新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.1505、2014/04/17 00:00 https://www.shinginza.com/cooling.htm
【民事  学習塾・特定商取引法・特定継続的役務提供契約・役務提供事業者・約款・規約・契約・パソコン教室・結婚相談所・家庭教師・エステティック・クーリングオフ・中途解約】

学習塾の途中退塾

質問:
 私は,以前の塾講師仲間と共同して学習塾を経営しているのですが,受講している児童の母親から,「塾の授業がよくないから子供をやめさせたい。」と言われました。私の技量を否定され,いい気はしませんでしたが,意向どおり,途中で退塾させることにしました。
 私たちの塾では,受講は1年ごと,途中退塾の際には一切返金しないことで保護者の方々にも合意いただいていたため,特に返金はしない旨伝えたところ,消費生活センターから,「全額返金するように」との通知がありました。一切返金なしということで事前にきちんと合意ができているのに,返金せよなどということが法的にとおるのでしょうか。また,仮に返金するとしても,今まで受講した分の授業料等については,先方もすでに利益を得ているのですから,返却などということにはならないのではないでしょうか。



回答:
1 学習塾における塾と保護者との契約は、特定商取引に関する法律(以下「特商法」といいます。)第4章に定める、特定継続的役務提供契約に該当するものとして,「特商法」の適用があります。そのため,保護者が児童を退塾させる方法として,同法に定められている,クーリング・オフと中途解約が考えられます(なお,細部に多少の差異はあるものの,パソコン教室・結婚相談所・家庭教師・エステティックなども,学習塾同様,特定継続的役務提供にあたるものとして,同様の規制を受けることになります)。

2 クーリング・オフは、「特商法」所定事項を記載した契約書を交付して8日経過していない場合や,契約書を交付していても記載に不備がある場合には,クーリング・オフができ,全額を返金しなければなりません。あなたの塾の場合,中途解約の条項に不備があるようですので,全額を返金する必要が出てきてしまいます。

3 中途解約は,クーリング・オフ期間経過後であっても,理由がなくても解約ができる制度です。中途解約の場合には,あなたがご指摘されたとおり,今まで受講した分の授業料については,先方もすでに利益を得ているため,返却はしないという扱いになります。

4 以上のとおり,事業者側にとってはそれなりに厳しいものですが,特商法上は以上のような制度となっています。そのため,規約を法令に則したものに改めない方が,経営上は有利であると考えるかたもいらっしゃるかもしれません。
 しかしながら,規約の条項に定めていなくとも特商法によってクーリング・オフや中途解約は可能ですし,書面の記載不備により,いつまでもクーリング・オフによる全額返金のリスクを負うよりは,中途解約による返金の限度にとどまるほうが,むしろ事業者にとっては有利といえます。なお,記載不備の書面交付は刑事罰の対象ともなりえます。いずれにせよ,クーリング・オフや中途解約が明記されたところでやめようなどとは思わない契約内容であれば問題はなく,法令順守の観点からも,交付書面の整備は事業者にプラスになろうと思われます。
 長期的な観点から見れば,規約を一度専門家に見てもらい,必要に応じ条項を法令に則したものに改めることが不可欠と思われます。

5 関連事務所事例集1444番1221番1196番1194番975番928番838番767番751番590番302番277番228番149番140番120番7番参照。



解説:
1 民法の原則と消費者保護法制
  民法上,契約は当事者間の意思の合致に基づいて成立し,一度成立した契約には相互に拘束されるのが原則です。従って、民法上は約束違反等の事情がなければ解約はできないことになっています。これは、私的自治の原則といって近代市民法の大原則ですが、その前提は対等な当事者間の契約です。しかし、現代社会では事業者と消費者の契約においては、両者は対等な当事者とは言えません。そこで、弱い立場にある消費者を保護する目的で一連の消費者の保護に関する法律が定められ(消費者契約法や割賦販売法)、特定商取引法でも、消費者を保護するという見地から、解約に関する特別な定めをしています。

  「特商法」41条2項は「国民の日常生活に係る取引において有償で継続的に提供される役務であって」[役務の提供を受ける者の知識の向上する目的を実現させることをもって誘因が行われ」[役務の性質上目的が実現されるかどうか確実でないもの]と政令で定める取引を特定継続的役務提供契約とする、としています。政令では、学習塾の場合、2カ月を超える契約で、総額5万円以上を支払う場合は特定継続的役務提供契約に該当すると定められています。本件のような学習塾の場合,特商法の特定継続的役務提供契約に関する規定の適用があります。そのため,保護者が児童を退塾させる方法として,同法上,クーリング・オフと中途解約が考えられます(なお,パソコン教室・結婚相談所・家庭教師・エステティックなども,学習塾同様,特定継続的役務提供にあたるものとして,同様の規制を受けることになります。エステティックについては1か月を超える契約)。

