新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.1692、2016/07/01 12:00 https://www.shinginza.com/idoushin.htm

【刑事、行政、傷害罪と起訴前弁護の必要性、医道審議会への対応】

医師の暴行傷害事件


質問:私の息子が傷害罪で、昨日逮捕されてしまいました。私の息子は医師(勤務医)なのですが,近所のレストランで食事をしていた際に,店員の態度に腹を立ててしまい,顔面を数発殴ってしまったということです。被害者は3週間程度の通院を要する怪我をしたということでした。その後,息子の自宅に警察がきて,突然逮捕状を示されて逮捕されてしまいました。現在,息子は警察の留置施設にいます。今後,息子はどうなってしまうのでしょうか。医師が刑事罰を受けた場合,医師免許にも影響が出るということを聞いているのですが,その点についても教えて下さい。弁護士を立てた方が良いのでしょうか。

回答
1 現在あなたの息子様は,傷害罪の被疑者として逮捕され,身体拘束されています。このまま何もせずにいると,検察官から勾留請求され最大20日間の身体拘束が継続する可能性があります。あなたの息子様は勤務医ということですので,勤務先医院を長期無断欠勤しているものとして,懲戒解雇を含めた職場の懲戒処分を受ける可能性があります。
  また,このまま何もしない場合には傷害罪として罰金刑ないし懲役刑を受ける可能性があります。医師が罰金刑以上の刑罰を受けた場合,医道審議会によって医師免許の行政処分を受けることになりますが,刑事処分の内容次第では比較的長期の医業停止処分(数か月から1年程度)を受ける可能性があります。
このように,刑事処分に加え,勤務先の処分,医師免許に関する行政処分という重大な社会的不利益を受ける可能性があります。

2 これらの不利益を回避するためには,適切な弁護人を選任の上,弁護人を通じて被害者との示談交渉を大至急進める必要があります。被害者との示談が成立すれば,勾留の理由ないし必要性がないものとして,検察官による勾留請求や裁判官による勾留決定を回避でき,早期の身柄解放(釈放)を実現できる可能性があります。
また,被害者との示談が成立すれば,刑事処分としても不起訴処分(起訴猶予処分)を勝ち取るための極めて重要な事実となります。刑事処分として不起訴処分となった場合には,あなたの息子様は医道審議会の行政処分の対象とはならず,上記のような不利益を回避できます。
  仮に,不起訴処分とならなくても,示談の内容は刑事処分を軽減する方向で働きますし(比較的軽い罰金刑で済む可能性),被害者への補償状況は医道審議会の行政処分においても有利な事情として働きます。
  被害者との示談交渉を通じ,早期の身柄釈放,不起訴処分とするよう活動することが息子様の不利益を最大限軽減する手段になります。この点,医道審議会及び被害者との示談交渉に精通した弁護士への相談を強くお勧めします。

3 その他,本件に関連する事例集としては、1489番1510番1540番1569番1614番1617番1634番、を参照して下さい。

解説:

第1 現在息子様が置かれている法的地位について

 1 刑事事件の被疑者としての地位

 (1)まず,現在,あなたの息子様が置かれている法的な立場について説明します。あなたの息子様は,レストランの店員に対して顔面を殴打し,3週間の通院を要する怪我を加えたということですので,法的には,手拳で被害者の身体を殴打する「有形力」を行使し,かつ,被害者の身体に怪我を生じさせることにより「生理機能を障害」したということで,刑法上の傷害罪が成立する可能性が高いでしょう(刑法204条)。
    傷害罪が成立する場合には,「15年以下の懲役又は50万円以下の罰金」刑が下されることになります。本件では,3週間の怪我ということですので,重症(全治1か月以上)ではありませんから(重症の一歩手前)、類型的にそこまで大きい怪我ではないとかろうじて言えると思います。従って,このまま何もせず検察官の処分を待っていても、被害者に後遺症が残らない,息子様に同じような前科がないなどの事情があれば,懲役刑ではなく罰金刑が科せられる可能性が高いといえます。ただ,犯情悪質として,正式裁判が請求される(懲役刑が求刑されます)可能性もないとはいえません。
    なお,店員の態度がいかに悪かったとしても,特に店員が先に暴行を加えてきたなどの事情がなければ,「急迫不正の侵害」という要件を満たさず,正当防衛(刑法36条1項)は成立しません。
    本件で重要な点は、あなたの息子様は医師ということです。後述のとおり何もせずに罰金以上の刑となり前科を付けてしまった場合,医師の業務に関して極めて重大な不利益を受けることになります。この点は,後述します。

