新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.1267、2012/5/11 12:16 https://www.shinginza.com/idoushin.htm

【行政処分・医道審議会・医業停止中の個人病院の営業について,廃業する必要があるか,管理者の変更は必要か】

質問:私は医師ですが,先日酒酔い運転で人身事故を起こしてしまい,自動車運転過失傷害罪で有罪判決を受けてしまいました。この度,医道審議会での審議を経て3ヶ月の医業停止を命ずる旨の命令書が届きました。私は一人で診療所を開設していますが,今回の医業停止処分により,私は開設者としての資格を失い診療所は廃止しなくてはならないのでしょうか?

回答:
1.医業停止処分の効果ですが,字義とおり,処分期間中は「医業」を行うことができなくなります。そこで,「医業」の意義が問題となりますが,「医業」とは,当該行為を行うに当たり,医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし,又は危害を及ぼすおそれのある行為(医行為)を,反復継続する意思をもって行うことであると解されています(「医師法第17条,歯科医師法第17条及び保健師助産師看護師法第31条の解釈について」平成17年7月26日 医政発第0726005号 各都道府県知事宛 厚生労働省医政局長通知)。
2.病院や診療所は,「医業」を行う場所ではありますが(医療法1条の5),病院等の開設自体は「医業」には該当しません。また,医療法上の開設に関する規定を検討しても,医業停止処分に伴い,病院等の開設者としての資格を欠くとの書かれ方はしていません。したがって,医業停止処分を受けたことだけから,直ちに自主的に診療所を廃止する必要はないでしょう。
3.もっとも,あなたが一人で診療所を管理・運営しているのであれば,医業停止期間中は診療所を運営できなくなるため,あなたは都道府県知事に診療所の休止の届け出をする必要があります(医療法8条の2)
医業停止後,第三者の医師と共に診療所を管理運営する場合は,管理者の性格上管理者で ある貴方の名義を第三者に変更し(医療法10条1項),貴方は開設者として引き続き診療所の運営することが可能になります。ただ,異なった独自の見解(診療所当然廃止の要請)を主張する地域保健所も存在するようですのでその場合は協議し説得してください。
4.本事例集論文は,当事務所事例集653番を一部訂正したものです。
5.医道審議会に関して事例集1144番1102番1079番1042番1036番1034番869番735番653番551番313番266番246番211番48番参照。医業停止に伴う,病院等の運営への影響につきましては下記の解説をご参照ください。

解説:
1, 医師が罪を犯し,罰金以上の刑に処せられた場合,刑事処分とは別に,厚生労働省から行政処分を受けることがあります(医師法7条2項,4条3号)。被処分者に対して事案報告を求めた後,被処分者に対する意見聴取・弁明聴取を経て,厚生労働省の部会である医道審議会で審議を行い,医道審議会の答申を受けて,厚生労働大臣が医師免許の取消,3年以内の医業停止,戒告などの処分を行います。

2,あなたは,お一人で診療所を開設されているとのことですので,診療所に所属する唯一の医師が医業停止処分を受けた場合,診療所を廃止しなくてはならないのかが問題となります。医療法上の「開設」に関する条文(7条〜9条)を参照しながら検討していきます。

医療法7条1項j
病院を開設しようとするとき,医師法 (昭和二十三年法律第二百一号)第十六条の四第一項 の規定による登録を受けた者(同法第七条の二第一項 の規定による厚生労働大臣の命令を受けた者にあつては,同条第二項 の規定による登録を受けた者に限る。以下「臨床研修等修了医師」という。)及び歯科医師法 (昭和二十三年法律第二百二号)第十六条の四第一項 の規定による登録を受けた者(同法第七条の二第一項 の規定による厚生労働大臣の命令を受けた者にあつては,同条第二項 の規定による登録を受けた者に限る。以下「臨床研修等修了歯科医師」という。)でない者が診療所を開設しようとするとき,又は助産師(保健師助産師看護師法 (昭和二十三年法律第二百三号)第十五条の二第一項 の規定による厚生労働大臣の命令を受けた者にあつては,同条第三項 の規定による登録を受けた者に限る。以下この条,第八条及び第十一条において同じ。)でない者が助産所を開設しようとするときは,開設地の都道府県知事(診療所又は助産所にあつては,その開設地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては,当該保健所を設置する市の市長又は特別区の区長。第八条から第九条まで,第十二条,第十五条,第十八条,第二十四条及び第二十七条から第三十条までの規定において同じ。)の許可を受けなければならない。

医療法8条
臨床研修等修了医師,臨床研修等修了歯科医師又は助産師が診療所又は助産所を開設したときは,開設後十日以内に,診療所又は助産所の所在地の都道府県知事に届け出なければならない。