2 クーリング・オフ
 まず,特定継続的役務提供契約においては,いったんは契約を結んだものの,その後考え直して契約を取りやめたいという場合に,意思表示の撤回(いわゆる「クーリング・オフ」)の制度があります(特商法48条)。このクーリング・オフという制度は,理由如何を問わず,無条件に申込の意思表示を撤回できるという制度です。

 クーリング・オフの期間は,法令所定事項について契約内容を明らかにする書面を交付したときから8日以内とされています(同法48条1項・42条2項)。また,クーリング・オフがされた場合の効果としては,次のようなものがあります。

 すなわち,事業者は,消費者に対して損害賠償金または違約金の支払いを請求できず(同条4項),役務提供がすでに行われていたときでも,事業者は,消費者に対して役務の対価等の金銭の支払を請求できません(同条6項)。また,役務提供契約に関連して事業者が受領した金銭は,速やかに消費者に返還する必要があります(同条7項)。そして,これらに反する特約で消費者に不利益なものは,すべて無効とされます(同条8項)。つまり,@違約金は発生せず,また,A仮にすでに授業を受けていたとしても,その対価について支払う必要はなく,B仮に既に対価が支払われているのであれば,その返還をしなければならないため,クーリング・オフがなされた場合,受け取った金銭の全額を返金しなければならないのです。学習塾の場合教科書や問題集などを購入すると考えられますが、その代金は「役務提供契約に関連して事業者が受領した金銭」に該当しますからこれらの代金の返還も必要になります。

 つまり,交付する契約書に法令所定事項すべてについての十分な記載がない限り,学習塾側としては,いつでもクーリング・オフを受け,受領した金額の全額返金をしなければならないリスクを常に負い続けることとなります。また,その記載の仕方も細かい規制があり,それをクリアできなければ,やはり同様のリスクを負い続けます。

3 中途解約
  特商法所定の要件を満たす書面が交付されていた場合,書面交付日より8日を経過した後は,クーリング・オフはできません。もっとも,学習塾など政令で定められたいくつかの継続的契約の類型(既に述べた特商法上の「特定継続的役務提供契約」に該当する類型の契約)については,契約を継続していく中で実際のサービス内容や効果がわかってくるという面があること,長期間の間に事情が変更することもあることなどから,中途解約が認められています(特商法49条)。

 この場合,役務提供開始前であれば,契約の締結および履行のために通常要する費用の額(初期費用)を超える金額を請求することはできません(同法49条2項2号)。そして,学習塾の場合における上記「通常要する費用の額」は,1万1000円が上限です(同法施行令16条)。

 役務提供開始後であれば,提供された役務の対価に相当する額と契約解除によって通常生じる損害の額とを合算した額を超える金額を請求することはできません(同法49条2項1号)。そして,学習塾の場合における「契約解除によって通常生じる損害の額」は,「2万円または1か月分の対価に相当する額のいずれか低い額」が上限です(同法49条2項1号・同法施行令15条)。

4 以上のとおり,事業者側にとってはそれなりに厳しいものですが,特商法上は以上のような制度となっています。そのため,規約を法令に則したものに改めない方が,経営上は有利であると考えるかたもいらっしゃるかもしれません。

 しかしながら,規約の条項に定めていなくとも特商法によってクーリング・オフや中途解約は可能ですし,書面の記載不備により,いつまでもクーリング・オフによる全額返金のリスクを負うよりは,中途解約による返金の限度にとどまるほうが,むしろ事業者にとっては有利といえます。なお,記載不備の書面交付は刑事罰の対象ともなりえます。いずれにせよ,クーリング・オフや中途解約が明記されたところでやめようなどとは思わない契約内容・サービス内容であれば何ら問題はなく,法令順守の観点からも,交付書面の整備は事業者にプラスになろうと思われます。

 長期的な観点から見れば,規約を一度専門家に見てもらい,必要に応じ条項を法令に則したものに改めることが不可欠と思われます。

 さらには,契約前に契約書とは別に契約の概要を示した書面を交付する義務(特商法42条1項)や,業務・財産状況記載書類の備え置き・開示義務(同法45条1項)などもあります。

