新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.1320、2012/8/9 14:33 https://www.shinginza.com/qa-syounen.htm

【少年事件・観護措置とその争う方法・東京家裁平成13年7月27日決定】

質問: 先日,16歳の息子が原動機付自転車を盗んだという理由で,鑑別所に送られてしまいました。警察署に留置されていたときには,息子は,ほとんど警察の方に話をしなかったようです。私としては,息子が本当に盗んだのかどうかも定かではありません。鑑別所とはどのような場所なのでしょうか。息子が心配でなりません。鑑別所から息子を出すことはできないのでしょうか。

回答:
1.鑑別所がいかなる場所かという点につきましては,解説の項の1,(2)にその詳細を記載しておきましたが,簡単に説明しますと,少年の心身をテストする場所と考えてもらってよいかと思います。すなわち,知能検査や心理テストなどを行う場所であって,刑務所などとは全く異なった施設です。その目的は,少年の公正,適正な審判を行うためです。在宅でも,公正,適正な審判がなされるようであれば観護措置を取る必要がありません。
2.鑑別所内において,息子さんが大変な状況に置かれているということは一般的にいってありませんのでご安心して結構だと思います。もっとも,息子さんとしては,鑑別所外との接触を制限され,学校などにも行くことができない状況が4週間程度続く可能性がありますので,鑑別所から息子さんが自宅へ戻す手続きを検討する必要があります。当たり前のことですが,少年の教育,監督は,愛情あふれる家庭環境が一番適切だからです。又少年の原則勾留禁止の原則(少年法43条3項)からも当然求められます。
3.鑑別所から出るためには,観護措置という措置を解除する必要があります。そのための方法としましては,解説の項の3にその詳細を記載しておきました。観護措置取消,異議申立,試験観察です。もっとも,かかる方法は法的な問題も少なくなく,弁護士などの専門家にご相談されることをお勧めします。
4.少年事件関連事例集論文1315番1314番1113番1087番1039番777番716番714番649番461番403番291番244番161番参照。

解説:
(少年法の趣旨)
  少年の刑事事件についてどうして刑法の他に少年法が規定されているのか簡単に説明します。刑法とは犯罪と刑罰に関する法律の総称であり,刑罰は犯罪に対する法律上の効果として行為者に科せられる法益の剥奪,制裁を内容とする強制処分です。刑法の最終目的は国家という社会の法的秩序を維持するために存在します。どうして罪を犯した者が刑罰を受けるかという理論的根拠ですが,刑罰は,国家が行為者の法益を強制的に奪うわけですから,近代立憲主義の原則である個人の尊厳の保障,自由主義,(本来人間は自由であり,その個人に責任がない以上社会的に個々の人が最大限尊重されるという考え方)個人主義(全ての価値の根源を社会全体ではなく個人自身に求めるもの,民主主義の前提です)の見地から,刑罰の本質は個人たる行為者自身に不利益を受ける合理的理由が不可欠です。その理由とは,自由に判断できる意思能力を前提として犯罪行為者が犯罪行為のような悪いことをしてはいけないという社会規範(決まり)を守り,適法な行為を選択できるにもかかわらずあえて違法行動に出た態度,行為に求める事が出来ます(刑法38条1項)。そして,その様な自分を形成し生きて来た犯罪者自身の全人格それ自体が刑事上の不利益を受ける根拠となります(これを刑法上道義的責任論といいます。判例も同様です。対立する考え方に犯罪行為者の社会的危険性を根拠とし,社会を守るために刑罰があるとする社会的責任論があります)。