 上記条項は,病院等の開設の際の手続きについて規定した条項です。あなたの開設している診療所については,開設者が「臨床研修等修了医師」か否かによって開設の際に必要な手続きが異なっています。すなわち,「臨床研修等修了医師」が診療所を開設する場合には,診療所所在地の都道府県知事に届出をすることで足りますが,「臨床研修等修了医師」以外の者が診療所を開設しようとする場合,開設地の都道府県知事(開設地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては,当該保健所を設置する市の市長又は特別区の区長)の許可を受ける必要があります。
 あなたは,医業停止期間中はもちろん,その後の再教育研修を終了するまでは,「臨床研修等修了医師」にはあたりません。それゆえ,あなたが「臨床研修等修了医師」の立場で,届出により現在の診療所を開設している場合,現在は開設の前提となる立場を欠いていることになります。このような場合に,あなたが診療所の廃止の届出を行うべきかについては,医療法上の規定はありません。それゆえ,法律の解釈の問題となりますが,医療法8条は,あくまで診療所の開設をする際の規定であるので,その後,開設者が「臨床研修等修了医師」でなくなったとしても,開設者としての資格を欠くとの解釈を導くことはできないものと思われます。

 一方,医療法29条1項は,都道府県知事は,一定の場合について,病院・診療所等の開設許可を取り消し,期間を定めて,その閉鎖を命ずることができると定めています。

医療法29条1項
都道府県知事は,次の各号のいずれかに該当する場合においては,病院,診療所若しくは助産所の開設の許可を取り消し,又は開設者に対し,期間を定めて,その閉鎖を命ずることができる。
一  開設の許可を受けた後正当の理由がないのに,六月以上その業務を開始しないとき。
二  病院,診療所(第八条の届出をして開設したものを除く。)又は助産所(同条の届出をして開設したものを除く。)が,休止した後正当の理由がないのに,一年以上業務を再開しないとき。
三  開設者が第六条の三第六項,第二十四条第一項又は前条の規定に基づく命令又は処分に違反したとき。
四  開設者に犯罪又は医事に関する不正の行為があつたとき。

 あなたは,自動車運転過失傷害罪で有罪判決を受けているとのことなので,医療法29条1項4号の「開設者に犯罪又は医事に関する不正の行為があつたとき。」に該当することになります。したがって,都道府県知事により,診療所の開設許可の取消しや,期間を定めた閉鎖命令がなされる可能性があります。
 開設許可の取消し,閉鎖命令は,いずれも不利益処分に該当するので,処分に先立ち行政手続法に基づき聴聞又は弁明の機会の付与といった意見陳述の機会が与えられることになります。
 以上のとおり,診療所に所属する唯一の医師が医業停止処分を受けた場合でも,法律上当然に診療所を廃止すべきということにはなりません。

3 なお,診療所に所属する唯一の医師が医業停止処分を受けた場合,診療所を廃止しなくてはならないか,診療所の開設者及び管理者の変更の必要はないかという問題について,当事務所では,以下のような内容をHP上で発表していました。

「この点,特に法律上の規定があるわけではありませんが,厚生労働省に問い合わせしたところ,以下のような回答を得ました。
(1)医業停止で停止する必要があるのは,医療行為であり,停止処分を受けている医師が医療行為を行わなければよい。
(2)したがって,別の医師が診療を行う等,被処分者が医療行為を行わない形式であれば,診療所を閉鎖する義務があるわけではない。
(3)開設の際に届け出た,診療所の開設者,管理者については,その地位を維持しても問題ない。
(4)代診の医師を頼む等して診療所を継続する場合,新たに「診療に従事する医師」が増えることになるので,これについて追加的に届出をする必要はある。

 すなわち,診療に従事する者がいれば,診療所を継続することは可能だということです。具体的には,一定期間代診をしてくれる医師を探す,等の方法が考えられます。

 以上のように,医師一名の診療所でも,医業停止期間中に代診を請け負ってくれる医師が見つかれば,診療所の継続は可能でしょう。有罪判決を受けただけでは医業停止の効果は発生せず,医道審議会から処分が出てからになりますが,その間1〜数ヶ月間時間があります(その間医療行為を行うことも可能です)ので,その間に代診の医師の選定や,勤務医師の場合には勤務先との協議など,停止期間中の対策を検討しておく必要があるでしょう。ただし,下記参照条文記載の通り,厚生労働省,都道府県知事には,病院・診療所の管理者に対して,管理者の変更や,診療所の閉鎖を命ずる権限もありますので,別途このような処分をうけた場合には,上記のようにはなりませんのでご注意ください。医道審議会の流れや見通し等関連事項についても,当事務所HPをご参照ください。弁護士にご相談なさることをお勧めいたします。

