新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.1078、2011/2/3 15:07

【知的財産権・著作権・複製権の侵害・私用目的でも許されない音楽,動画ダウンロードの違法化・著作権法30条1項3号の創設】

質問: 平成22年1月1日から,ダウンロードの違法化が始まったと聞きました。これはどういうことですか。今後,インターネットの利用にどのような影響がありますか。

回答:著作権法の改正により,著作者の許諾を得ず違法に配信されている音楽や動画をダウンロードする行為が違法になりました。罰則はありませんが,違反行為について民事上の損害賠償請求をされることが考えられます。

解説:
1.(著作権法30条1項の趣旨)
 平成21年6月,いわゆる「ダウンロードの違法化」を盛り込んだ著作権法の改正案が成立し,平成22年1月1日から施行されました。「ダウンロードの違法化」は,具体的には,同法30条1項の規定に第3号を追加する形で実現されました。まず著作権の趣旨と30条1項のそもそもの意味から説明しましょう。
 著作権とは,知的財産権,無体財産権の一つで,精神的な創作活動により生み出された著作物に関し独占的,排他的に支配する権利です(著作権法17条1項)。著作物とは,思想又は感情を創作的に表現したものであつて,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するものをいい9の例示(同法2条1項1号,10条)を挙げていますので,例外を除き基本的にすべての芸術的作品が保護の対象になります。著作権法は,昭和45年に制定されていますが,従来の物権,債権の他に形のない創作活動そのものを保護する必要性から認められたものです。そもそも私有財産制,契約自由の原則は,生まれながらに自由権を享受する人間が,公正公平な社会秩序を建設し自らの尊厳を確保するために考えた権利制度であり,個人の人権を保障するため社会経済の発達変遷に伴い保護する必要な利益がある限り,これを権利として法制化し保護するのは理路当然のことです。著作権は,思想,感情の創作活動そのものを内容とするので,創造活動により無方式で発生し(譲渡等は登録が対抗要件,77条),排他的,独占的に保護するために社会,経済生活上種々の権利を認めています。上演権,公衆送信権,翻訳権,譲渡権(21条乃至28条)の他,著作人格権(17条1項)等があり,その1つに,「複製権」という権利があります(同法21条)。
 「複製権」とは,著作物等について有形的に再生することであり(2条1項15号,無形なものは上演権,公衆送信権等で規定,22乃至27条),著作物を複製(コピー)する権限を独占し,他人が勝手に複製することを差し止めたり,複製されて被った損害について損害賠償請求をしたりすることができる権利です。レンタルしたCDを録音することや,テレビで放映された映画を録画することも,複製に当たります。複製を自由に許せば創作活動自体を独占的に支配利用することが不可能になります。
 ただ,私的な使用目的で行う複製は著作者の利益を侵害する程度が低いと考えられるので,例外的に許されることとなっています。これを定めるのが30条1項であり(他に,著作権者側から見れば複製権の制約を意味するので,「著作権の制限」の一種として規定されています。私的使用は営業性がなく反復,大量に行われないので,著作権の人格的,経済的利益を侵害する危険性が低く,又,人間は,思想,表現の自由,知る権利(憲法13条,19条,21条)を有し,他人の思想,芸術の創作活動を理解し,自ら成長してゆく権利を生まれながらに有しているので,著作物を複製することは必要不可欠です。
 
