新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.1403、2013/01/29 19:00 https://www.shinginza.com/qa-hanzai.htm

【刑事・罰金による執行猶予の任意的取消・東京地裁昭和40年10月20日決定】

質問:私の息子は,置き引きの窃盗で懲役1年6ヶ月執行猶予3年の判決を2年9カ月前に受け,現在執行猶予中です。このたび,東京都内の繁華街でキャバクラの客引きをして,東京都の公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例7条1項3号違反ということで逮捕され,警察・検察からは罰金刑になるだろうと言われているのですが,前科の執行猶予が裁量的取消になるかもしれないよ,とも言われ,とても心配です。罰金刑による執行猶予の裁量的取消とはどのような場合に行われるのでしょうか。



回答:
1.刑法第26条の2で,「猶予の期間内に更に罪を犯し,罰金に処せられたとき。」は,「刑の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。」と定められています。これを,「執行猶予の裁量的取り消し」と言います。
2.執行猶予の裁量的取消は,裁判所の裁量により執行猶予が取消される訳ですが,手続きとしては取消しの事由を具体的に記載した書面により検察官が請求し,裁判所が決定することになっています。その際には取消しの事由があることを認めるべき資料の提出も必要とされています。そして,裁判所が取消の決定を行うには,猶予の言渡しを受けた者又はその代理人の意見を聴く必要があります。このように,最終的には裁判所が執行猶予の取消を判断しますが,実務の取り扱いとしては,検察官が執行猶予の取消を請求するとほとんどの場合,取消決定がなされています。そこで,罰金刑が,執行猶予期間中に確定してしまった場合検察官に対して執行猶予の取消請求をしないよう働き掛ける(弁護活動を行う)必要があります。
3.罰金刑による執行猶予の取消の場合,罰金刑に処せられた罪の犯情のみならず執行猶予者の行状等も考慮の対象とされるので(大コンメンタール刑法第2版第1巻603頁),今回の客引き行為が悪質なものでないこととともに,執行猶予中の生活状況が真面目であり,今後も生活を律することができる旨をまずは請求者である検察官に対して理解してもらうよう努力する必要があります。
4.更に,この場合の保釈の取消は執行猶予期間中に罰金刑が確定した場合にのみ認められますから,刑の確定前に執行猶予期間が満了してしまえば,執行猶予の取消はできないことになります。そこで,あなたが執行猶予の取消が心配という場合,残り3か月ですから罰金刑の確定を執行猶予期間が満了するまで引き延ばす,という方法も検討する余地があります。具体的には,今回の事件の違法性や責任や情状など,息子さんにとって有利な事情について検察官が理解を示さないようであれば,略式手続に同意せず,正式の裁判を選択することも可能です。又,略式手続きに同意したとしても罰金額に納得できない場合には略式命令に対する異議申し立ても考えましょう。
5.執行猶予に関する関連事例集1349番,1040番,137番参照。

解説:

(執行猶予の裁量的取消の趣旨)
まず,執行猶予とは,有罪による刑罰の言い渡しを行うが,情状により直ちに執行せずにある期間猶予してその期間が経過すると言い渡しは法的効力を失い前科が抹消されることです。その法的性格は,刑罰自体ではなく刑罰の付随処分です。有罪になって刑が言い渡されたのにどうして執行しないのか,前科を抹消するのかという疑問があると思います。しかし刑法の真の目的は,法の支配の理念から,正義にかなう公正な法社会秩序の建設であり,そのためには,更生して社会に復帰し法を遵守する可能性が大きい犯罪者には,国家が犯罪者のレッテルを直ちに貼ることを避けて更生復帰させ(短期自由刑の弊害防止),又執行猶予を取り消されるかもしれないという効果により再犯を予防しながら真に更生,社会復帰する道を与えることが必要です。
しかし執行猶予は,有罪,刑の言い渡し,執行の原則に対する例外的処置ですから,執行猶予中に再度罪を犯した場合は,原則として更生,社会復帰の可能性がないものと判断されて刑に服することになるわけです。ただ,罰金の様な違法性,責任が軽微であると思われる犯罪については更生の可能性の判断を個別,具体的に検討して判断することになりますが執行猶予の趣旨からその要件は厳しいものとなります。

