に釈放された後は,検察官による終局処分の軽減を図る活動をしていくことになります。

  迷惑防止条例違反の場合,初犯であれば,いきなり公判請求されて懲役刑が科される可能性は低いですが,何もしなければ罰金刑となるのが相場です。不起訴 処分を目指すのであれば,被害者との示談が必須といえます。

  この点,いわゆる迷惑防止条例は,社会的法益の保護を目的としているものとされ,被害者との示談が成立しても不起訴が約束されることはありません。しか し,実務上の慣行として,事実上処分にあたって大きく考慮されていることは間違いありません。

  不起訴処分の可能性を最大限高めるためには,示談にあたって取得する書面の内容にも留意すべきであり,宥恕文言入りの示談合意書と被害届取下げ書の取得 ができるよう弁護活動することになりますれば問題ないでしょう。

4 盗撮行為との関係では,前述のとおり,軽犯罪法違反の罪の成立が考え得るところですが,盗撮動画に映っている女性の身元の特定作業は非常に困難かつ煩雑 であり,警察が立件する可能性は低いと考えられますかどうかは別問題と考えられます(女性や風俗店に発覚しており,被害届が出ていれば別ですが、盗撮の時点で 発覚していないのであれば、被害届は出されていないと言ってよいでしょう。)。

  もちろん,立件される可能性がゼロとは言えませんから,慎重な対応が求められますが,本件で最も重要なことは,盗撮行為で立件されるということよりも現 に立件されている電車内での痴漢行為について早急に示談を成立させることで,余罪としての盗撮行為について立件する暇を与えないことです。

  仮に軽犯罪法で立件されたとしても,痴漢行為の方と同様,被害者とされる女性との間で示談を成立させれば良いだけです。

  ただし,捜査機関において、盗撮行為余罪を考慮し痴漢行為について重い処分にする可能性がある,ということは考慮しておく必要があります。難しいところ ですが,弁護人を通じて,痴漢行為はもちろん盗撮行為余罪を含めて示談申入れの準備があることを早期段階から捜査機関に伝えておき,反省を示しておくのも一つ の手です。

5 さらに,余罪多数(盗撮)で犯情が重いとして,担当警察官がマスコミに安易に本件事件の情報提供をしたり,会社に連絡してしまったりする危険がありま す。

  このような事態となると,会社で懲戒処分を受ける危険が出てきてしまいますので,何としても避けたいところです。早期段階から弁護人を通じて,マスコミ や会社への情報提供を差し控えるよう要請することが肝要です。

6 関連事例集1582番1402 番参照。
 

解説:

第1 本件で成立する犯罪

 1 電車内での痴漢行為について

   迷惑防止条例違反で逮捕されたということですが、東京都条例第8条1項2号,5条1項1号は,「公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に 着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること」(いわゆる痴漢行為)を処罰対象としており,法定刑は6月以下の懲役又は50万円以下の罰金とされていま す。

   あなたは電車内で痴漢行為を行ったとのことですから,迷惑防止条例違反の罪が成立しています。更に痴漢行為が下着に手を入れるなどに及んでいる場合は 強制わいせつ罪に該当する可能性もあります。

 2 ラブホテル内での盗撮行為について

盗撮行為は迷惑防止条例や軽犯罪法に違反する可能性があります。

  しかし、東京都条例第5条1項2号(公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為 等の処罰に関する条例)は、「公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することが できる更衣室その他公衆が通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる場所又は公共の場所若しくは公共の乗物において、人の通常衣服で隠されている下着又 は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置すること」

として仮に電車や駅構内で女性のスカートの中を盗撮した場合,東京都条例第5条1項2号に該当し,痴漢行為と同様に迷惑防止条例違反の罪が成立することにな ります。

 他方で,ホテル内で相手の同意を得ずに裸体を撮影した場合,同罪の成立は疑わしいといえます。なぜなら,同罪は盗撮行為の場所を「公衆便所、公衆浴場、公 衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる場所又は公共の場所若しくは公共の乗物」といった公共の場所に限 定しており,ホテルのような密室での行為は想定していません。従って、ホテル内での盗撮行為はこの要件に該当しないと考えら得ますされていないためです。