 これらについて一度チェックをする意味でも,専門家に相談されることが望ましいでしょう。


≪参照条文≫
特定商取引に関する法律
(特定継続的役務提供における書面の交付)
第四十二条  役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務の提供を受けようとする者又は特定継続的役務の提供を受ける権利を購入しようとする者と特定継続的役務提供契約又は特定権利販売契約(以下この章及び第五十八条の八において「特定継続的役務提供等契約」という。)を締結しようとするときは、当該特定継続的役務提供等契約を締結するまでに、主務省令で定めるところにより、当該特定継続的役務提供等契約の概要について記載した書面をその者に交付しなければならない。
2  役務提供事業者は、特定継続的役務提供契約を締結したときは、遅滞なく、主務省令で定めるところにより、次の事項について当該特定継続的役務提供契約の内容を明らかにする書面を当該特定継続的役務の提供を受ける者に交付しなければならない。
一  役務の内容であつて主務省令で定める事項及び当該役務の提供に際し当該役務の提供を受ける者が購入する必要のある商品がある場合にはその商品名
二  役務の対価その他の役務の提供を受ける者が支払わなければならない金銭の額
三  前号に掲げる金銭の支払の時期及び方法
四  役務の提供期間
五  第四十八条第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
六  第四十九条第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除に関する事項(同条第二項、第五項及び第六項の規定に関する事項を含む。)
七  前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
3  販売業者は、特定権利販売契約を締結したときは、遅滞なく、主務省令で定めるところにより、次の事項について当該特定権利販売契約の内容を明らかにする書面を当該特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者に交付しなければならない。
一  権利の内容であつて主務省令で定める事項及び当該権利の行使による役務の提供に際し当該特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者が購入する必要のある商品がある場合にはその商品名
二  権利の販売価格その他の当該特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者が支払わなければならない金銭の額
三  前号に掲げる金銭の支払の時期及び方法
四  権利の行使により受けることができる役務の提供期間
五  第四十八条第一項の規定による特定権利販売契約の解除に関する事項(同条第二項から第七項までの規定に関する事項を含む。)
六  第四十九条第三項の規定による特定権利販売契約の解除に関する事項(同条第四項から第六項までの規定に関する事項を含む。)
七  前各号に掲げるもののほか、主務省令で定める事項
(書類の備付け及び閲覧等)
第四十五条  役務提供事業者又は販売業者は、特定継続的役務提供に係る前払取引(特定継続的役務提供に先立つてその相手方から政令で定める金額を超える金銭を受領する特定継続的役務提供に係る取引をいう。次項において同じ。)を行うときは、主務省令で定めるところにより、その業務及び財産の状況を記載した書類を、特定継続的役務提供等契約に関する業務を行う事務所に備え置かなければならない。
2  特定継続的役務提供に係る前払取引の相手方は、前項に規定する書類の閲覧を求め、又は前項の役務提供事業者若しくは販売業者の定める費用を支払つてその謄本若しくは抄本の交付を求めることができる。