 30条1項は,私的使用を目的とする場合には,その使用者が著作物を複製することができることを定めながら,一定の場合にはそれも許されない(例外の例外で,結局複製権の侵害となる)ことを定めています。今回の改正前,その例外とは@公衆用に設置された自動複製機器を用いた複製(1号)。反復,大量に行われるので個人の権利の範囲を超え許されません。自動複製機器とは,ボタン等により自動的に複製をしてくれるような機能を持った機器(コピー機等)のことで,文献複写機や録音・録画機器などはこれに該当します(ただし,文書又は図画の文献複写機利用に限り経過措置で当分の間除外されているのでコンビニでの複写は許されます。著作権法附則抄6条の2)から自分の家でコピーすることは許されます。ビデオ,CDの場合,違反すると,自動複製機器を公衆に提供している営利目的業者は,複製権侵害の可能性が大きく民事上の責任の他に5年以下の懲役又は500万円以下の罰金となりますが(著作権法119条2号。),その利用者は,私的使用に限り民事上の責任の他に刑事罰はありません(法119条1項で除外)。
 A技術的保護手段の回避によって可能となった複製をそうと知りながら行う場合(2号)。分かりにくい表現ですが,例えば,商業用ビデオ(CD)自体に営業上の理由によりコピーできないような装置(技術的保護手段)が付いているにもかかわらず,これを何らかの方法により当該装置を外し複製が行われた当該ビデオを,その様な違法な行為による複製であることを知りながらさらに複製する行為です。技術的保護手段とは,コピーガード,プロテクトと呼ばれ,著作権,複製権者が基本的に有する権利内容であり,このような装置を著作権者の承諾なしに外し,複製することが許されないのは当然のことです。さらに,そういう事情を知りながら複製することは間接的に複製権を侵害するもので許されないわけです。海外で製作される海賊版違法コピーをさらに複製すると2号に該当します。業として技術的保護手段回避を行うこと,技術的保護手段の譲渡,貸与,製造,輸入等はさらなる違法複製を可能にし,著作権侵害が甚大ですから刑事罰(120条の2,三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金)の対象となります。複製をした人には,私的使用目的であり違法性が低く,期待可能性(適法行為を要請される程度)も考え刑事罰はありません。改正前の規定は,以上2種類だけでした。

2.今回の改正点(30条1項3号関係の趣旨)
 今回の改正により,30条1項3号として,「著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であって,国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を,その事実を知りながら行う場合」が追加されました。
 従来の規定を前提にすると,インターネット(コンピューターネットワーク)を通じて著作権者の承諾を得ていない違法な著作物のファイルであってもダウンロードし,自分のコンピューターのハードディスクに保存することは,違法な複製に当たりますが,改正前は,30条1項の解釈により,私的使用目的にとどまる限りは合法でした。しかし,著作権者の承諾を得ない著作物を継続大量的にインターネットで公衆に配信し,利益を得ている不公正な状況から,たとえ私用目的であったとしても,利用者側の責任を認めることにより著作権侵害を公に行う違法業者を間接的に抑止し著作権者の複製権を実質的に保護する必要が生じました。従って,適法な著作物(音楽,動画)をインターネットから私用目的で許可なく取得しても責任はありません。
 まず,「自動公衆送信」とは,公衆の求めに応じて自動的に送信を行うことです(同法2条1項9号の2)。すなわち,インターネット通信の場合にサーバー(インターネットにおいてユーザーからの要求に対して何らかの情報を提供する装置,コンピューターに内蔵されているシステム ,ソフトウエアーいわゆるプログラムの総体)にある著作物を納めておいて,利用者が自らアクセスすることによって自動的に著作物を送信する場合をいいます。貴方がアクセスした新銀座法律事務所の事例集もこのシステムを利用して閲覧可能になっています。
 ファイル(記録)をウェブ(インターネットの応用ネットワークシステム)上のサーバーに保存してダウンロードさせることや,自分のコンピュータに保存されたファイルに関しファイル共有ソフトを用いて他人にダウンロードさせることも含みます。
 著作物について公衆送信を行う権限を独占する「公衆送信権」も排他的独占の趣旨から著作権の内容となり(同法23条1項),著作権者の許諾なく公衆送信を行えば当然違法になります。自動公衆送信の場合,それを可能にする行為(送信可能化,アクセスによる当然の情報送付等のサーバーの設置等)も独占権保護の趣旨から公衆送信に含まれるので,違法な著作物を納めるサーバーへのアップロード(コンピューター間の送信でサーバーへの情報送付,記載,ロードは送信という意味です。反対語ダウンロード。サーバーから情報を取得すること。 )やいわゆるファイルの放流も著作権侵害行為となりうるのです。
 次に,自動公衆送信を「受信して行うデジタル方式の録音又は録画」とは,いわゆるダウンロードが想定されており,ファイル共有ソフトを利用したファイルの入手も含まれます。さらに,「その事実を知りながら行う場合」とは,ダウンロードするコンテンツ( インターネットやケーブルテレビなどの情報サービスにおいて,提供される文書・音声・映像・ゲームソフトなどの個々の情報のこと。デジタルコンテンツといいます。)が著作権を侵害するものだと(違法な著作物)知っていることを条件とする趣旨です。まとめると,例え使用目的であっても,上述の@Aに加え,B著作権を侵害して配信された(承諾がない違法著作物をアクセスして勝手に取得するような場合)音楽や動画(以上の2つに限定)をダウンロードして行う録音又は録画をそうと知りながら行う場合が,違法な複製権の侵害とされることになったのです。海外等の業者により著作物の海賊版が横行しておりこれを利用者側に民事上の責任を認めて業者の違法行為を間接的に抑止して著作権者を保護しようとしています。

