新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.857、2009/4/10 14:46 https://www.shinginza.com/toukishikibetsu.pdf

【民事・登記・権利証の盗難・時識別情報の盗難・紛失の場合の手続き】

質問:@権利証が盗まれてしまいました。どうしたらいいですか。A登記識別情報を見られてしまいました。どうしたらいいですか。

回答:
@権利証が盗まれたり、強奪されたりした場合には、早急に警察に被害届2通を受理して貰い、そのうち1通に受領印をもらいます。そして、受領印が押印された被害届、実印及び印鑑証明書を持って法務局に行って下さい。不動産登記法の改正により、24条で登記官の本人確認制度が創設され、その本人確認調査の契機とするため、「不正登記防止申出制度」が新設されました(準則第35条)。この申し出を行ったからといって、必ず登記申請が却下されるわけではありませんが、登記官が、申請人となるべき者でない者が申請していると疑う相当な理由があると、この申し出から判断した場合には、権限の有無が調査されることになります。

A従来の権利証に変わり、平成17年3月から登記識別情報(不動産登記法2条1項14号。登記識別情報の詳細については、当事務所HPデータベースbR91をご参照下さい)という制度がつくられました。登記識別情報を他人に知られてしまった、あるいは、知られている可能性があることが判明した場合(「登記識別情報」は、その情報を所持している人(知っている人)を真正な名義人と判断しますので、登記識別情報を知られる・見られたということは、権利証を盗まれたことと同じということになります。)には、「登記識別情報の失効制度」を利用することで対応することも可能です。そもそも、失効制度は、本来、登記識別情報を管理することに不安があるような場合に利用することを目的として設けられた制度です。なお、登記識別情報を失効させると、後日、登記識別情報の再発行をしてもらうことはできませんので、後日、その不動産を売却する場合や、その不動産に抵当権を設定する場合には、資格者代理人による本人確認情報を提供する必要があります。

解説:
(権利証と登記識別情報の制度趣旨)

我が国は私有財産制度(憲法29条)を採用しますので、財産的価値が高い不動産の取引の安全確保は必要不可欠のものです。不動産取引の安全を確保するため不動産の権利者が誰であるかを公に公示して、取引をする者が不測の損害を被らないようにしています。この公示制度が不動産登記制度であり、法務局の登記簿に権利者が記載されています。唯、私的自治の原則、契約自由の原則から不動産の権利移転は当事者の合意により生じ(民法176条)、登記は単なる対抗要件になっています(民法177条)。従って、不動産の権利取得を安全確実にするためには、取引の当事者が自ら不動産権利変動の登記申請をしなければならないのです。登記の申請は、売買でいえば、売主と買主が共同して法務局に行って、権利移転等があったという手続きするのですが(通常は司法書士先生が両名の代理人となります)、法務局の窓口の人は誰が権利者か分かりませんので、申請書には売主が登記簿上の権利者であることを証明する文書、すなわち登記済書(権利証)と権利移転により不利益を被るので意思確認のため印鑑証明書等が必要です。権利書とは売主が、当該不動産を以前に取得した時に法務局から権利者であると認証された証明書(単なる証明書です。)で、売買契約書又は登記申請書の副本(売買契約書を提出しない場合)を言います。しかし、自由主義経済の拡大発展にともない、無数の不動産取引を円滑で安全迅速な不動産取引を可能にして、自由で公正な経済社会秩序を保障するため、書面による申請・届出をやめてインターネットを利用するオンラインシステムによる届け出に変える必要性が求められるようになりました(郵送による方式も可能)。これは日本国政府のIT戦略、電子政府の一環として位置づけられています(平成13年の政府e−Japan戦略。後記参照)。