1 執行猶予の裁量的取消(刑法26条の2第1号)とは
(1) 検察官の請求
刑の執行猶予の取消しには検察官の請求が必要とされています(東京高裁昭和30年7月20日判決)。そして,検察官が刑の執行猶予の言渡しの請求をするには取消しの事由を具体的に記載した書面でしなければならず(刑訴規則222条の4),その際は,取消しの事由があることを認めるべき資料を裁判所に差し出さなければなりません(同条の5)。

(2) 裁判所の決定
次に,執行猶予言渡しの取消しは,裁判所が猶予の言渡しを受けた者又はその代理人の意見を聴いて決定により行うこととされており(刑訴法349条の2第1項),実務上は,意見の記載欄を設けた求意見書を送付して意見を求めています。
そして,裁判所は決定をするについて必要があると認めるときは事実の取り調べをすることができ(刑訴法43条3項,刑訴規則33条3項,同4項),その際必要があれば猶予の言渡しを受けた者に出頭を命じることも認められています(刑訴規則222条の8)。
そして,裁判所は検察官の請求に理由がある時は執行猶予の取消決定をし,請求に理由のないとき,請求が不適法なとき,管轄以外の裁判所にされたときは,請求却下の決定をしますが,この決定に対しては即時抗告をすることが認められています(刑訴349条の2第5項)。

2 裁量的取消の参考事例
(1) 執行猶予取消しを肯定したもの
前の執行猶予の犯罪と罰金の犯罪とは,罪質を異にしていたとしても犯罪の情状や執行猶予期間中の生活態度等を判断して執行猶予の取消を肯定した裁判例を紹介します。業務上横領罪により,懲役1年,4年間の執行猶予付きの確定判決を受けた者が,その執行猶予期間中に,脅迫,傷害の罪によって罰金1万円に処せられた事例について,執行猶予取消しを認めた1審判決に対する即時抗告において,「この刑の執行猶予の言渡を取り消す場合は前の執行猶予の言渡をうけた罪と,後の罰金刑に処せられた罪とが同一罪質のものに限るべきものとは解せられないのである。又後の罰金刑に処せられた罪の犯情が比較的軽微であっても諸般の事情から考えて取り消すことが相当を認められるときは取り消しうるものであることは言うまでもないところである。今本件についてこれを見るに,右脅迫,傷害罪の案件は罰金刑に処せられてはいるけれども,犯罪の情状は必ずしも偶発的単純軽微なものとは認められないのである。その他抗告人の性行境遇等諸般の事情を勘案すれば原裁判所が,右刑の執行猶予の言渡を取り消したのは相当と認められ,これをもって失当とは未だ認め難いところである。」と判示しました(東京高裁昭和30年11月8日決定)。

(2) 執行猶予取消しを否定したもの(否定例その1)
次に,前の犯罪と罪質が異なり,違法性も低いこと,執行猶予期間中の生活態度を考慮し執行猶予の取消請求を認めた決定を取り消し検察官の請求を棄却した裁判例を紹介します。恐喝,建造物損壊の罪により,懲役1年執行猶予4年判決を受けた者が,その執行猶予期間中に,自己の経営するバーで15歳未満の児童3名を多数回にわたって酒席に侍する行為を業務としてさせたという児童福祉法違反の罪によって罰金2万円に処せられた事例について,「右事件のこのような経過,右犯罪がそれ程悪質のものとは認められず,かつ前記の恐喝,建造物損壊と罪質も異にすること,申立人は,その後今日まで過誤なく身を持していること等の諸事情に鑑みると,原決定の如く執行猶予の言渡を取り消して申立人を服役させるよりはむしろ同人に今一度更生の機会を与えて完全な社会復帰を期待することが刑政上適当であるというべきである。」と判示して,執行猶予取消しを肯定した原決定を取り消して検察官の執行猶予取消請求を棄却しました(名古屋高裁昭和40年2月23日決定)。