(特定継続的役務提供等契約の解除等)
第四十八条  役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務提供等契約を締結した場合におけるその特定継続的役務提供受領者等は、第四十二条第二項又は第三項の書面を受領した日から起算して八日を経過したとき(特定継続的役務提供受領者等が、役務提供事業者若しくは販売業者が第四十四条第一項の規定に違反してこの項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は役務提供事業者若しくは販売業者が同条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでにこの項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除を行わなかつた場合には、当該特定継続的役務提供受領者等が、当該役務提供事業者又は当該販売業者が主務省令で定めるところによりこの項の規定による当該特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過したとき)を除き、書面によりその特定継続的役務提供等契約の解除を行うことができる。
2  前項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除があつた場合において、役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務の提供に際し特定継続的役務提供受領者等が購入する必要のある商品として政令で定める商品(以下この章並びに第五十八条の八第二項及び第六十六条第二項において「関連商品」という。)の販売又はその代理若しくは媒介を行つている場合には、当該商品の販売に係る契約(以下この条、次条及び第五十八条の八第二項において「関連商品販売契約」という。)についても、前項と同様とする。ただし、特定継続的役務提供受領者等が第四十二条第二項又は第三項の書面を受領した場合において、関連商品であつてその使用若しくは一部の消費により価額が著しく減少するおそれがある商品として政令で定めるものを使用し又はその全部若しくは一部を消費したとき(当該役務提供事業者又は当該販売業者が当該特定継続的役務提供受領者等に当該商品を使用させ、又はその全部若しくは一部を消費させた場合を除く。)は、この限りでない。
3  前二項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除及び関連商品販売契約の解除は、それぞれ当該解除を行う旨の書面を発した時に、その効力を生ずる。
4  第一項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除又は第二項の規定による関連商品販売契約の解除があつた場合においては、役務提供事業者若しくは販売業者又は関連商品の販売を行つた者は、当該解除に伴う損害賠償若しくは違約金の支払を請求することができない。
5  第一項の規定による特定権利販売契約の解除又は第二項の規定による関連商品販売契約の解除があつた場合において、その特定権利販売契約又は関連商品販売契約に係る権利の移転又は関連商品の引渡しが既にされているときは、その返還又は引取りに要する費用は、販売業者又は関連商品の販売を行つた者の負担とする。
6  役務提供事業者又は販売業者は、第一項の規定による特定継続的役務提供等契約の解除があつた場合には、既に当該特定継続的役務提供等契約に基づき特定継続的役務提供が行われたときにおいても、特定継続的役務提供受領者等に対し、当該特定継続的役務提供等契約に係る特定継続的役務の対価その他の金銭の支払を請求することができない。
7  役務提供事業者は、第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除があつた場合において、当該特定継続的役務提供契約に関連して金銭を受領しているときは、特定継続的役務の提供を受ける者に対し、速やかに、これを返還しなければならない。
8  前各項の規定に反する特約で特定継続的役務提供受領者等に不利なものは、無効とする。
第四十九条  役務提供事業者が特定継続的役務提供契約を締結した場合におけるその特定継続的役務の提供を受ける者は、第四十二条第二項の書面を受領した日から起算して八日を経過した後(その特定継続的役務の提供を受ける者が、役務提供事業者が第四十四条第一項の規定に違反して前条第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は役務提供事業者が第四十四条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに前条第一項の規定による特定継続的役務提供契約の解除を行わなかつた場合には、当該特定継続的役務の提供を受ける者が、当該役務提供事業者が同項の主務省令で定めるところにより同項の規定による当該特定継続的役務提供契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過した後)においては、将来に向かつてその特定継続的役務提供契約の解除を行うことができる。
2  役務提供事業者は、前項の規定により特定継続的役務提供契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務の提供を受ける者に対して請求することができない。
一  当該特定継続的役務提供契約の解除が特定継続的役務の提供開始後である場合 次の額を合算した額
イ 提供された特定継続的役務の対価に相当する額
ロ 当該特定継続的役務提供契約の解除によつて通常生ずる損害の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額
二  当該特定継続的役務提供契約の解除が特定継続的役務の提供開始前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額として第四十一条第二項の政令で定める役務ごとに政令で定める額
3  販売業者が特定権利販売契約を締結した場合におけるその特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者は、第四十二条第三項の書面を受領した日から起算して八日を経過した後(その特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者が、販売業者が第四十四条第一項の規定に違反して前条第一項の規定による特定権利販売契約の解除に関する事項につき不実のことを告げる行為をしたことにより当該告げられた内容が事実であるとの誤認をし、又は販売業者が第四十四条第三項の規定に違反して威迫したことにより困惑し、これらによつて当該期間を経過するまでに前条第一項の規定による特定権利販売契約の解除を行わなかつた場合には、当該特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者が、当該販売業者が同項の主務省令で定めるところにより同項の規定による当該特定権利販売契約の解除を行うことができる旨を記載して交付した書面を受領した日から起算して八日を経過した後)においては、その特定権利販売契約の解除を行うことができる。
4  販売業者は、前項の規定により特定権利販売契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務の提供を受ける権利の購入者に対して請求することができない。
一  当該権利が返還された場合 当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額(当該権利の販売価格に相当する額から当該権利の返還されたときにおける価額を控除した額が当該権利の行使により通常得られる利益に相当する額を超えるときは、その額)
二  当該権利が返還されない場合 当該権利の販売価格に相当する額
三  当該契約の解除が当該権利の移転前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
5  第一項又は第三項の規定により特定継続的役務提供等契約が解除された場合であつて、役務提供事業者又は販売業者が特定継続的役務提供受領者等に対し、関連商品の販売又はその代理若しくは媒介を行つている場合には、特定継続的役務提供受領者等は当該関連商品販売契約の解除を行うことができる。
6  関連商品の販売を行つた者は、前項の規定により関連商品販売契約が解除されたときは、損害賠償額の予定又は違約金の定めがあるときにおいても、次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める額にこれに対する法定利率による遅延損害金の額を加算した金額を超える額の金銭の支払を特定継続的役務提供受領者等に対して請求することができない。
一  当該関連商品が返還された場合 当該関連商品の通常の使用料に相当する額(当該関連商品の販売価格に相当する額から当該関連商品の返還されたときにおける価額を控除した額が通常の使用料に相当する額を超えるときは、その額)
二  当該関連商品が返還されない場合 当該関連商品の販売価格に相当する額
三  当該契約の解除が当該関連商品の引渡し前である場合 契約の締結及び履行のために通常要する費用の額
7  前各項の規定に反する特約で特定継続的役務提供受領者等に不利なものは、無効とする。

特定商取引に関する法律施行令
(法第四十九条第二項第一号 ロの政令で定める額)
第十五条  法第四十九条第二項第一号 ロの政令で定める額は、別表第四の第一欄に掲げる特定継続的役務ごとに同表の第三欄に掲げる額とする。
(法第四十九条第二項第二号 の政令で定める額)
第十六条  法第四十九条第二項第二号 の政令で定める額は、別表第四の第一欄に掲げる特定継続的役務ごとに同表の第四欄に掲げる額とする。


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