しかし、従来の権利証は文書ですから、登記申請の場合法務局としては書類の確認、写し保管に煩雑ですし、無数にある不動産取引の大量処理、オンラインシステムに馴染みません。そこで、この権利書という文書をアラビア数字その他の符号の組合せにより構成された識別情報に変えることになりました(不動産登記規則61条)。これが登記識別情報です。すなわち、識別情報という符号化はオンラインシステムでは当然要請される方式なのです。オンラインシステムの利用により、法務局の窓口に出向くことなく、事務所などからインターネットによる申請・届出が可能となり不動産取引はさらに安全確実で迅速に行われることになります。実務的には現在権利証と識別情報が併存する形になっています。識別情報は権利証の代わりになるものであり、他に書面申請の場合は印鑑、印鑑証明書、(オンライン申請の場合は電子署名、電子証明書)等の書類は勿論必要となります。このような権利証、識別情報が何らかの理由で紛失盗難にあった場合、これらの文書、情報を悪用し形式的審査権がない登記官を詐称して虚偽の登記を行う危険がありますし、安全、迅速な不動産取引も確保しなければなりません。そのような事態に対応するため「不正登記防止申出制度」「登記識別情報の失効制度」が用意されています。以下その手続きについて説明します。

(登記識別情報)
尚、登記識別情報が通知される際は、不動産所在事項及び不動産番号・申請の受付の年月日及び受付番号又は順位番号等・登記の目的・登記名義人の氏名又は名称及び住所も明らかにして通知される(不動産登記準則37条1項)。又、登記識別情報を書面で通知する場合、記載した部分が見えないようにするシールをはり付けなければならない(不動産登記準則37条2項)。他人に盗み見られると権利書の盗難と同じような危険があるからです。*添付書式参照

1.不正登記防止申出(以下「申出」)の方法
@申出は、通常の登記申請と異なり、オンラインや郵送ではできません。直接、本人が法務局に出頭して、申し出をする必要があります。共有不動産の場合は、各持分についてのみ申出をすることができます。
A申出の際には、申出人が登記名義人本人であることに加え、申出に至った経緯や申出理由に対応した措置を執っていることの確認がなされます(新準則第35条第4項)。申出人が本人であるかどうかは、不動産登記法規則第72条2項に定める方法により行います。運転免許証、旅券等の顔写真付の書類については、1種類、健康保険証、母子健康保険証等顔写真のない書類については、2種類が本人確認資料として必要となります。なお、登記簿上の住所氏名と本人確認資料の住所氏名が異なる場合には、その変更を証明する資料として、住民票や戸籍謄本が必要になります。申出に至った経緯や申出理由に対応した措置とは権利証、実印、印鑑カード等が盗まれた場合には、警察への被害届、第三者による不正な印鑑証明書の交付の場合には、市役所等での印鑑証明書の無効手続、勝手に不動産の取引がされていた場合には、警察への相談や告発が該当します。これらの対応措置を行っていないときには、申出は受理されないことになります。
B申出書の添付書類は以下のとおりです。
(1)印鑑証明書
(2)登記名義人が会社等の法人の場合には、代表者の資格証明書
(3)代理人により申出をするときは、委任状
印鑑証明書、資格証明書は発行日から、3ヵ月以内のものであることを要します。なお、会社等法人の登記がされている法務局と、申出を行う法務局が同一の場合には、これらの書面を省略することが可能な場合もあります。なお、法務省の通達によれば、緊急を要する場合は、いったん申出を受け付けた上で、その後直ちに措置を執るよう求めることができる場合もあります。この場合には、申出を受け付けた後、当該措置を執ったかどうか(被害届の提出の確認の有無等)を確認することとなっています。しかしながら、この本人確認制度や不正登記防止申出制度自体、まだ新しい制度であり、運用が定まっていないというのが実状ですから、この緊急措置がどの程度認められるかについても、今後の運用を待たざるを得ません。ご心配の場合は、これら手続を弁護士や司法書士などの専門家と相談しながら行うと良いでしょう。