  すなわち,刑事責任の大前提は行為者の自由意志である是非善悪を弁別し,その弁別にしたがって行動する能力(責任能力)の存在が不可欠なのです。この能力は,画一的に刑法上14歳以上と規定されていますから,少年であっても理論的には直ちに刑罰を科すことが出来るはずです。しかし,少年は刑事的責任能力としての最低限の是非善悪の弁別能力があったとしても総合的に見れば精神的,肉体的な発達は不十分,未成熟であり,周りの環境に影響を受けやすく人格的には成長過程にあります。従って,少年に対して形式上犯罪行為に該当するからといって直ちに成人と同様に刑罰を科するよりは,人格形成の程度原因を明らかにして犯罪の動機,原因,実体を解明し少年の性格,環境を是正して適正な成長を助けることが少年の人間としての尊厳を保障し,刑法の最終目的である適正な法社会秩序の維持に合致します。又,道義的責任論の根拠は,元々その人間が違法行為をするような全人格を形成してきた態度にあり,未だ成長過程にある未成熟な少年に刑罰を直ちに科す事は道義的責任論からも妥当ではありません。そこで,人格性格の矯正が可能な少年については処罰よりも性格の矯正,環境の整備,健全な教育育成を主な目的とした保護処分制度(保護観察,少年院送致等)及び少年に特別な手続(観護措置,鑑別所送致)が優先的に必要となるのです。更に少年の捜査等の刑事手続,家庭裁判所の裁判等の判断についても以上の観点から適正な解釈が求められます。

1(観護措置とは)
  観護措置とは,家庭裁判所が,調査・審判を行うために,少年の心情の安定を図りながら,その身体を保全するための措置をいいます(少年法17条1項)。その目的は,少年の公正,適正な審判を行うためです。従って,在宅でも,公正,適正な審判がなされるようであれば観護措置を取る必要がありません。刑事事件における少年の勾留禁止の基本趣旨からいえば,家裁送致後も在宅で少年の審判のための調査(必要であれば,在宅観護,少年法17条1項1号。)を行うのが原則です。
  観護措置には,家庭裁判所調査官の観護に付する在宅観護(少年法17条1項1号)と少年鑑別所(「鑑別所」と同じ意味です)に送致する収容観護(少年法17条1項2号)に大別されますが,実務上は,前者の在宅観護に付されることは極めて稀であり,後者の収容観護に付されるのが一般的といえ,観護措置といった場合,多くの場合後者を指します。そのため,以下では,在宅観護との記載がない場合には,収容観護を前提として解説していると理解してください。

(1)観護措置の要件 
   監護処置の趣旨から以下の要件を拡大解釈することはできません。家庭裁判所が観護措置を決定するためには,少年が以下の要件を充足する必要があると考えられています。
ア 審判条件があること
 イ 少年が非行を犯したことを疑うに足りる事情があること
 ウ 審判を行う蓋然性があること
 エ 観護措置の必要性が認められること
   そして,エの観護措置の必要性は,以下のいずれかの事由がある場合に認められると考えられています。
 a 少年の身体を確保しておく必要があること(逃亡や罪証隠滅のおそれがあるような場合)
 b 緊急に少年の保護が必要であること(自殺自傷のおそれや虐待されているおそれがある場合)
 c 少年を収容して心身鑑別をする必要があること
  cの要件は観護の必要性として認められないとの見解も存在しますが,実務上はcを満たす場合にも観護の必要性ありとして観護措置がなされるケースが多くあります。

(2)少年鑑別所とは
 ア 少年鑑別所は,少年の科学的な調査と診断を行うことを目的とした法務省管轄の専門施設です(少年院法16条)。少年鑑別所について,刑務所や少年院と同じイメージを持っている人や,あるいは混同している人も多くいますが,少年鑑別所は,刑務所や少年院とは全く異なる施設です。
   少年鑑別所は,上記のとおり,そもそも,後に審判を控えている点で,判決や審判終了後を前提とする刑務所や少年院とは異なります(刑務所については,判決終了後のみには限られませんが)。

 イ それでは,具体的に,少年鑑別所では,どのようなことがおこなわれているのでしょうか。
   答えからいいますと,少年鑑別所内では,知能検査,心理テスト,面接,日記,作文,読書など教育的な処遇がなされます。これらの結果は,判定会議において意見がまとめられ,鑑別結果通知書として家庭裁判所に送られ,審判の判断資料となります。

 ウ 少年鑑別所に送られてしまったと家族が大慌てをしてしまうケースが多くありますが,少年鑑別所は,少年に罰を与える施設でもなければ,牢獄に入れられるというような施設でもないため,そのような誤解されたイメージからくる不安については,心配される必要はありません。少年鑑別所に入所することによって,非行の原因が見えてくることや規則的な生活習慣がつくなど,少年の更生にとってよい場合すらあります。
   とはいえ,少年鑑別所にいる間は,原則として外部との接触が制限されますし,学校や仕事へ行くこともできず,孤独感を感じてしまう少年も多いことは事実ですので,観護措置決定を事前に防ぎ,又は観護措置を事後に争うことも必要な場面は当然あります。観護措置の阻止方法,観護措置に対する不服申し立て方法については,後記します。