3.ストリーミング再生について
 インターネットで音楽や動画を視聴する方法には,ファイルのデータを完全にハードディスクに保存してから再生する方法(一般的にはこれをダウンロードと呼ぶことが多いと思います。)のほかに,データを読み込みながら再生し,ブラウザを閉じれば繰り返しの再生はできなくなるという方法(ストリーミング)があります。このストリーミングも改正著作権法の下で違法になるのかという疑問点に関し,立法過程において,ストリーミングは合法であるという説明がなされたようです。しかし,改正法の条文に照らして考えると,「自動公衆送信を受信して行うデジタル方式の録音又は録画」という枠組みからストリーミングが除外されるという根拠は,明確でないように思われます。「録音」と「録画」の定義は同法2条1項13号及び14号に規定されているとおり,音や影像を有体物に固定することを指します。再生ソフトで再生することにより音楽ないし影像を視聴できるデータをハードディスク等の記録媒体に記録することは,音ないし影像を物に固定するものといえ,録音・録画に当たります。
 では,ストリーミングはハードディスクへのデータの保存を伴わないのでしょうか。この点,ストリーミングといえども,いわゆるキャッシュ(インターネット一時ファイル)としてはデータが保存されている場合があり,この点に着目すれば物への固定が行われているので,録音・録画に該当するという議論も可能なように思われるのです。このことを前提に,同じく今回の改正で新設された47条の8により,電子計算機による情報処理を円滑かつ効率的に行うために必要な複製として合法となるとする説明も見受けられますが,同条は権利制限の趣旨を異にしており,30条1項3号との原則例外関係が明確でないこと,同条の括弧書きの部分「これらの利用又は当該複製物の使用が著作権を侵害しない場合に限る。」の解釈との関係等から,不明確さは否めません。立法者意思において,ストリーミングは含まないという点が明確であったのであれば,その点明記する形をとるべきだったように思います。

4.音楽・動画以外のコンテンツについて
 今回の法改正では「著作権を侵害する自動公衆送信」を「録音又は録画」する行為が規制の対象とされました。「録音」は「音を物に固定し,又はその固定物を増製すること」を指し,「録画」は「影像を連続して物に固定し,又はその固定物を増製すること」を指しますから,音または連続した影像(動画)以外の著作物はダウンロード違法化の対象外ということになります。このため,テキストや静止画は違法にアップロードされたものであっても,私的使用目的でダウンロードすることは合法と考えられます。違法にアップロードされたゲームのデータ(ROMイメージ)をダウンロードすることについては問題があります。プログラムの複製自体は「録音」「録画」といえませんが,ゲームには音楽や動画が含まれる場合があり,それらのデータをダウンロードすれば,それは「録音」「録画」に当たりうるといえるでしょう。