2.申出に対する対応可能期間
申出に対する法務局の対応期間は3ヵ月です。もしこの間に憂慮する事態が解消されていなければ、再度申出を行う必要があります。この場合には、改めて、申出書、印鑑証明書等を提出することになります。

3.その他
もし、実印や印鑑証明書がすぐに用意できない場合には、被害届だけでも法務局に持っていって、不正登記防止申出制度を使わずに、本人確認調査を促すという方法も考えられます。申出制度を使えば、申出書類が保管されますし、要調査の扱いになる場合もありますので(新準則第35条第5項)、その方が確実だとは思われますが、急を要する場合も多いと思います。まだ新しい制度ですので、状況判断に迷った場合には、迅速な対応を行ってくれる専門家と相談することをお勧めします。

【法務省民二第457号 平成17年2月25日 通達】の内容、不正登記防止申出の取扱いについて、
(1)登記官の本人確認調査の契機とするため、不正登記防止申出の取扱いが定められた(準則第35条)。申出を受ける場合は、申出人に、当該申出があったことのみにより申出に係る登記の申請を却下するものではないこと等不正登記防止申出の取扱いの趣旨を十分に説明することを要する。
(2)不正登記防止申出があった場合には、当該申出人が申出に係る登記の登記名義人本人であることのほか、当該申出人が申出をするに至った経緯及び申出が必要となった理由に対応する措置を採っていることを確認しなければならないとされた(準則第35条第4項)。
この措置とは、印章又は印鑑証明書の盗難を理由とする場合には警察等の捜査機関に被害届を提出したこと、第三者が不正に印鑑証明書の交付を受けたことを理由とする場合には交付をした市町村長に当該印鑑証明書を無効とする手続を依頼したこと、本人の知らない間に当該不動産の取引がされている等の情報を得たことによる場合には警察等の捜査機関又は関係機関への防犯の相談又は告発等がこれに当たる。
申出の内容が緊急を要するものである場合には、あらかじめこれらの措置を採っていないときであっても、申出を受け付けて差し支えない。この場合には、直ちに、当該措置を採ることを求めるものとする。

4.登記識別情報の失効制度の場合
登記識別情報の失効制度を利用する場合には、不正登記防止申出制度と同様、登記官に対して通知された登記識別情報を失効する旨を申し出ることにより、失効させることができます(不動産登記規則第65条)。
@失効制度は不正登記防止申出制度と異なり、書面申請でもオンライン申請でもすることができまし、郵送での申出も可能となっています。
A申出人の必要書類は以下のとおりです。
(1)印鑑証明書
(2)登記簿上の住所氏名と現在の住所氏名が一致しない場合には、その変更を証する住民票、戸籍謄本等
(3)相続人から申し出る場合には、相続関係を証明する戸籍謄本等
(4)申出人が法人の場合には、代表者の資格証明書
(5)代理人から申出をする場合には、委任状
なお、印鑑証明書、代表者の資格証明書は、発行日から3ヵ月以内のものであることが必要です。