(3)観護措置の期間
   観護措置の期間は,原則として,2週間を超えることができず,特に継続の必要があるときには,1回に限り更新することが認められ,4週間まで延長されます(少年法17条3項,4項)。
    一定の重大事件においては,一定の要件の下,さらに延長が許され,最長8週間まで延長されることがあります(少年法17条4項但書)。多くの事案においては,1回の延長が認められ,4週間の観護措置がなされます。
   これは,家庭裁判所において審判をするための資料を整える期間として4週間程度が必要不可欠であるケースが多いことにも基づくものと思われますが,少年側にとっても,審判の準備(反省,示談,環境調整など)をする期間として4週間程度は,必要な期間であると思われます。

(4)面会
   付添人以外の一般面会は,近親者,保護者その他少年鑑別所が必要と認める者に限って許可されます(少年鑑別所処遇規則38条)。 一般面会においては,少年鑑別所の職員が立ち会うのが一般的です(少年鑑別所処遇規則39条1項)。また,面会時間は,比較的短く,15分程度であることが多くあります。

2 (観護措置の事前阻止)
  観護措置決定が行われるのは,一般的に,家庭裁判所に送致される日です(24時間以内に判断されますから対策には付添人が不可欠です。)。
  家庭裁判所の裁判官は,少年に告知聴聞の機会を与えた上で審問を行い,観護措置をとるかどうかの決定をします。少年は,その特殊性として,成人との比較上,自己の意思及び経験をうまく相手に伝えることができないことが多いため,これを裁判官にうまく伝える必要があります。また,観護措置の必要性がない事情や観護措置決定による弊害(例えば,学期末試験を直前に控えている等)を説得的に裁判官に伝える必要があるのですが,どのような事情がかかる事情として考慮されるかについての判断は,法的な問題とも関連し,少年自身や保護者の方では困難と考えられます。
  このような場合,弁護士(付添人)が保護者とともに事前に書面で裁判官に観護措置の必要性がないこと及び観護措置決定による弊害を伝え,裁判官と面談をすることが極めて重要になるものと思われます。

  具体的対策ですが,家庭でも,審判のための適正な調査ができるという資料を積極的に用意し(警察に逮捕された時から)提出する準備をして,裁判官と面接して説得することです。@両親の身柄引受・監督書,A少年の謝罪文,B両親,親族,特に愛情のある祖母祖父(孫はかわいいのが普通なので,意外と効果があります。)の謝罪文,監督書等なるべく多く。C学校の内申書,学校に分かっていれば,先生の上申書,クラブ活動の内容,D通知票,E両親の陳述書,誓約書,F勤務先があれば上司の上申書G被害者との,示談書,予定の経過説明書,これが一番重要です。H罪の軽減を求める被害者の上申書。
  以上の書類は,取消,異議も申し立て,調査官との協議でも使用できますので準備が必要不可欠です。なにも主張しないと,家裁送致の時の捜査機関,検察官の意見(家裁送致に関して意見書が添付されています。刑事事件について当事者主義に基づき処罰を求める立場から家裁送致後の意見も厳しく,重くなるのが通常です。又勾留請求が却下された事件で,余罪捜査のため観護措置という身柄拘束を事実上利用する場合も予想されますから,安易な対応は少年の人身の自由保護のため許されません。)に裁判官は事実上影響を受けで簡単に措置決定を行います。

3 (観護措置に対する事後の不服申し立て)
(1)異議申立て(少年法17条の2)
   少年法17条の2は,少年,その法定代理人又は付添人に観護措置決定に対し,異議申し立てをすることを認めています。異議申し立て自体は,観護措置取消しと異なり,法的な権利となります。

(2)観護措置取消申立て(少年法17条8項)
   観護措置は,その必要性がなくなったときには,速やかに取り消されなければならないとされている関係上,観護措置決定後に生じた事情や調査等を踏まえて,観護措置の必要性がなくなったとして,その取り消しを求めることが考えられます。