 ただし,軽犯罪法第1条23号が規定するのぞき見行為(窃視行為)は,「正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないで いるような場所をひそかにのぞき見た」ことと定義され,公共の場所か否かにかかわらず処罰の対象としており,またのぞき見行為には広く盗撮行為も含むものと解 されていることから,ラブホテルでの裸体の盗撮行為は軽犯罪法違反となり得ます。軽犯罪法違反の法定刑は拘留又は科料とされています(同法1条柱書き)。

 なお,迷惑防止条例は都道府県ごとに定められており,中には公共の場所か否かにかかわらず,盗撮行為を罰するものも存在するようです。たとえば,神奈川県 迷惑防止条例第3条2項は,「何人も、人を著しく羞恥させ、若しくは人に不安を覚えさせるような方法で住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服等の全部若 しくは一部を着けないでいるような場所にいる人の姿態を見、又は、正当な理由がないのに、衣服等の全部若しくは一部を着けないで当該場所にいる人の姿態を見、 若しくはその映像を記録する目的で、写真機等を設置し、若しくは人に向けてはならない。」と規定しており,ホテルでの裸体の盗撮行為も処罰の対象となるものと 考えられます。

第2 刑事手続の流れと早期の身柄釈放に向けた活動

 1 あなたの置かれている状況

  現在あなたは警察署にて逮捕による身体拘束を受けており,刑事手続上の被疑者として扱われております。

  逮捕とは,捜査機関または私人が被疑者の逃亡及び罪証隠滅を防止するため強制的に身柄を拘束する行為をいいます。

  警察官によって逮捕された被疑者は48時間以内に検察官へ送致され(刑訴法203条1項),検察官は,釈放するか24時間以内に勾留請求するかを選択す ることになります(刑訴法205条1項)。

  検察官が逮捕されている被疑者を自らの判断で釈放することがないわけではありませんが,実務上,何もしなければほぼ機械的に勾留請求されてしまうような 印象を受けます。 

  勾留請求されてしまうと,裁判官が勾留許可決定を出すためのハードルが低いため,あなたのように罪を認めていて罪証隠滅や逃亡のおそれが低いと思われる 場合であっても,勾留許可決定が出てしまう可能性が大いにあるところです。

  後述のとおり,勾留許可決定後に当該決定を争うことは可能ですが,一般的に,被害者との間で示談が成立する等の事情の変化がなければ認められる可能性が 低く,時間が掛かることは自明であるため,事前に手を回して勾留を回避する活動を行うことが懸命といえます。具体的には,検察官が勾留請求をする前であれば勾 留請求阻止の上申書を検察官に提出し,勾留請求後かつ決定前であれば裁判官に勾留請求却下を求める上申書を提出することになります。

  弁護人が上申書を提出することで,勾留を回避できたということは,ままあることです。特に,本件は勾留を事前に阻止できる可能性が比較的高い事案かと思 われます。上申書には,以下で述べるような勾留の理由や必要性を否定する事情を先取りして記載することになります。

 2 被疑者勾留の要件

   勾留とは,被疑者もしくは被告人を刑事施設に拘禁する旨の裁判官もしくは裁判所の裁判,または当該裁判に基づき被疑者もしくは被告人を拘禁することを いいます。被疑者勾留については,以下で述べる勾留の理由及び勾留の必要性が認められた場合に,裁判官による勾留決定が下されることになります(刑訴法207 条1項,60条1項)。勾留期間は原則10日間ですが(刑訴法208条1項),「やむを得ない事由」が存在する時は,更に10日間延長することが可能とされて います(刑訴法208条2項)


(1)勾留の理由


ア 一般論

  勾留の理由があるというためには,被疑者が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由(刑訴法60条1項柱書)があると共に,同条項各号のいずれかを満た す必要があります。

イ 罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由

  目撃者や駅員,そして被害者自身の供述により,罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があると判断されることはほぼ確実といえるでしょう。

ウ 各号該当性

  次に,各号該当性ですが,本件では2号(罪証隠滅のおそれ)ないし3号(逃亡のおそれ)が問題となるでしょう。
前述のとおり,本件犯行の証拠としては,目撃者、駅員,被害者等の証言が挙げられるところ,いずれもあなたと面識がないので,罪証隠滅の客観的可能性がそもそ も存在しないといえます。また,本件犯行は痴漢事案の中で特に犯情が重いわけでもなく,想定される処分は,重くても罰金といえ,罪証隠滅の主観的可能性も限り なく低いといえます。したがって,罪証隠滅のおそれがないと言いやすいです。