 この記載は,当事務所に医道審議会に関する弁護をご依頼いただいたことをきっかけとして,当事務所担当弁護士が,厚生労働省の担当者に対して電話で聴取し,確認した内容を記載したものです。しかし,現行の医療法10条は,以下のとおり,病院又は診療所の管理について,臨床研修等終了医師又は臨床研修等終了歯科医にさせなければならないと定めています。

医療法10条1項
病院又は診療所の開設者は,その病院又は診療所が医業をなすものである場合は臨床研修等修了医師に,歯科医業をなすものである場合は臨床研修等修了歯科医師に,これを管理させなければならない。
同条2項
 病院又は診療所の開設者は,その病院又は診療所が,医業及び歯科医業を併せ行うものである場合は,それが,主として医業を行うものであるときは臨床研修修了医師に,主として歯科医業を行うものであるときは歯科医師に,これを管理させなければならない。

 したがって,ご相談の件で,医業停止期間中も診療所を休止せずに続けていくためには,あなたにかわって診療所の管理者として代替勤務をしてくれる医師を選定する必要があります。

≪参考条文≫

<医師法>
第4条 次の各号のいずれかに該当する者には,免許を与えないことがある。
1.心身の障害により医師の業務を適正に行うことができない者として厚生労働省令で定めるもの
2.麻薬,大麻又はあへんの中毒者
3.罰金以上の刑に処せられた者
4.前号に該当する者を除くほか,医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者
第7条 医師が,第3条に該当するときは,厚生労働大臣は,その免許を取り消す。
2 医師が第4条各号のいずれかに該当し,又は医師としての品位を損するような行為のあつたときは,厚生労働大臣は,次に掲げる処分をすることができる。
1.戒告
2.3年以内の医業の停止
3.免許の取消し