 (2)次に,刑事事件の被疑者として捜査の対象となった場合,捜査機関は,被疑者の身柄を拘束して捜査を行う「身柄事件」と,身柄を拘束しないで必要に応じて出頭してもらう「在宅事件」のいずれかで捜査を進めることになります。今回は,警察が自宅に来て逮捕状を示したことから,身柄事件の被疑者としての扱いを受けていることになります。
    そして,被疑者として逮捕された場合には,警察の留置施設にて身体拘束された上で,48時間以内に検察官に事件が送致されることになります(検察官送致,送検といいます)。
検察官に送致された際,まず検察庁において,息子様の事件に関する言い分を聞く機会が設けられ(弁解の録取),その上でさらに身柄拘束の必要性があると検察官が判断すれば更に10日間の身体拘束を継続することを裁判所に請求することになります(検察官による勾留請求)。
検察官が,弁解の録取の上で息子様を釈放してもよいと判断した場合には,勾留請求されずにそのまま釈放されることになります。
    一方,検察官が勾留請求した場合,裁判所が検察官の勾留請求の内容を審査し,被疑者の事件に関する言い分を聞いた上で(勾留質問),勾留に関する判断をすることになります。裁判官が勾留を決定した場合には,逮捕に引き続いて10日間の身体拘束がさらに続くことになります(刑事訴訟法208条1項)。

勾留期間は,さらに最大で10日間延長することが可能となっています(刑事訴訟法208条2項)。

    すなわち,あなたの息子様は最大で20日以上身柄拘束が継続する可能性があるということです。通常,職のある社会人が20日以上身体拘束された場合,会社は長期の無断欠勤をせざるを得ないことになり,会社の懲戒処分の対象となり,最悪の場合懲戒解雇の可能性も十分にあります。

    あなたの息子様も勤務医ということで病院に雇われている身ですので,勤務先医院から契約解除により勤務医の地位を失う可能性が十分に考えられます。その場合の損害は甚大なものであることは想像に難くありません。

 2 医師免許について行政処分を受けうる地位

(1)本件で受ける不利益の内容は,身体拘束による自由の制限,失職の危険性,刑事罰を受けることにとどまりません。仮にあなたの息子様が罰金刑以上の刑に処せられた場合,を検討していきます。

    医師が「罰金以上の刑」に処せられた場合には,医師法7条2項に基づき,厚生労働大臣は,医師免許に関して行政処分を下すこととなっています。行政処分の内容は,免許取消,3年以内の医業停止,戒告処分のいずれかです。なお,法律上は記載されていませんが,戒告以下の処分として,厳重注意という行政指導にとどまる場合もあります。行政指導以外の行政処分を受けてしまった場合,厚生労働省のホームページで氏名と処分内容が公開されることとなります。

    そして,仮に医業停止となった場合には,当然医師としての活動が一切できなくなるわけですから,勤務先の病院を退職することを検討しなければなりませんし,短期間の医業停止であっても、その間勤務できず退職せざるを得ないことになり、重大な社会的不利益を被ることもやはり想像に難くないところです。

(2)そこで,本件のような傷害罪において,想定される行政処分について検討していきます。医師に対する行政処分の内容を決定するのは,厚生労働省管轄の医道審議会という行政機関になります。医道審議会は,行政処分の際の一定の指標として「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」という基準を示しているところです(厚生労働省ホームページ参照)。

  同考え方の基本としては「処分内容の決定にあたっては、司法における刑事処分の量刑や刑の執行が猶予されたか否かといった判決内容を参考にすることを基本とし、その上で、医師、歯科医師に求められる倫理に反する行為と判断される場合は、これを考慮して厳しく判断することとする。」という指標が示されており,基本的には司法処分(刑事処罰の内容)の軽重によって,行政処分の重さが決定されることになります。すなわち,刑罰の内容(懲役刑か罰金刑か),懲役刑であれば刑期の長さ(執行猶予の有無),罰金刑であれば罰金の金額によって,行政処分の重さが一定程度決まることになります。