5.違反した場合の効果
 改正法の30条1項3号に該当する行為をした場合,それは著作権の一種である複製権の侵害となり,差止請求や損害賠償請求の対象となります。ただ,同号が禁じるのは「録音又は録画」であって,既に存在する複製物の使用はこれに当たらないので,改正法施行前にダウンロードした音楽や動画を視聴することまでが違法にはならないと考えられます。また,119条1項に定める著作権を侵害する罪からは,私的使用目的をもって自ら著作物の複製を行う場合が除外されており,別途30条1項3号の違反行為を処罰する刑罰規定もないので,違反しても犯罪とはなりません。勿論,著作権を侵害する自動公衆送信を行ったものは,刑事罰が科せられます(第百十九条 1項)。

≪参照条文≫

憲法
第十三条  すべて国民は,個人として尊重される。生命,自由及び幸福追求に対する国民の権利については,公共の福祉に反しない限り,立法その他の国政の上で,最大の尊重を必要とする。
第十九条  思想及び良心の自由は,これを侵してはならない。
第二十条  信教の自由は,何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も,国から特権を受け,又は政治上の権力を行使してはならない。
○2  何人も,宗教上の行為,祝典,儀式又は行事に参加することを強制されない。
○3  国及びその機関は,宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
第二十一条  集会,結社及び言論,出版その他一切の表現の自由は,これを保障する。 ○2  検閲は,これをしてはならない。通信の秘密は,これを侵してはならない。