  次に3号ですが,あなたは会社員とのことで,比較的身分が安定していると言えますし,ご家族と同居されているため,ご家族による監督の実効性が高いとも いえます。そのため,逃亡のおそれがないと言いやすいです。

  以上のように,本件は2号や3号の要件を満たさないと考えるのが自然な事案です。このような事案であっても,弁護人が何もしなければ,検察官は抽象的な 危険を理由に勾留請求してしまう場合が多々ありますが,勾留請求を差し控えるよう求める上申書をあらかじめ提出しておけば,勾留請求されないで釈放される可能 性が高まります。また,勾留請求されてしまった場合でも,直ちに勾留請求却下を求める上申書を裁判官に提出すれば,勾留請求を却下してもらええる可能性が高ま ります。

(2)勾留の必要性

   

  勾留の理由が認められても,事案の軽重,勾留による不利益の程度,捜査の実情等を総合的に判断し,被疑者を勾留することが実質的に相当でない場合は,勾 留の必要性を欠き,勾留請求が却下される可能性があります(刑訴法87条参照)。

  あなたの場合,勾留による長期の身体拘束によって,会社で懲戒免職処分を受ける等の重大な損害を被るおそれがあり,本件で想定される罪証隠滅や逃亡のお それは極めて抽象的なものに過ぎないにも拘らず,このような不利益を被るのは,余りに均衡を失する旨主張すべきです。

3 事後的に勾留許可決定を争う手段

   万が一勾留許可決定が出たとしても,準抗告を申し立てることで,身柄の解放を達成できる可能性が残されています(刑訴法429条1項2号)。

   また,弁護人を通じた目撃者との示談交渉によって,事後的に勾留の要件を否定する事情を作り出し,勾留の取消請求をすることもできます(刑訴法207 条1項,87条1項)。

   ただ,いずれも時間が掛かりますので,出来る限り事前の勾留阻止を狙っていくべきでしょう。

4 小括

   

   以上のように,本件は弁護人を選任して勾留阻止の活動をすれば,早期に身柄の解放を実現できる可能性が十分にあります。仕事への影響を最小限にするた めにも,早期に弁護人を選任する必要性が高いといえるでしょう。

第3 終局処分軽減のための活動

 1 被害者との示談交渉

   一般的に,被害者がいる犯罪においては,被害者との間で示談が成立すれば,検察官の終局処分に事実上影響して,処分が軽くなる傾向にあります。そのた め,本件でも被害者の連絡先を捜査機関を通じて開示してもらい,示談の申入れを行うべきです。

   示談といっても,検察官に具体的な資料を提示する関係上,口頭ではなく,被害者の方に複数の書面に署名・捺印してもらう必要があります。弁護人が示談 交渉をする際は,示談合意書という客観的な書面を作成し,被疑者のことを許す旨の宥恕文言を取り入れます。また,可能であれば,被害届取下げと告訴取消しを確 約する誓約書に署名してもらうことで,万全を期します。

   これらの書面を揃えることで,被害者がもはや処罰を望んでいないことを示すことができ,検察官の終局処分に影響を与えることができるのです。影響を与 えることができると表現したのは,被害者の告訴が訴訟条件である親告罪(たとえば,強姦罪(刑法177条,180条1項)等が挙げられます。)以外の犯罪につ いては,たとえ告訴の取消しがあっても,検察官は起訴・不起訴の決定を自由にできるためです。特に,迷惑防止条例違反のような社会的法益に対する罪の場合は, この傾向が顕著といえます。しかし,示談合意書等の書類の写しを検察官に提出すれば,終局処分を一定程度軽くする効果があることは,実務上の慣行となってお り,迷惑防止条例違反の場合もその例外ではありません。