<医療法>
第7条  病院を開設しようとするとき,医師法第十六条の四第一項の規定による登録を受けた者(同法第七条の二第一項 の規定による厚生労働大臣の命令を受けた者にあつては,同条第二項 の規定による登録を受けた者に限る。以下「臨床研修等修了医師」という。)及び歯科医師法第十六条の四第一項の規定による登録を受けた者(同法第七条の二第一項 の規定による厚生労働大臣の命令を受けた者にあつては,同条第二項 の規定による登録を受けた者に限る。以下「臨床研修等修了歯科医師」という。)でない者が診療所を開設しようとするとき,又は助産師(保健師助産師看護師法第十五条の二第一項 の規定による厚生労働大臣の命令を受けた者にあつては,同条第三項 の規定による登録を受けた者に限る。以下この条,第八条及び第十一条において同じ。)でない者が助産所を開設しようとするときは,開設地の都道府県知事(診療所又は助産所にあつては,その開設地が保健所を設置する市又は特別区の区域にある場合においては,当該保健所を設置する市の市長又は特別区の区長。第八条から第九条まで,第十二条,第十五条,第十八条,第二十四条及び第二十七条から第三十条までの規定において同じ。)の許可を受けなければならない。
2 病院を開設した者が,病床数,次の各号に掲げる病床の種別(以下「病床の種別」という。)その他厚生労働省令で定める事項を変更しようとするとき,又は臨床研修等修了医師及び臨床研修等修了歯科医師でない者で診療所を開設したもの若しくは助産師でない者で助産所を開設したものが,病床数その他厚生労働省令で定める事項を変更しようとするときも,厚生労働省令で定める場合を除き,前項と同様とする。
一  精神病床(病院の病床のうち,精神疾患を有する者を入院させるためのものをいう。以下同じ。)
二  感染症病床(病院の病床のうち,感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律 (平成十年法律第百十四号)第六条第二項 に規定する一類感染症,同条第三項 に規定する二類感染症(結核を除く。),同条第七項 に規定する新型インフルエンザ等感染症及び同条第八項 に規定する指定感染症(同法第七条 の規定により同法第十九条 又は第二十条 の規定を準用するものに限る。)の患者(同法第八条 (同法第七条 において準用する場合を含む。)の規定により一類感染症,二類感染症,新型インフルエンザ等感染症又は指定感染症の患者とみなされる者を含む。)並びに同法第六条第九項 に規定する新感染症の所見がある者を入院させるためのものをいう。以下同じ。)
三  結核病床(病院の病床のうち,結核の患者を入院させるためのものをいう。以下同じ。)
四  療養病床(病院又は診療所の病床のうち,前三号に掲げる病床以外の病床であつて,主として長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるためのものをいう。以下同じ。)
五  一般病床(病院又は診療所の病床のうち,前各号に掲げる病床以外のものをいう。以下同じ。)
3  診療所に病床を設けようとするとき,又は診療所の病床数,病床の種別その他厚生労働省令で定める事項を変更しようとするときは,厚生労働省令で定める場合を除き,当該診療所の所在地の都道府県知事の許可を受けなければならない。
4  都道府県知事又は保健所を設置する市の市長若しくは特別区の区長は,前三項の許可の申請があつた場合において,その申請に係る施設の構造設備及びその有する人員が第二十一条及び第二十三条の規定に基づく厚生労働省令の定める要件に適合するときは,前三項の許可を与えなければならない。
5  営利を目的として,病院,診療所又は助産所を開設しようとする者に対しては,前項の規定にかかわらず,第一項の許可を与えないことができる。
第7条の2  都道府県知事は,次に掲げる者が病院の開設の許可又は病院の病床数の増加若しくは病床の種別の変更の許可の申請をした場合において,当該申請に係る病院の所在地を含む地域(当該申請に係る病床が療養病床又は一般病床(以下この条において「療養病床等」という。)のみである場合は第三十条の四第一項の規定により当該都道府県が定める医療計画(以下この条において単に「医療計画」という。)において定める第三十条の四第二項第九号に規定する区域とし,当該申請に係る病床が精神病床,感染症病床又は結核病床(以下この項において「精神病床等」という。)のみである場合は当該都道府県の区域とし,当該申請に係る病床が療養病床等及び精神病床等である場合は同号に規定する区域及び当該都道府県の区域とする。)における病院又は診療所の病床の当該申請に係る病床の種別に応じた数(当該申請に係る病床が療養病床等のみである場合は,その地域における療養病床及び一般病床の数)が,同条第五項の厚生労働省令で定める標準に従い医療計画において定めるその地域の当該申請に係る病床の種別に応じた基準病床数(当該申請に係る病床が療養病床等のみである場合は,その地域における療養病床及び一般病床に係る基準病床数)に既に達しているか,又は当該申請に係る病院の開設若しくは病床数の増加若しくは病床の種別の変更によつてこれを超えることになると認めるときは,前条第四項の規定にかかわらず,同条第一項又は第二項の許可を与えないことができる。
一  第三十一条に規定する者
二  国家公務員共済組合法 (昭和三十三年法律第百二十八号)の規定に基づき設立された共済組合及びその連合会
三  地方公務員等共済組合法 (昭和三十七年法律第百五十二号)の規定に基づき設立された共済組合
四  前二号に掲げるもののほか,政令で定める法律に基づき設立された共済組合及びその連合会
五  私立学校教職員共済法 (昭和二十八年法律第二百四十五号)の規定により私立学校教職員共済制度を管掌することとされた日本私立学校振興・共済事業団
六  健康保険法 (大正十一年法律第七十号)の規定に基づき設立された健康保険組合及びその連合会
七  国民健康保険法 (昭和三十三年法律第百九十二号)の規定に基づき設立された国民健康保険組合及び国民健康保険団体連合会