著作権法
第一章 総則
    第一節 通則
(目的)
第1条  この法律は,著作物並びに実演,レコード,放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め,これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ,著作者等の権利の保護を図り,もつて文化の発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条  この法律において,次の各号に掲げる用語の意義は,当該各号に定めるところによる。
一  著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて,文芸,学術,美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
二  著作者 著作物を創作する者をいう。
三  実演 著作物を,演劇的に演じ,舞い,演奏し,歌い,口演し,朗詠し,又はその他の方法により演ずること(これらに類する行為で,著作物を演じないが芸能的な性質を有するものを含む。)をいう。
四  実演家 俳優,舞踊家,演奏家,歌手その他実演を行なう者及び実演を指揮し,又は演出する者をいう。
五  レコード 蓄音機用音盤,録音テープその他の物に音を固定したもの(音をもつぱら影像とともに再生することを目的とするものを除く。)をいう。
六  レコード製作者 レコードに固定されている音を最初に固定した者をいう。
七  商業用レコード 市販の目的をもつて製作されるレコードの複製物をいう。
七の二  公衆送信 公衆によつて直接受信されることを目的として無線通信又は有線電気通信の送信(電気通信設備で,その一の部分の設置の場所が他の部分の設置の場所と同一の構内(その構内が二以上の者の占有に属している場合には,同一の者の占有に属する区域内)にあるものによる送信(プログラムの著作物の送信を除く。)を除く。)を行うことをいう。
八  放送 公衆送信のうち,公衆によつて同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う無線通信の送信をいう。
九  放送事業者 放送を業として行なう者をいう。
九の二  有線放送 公衆送信のうち,公衆によつて同一の内容の送信が同時に受信されることを目的として行う有線電気通信の送信をいう。
九の三  有線放送事業者 有線放送を業として行う者をいう。
九の四  自動公衆送信 公衆送信のうち,公衆からの求めに応じ自動的に行うもの(放送又は有線放送に該当するものを除く。)をいう。
九の五  送信可能化 次のいずれかに掲げる行為により自動公衆送信し得るようにすることをいう。
イ 公衆の用に供されている電気通信回線に接続している自動公衆送信装置(公衆の用に供する電気通信回線に接続することにより,その記録媒体のうち自動公衆送信の用に供する部分(以下この号及び第四十七条の五第一項第一号において「公衆送信用記録媒体」という。)に記録され,又は当該装置に入力される情報を自動公衆送信する機能を有する装置をいう。以下同じ。)の公衆送信用記録媒体に情報を記録し,情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体として加え,若しくは情報が記録された記録媒体を当該自動公衆送信装置の公衆送信用記録媒体に変換し,又は当該自動公衆送信装置に情報を入力すること。
ロ その公衆送信用記録媒体に情報が記録され,又は当該自動公衆送信装置に情報が入力されている自動公衆送信装置について,公衆の用に供されている電気通信回線への接続(配線,自動公衆送信装置の始動,送受信用プログラムの起動その他の一連の行為により行われる場合には,当該一連の行為のうち最後のものをいう。)を行うこと。
十  映画製作者 映画の著作物の製作に発意と責任を有する者をいう。
十の二  プログラム 電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したものをいう。
十の三  データベース 論文,数値,図形その他の情報の集合物であつて,それらの情報を電子計算機を用いて検索することができるように体系的に構成したものをいう。
十一  二次的著作物 著作物を翻訳し,編曲し,若しくは変形し,又は脚色し,映画化し,その他翻案することにより創作した著作物をいう。
十二  共同著作物 二人以上の者が共同して創作した著作物であつて,その各人の寄与を分離して個別的に利用することができないものをいう。
十三  録音 音を物に固定し,又はその固定物を増製することをいう。
十四  録画 影像を連続して物に固定し,又はその固定物を増製することをいう。
十五  複製 印刷,写真,複写,録音,録画その他の方法により有形的に再製することをいい,次に掲げるものについては,それぞれ次に掲げる行為を含むものとする。
イ 脚本その他これに類する演劇用の著作物 当該著作物の上演,放送又は有線放送を録音し,又は録画すること。
ロ 建築の著作物 建築に関する図面に従つて建築物を完成すること。
十六  上演 演奏(歌唱を含む。以下同じ。)以外の方法により著作物を演ずることをいう。
十七  上映 著作物(公衆送信されるものを除く。)を映写幕その他の物に映写することをいい,これに伴つて映画の著作物において固定されている音を再生することを含むものとする。
十八  口述 朗読その他の方法により著作物を口頭で伝達すること(実演に該当するものを除く。)をいう。
十九  頒布 有償であるか又は無償であるかを問わず,複製物を公衆に譲渡し,又は貸与することをいい,映画の著作物又は映画の著作物において複製されている著作物にあつては,これらの著作物を公衆に提示することを目的として当該映画の著作物の複製物を譲渡し,又は貸与することを含むものとする。