 2 その他の反省方法

   また,示談の成否のみならず,被害者に対する謝罪状況や再犯可能性の有無も終局処分決定の上で重要な意味を持ちますので,被害者に対する謝罪文は心を 込めて書く必要がありますし,再犯防止策を具体的に検討していることをアピールすることも効果的です。後者の例として,たとえば,心療内科等で性犯罪に関する カウンセリングを継続的に受けて問題を克服していくことを誓約する方法等が考えられます。

第4 余罪との関係での弁護活動

 1 捜査の対象となっている犯罪以外の罪を余罪と言い、本件の盗撮も余罪に当たります。余罪については、立件されるか否か、立件されないとして本件の処分 に影響があるかという2点からの検討が必要です。

   一般論として,余罪が多数あるからといって,現在の被疑事実の処分が直ちに重くなるわけではありません。余罪を処罰する趣旨で量刑の資料とすることは 禁じられているからです。憲法、31条、32条による被疑者の人権保護の観点から事件単位の原則の趣旨は量刑考慮においても生かされるべきです。しかし,本件 の終局処分を決めるにあたって事実上考慮されることは容易に想定できますし,大量の余罪が立件されてしまった場合,それぞれ処罰されるわけですから,当然に量 刑は重くなります。最高裁昭和41年7月13日判決は、余罪を被告人の性格、経歴、動機、目的、方法等の情状を推認するための資料として考慮することを許して います。

 2 本件のようなホテル内での盗撮行為について分析すると,盗撮影像の中に被害女性の顔が入っているのであれば,被害女性の特定が全く不可能とは言えない ものの,実際には非常に手間がかかるものと予想され,立件されにくいと考えられます。盗撮行為がその場で判明し,被害女性から被害届が出されたような現行犯的 状況であれば別ですが,そうでない限り,立件の可能性は低いと考えて問題ないでしょう。

   そうはいっても,前述のとおり,余罪の存在が事実上考慮されて,本件である痴漢行為について示談が成立しているにもかかわらず,罰金とされるような事 態も想定されるところです。これを避けるために,念のため,弁護人を通じて,余罪に関しても示談申入れの準備があることを早期段階から捜査機関に伝えておくの も一つの手でしょう。そのことによって,反省の様子が伝わり,余罪を細かく追及することはしないでおこうといった方向に働きやすくなるのです。

   また,捜査機関の取調べにおいて,余罪の話を細かく聞かれてしまった場合は,覚えている範囲で正直に話してしまうことをお勧めいたします。嘘を付くこ とはできませんし、捜査官の心証が悪くなりますので,どうしても言いたくない場合は,よく覚えていない、あるいは黙秘するという回答に止めるべきです。また, 弁護人を選任していれば、弁護人から回答するという弁解ができますから心理的にも楽になるでしょう。

第5 報道・職場連絡を阻止する活動

   近年は,比較的軽微な事件であっても,マスコミが面白おかしく事件を実名報道して,世間の好奇の目にさらされるケースが増えてきております。そのよう な事態は何としても避ける必要があります。また,同様に職場への不必要な連絡も懲戒処分等の重大な不利益に繋がりますので,阻止する必要があるでしょう。

   早期に弁護人を選任した上で,上申書等で報道機関や職場への情報提供を差し控えるよう要請していくことで,そういった危険は軽減できます。

第6 まとめ

   以上述べてきたとおり,あなたの身柄を早期に解放できる可能性及び不起訴処分を獲得できる可能性共に十分に認められる事案ですので,報道・学校連絡の 阻止活動も併せて早急に弁護士に依頼することをお勧めいたします。