(3) 執行猶予取消しを否定したもの(否定例その2)
窃盗罪により,懲役1年6月保護観察付執行猶予5年の判決を受けた者が,その執行猶予期間中に,スピード違反の道路交通法違反の罪によって2回,交通人身事故及び不救護の業務上過失傷害,道路交通法違反の罪によって1回それぞれ罰金刑に処せられ,しかも執行猶予中の多数回にわたる窃盗,同未遂,業務上過失傷害,道路交通法違反の罪によって,起訴され,保釈中逃走し,保釈取消決定を受け,その後収監され,裁判審理中であるという事例について,「この場合には猶予期間内の罰金の回数,罰金額の多寡,右罰金刑の対象となった犯罪の罪種及び犯情,この罰金刑と執行猶予取消の対象となっている懲役刑との比較(例えば少額の罰金刑を科せられたがために長期の懲役刑の執行猶予の取消をうけることになりはしないかなど),その他,被猶予者の行状などを検討するほか,この被猶予者が猶予を取り消されることにより不当の損害をうけることはないかを具体的個別的に判断して,執行猶予の取消が相当であるかどうかを決定すべきである。」「執行猶予期間中に右のような交通事故を惹起して罰金3回に処せられたのみでは,未だ懲役1年6月に対する執行猶予取消の事由と解するには,不十分というべきである。」「執行猶予に保護観察を付されている被猶予者としては,遵守すべき事項を遵守せず,その情状が重いものとして刑法26条の2第2号により執行猶予言渡の取消をうけることも考えられようが,この手続については刑訴349条2項,同条の2,執行猶予者保護観察法9条,11条などの特別規定を受ける以上,刑法26条の2第1号を事由とする本件にあっては,その理由がないからといって,職権で同第2号の事由の有無を判断することは許されないのである。」などと判示して,検察官の執行猶予取消請求を棄却した東京地裁昭和40年10月20日決定があります。

(4) 裁判例のまとめ
これらの裁判例では,前科の犯情,罰金刑に係る罪の犯情,前科と同種であるか否か,その後の行状等が考慮されていることが伺えます。そこで,これらの事情を中心に,今回の罰金刑によって執行猶予が取り消されるという事態を避けるべく,検察官と交渉を重ねていくことになります。また,仮に検察官に執行猶予の裁量的取消を請求されてしまった場合には,より事情を集め,裁判所へ意見を伝えることで取消を回避するよう努力することになります。そのような交渉や資料収集には,弁護人を選任の上でお進めになるのがよろしいかと思いますので,早急に弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

3 このような裁判例をみると,執行猶予の判決を受けた犯罪が置き引き窃盗で,今回の罰金刑が迷惑防止条例違反ということであれば,罪質もことなり,犯情も悪質とは言えないと考えられ,執行猶予期間中の生活態度にもよりますが,執行猶予の取消を検察官が請求しない可能性が高いとも考えられます。しかし,万一取り消しを請求されると大変ですから,もし,まだ罰金刑が確定していないということであれば,執行猶予期間中に罰金刑が確定しないように,略式命令手続きではなく正式裁判手続きを選択したり,第一審判決が出ても控訴・上告するなどして判決内容を争うなど,法律で認められた範囲内の手続きをとることは当然の権利として行使可能です。略式命令の同意書を検察官に提出し略式命令の告知を受けてしまった場合でも,14日以内であれば正式裁判の請求をすることにより,判決確定の効力を一時回避することができます(刑事訴訟法465条1項,同470条)。執行猶予の裁量的取消を受けるかどうかは,息子さんの生活に重大な影響を与える問題です。刑事手続に詳しい法律事務所にご相談なさった上で手続きすると良いでしょう。

(参照条文)