  そして実際の行政処分の内容においては,医道審議会におけるこれまでの行政処分例が参考になります。これまで公表された行政処分の事例を検討すると,傷害罪の場合には戒告から医業停止1月から1年程度まで,幅のある行政処分がなされています。これは,傷害の程度にも幅があり刑事処分の量刑にも大きな差があることが理由になっていると考えられます。

  具体的には,罰金刑のうち金額が低い(10万円程度)の場合には,戒告で済んでいる事例があり,一方で指を切断するなどの傷害を負わせ刑事処分として懲役刑1年6月(執行猶予3年)となった事例においては医業停止1年という重い処分が選択されています。傷害罪の事例において最も多いのは,数か月程度の医業停止処分です。

  本件においては,罰金刑の金額が低ければ戒告になる可能性もあり得るところですが,罰金刑の金額が大きい場合,さらには懲役刑が選択された場合には比較的長期の医業停止(最大1年程度)もあり得るところです。
このように,あなたの息子様は重大な行政処分を受ける可能性がありますが,この医道審議会の行政処分への対応については,後述します。

第2 傷害罪における刑事弁護人(弁護士)の必要性(起訴前弁護)

 1 被害者との示談交渉

(1)医道審議会の行政処分は上述のとおり司法処分(刑事事件の処分内容)の軽重によって,内容が大きく変動するところです。したがって,医道審議会における行政処分を可能な限り軽減するという意味でも,まずは刑事事件の処分内容を軽減するように最大限努力すべきです。

   医道審議会による行政処分の対象となるのは,罰金以上の刑に処せられた場合に限られますので,本件が不起訴処分(起訴猶予処分)となった場合には,医道審議会の処分対象にはなりません。
したがって,本件では刑事処分が不起訴処分になるよう最大限の活動を行っていく必要があります。

(2)傷害罪のような被害者がいる犯罪に関し,刑事処分の内容を決めるに際して最も重要な考慮要素は,被害者への十分な被害弁償がなされているかどうか,すなわち被害者との示談が成立しているかどうかです。さらに示談合意に際して,被害届を取り下げて貰ったり,被害者から宥恕(あなたを許し,法的な責任を一切追求しないこと)の意思表示を得られた場合には,より有利な要素になるでしょう。

  なお,仮に罰金刑などの刑事罰に処せられた場合であっても,医道審議会の行政処分において,被害者への補償状況(被害者との示談内容,どれだけの金銭を支払ったのか)は十分に考慮されますので,行政処分を見据えた場合にも,示談は極めて有益な事情になります。

(3)示談交渉に際しては,適切な代理人弁護士(通常は刑事事件の弁護人が示談交渉の代理人を兼務することになります。)を選任した上で,被害者と交渉する必要があります。特に傷害罪のような犯罪の場合,被害者は一方的に暴行を受け傷害結果を負い肉体的精神的苦痛を被り,場合によっては会社を休んで通院を余儀なくされるなど経済的にも損害を被っているのですから,被害感情としては苛烈なものになっている可能性も高く,弁護人以外のものが交渉を担当することは困難です。示談交渉に際してはこのような被害者の感情に配慮を示しつつ,慎重に交渉を進めていく必要があります。

  示談交渉においては,弁護人を通じてあなたの息子様の真摯な謝罪の意思を示すとともに(通常は事前に作成した謝罪文を読んで頂くことになります。),場合によっては,被害者の勤務する店舗に二度と接近しないことや連絡をしないことを約束するなどして(不接近誓約),円滑に交渉を進めるよう進め方を工夫する必要があるでしょう。もちろん,傷害によって負った肉体的精神的苦痛に対する十分な金銭賠償も重要になってきます。

(4)また,後述のように,示談の内容は医道審議会の行政処分にも重大な影響を及ぼすわけですから,医道審議会を見据えた示談合意(医道審議会の行政処分も求めないなどの上申書を書いていただくなどの工夫が必要です)を成立させることが重要になってきます。

  このように,医師の示談交渉においては格別の配慮が必要になりますので,専門的な経験を有する弁護士への相談をお勧めします。

2 早期の身柄解放活動(勾留請求阻止,勾留請求却下)