以上

【参照条文】

○公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の処罰に関する条例(東京都)
 (粗暴行為(ぐれん隊行為等)の禁止)
第五条 何人も、正当な理由なく、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような行為であつて、次に掲げるものをしてはならない。
一 公共の場所又は公共の乗物において、衣服その他の身に着ける物の上から又は直接に人の身体に触れること。
二 公衆便所、公衆浴場、公衆が使用することができる更衣室その他公衆が通常衣服の全部若しくは一部を着けない状態でいる場所又は公共の場所若しくは公共の乗 物において、人の通常衣服で隠されている下着又は身体を、写真機その他の機器を用いて撮影し、又は撮影する目的で写真機その他の機器を差し向け、若しくは設置 すること。
三 前二号に掲げるもののほか、人に対し、公共の場所又は公共の乗物において、卑わいな言動をすること。
2 何人も、公共の場所又は公共の乗物において、多数でうろつき、又はたむろして、通行人、入場者、乗客等の公衆に対し、いいがかりをつけ、すごみ、暴力団 (暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第二号の暴力団をいう。)の威力を示す等不安を覚えさせるような言動をして はならない。
3 何人も、祭礼または興行その他の娯楽的催物に際し、多数の人が集まつている公共の場所において、ゆえなく、人を押しのけ、物を投げ、物を破裂させる等によ り、その場所における混乱を誘発し、または助長するような行為をしてはならない。
4 何人も、公衆の目に触れるような工作物に対し、ペイント、墨、フェルトペン等を用いて、次の各号のいずれかに該当する表示であつて、人に不安を覚えさせる ようなものをしてはならない。
一 暴走族(道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第六十八条の規定に違反する行為又は自動車若しくは原動機付自転車を運転して集団を形成し、同法第七条、 第十七条、第二十二条第一項、第五十五条、第五十七条第一項、第六十二条、第七十一条第五号の三若しくは第七十一条の二の規定に違反する行為を行うことを目的 として結成された集団をいう。次号において同じ。)の組織名の表示
二 暴走族が自己を示すために用いる図形の表示

(罰則)
第八条 次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一 第二条の規定に違反した者
二 第五条第一項又は第二項の規定に違反した者(次項に該当する者を除く。)
三 第五条の二第一項の規定に違反した者
2 第五条第一項(第二号に係る部分に限る。)の規定に違反して撮影した者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
3 次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。
一 第七条第二項の規定に違反した者
二 前条第三項の規定に違反した者
4 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
一 第三条の規定に違反した者
二 第四条の規定に違反した者
三 第五条第三項又は第四項の規定に違反した者
四 第六条の規定に違反した者
五 第七条第一項の規定に違反した者
六 前条第一項の規定に違反した者
5 前条第二項の規定に違反した者は、三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
6 第七条第四項の規定による警察官の命令に違反した者は、二十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
7 常習として第二項の違反行為をした者は、二年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
8 常習として第一項の違反行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
9 常習として第三項の違反行為をした者は、六月以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
10 常習として第四項の違反行為をした者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。


○神奈川県迷惑行為防止条例
(卑わい行為の禁止)
第3条 何人も、公共の場所にいる人又は公共の乗物に乗つている人に対し、人を著しく羞恥させ、又は人に不安を覚えさせるような方法で、次に掲げる行為をして はならない。
(1) 衣服その他の身に着ける物(以下「衣服等」という。)の上から、又は直接に人の身体に触れること。
(2) 人の下着若しくは身体(これらのうち衣服等で覆われている部分に限る。以下「下着等」という。)を見、又は人の下着等を見、若しくはその映像を記録す る目的で写真機その他これに類する機器(以下「写真機等」という。)を設置し、若しくは人に向けること。
(3) 前各号に掲げるもののほか、卑わいな言動をすること。
2 何人も、人を著しく羞恥させ、若しくは人に不安を覚えさせるような方法で住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服等の全部若しくは一部を着けないでい るような場所にいる人の姿態を見、又は、正当な理由がないのに、衣服等の全部若しくは一部を着けないで当該場所にいる人の姿態を見、若しくはその映像を記録す る目的で、写真機等を設置し、若しくは人に向けてはならない。


○軽犯罪法

第一条  左の各号の一に該当する者は、これを拘留又は科料に処する。
 二十三  正当な理由がなくて人の住居、浴場、更衣場、便所その他人が通常衣服をつけないでいるような場所をひそかにのぞき見た者


○刑法
(強姦)
第百七十七条  暴行又は脅迫を用いて十三歳以上の女子を姦淫した者は、強姦の罪とし、三年以上の有期懲役に処する。十三歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。
強制わいせつの条文いれて
(親告罪)
第百八十条  第百七十六条から第百七十八条までの罪及びこれらの罪の未遂罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。
2  前項の規定は、二人以上の者が現場において共同して犯した第百七十六条若しくは第百七十八条第一項の罪又はこれらの罪の未遂罪については、適用しない。
(窃盗)
第二百三十五条  他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。


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