二十  技術的保護手段 電子的方法,磁気的方法その他の人の知覚によつて認識することができない方法(次号において「電磁的方法」という。)により,第十七条第一項に規定する著作者人格権若しくは著作権又は第八十九条第一項に規定する実演家人格権若しくは同条第六項に規定する著作隣接権(以下この号において「著作権等」という。)を侵害する行為の防止又は抑止(著作権等を侵害する行為の結果に著しい障害を生じさせることによる当該行為の抑止をいう。第三十条第一項第二号において同じ。)をする手段(著作権等を有する者の意思に基づくことなく用いられているものを除く。)であつて,著作物,実演,レコード,放送又は有線放送(次号において「著作物等」という。)の利用(著作者又は実演家の同意を得ないで行つたとしたならば著作者人格権又は実演家人格権の侵害となるべき行為を含む。)に際しこれに用いられる機器が特定の反応をする信号を著作物,実演,レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録し,又は送信する方式によるものをいう。
二十一  権利管理情報 第十七条第一項に規定する著作者人格権若しくは著作権又は第八十九条第一項から第四項までの権利(以下この号において「著作権等」という。)に関する情報であつて,イからハまでのいずれかに該当するもののうち,電磁的方法により著作物,実演,レコード又は放送若しくは有線放送に係る音若しくは影像とともに記録媒体に記録され,又は送信されるもの(著作物等の利用状況の把握,著作物等の利用の許諾に係る事務処理その他の著作権等の管理(電子計算機によるものに限る。)に用いられていないものを除く。)をいう。
イ 著作物等,著作権等を有する者その他政令で定める事項を特定する情報
ロ 著作物等の利用を許諾する場合の利用方法及び条件に関する情報
ハ 他の情報と照合することによりイ又はロに掲げる事項を特定することができることとなる情報
二十二  国内 この法律の施行地をいう。
二十三  国外 この法律の施行地外の地域をいう。
2  この法律にいう「美術の著作物」には,美術工芸品を含むものとする。
3  この法律にいう「映画の著作物」には,映画の効果に類似する視覚的又は視聴覚的効果を生じさせる方法で表現され,かつ,物に固定されている著作物を含むものとする。4  この法律にいう「写真の著作物」には,写真の製作方法に類似する方法を用いて表現される著作物を含むものとする。
5  この法律にいう「公衆」には,特定かつ多数の者を含むものとする。
6  この法律にいう「法人」には,法人格を有しない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含むものとする。
7  この法律において,「上演」,「演奏」又は「口述」には,著作物の上演,演奏又は口述で録音され,又は録画されたものを再生すること(公衆送信又は上映に該当するものを除く。)及び著作物の上演,演奏又は口述を電気通信設備を用いて伝達すること(公衆送信に該当するものを除く。)を含むものとする。
8  この法律にいう「貸与」には,いずれの名義又は方法をもつてするかを問わず,これと同様の使用の権原を取得させる行為を含むものとする。
9  この法律において,第一項第七号の二,第八号,第九号の二,第九号の四,第九号の五若しくは第十三号から第十九号まで又は前二項に掲げる用語については,それぞれこれらを動詞の語幹として用いる場合を含むものとする。
(著作物の例示)
第10条  この法律にいう著作物を例示すると,おおむね次のとおりである。
一  小説,脚本,論文,講演その他の言語の著作物
二  音楽の著作物
三  舞踊又は無言劇の著作物
四  絵画,版画,彫刻その他の美術の著作物
五  建築の著作物
六  地図又は学術的な性質を有する図面,図表,模型その他の図形の著作物
七  映画の著作物
八  写真の著作物
九  プログラムの著作物
2  事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は,前項第一号に掲げる著作物に該当しない。
3  第一項第九号に掲げる著作物に対するこの法律による保護は,その著作物を作成するために用いるプログラム言語,規約及び解法に及ばない。この場合において,これらの用語の意義は,次の各号に定めるところによる。
一  プログラム言語 プログラムを表現する手段としての文字その他の記号及びその体系をいう。
二  規約 特定のプログラムにおける前号のプログラム言語の用法についての特別の約束をいう。
三  解法 プログラムにおける電子計算機に対する指令の組合せの方法をいう。
(二次的著作物)
第11条  二次的著作物に対するこの法律による保護は,その原著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。
(編集著作物)
第12条  編集物(データベースに該当するものを除く。以下同じ。)でその素材の選択又は配列によつて創作性を有するものは,著作物として保護する。
2  前項の規定は,同項の編集物の部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。
(データベースの著作物)
第12条の2  データベースでその情報の選択又は体系的な構成によつて創作性を有するものは,著作物として保護する。
2  前項の規定は,同項のデータベースの部分を構成する著作物の著作者の権利に影響を及ぼさない。
(権利の目的とならない著作物)
第13条  次の各号のいずれかに該当する著作物は,この章の規定による権利の目的となることができない。
一  憲法その他の法令
二  国若しくは地方公共団体の機関,独立行政法人(独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号)第二条第一項 に規定する独立行政法人をいう。以下同じ。)又は地方独立行政法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第一項 に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)が発する告示,訓令,通達その他これらに類するもの