東京都:公衆に著しく迷惑をかける暴力的不良行為等の防止に関する条例
第七条 何人も,公共の場所において,不特定の者に対し,次に掲げる行為をしてはならない。
五 次のいずれかに該当する役務に従事するように勧誘すること。
イ 人の性的好奇心に応じて人に接する役務(性的好奇心をそそるために人の通常衣服で隠されている下着又は身体に接触し,又は接触させる卑わいな役務を含む。以下同じ。)
ロ 専ら異性に対する接待をして酒類を伴う飲食をさせる役務(イに該当するものを除く。)
第八条 次の各号のいずれかに該当する者は,六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
4五 第七条第一項の規定に違反した者

刑法
(執行猶予の裁量的取消し)
第二十六条の二  次に掲げる場合においては,刑の執行猶予の言渡しを取り消すことができる。
一  猶予の期間内に更に罪を犯し,罰金に処せられたとき。
二  第二十五条の二第一項の規定により保護観察に付せられた者が遵守すべき事項を遵守せず,その情状が重いとき。
三  猶予の言渡し前に他の罪について禁錮以上の刑に処せられ,その執行を猶予されたことが発覚したとき。

刑事訴訟法
第四十三条  判決は,この法律に特別の定のある場合を除いては,口頭弁論に基いてこれをしなければならない。
○2  決定又は命令は,口頭弁論に基いてこれをすることを要しない。
○3  決定又は命令をするについて必要がある場合には,事実の取調をすることができる。
○4  前項の取調は,合議体の構成員にこれをさせ,又は地方裁判所,家庭裁判所若しくは簡易裁判所の裁判官にこれを嘱託することができる。
第三百四十九条  刑の執行猶予の言渡を取り消すべき場合には,検察官は,刑の言渡を受けた者の現在地又は最後の住所地を管轄する地方裁判所,家庭裁判所又は簡易裁判所に対しその請求をしなければならない。
第三百四十九条の二  前条の請求があつたときは,裁判所は,猶予の言渡を受けた者又はその代理人の意見を聴いて決定をしなければならない。
○3  第一項の決定をするについて口頭弁論を経る場合には,猶予の言渡を受けた者は,弁護人を選任することができる。
○4  第一項の決定をするについて口頭弁論を経る場合には,検察官は,裁判所の許可を得て,保護観察官に意見を述べさせることができる。
○5  第一項の決定に対しては,即時抗告をすることができる。