 (1)現在,あなたの息子様は逮捕されており,今後勾留により最大20日間の身体拘束がなされる可能性があることは前述したとおりです。そこで,被害者との示談交渉に並行して,検察官に対して勾留請求をしないように働きかけることと,検察官が仮に勾留請求をしてしまった場合には裁判官に勾留請求を却下してもらうように働きかけることが極めて重要になります。このような勾留請求阻止・却下に関する活動は,刑事事件に関する弁護人を選任する必要があります。

(2)検察官による勾留請求を阻止し,裁判官に勾留請求を却下してもらうには,弁護人を通じて,@勾留の要件を満たさないこと,A勾留の必要性がないことの2点を十分に主張立証する必要があります。

   @の勾留の要件は,罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることに加え,定まった住居がないこと,罪証隠滅のおそれがあること,逃亡のおそれがあること,のいずれかの要件を満たすことが必要です(刑事訴訟法60条1項,207条)。

   通常,勾留請求がされる場合に問題となるのは,上記のうち罪証隠滅のおそれがあること,及び逃亡のおそれがあることの2点になります。したがって,検察官と裁判官との交渉に際してはこれらの要件を満たさないことを積極的に立証していく必要があります。

   罪証隠滅のおそれに際しては,例えば被害者へ接触を図り,あなたの息子さんが自分に有利なように証言するように脅迫する(証人威迫)などの行為が考えられますので,そのような意図が一切ないことを誓約書などの形で示すことが重要です。逃亡のおそれに関しても,そのような意思が一切ないことを同様に示す必要があるでしょう。適切な身元引受人がいることも重要な指標になります。

   また,勾留の必要性に関する事情に関しては,勾留されることによって重大な不利益を被ることを積極的に示していくことが必要です。具体的には,現在持病を患っており釈放されなければ病状が悪化し生命に危険が生じかねないこと,また,社会人として勤務先に出勤等しなければ無断欠勤で解雇の必要性があること,扶養する家族がおり釈放されなければ家族も重大な不利益を被ること,といった事情を丹念に主張することによって,勾留の必要性(相当性)がないことを示していく必要があります。

   そして,勾留の理由及び勾留の必要性のいずれにも影響する事情として重要なのが,やはり被害者との示談交渉の状況になります。もっとも望ましいのは,被害者との示談が成立していることです。被害者との示談が成立しているのであれば,円満に法律関係が清算されていることから被害者に対して接触を図る動機もなくなったと判断されやすくなります。また,不起訴処分の可能性が高まった以上,厳罰を恐れて逃亡を図る可能性もなくなりますし,これ以上身体拘束を行う必要性(勾留の必要性)もなくなると判断される可能性が高まり,早期の釈放につながることとなります。

3 検察官との刑事処分に関する交渉(不起訴処分を求める交渉)

(1)上述のとおり,刑事処分を可能な限り軽減し医道審議会の行政処分を回避・軽減するという見地からも,身体拘束からの解放と並行して,検察官へ不起訴処分を求めて交渉を行う必要があります。具体的な交渉材料としてはやはり被害者との示談が成立しており処罰の必要性がないこと,さらにはあなたの息子さんの反省状況,に加え,前科となってしまった場合医道審議会による重大な不利益を被る可能性があることを検察官に十分に理解していただく必要があるでしょう。詳細な意見書を作成して提出すると共に,担当検察官と面談して不起訴処分を目指していく必要があります。

このような刑事処分内容に関する交渉も,医道審議会に造詣の深い弁護士を通じてこれを行う必要があります。

第3 傷害罪における医道審議会の代理人弁護士の必要性

 1 上記のとおり,本件においては可能な限り早期に被害者との示談を成立させ,刑事事件を不起訴処分にすることが,不利益を最大限軽減する観点からは極めて重要になります。しかし,事件の重大性などが考慮され,担当検察官によっては罰金刑ないしは懲役刑が選択されることがないとはいえません。