≪参照条文≫

【不動産登記法】
(定義)
第2条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
一  不動産 土地又は建物をいう。
二  不動産の表示 不動産についての第二十七条第一号、第三号若しくは第四号、第三十四条第一項各号、第四十三条第一項、第四十四条第一項各号又は第五十八条第一項各号に規定する登記事項をいう。
三  表示に関する登記 不動産の表示に関する登記をいう。
四  権利に関する登記 不動産についての次条各号に掲げる権利に関する登記をいう。
五  登記記録 表示に関する登記又は権利に関する登記について、一筆の土地又は一個の建物ごとに第十二条の規定により作成される電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。以下同じ。)をいう。
六  登記事項 この法律の規定により登記記録として登記すべき事項をいう。
七  表題部 登記記録のうち、表示に関する登記が記録される部分をいう。
八  権利部 登記記録のうち、権利に関する登記が記録される部分をいう。
九  登記簿 登記記録が記録される帳簿であって、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録することができる物を含む。以下同じ。)をもって調製するものをいう。
十  表題部所有者 所有権の登記がない不動産の登記記録の表題部に、所有者として記録されている者をいう。
十一  登記名義人 登記記録の権利部に、次条各号に掲げる権利について権利者として記録されている者をいう。
十二  登記権利者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に利益を受ける者をいい、間接に利益を受ける者を除く。
十三  登記義務者 権利に関する登記をすることにより、登記上、直接に不利益を受ける登記名義人をいい、間接に不利益を受ける登記名義人を除く。
十四  登記識別情報 第二十二条本文の規定により登記名義人が登記を申請する場合において、当該登記名義人自らが当該登記を申請していることを確認するために用いられる符号その他の情報であって、登記名義人を識別することができるものをいう。
(登記識別情報の提供)
第22条  登記権利者及び登記義務者が共同して権利に関する登記の申請をする場合その他登記名義人が政令で定める登記の申請をする場合には、申請人は、その申請情報と併せて登記義務者(政令で定める登記の申請にあっては、登記名義人。次条第一項、第二項及び第四項各号において同じ。)の登記識別情報を提供しなければならない。ただし、前条ただし書の規定により登記識別情報が通知されなかった場合その他の申請人が登記識別情報を提供することができないことにつき正当な理由がある場合は、この限りでない。
第24条  登記官は、登記の申請があった場合において、申請人となるべき者以外の者が申請していると疑うに足りる相当な理由があると認めるときは、次条の規定により当該申請を却下すべき場合を除き、申請人又はその代表者若しくは代理人に対し、出頭を求め、質問をし、又は文書の提示その他必要な情報の提供を求める方法により、当該申請人の申請の権限の有無を調査しなければならない。

【不動産登記法準則】
第35条  不正登記防止申出は、登記名義人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を 除く。)が登記所に出頭してしなければならない。ただし、当該登記名義人又はその代表者若しくは代理人が登記所に出頭することができない止むを得ない事情があると認められる場合には、委任による代理人が登記所に出頭してすることができる。
2 不正登記防止申出は、別記第53号様式又はこれに準ずる様式による申出書を登記官に提出してするものとする。
3 前項の申出書には、登記名義人又はその代表者若しくは代理人が記名押印するとともに、次に掲げる書面を添付するものとする。ただし、登記申請における添付書面の扱いに準じて、次に掲げる添付書面を省略することができる。
(1)登記名義人又はその代表者若しくは代理人(委任による代理人を除く。)の印鑑証明書
(2)登記名義人が法人であるときは、当該法人の代表者の資格を証する書面
(3)代理人によって申出をするときは、当該代理人の権限を証する書面
4 登記官は、不正登記防止申出があった場合には、当該申出人が申出に係る登記の登記名義人本人であること、当該申出人が申出をするに至った経緯及び申出が必要となった理由に対応する措置を採っていることを確認しなければならない。この場合において、本人であることの確認は、必要に応じ規則第72条第2項各号に掲げる方法により行うものとし、登記名義人の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と異なるときは、氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏を証する書面の提出も求めるものとする。
5 登記官は、不正登記防止申出を受けたときは、不正登記防止申出書類つづり込み帳に第2項の申出書及びその添付書面等の関係書類をつづり込むものとする。
6 前項の場合は、不正登記防止申出書類つづり込み帳の目録に、申出に係る不動産の不動産所在事項、申出人の氏名及び申出の年月日を記載するものとする。
7 登記官は、不正登記防止申出があった場合において、これを相当と認めるときは、前項の目録に本人確認の調査を要する旨を記載するものとする。
8 不正登記防止申出の日から3月以内に申出に係る登記の申請があったときは、速やかに、申出をした者にその旨を適宜の方法で通知するものとする。本人確認の調査を完了したときも、同様とする。
9 登記官は、不正登記防止申出に係る登記を完了したときは、第2項の申出書を不正登記防止申出書類つづり込み帳から除却し、申請書(電子申請にあっては、電子申請管理用紙)と共に保管するものとする。この場合には、不正登記防止申出書類つづり込み帳の目録に、登記を完了した旨及び除却の年月日を記載するものとする。