(3)不服申し立てとしていずれを選択すべきか
   異議申立てと観護措置取消申立てのいずれの方法をとるべきかについて は,個別の事案ごとに異なると思われますので,弁護士など専門家にご相談されることをお勧めしますが,以下では,簡単な説明をします。

ア 異議申立てを行った場合には,観護措置決定を行った裁判官を含まない合 議体で,観護措置決定の判断を行います。そのため,観護措置決定を行った裁判官以外の目線で当該事件を見てもらえるというメリットがあります(ただし,観護措置取消申立においても観護措置決定を行った裁判官とは別の裁判官が判断することもあります)。
  観護措置決定前の事情を別な視点から再度適正に検討してほしい場合には,異議申立てを行うことを検討すべきです。

イ 他方,事件内容に接している裁判官に判断してもらいたい場合,観護措置決定後に新しい事情を主張できるような場合,事件記録の移動による時間のロスを避けたい場合(実際には,異議申立てを行った場合でも迅速に処理が行われるのが一般的です)には,観護措置取消申立てを検討すべきです。

ウ もっとも,観護措置決定に比べ,観護措置取消申立て段階における裁判官 の検討は,より厳密なものとなるのが一般的ですし,その結果として,観護措置を取り消すことに積極的になってもらえる場合が多いことから,実務上の運用としては,観護措置取消申立てが多用されているようです。但し,担当裁判官の少年に対する評価が適正でないと判断する場合は(すでに全ての主張,資料をすでに担当裁判官に提出し評価を求めている場合),他の裁判官の判断を求める必要があります。

エ その他,一旦身柄を家庭に戻し予想される重い保護処分を回避するために試験観察を求める場合があります。公的ボランティア活動を数か月行い,真の少年の性格,社会に対する順応性を主張し,的確な審判を求めます(少年法25条)。
オ いずれの方法を取るにせよ,前記書類を積極的に準備し万全の対策が必要です。

4 判例検討

東京家裁平成平成13年7月27日決定。(少年16歳)火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反保護事件の観護措置決定に対する異議申立て事件。

共犯事件でも,観護措置が否定された事件であり,重要判例と考えます。
共犯者とは異なるという事情,資料を詳しく付添い人が主張したものと考えられます。

判旨抜粋
「2 当裁判所の判断
 本件は,少年が,暴走族「△△」の構成員ら数名と共謀の上,駐車場内において,ビールびんにガソリンを入れた上,同びんの口からタオル片をびんの中に差し込んでガソリンに浸すとともに他の一方を外に露出させて発火装置とした火炎びん約10本を製造したという事案であり,一件記録によれば,少年が本件に及んだことは明らかである。他方,少年は,平成12年11月ころから同暴走族の構成員らと親交を持ってきたものの,同暴走族への加入の誘いは極力断ってきた上,本件においても,同暴走族の構成員から呼び出されて本件火炎びん製造現場で見張りをしていたに過ぎない。また,その直前少年は,共犯者と共に,本件火炎びん製造に使われたビールびん2ケースを盗んできているものの,それらが火炎びん製造に使われるとの明確な認識があったとまでは認められない。このような事情に加え,少年は,本件後は同暴走族の構成員らとの交際を避けるために,学校にも登校せず親類宅に身を隠して生活してきたが,共犯者らが身柄拘束された後は自宅に戻って真面目に学校に通うようになっていたこと,その他少年の非行歴は比較的軽微なものに止まっていること及び保護者の監護意欲などをも併せ考えると,少年に対する処遇選択のために,少年を少年鑑別所に収容した上で心身の鑑別を行うまでの必要があるとは言えず,他に少年を少年鑑別所に送致すべき事由も見あたらない。
 よって,少年を少年鑑別所に送致した原決定は失当であり,本件異議申立ては理由があるから,少年法17条の2第4項,33条2項により主文のとおり決定する。」