三  裁判所の判決,決定,命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
四  前三号に掲げるものの翻訳物及び編集物で,国若しくは地方公共団体の機関,独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
(著作者の権利)
第17条  著作者は,次条第一項,第十九条第一項及び第二十条第一項に規定する権利(以下「著作者人格権」という。)並びに第二十一条から第二十八条までに規定する権利(以下「著作権」という。)を享有する。
2  著作者人格権及び著作権の享有には,いかなる方式の履行をも要しない。
21条 著作者は,その著作物を複製する権利を専有する。
23条1項 著作者は,その著作物について,公衆送信(自動公衆送信の場合にあっては,送信可能化を含む。)を行う権利を専有する。
30条1項 著作権の目的となっている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は,個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは,次に掲げる場合を除き,その使用する者が複製することができる。
1 公衆の使用に供することを目的として設置されている自動複製機器(複製の機能を有し,これに関する装置の全部又は主要な部分が自動化されている機器をいう。)を用いて複製する場合
2 技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去又は改変を除く。)を行うことにより,当該技術的保護手段によって防止される行為を可能とし,又は当該技術的保護手段によって抑止される行為の結果に障害を生じないようにすることをいう。第120条の2第1号及び第2号において同じ。)により可能となり,又はその結果に障害が生じないようになった複製を,その事実を知りながら行う場合
3 著作権を侵害する自動公衆送信(国外で行われる自動公衆送信であって,国内で行われたとしたならば著作権の侵害となるべきものを含む。)を受信して行うデジタル方式の録音又は録画を,その事実を知りながら行う場合
2項 私的使用を目的として,デジタル方式の録音又は録画の機能を有する機器(放送の業務のための特別の性能その他の私的使用に通常供されない特別の性能を有するもの及び録音機能付きの電話機その他の本来の機能に付属する機能として録音又は録画の機能を有する者を除く。)であって政令で定めるものにより,当該機器によるデジタル方式の録音又は録画の用に供される記録媒体であって政令で定めるものに録音又は録画を行う者は,相当な額の補償金を著作権者に支払わなければならない。
47条の8 電子計算機において,著作物を当該著作物の複製物を用いて利用する場合又は無線通信若しくは有線電気通信の送信がされる著作物を当該送信を受信して利用する場合(これらの利用又は当該複製物の使用が著作権を侵害しない場合に限る。)には,当該著作物は,これらの利用のための当該電子計算機による情報処理の過程において,当該情報処理を円滑かつ効率的に行うために必要と認められる限度で,当該電子計算機の記録媒体に記録することができる。
119条1項 著作権,出版権又は著作隣接権を侵害した者(第30条第1項(第102条第1項において準用する場合を含む。)に定める私的使用の目的をもって自ら著作物若しくは実演等の複製を行った者,第113条第3項の規定により著作権若しくは著作隣接権(同条第4項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第120条の2第3号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行った者,第113条第5項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行った者又は次項第3号若しくは第4号に掲げる行為を除く。)は,10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
第八章 罰則
第119条  著作権,出版権又は著作隣接権を侵害した者(第三十条第一項(第百二条第一項において準用する場合を含む。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物若しくは実演等の複製を行つた者,第百十三条第三項の規定により著作権若しくは著作隣接権(同条第四項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第百二十条の二第三号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者,第百十三条第五項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者又は次項第三号若しくは第四号に掲げる者を除く。)は,十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
2  次の各号のいずれかに該当する者は,五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
一  著作者人格権又は実演家人格権を侵害した者(第百十三条第三項の規定により著作者人格権又は実演家人格権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)
二  営利を目的として,第三十条第一項第一号に規定する自動複製機器を著作権,出版権又は著作隣接権の侵害となる著作物又は実演等の複製に使用させた者