不動産登記規則
第72条
1(略)
2 前項第三号に規定する場合において、資格者代理人が申請人について確認をするときは、次に掲げる方法のいずれかにより行うものとする。ただし、第一号及び第二号に掲げる書類及び有効期間又は有効期限のある第三号に掲げる書類にあっては、資格者代理人が提示を受ける日において有効なものに限る。
一  運転免許証(道路交通法 (昭和三十五年法律第百五号)第九十二条第一項に規定する運転免許証をいう。)、外国人登録証明書(外国人登録法(昭和二十七年法律第百二十五号)第五条 に規定する外国人登録証明書をいう。)、住民基本台帳カード(住民基本台帳法第三十条の四十四第一項に規定する住民基本台帳カードをいう。ただし、住民基本台帳法施行規則(平成十一年自治省令第三十五号)別記様式第二の様式によるものに限る。)又は旅券等(出入国管理及び難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)第二条第五号に規定する旅券及び同条第六号 に規定する乗員手帳をいう。ただし、当該申請人の氏名及び生年月日の記載があるものに限る。)のうちいずれか一以上の提示を求める方法
二  国民健康保険、健康保険、船員保険若しくは介護保険の被保険者証、医療受給者証(老人保健法(昭和五十七年法律第八十号)第十三条に規定する健康手帳の医療の受給資格を証するページをいう。)、健康保険日雇特例被保険者手帳、国家公務員共済組合若しくは地方公務員共済組合の組合員証、私立学校教職員共済制度の加入者証、国民年金手帳(国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)第十三条第一項に規定する国民年金手帳をいう。)、児童扶養手当証書、特別児童扶養手当証書、母子健康手帳、身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳又は戦傷病者手帳であって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか二以上の提示を求める方法
三  前号に掲げる書類のうちいずれか一以上及び官公庁から発行され、又は発給された書類その他これに準ずるものであって、当該申請人の氏名、住所及び生年月日の記載があるもののうちいずれか一以上の提示を求める方法
3(略)
第六十五条  登記名義人又はその相続人その他の一般承継人は、登記官に対し、通知を受けた登記識別情報について失効の申出をすることができる。
2  前項の申出は、次に掲げる事項を内容とする情報(以下この条において「申出情報」という。)を登記所に提供してしなければならない。
一  申出人の氏名又は名称及び住所
二  申出人が法人であるときは、その代表者の氏名
三  代理人によって申出をするときは、当該代理人の氏名又は名称及び住所並びに代理人が法人であるときはその代表者の氏名
四  申出人が登記名義人の相続人その他の一般承継人であるときは、その旨及び登記名義人の氏名又は名称及び住所
五  当該登記識別情報に係る登記に関する次に掲げる事項
イ 不動産所在事項又は不動産番号
ロ 登記の目的
ハ 申請の受付の年月日及び受付番号
ニ 次項第一号に掲げる方法により申出をするときは、甲区又は乙区の別
3  第一項の申出は、次に掲げる方法のいずれかによりしなければならない。
一  法務大臣の定めるところにより電子情報処理組織を使用して申出情報を登記所に提供する方法
二  申出情報を記載した書面を登記所に提出する方法
4  申出情報の内容である登記名義人の氏名若しくは名称又は住所が登記記録と合致しないときは、申出情報と併せて当該登記名義人の氏名若しくは名称又は住所についての変更又は錯誤若しくは遺漏があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。
5  登記名義人の相続人その他の一般承継人が第一項の申出をするときは、申出情報と併せて相続その他の一般承継があったことを証する市町村長、登記官その他の公務員が職務上作成した情報を提供しなければならない。ただし、公務員が職務上作成した情報がない場合にあっては、これに代わるべき情報を提供すれば足りる。
6  令第四条 本文、第七条第一項第一号及び第二号の規定は、第一項の申出をする場合について準用する。
7  第三十六条第一項から第三項までの規定は前項において準用する令第七条第一項第一号及び第二号 の法務省令で定める場合について、第三十七条の規定は第一項の申出をする場合について、それぞれ準用する。
8  令第十条 から第十二条 まで及び第十四条の規定は、第三項第一号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について準用する。
9  第四十一条及び第四十四条の規定は前項に規定する場合について、第四十二条の規定は前項において準用する令第十二条第一項及び第二項 の電子署名について、第四十三条の規定は前項において準用する令第十四条の法務省令で定める電子証明書について、それぞれ準用する。
10  令第十五条 から第十八条 までの規定は、第三項第二号に掲げる方法により第一項の申出をする場合について準用する。
11  第四十五条、第四十六条第一項及び第二項、第五十三条並びに第五十五条の規定は前項に規定する場合について、第四十七条第一号及び第二号の規定は前項において準用する令第十六条第一項の法務省令で定める場合について、第四十八条第一項第一号から第三号まで及び第二項の規定は前項において準用する令第十六条第二項の法務省令で定める場合について、第四十九条第一項第一号及び第三号の規定は前項において準用する令第十八条第一項の法務省令で定める場合について、第四十九条第二項各号(第四号を除く。)及び第三項の規定は前項において準用する令第十八条第二項の法務省令で定める場合について、それぞれ準用する。