≪条文参照≫

<少年法>
第17条 家庭裁判所は,審判を行うため必要があるときは,決定をもつて,次に掲げる観護の措置をとることができる。
1.家庭裁判所調査官の観護に付すること。
2.少年鑑別所に送致すること。
2 同行された少年については,観護の措置は,遅くとも,到着のときから24時間以内に,これを行わなければならない。検察官又は司法警察員から勾留又は逮捕された少年の送致を受けたときも,同様である。
3 第1項第2号の措置においては,少年鑑別所に収容する期間は,2週間を超えることができない。ただし,特に継続の必要があるときは,決定をもつて,これを更新することができる。
4 前項ただし書の規定による更新は,1回を超えて行うことができない。ただし,第3条第1項第1号に掲げる少年に係る死刑,懲役又は禁錮に当たる罪の事件でその非行事実(犯行の動機,態様及び結果その他の当該犯罪に密接に関連する重要な事実を含む。以下同じ。)の認定に関し証人尋問,鑑定若しくは検証を行うことを決定したもの又はこれを行つたものについて,少年を収容しなければ審判に著しい支障が生じるおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある場合には,その更新は,更に2回を限度として,行うことができる。
5 第3項ただし書の規定にかかわらず,検察官から再び送致を受けた事件が先に第1項第2号の措置がとられ,又は勾留状が発せられた事件であるときは,収容の期間は,これを更新することができない。
6 裁判官が第43条第1項の請求により,第1項第1号の措置をとつた場合において,事件が家庭裁判所に送致されたときは,その措置は,これを第1項第1号の措置とみなす。7 裁判官が第43条第1項の請求により第1項第2号の措置をとつた場合において,事件が家庭裁判所に送致されたときは,その措置は,これを第1項第2号の措置とみなす。この場合には,第3項の期間は,家庭裁判所が事件の送致を受けた日から,これを起算する。
8 観護の措置は,決定をもつて,これを取り消し,又は変更することができる。
9 第1項第2号の措置については,収容の期間は,通じて8週間を超えることができない。ただし,その収容の期間が通じて4週間を超えることとなる決定を行うときは,第4項ただし書に規定する事由がなければならない。
10 裁判長は,急速を要する場合には,第1項及び第8項の処分をし,又は合議体の構成員にこれをさせることができる。
第17条の2 少年,その法定代理人又は付添人は,前条第1項第2号又は第3項ただし書の決定に対して,保護事件の係属する家庭裁判所に異議の申立てをすることができる。ただし,付添人は,選任者である保護者の明示した意思に反して,異議の申立てをすることができない。
2 前項の,異議の申立ては,審判に付すべき事由がないことを理由としてすることはできない。
3 第1項の異議の申立てについては,家庭裁判所は,合議体で決定をしなければならない。この場合において,その決定には,原決定に関与した裁判官は,関与することができない。
4 第32条の3,第33条及び第34条の規定は,第1項の異議の申立てがあつた場合について準用する。この場合において,第33条第2項中「取り消して,事件を原裁判所に差し戻し,又は他の家庭裁判所に移送しなければならない」とあるのは,「取り消し,必要があるときは,更に裁判をしなければならない」と読み替えるものとする。
(勾留に代る措置)
第四十三条  検察官は,少年の被疑事件においては,裁判官に対して,勾留の請求に代え,第十七条第一項の措置を請求することができる。但し,第十七条第一項第一号の措置は,家庭裁判所の裁判官に対して,これを請求しなければならない。
2  前項の請求を受けた裁判官は,第十七条第一項の措置に関して,家庭裁判所と同一の権限を有する。
3  検察官は,少年の被疑事件においては,やむを得ない場合でなければ,裁判官に対して,勾留を請求することはできない。

<少年法鑑別所処遇規則>
第38条  少年に対し面会を申し出た者があるときは,近親者,保護者,附添人その他必要と認める者に限り,これを許す。
第39条  面会にあたつては,職員が立会い,観護及び鑑別に害がないようにつとめなければならない。
2  前項の立会は,附添人との面会には,これを適用しない。近親者又は保護者との面会につき必要があると認める場合も,同じである。

<少年院法>
第16条  少年鑑別所は,少年法第十七条第一項第二号 の規定により送致された者を収容するとともに,家庭裁判所の行う少年に対する調査及び審判並びに保護処分及び懲役又は禁錮の言渡しを受けた十六歳未満の少年に対する刑の執行に資するため,医学,心理学,教育学,社会学その他の専門的知識に基づいて,少年の資質の鑑別を行う施設とする。

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