刑事訴訟規則
第三十三条 決定は,申立により公判廷でするとき,又は公判廷における申立によりするときは,訴訟関係人の陳述を聴かなければならない。その他の場合には,訴訟関係人の陳述を聴かないでこれをすることができる。但し,特別の定のある場合は,この限りでない。
3  決定又は命令をするについて事実の取調をする場合において必要があるときは,法及びこの規則の規定により,証人を尋問し,又は鑑定を命ずることができる。
4  前項の場合において必要と認めるときは,検察官,被告人,被疑者又は弁護人を取調又は処分に立ち会わせることができる。
(執行猶予取消請求の方式・法第三百四十九条)
第二百二十二条の四  刑の執行猶予の言渡の取消の請求は,取消の事由を具体的に記載した書面でしなければならない。
(資料の差出し・法第三百四十九条)
第二百二十二条の五  刑の執行猶予の言渡しの取消しの請求をするには,取消しの事由があることを認めるべき資料を差し出さなければならない。その請求が刑法第二十六条の二第二号の規定による猶予の言渡しの取消しを求めるものであるときは,保護観察所の長の申出があつたことを認めるべき資料をも差し出さなければならない。
(請求書の謄本の差出し,送達・法第三百四十九条等)
第二百二十二条の六  刑法第二十六条の二第二号の規定による猶予の言渡しの取消しを請求するときは,検察官は,請求と同時に請求書の謄本を裁判所に差し出さなければならない。
2 裁判所は,前項の謄本を受け取つたときは,遅滞なく,これを猶予の言渡を受けた者に送達しなければならない。
(口頭弁論請求権の通知等・法第三百四十九条の二)
第二百二十二条の七  裁判所は,刑法第二十六条の二第二号の規定による猶予の言渡しの取消しの請求を受けたときは,遅滞なく,猶予の言渡しを受けた者に対し,口頭弁論を請求することができる旨及びこれを請求する場合には弁護人を選任することができる旨を知らせ,かつ,口頭弁論を請求するかどうかを確かめなければならない。
2 前項の規定により口頭弁論を請求するかどうかを確めるについては,猶予の言渡を受けた者に対し,一定の期間を定めて回答を求めることができる。
(出頭命令・法第三百四十九条等)
第二百二十二条の八  裁判所は,猶予の言渡の取消の請求を受けた場合において必要があると認めるときは,猶予の言渡を受けた者に出頭を命ずることができる。
第四百六十一条  簡易裁判所は,検察官の請求により,その管轄に属する事件について,公判前,略式命令で,百万円以下の罰金又は科料を科することができる。この場合には,刑の執行猶予をし,没収を科し,その他付随の処分をすることができる。
第四百六十一条の二  検察官は,略式命令の請求に際し,被疑者に対し,あらかじめ,略式手続を理解させるために必要な事項を説明し,通常の規定に従い審判を受けることができる旨を告げた上,略式手続によることについて異議がないかどうかを確めなければならない。
2項 被疑者は,略式手続によることについて異議がないときは,書面でその旨を明らかにしなければならない。
第四百六十二条  略式命令の請求は,公訴の提起と同時に,書面でこれをしなければならない。
2項 前項の書面には,前条第二項の書面を添附しなければならない。
第四百六十三条  前条の請求があつた場合において,その事件が略式命令をすることができないものであり,又はこれをすることが相当でないものであると思料するときは,通常の規定に従い,審判をしなければならない。
2項 検察官が,第四百六十一条の二に定める手続をせず,又は前条第二項に違反して略式命令を請求したときも,前項と同様である。
3項 裁判所は,前二項の規定により通常の規定に従い審判をするときは,直ちに検察官にその旨を通知しなければならない。
4項 第一項及び第二項の場合には,第二百七十一条の規定の適用があるものとする。但し,同条第二項に定める期間は,前項の通知があつた日から二箇月とする。
第四百六十三条の二  前条の場合を除いて,略式命令の請求があつた日から四箇月以内に略式命令が被告人に告知されないときは,公訴の提起は,さかのぼつてその効力を失う。
2項 前項の場合には,裁判所は,決定で,公訴を棄却しなければならない。略式命令が既に検察官に告知されているときは,略式命令を取り消した上,その決定をしなければならない。
3項 前項の決定に対しては,即時抗告をすることができる。
第四百六十四条  略式命令には,罪となるべき事実,適用した法令,科すべき刑及び附随の処分並びに略式命令の告知があつた日から十四日以内に正式裁判の請求をすることができる旨を示さなければならない。
第四百六十五条  略式命令を受けた者又は検察官は,その告知を受けた日から十四日以内に正式裁判の請求をすることができる。
2項 正式裁判の請求は,略式命令をした裁判所に,書面でこれをしなければならない。正式裁判の請求があつたときは,裁判所は,速やかにその旨を検察官又は略式命令を受けた者に通知しなければならない。
第四百六十六条  正式裁判の請求は,第一審の判決があるまでこれを取り下げることができる。
第四百六十七条  第三百五十三条,第三百五十五条乃至第三百五十七条,第三百五十九条,第三百六十条及び第三百六十一条乃至第三百六十五条の規定は,正式裁判の請求又はその取下についてこれを準用する。
第四百六十八条  正式裁判の請求が法令上の方式に違反し,又は請求権の消滅後にされたものであるときは,決定でこれを棄却しなければならない。この決定に対しては,即時抗告をすることができる。
2項 正式裁判の請求を適法とするときは,通常の規定に従い,審判をしなければならない。
3項 前項の場合においては,略式命令に拘束されない。
第四百六十九条  正式裁判の請求により判決をしたときは,略式命令は,その効力を失う。
第四百七十条  略式命令は,正式裁判の請求期間の経過又はその請求の取下により,確定判決と同一の効力を生ずる。正式裁判の請求を棄却する裁判が確定したときも,同様である。


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