   検察庁においては,医師が罰金以上の刑に処せられた場合には,厚生労働省に刑事事件を報告することになっています(一定の軽微な事件は除かれます。)。厚生労働省に事件が送られた場合には,処分対象者に対して刑事事件の経過を報告する「事案報告書」の提出を求められ,その後各都道府県庁において事情聴取(弁明の聴取ないし意見の聴取)が行われることになります。事情聴取の結果を踏まえて,最終的に厚生労働省があなたの息子様の医師免許に対する行政処分を決定することになります。

2 上において述べたとおり,医道審議会の行政処分の内容は基本的に司法処分(刑事処分)の軽重を基本に決められることになります。ただし,司法処分は重要な指標の一つではありますが,それ以外の事情も多分に考慮されます。司法処分の内容以外で最も重要なのは,やはり被害者への補償状況になります。

  上記の事案報告書の中には,「被害者への補償状況」が別途項目として設けられており,ここにおいて被害者との示談の内容を詳細に記載しておくことが医道審議会の行政処分の軽減において極めて重要となります。刑事事件の際の示談交渉が十分でなかった場合には,医道審議会の行政処分を見据えて再度の示談交渉を行うことも必要になってきます。被害者の許しが得られるのであれば,医道審議会の行政処分を求めない旨の上申書(嘆願書)を取得できれば,医道審議会の処分選択において有利な事情の一つになります。

3 事案報告を終えた後に,各都道府県庁から意見聴取の期日が行われることになりますが,不利益処分を目的とする法的な行政処分手続ですので,代理人(補佐人)弁護士の同行・出席が認められています。意見聴取期日に先立って,被害者との補償状況,あなたの息子さんの医師としての適格性が十分であること,被害者その他の関係者による行政処分の軽減嘆願書など有利な事情を意見書にまとめて提出しておくとともに,意見聴取期日においても口頭で行政処分の軽減を代理人弁護士から主張してもらうことが有用です。意見聴取期日において弁護士が発言した内容は,各都道府県の担当者にとって調書化され,医道審議会に書類として送られることになります。意見聴取期日に先立って提出された意見書も同様に送られます。医道審議会は,これらの資料を十分に考慮した上で,最終的な行政処分を決定することになります。

  本件では,刑罰の内容によっては比較的長期の医業停止もあり得るところですが,上記の代理人活動を通じて,比較的短期の医業停止さらには戒告処分を求めることも十分に可能といえるでしょう。

以上,医道審議会の代理人活動(弁護)に精通した弁護士へ相談されることをお勧めします。

<参照条文>
刑法
(傷害)
第二百四条  人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

医師法
第四条  次の各号のいずれかに該当する者には、免許を与えないことがある。
一  心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
二  麻薬、大麻又はあへんの中毒者
三  罰金以上の刑に処せられた者
四  前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者