八  国の委託を受けて健康保険法第百五十条 及び船員保険法 (昭和十四年法律第七十三号)第百十一条 の施設として病院を開設する者
2  都道府県知事は,前項各号に掲げる者が診療所の病床の設置の許可又は診療所の病床数の増加の許可の申請をした場合において,当該申請に係る診療所の所在地を含む地域(医療計画において定める第三十条の四第二項第九号に規定する区域をいう。)における療養病床及び一般病床の数が,同条第五項の厚生労働省令で定める標準に従い医療計画において定める当該区域の療養病床及び一般病床に係る基準病床数に既に達しているか,又は当該申請に係る病床の設置若しくは病床数の増加によつてこれを超えることになると認めるときは,前条第四項の規定にかかわらず,同条第三項の許可を与えないことができる。
3  都道府県知事は,第一項各号に掲げる者が開設する病院(療養病床等を有するものに限る。)又は診療所(前条第三項の許可を得て病床を設置するものに限る。)の所在地を含む地域(医療計画において定める第三十条の四第二項第九号に規定する区域をいう。)における療養病床及び一般病床の数が,同条第五項の厚生労働省令で定める標準に従い医療計画において定める当該区域の療養病床及び一般病床に係る基準病床数を既に超えている場合において,当該病院又は診療所が,正当な理由がないのに,前条第一項若しくは第二項の許可に係る療養病床等又は同条第三項の許可を受けた病床に係る業務の全部又は一部を行つていないときは,当該業務を行つていない病床数の範囲内で,当該病院又は診療所の開設者又は管理者に対し,病床数を削減することを内容とする許可の変更のための措置を採るべきことを命ずることができる。
4  前三項の場合において,都道府県知事は,当該地域における既存の病床数及び当該申請に係る病床数を算定するに当たつては,第三十条の四第五項の厚生労働省令で定める標準に従い医療計画において定めるところにより,病院又は診療所の機能及び性格を考慮して,必要な補正を行わなければならない。
5  第一項から第三項までの場合において,都道府県知事は,当該地域における既存の病床数を算定するに当たつては,介護老人保健施設の入所定員数は,厚生労働省令の定めるところにより,既存の療養病床の病床数とみなす。
6  都道府県知事は,第一項若しくは第二項の規定により前条第一項から第三項までの許可を与えない処分をし,又は第三項の規定により命令しようとするときは,あらかじめ,都道府県医療審議会の意見を聴かなければならない。
7  独立行政法人(独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号)第二条第一項 に規定する独立行政法人をいう。)のうち政令で定めるものは,病院を開設し,若しくはその開設した病院につき病床数を増加させ,若しくは病床の種別を変更し,又は診療所に病床を設け,若しくは診療所の病床数を増加させ,若しくは病床の種別を変更しようとするときは,あらかじめ,その計画に関し,厚生労働大臣に協議(政令で特に定める場合は,通知)をしなければならない。その計画を変更しようとするときも,同様とする。
第8条  臨床研修等修了医師,臨床研修等修了歯科医師又は助産師が診療所又は助産所を開設したときは,開設後十日以内に,診療所又は助産所の所在地の都道府県知事に届け出なければならない。
第8条の2  病院,診療所又は助産所の開設者は,正当の理由がないのに,その病院,診療所又は助産所を一年を超えて休止してはならない。ただし,前条の規定による届出をして開設した診療所又は助産所の開設者については,この限りでない。
2  病院,診療所又は助産所の開設者が,その病院,診療所又は助産所を休止したときは,十日以内に,都道府県知事に届け出なければならない。休止した病院,診療所又は助産所を再開したときも,同様とする。
第9条  病院,診療所又は助産所の開設者が,その病院,診療所又は助産所を廃止したときは,十日以内に,都道府県知事に届け出なければならない。
2  病院,診療所又は助産所の開設者が死亡し,又は失そうの宣告を受けたときは,戸籍法の規定による死亡又は失そうの届出義務者は,十日以内に,その旨をその所在地の都道府県知事に届け出なければならない。
医療法10条 病院又は診療所の開設者は,その病院又は診療所が医業をなすものである場合は臨床研修等修了医師に,歯科医業をなすものである場合は臨床研修等修了歯科医師に,これを管理させなければならない。
2 病院又は診療所の開設者は,その病院又は診療所が,医業及び歯科医業を併せ行うものである場合は,それが,主として医業を行うものであるときは臨床研修修了医師に,主として歯科医業を行うものであるときは歯科医師に,これを管理させなければならない。第29条  都道府県知事は,次の各号のいずれかに該当する場合においては,病院,診療所若しくは助産所の開設の許可を取り消し,又は開設者に対し,期間を定めて,その閉鎖を命ずることができる。
一  開設の許可を受けた後正当の理由がないのに,六月以上その業務を開始しないとき。
二  病院,診療所(第八条の届出をして開設したものを除く。)又は助産所(同条の届出をして開設したものを除く。)が,休止した後正当の理由がないのに,一年以上業務を再開しないとき。
三  開設者が第二十四条第一項又は前条の規定に基づく命令又は処分に違反したとき。
四  開設者に犯罪又は医事に関する不正の行為があつたとき。
第29条の2  厚生労働大臣は,国民の健康を守るため緊急の必要があると認めるときは,都道府県知事,保健所を設置する市の市長又は特別区の区長に対し,第二十八条並びに前条第一項及び第二項の規定による処分を行うべきことを指示することができる。
第30条  都道府県知事は,行政手続法第十三条第二項第一号の規定により,あらかじめ弁明の機会の付与又は聴聞を行わないで第二十三条の二,第二十四条第一項,第二十八条又は第二十九条第一項若しくは第三項の規定による処分をしたときは,当該処分をした後三日以内に,当該処分を受けた者に対し,弁明の機会の付与を行わなければならない

法律相談事例集データベースのページに戻る

法律相談ページに戻る(電話03−3248−5791で簡単な無料法律相談を受付しております)

トップページに戻る