三  第百十三条第一項の規定により著作権,出版権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者
四  第百十三条第二項の規定により著作権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者 第百二十条  第六十条又は第百一条の三の規定に違反した者は,五百万円以下の罰金に処する。
第百二十条の二  次の各号のいずれかに該当する者は,三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
一  技術的保護手段の回避を行うことを専らその機能とする装置(当該装置の部品一式であつて容易に組み立てることができるものを含む。)若しくは技術的保護手段の回避を行うことを専らその機能とするプログラムの複製物を公衆に譲渡し,若しくは貸与し,公衆への譲渡若しくは貸与の目的をもつて製造し,輸入し,若しくは所持し,若しくは公衆の使用に供し,又は当該プログラムを公衆送信し,若しくは送信可能化した者
二  業として公衆からの求めに応じて技術的保護手段の回避を行つた者
三  営利を目的として,第百十三条第三項の規定により著作者人格権,著作権,実演家人格権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者
四  営利を目的として,第百十三条第五項の規定により著作権又は著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者
第百二十一条  著作者でない者の実名又は周知の変名を著作者名として表示した著作物の複製物(原著作物の著作者でない者の実名又は周知の変名を原著作物の著作者名として表示した二次的著作物の複製物を含む。)を頒布した者は,一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
第百二十一条の二  次の各号に掲げる商業用レコード(当該商業用レコードの複製物(二以上の段階にわたる複製に係る複製物を含む。)を含む。)を商業用レコードとして複製し,その複製物を頒布し,その複製物を頒布の目的をもつて所持し,又はその複製物を頒布する旨の申出をした者(当該各号の原盤に音を最初に固定した日の属する年の翌年から起算して五十年を経過した後において当該複製,頒布,所持又は申出を行つた者を除く。)は,一年以下の懲役若しくは百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
一  国内において商業用レコードの製作を業とする者が,レコード製作者からそのレコード(第八条各号のいずれかに該当するものを除く。)の原盤の提供を受けて製作した商業用レコード
二  国外において商業用レコードの製作を業とする者が,実演家等保護条約の締約国の国民,世界貿易機関の加盟国の国民又はレコード保護条約の締約国の国民(当該締約国の法令に基づいて設立された法人及び当該締約国に主たる事務所を有する法人を含む。)であるレコード製作者からそのレコード(第八条各号のいずれかに該当するものを除く。)の原盤の提供を受けて製作した商業用レコード
第百二十二条  第四十八条又は第百二条第二項の規定に違反した者は,五十万円以下の罰金に処する。
第百二十二条の二  秘密保持命令に違反した者は,五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し,又はこれを併科する。
2  前項の罪は,国外において同項の罪を犯した者にも適用する。
第百二十三条  第百十九条,第百二十条の二第三号及び第四号,第百二十一条の二並びに前条第一項の罪は,告訴がなければ公訴を提起することができない。
2  無名又は変名の著作物の発行者は,その著作物に係る前項の罪について告訴をすることができる。ただし,第百十八条第一項ただし書に規定する場合及び当該告訴が著作者の明示した意思に反する場合は,この限りでない。
第百二十四条  法人の代表者(法人格を有しない社団又は財団の管理人を含む。)又は法人若しくは人の代理人,使用人その他の従業者が,その法人又は人の業務に関し,次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは,行為者を罰するほか,その法人に対して当該各号に定める罰金刑を,その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一  第百十九条第一項若しくは第二項第三号若しくは第四号又は第百二十二条の二第一項 三億円以下の罰金刑
二  第百十九条第二項第一号若しくは第二号又は第百二十条から第百二十二条まで 各本条の罰金刑
2  法人格を有しない社団又は財団について前項の規定の適用がある場合には,その代表者又は管理人がその訴訟行為につきその社団又は財団を代表するほか,法人を被告人又は被疑者とする場合の刑事訴訟に関する法律の規定を準用する。
3  第一項の場合において,当該行為者に対してした告訴又は告訴の取消しは,その法人又は人に対しても効力を生じ,その法人又は人に対してした告訴又は告訴の取消しは,当該行為者に対しても効力を生ずるものとする。
4  第一項の規定により第百十九条第一項若しくは第二項又は第百二十二条の二第一項の違反行為につき法人又は人に罰金刑を科する場合における時効の期間は,これらの規定の罪についての時効の期間による。
附則抄
(自動複製機器についての経過措置)
第五条の二  著作権法第三十条第一項第一号及び第百十九条第二項第二号の規定の適用については,当分の間,これらの規定に規定する自動複製機器には,専ら文書又は図画の複製に供するものを含まないものとする。

法律相談事例集データベースのページに戻る

法律相談ページに戻る(電話03−3248−5791で簡単な無料法律相談を受付しております)

トップページに戻る