第七条  医師が、第三条に該当するときは、厚生労働大臣は、その免許を取り消す。
2  医師が第四条各号のいずれかに該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあつたときは、厚生労働大臣は、次に掲げる処分をすることができる。
一  戒告
二  三年以内の医業の停止
三  免許の取消し
3  前二項の規定による取消処分を受けた者(第四条第三号若しくは第四号に該当し、又は医師としての品位を損するような行為のあつた者として前項の規定による取消処分を受けた者にあつては、その処分の日から起算して五年を経過しない者を除く。)であつても、その者がその取消しの理由となつた事項に該当しなくなつたとき、その他その後の事情により再び免許を与えるのが適当であると認められるに至つたときは、再免許を与えることができる。この場合においては、第六条第一項及び第二項の規定を準用する。
4  厚生労働大臣は、前三項に規定する処分をなすに当つては、あらかじめ、医道審議会の意見を聴かなければならない。
5  厚生労働大臣は、第一項又は第二項の規定による免許の取消処分をしようとするときは、都道府県知事に対し、当該処分に係る者に対する意見の聴取を行うことを求め、当該意見の聴取をもつて、厚生労働大臣による聴聞に代えることができる。
6  行政手続法 (平成五年法律第八十八号)第三章第二節 (第二十五条、第二十六条及び第二十八条を除く。)の規定は、都道府県知事が前項の規定により意見の聴取を行う場合について準用する。この場合において、同節 中「聴聞」とあるのは「意見の聴取」と、同法第十五条第一項 中「行政庁」とあるのは「都道府県知事」と、同条第三項 (同法第二十二条第三項 において準用する場合を含む。)中「行政庁は」とあるのは「都道府県知事は」と、「当該行政庁が」とあるのは「当該都道府県知事が」と、「当該行政庁の」とあるのは「当該都道府県の」と、同法第十六条第四項 並びに第十八条第一項 及び第三項 中「行政庁」とあるのは「都道府県知事」と、同法第十九条第一項 中「行政庁が指名する職員その他政令で定める者」とあるのは「都道府県知事が指名する職員」と、同法第二十条第一項 、第二項及び第四項中「行政庁」とあるのは「都道府県」と、同条第六項 、同法第二十四条第三項 及び第二十七条第一項 中「行政庁」とあるのは「都道府県知事」と読み替えるものとする。
7  厚生労働大臣は、都道府県知事から当該処分の原因となる事実を証する書類その他意見の聴取を行う上で必要となる書類を求められた場合には、速やかにそれらを当該都道府県知事あて送付しなければならない。
8  都道府県知事は、第五項の規定により意見の聴取を行う場合において、第六項において読み替えて準用する行政手続法第二十四条第三項 の規定により同条第一項 の調書及び同条第三項 の報告書の提出を受けたときは、これらを保存するとともに、当該調書及び報告書の写しを厚生労働大臣に提出しなければならない。この場合において、当該処分の決定についての意見があるときは、当該写しのほか当該意見を記載した意見書を提出しなければならない。
9  厚生労働大臣は、意見の聴取の終結後に生じた事情に鑑み必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、前項前段の規定により提出された調書及び報告書の写し並びに同項後段の規定により提出された意見書を返戻して主宰者に意見の聴取の再開を命ずるよう求めることができる。行政手続法第二十二条第二項 本文及び第三項 の規定は、この場合について準用する。
10  厚生労働大臣は、当該処分の決定をするときは、第八項の規定により提出された意見書並びに調書及び報告書の写しの内容を十分参酌してこれをしなければならない。
11  厚生労働大臣は、第二項の規定による医業の停止の命令をしようとするときは、都道府県知事に対し、当該処分に係る者に対する弁明の聴取を行うことを求め、当該弁明の聴取をもつて、厚生労働大臣による弁明の機会の付与に代えることができる。
12  前項の規定により弁明の聴取を行う場合において、都道府県知事は、弁明の聴取を行うべき日時までに相当な期間をおいて、当該処分に係る者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
一  第二項の規定を根拠として当該処分をしようとする旨及びその内容
二  当該処分の原因となる事実
三  弁明の聴取の日時及び場所
13  厚生労働大臣は、第十一項に規定する場合のほか、厚生労働大臣による弁明の機会の付与に代えて、医道審議会の委員に、当該処分に係る者に対する弁明の聴取を行わせることができる。この場合においては、前項中「前項」とあるのは「次項」と、「都道府県知事」とあるのは「厚生労働大臣」と読み替えて、同項の規定を適用する。
14  第十二項(前項後段の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の通知を受けた者は、代理人を出頭させ、かつ、証拠書類又は証拠物を提出することができる。
15  都道府県知事又は医道審議会の委員は、第十一項又は第十三項前段の規定により弁明の聴取を行つたときは、聴取書を作り、これを保存するとともに、報告書を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならない。この場合において、当該処分の決定についての意見があるときは、当該意見を報告書に記載しなければならない。
16  厚生労働大臣は、第五項又は第十一項の規定により都道府県知事が意見の聴取又は弁明の聴取を行う場合においては、都道府県知事に対し、あらかじめ、次に掲げる事項を通知しなければならない。
一  当該処分に係る者の氏名及び住所
二  当該処分の内容及び根拠となる条項
三  当該処分の原因となる事実
17  第五項の規定により意見の聴取を行う場合における第六項において読み替えて準用する行政手続法第十五条第一項 の通知又は第十一項 の規定により弁明の聴取を行う場合における第十二項 の通知は、それぞれ、前項の規定により通知された内容に基づいたものでなければならない。
18  第五項若しくは第十一項の規定により都道府県知事が意見の聴取若しくは弁明の聴取を行う場合又は第十三項前段の規定により医道審議会の委員が弁明の聴取を行う場合における当該処分については、行政手続法第三章 (第十二条及び第十四条を除く。)の規定は、適用しない。

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