e−Japan戦略(要旨)
(平成13年1月22日)
我が国は、すべての国民が情報通信技術(IT)を積極的に活用し、その恩恵を最大限に享受できる知識創発型社会の実現に向け、早急に革命的かつ現実的な対応を行わなければならない。市場原理に基づき民間が最大限に活力を発揮できる環境を整備し、5年以内に世界最先端のIT国家となることを目指す。
I.基本理念
1.IT革命の歴史的意義
(1)IT革命と知識創発型社会への移行
  IT革命は産業革命に匹敵する歴史的大転換を社会にもたらす。ITの進歩により、知識の相互連鎖的な進化が高度な付加価値を生み出す知識創発型社会に移行する。
(2)新しい国家基盤の必要性
  我が国が繁栄を維持して豊かな生活を実現するには、新しい社会にふさわしい法制度や情報通信インフラなどの国家基盤を早急に確立する必要がある。
2.各国のIT革命への取り組みと日本の遅れ
(1)各国のIT国家戦略への取り組み
  知識創発のための環境整備が21世紀の各国の国際競争優位を決定するため、欧米・アジア諸国はIT基盤構築を国家戦略として集中的に進めようとしている。
(2)我が国のIT革命への取り組みの遅れ
  我が国のインターネット利用の遅れの主要因は、地域通信市場の独占による高い通信料金、公正・活発な競争を妨げる規制の存在等、制度的な問題にある。
3.基本戦略
(1)国家戦略の必要性
  世界最先端のIT環境の実現等に向け、必要な制度改革や施策を5年間で緊急・集中的に実行するには、国家戦略を構築して国民全体で構想を共有することが重要である。
  民間は自由で公正な競争を通じて様々な創意工夫を行い、政府は、市場が円滑に機能するような環境整備を迅速に行う。
(2)目指すべき社会
1.すべての国民が情報リテラシーを備え、豊富な知識と情報を交流し得る。
2.競争原理に基づき、常に多様で効率的な経済構造に向けた改革が推進される。
3.知識創発型社会の地球規模での発展に向けて積極的な国際貢献を行う。
II.重点政策分野
1.超高速ネットワークインフラ整備及び競争政策
(1)目標
1.5年以内に超高速アクセス(目安として30〜100Mbps)が可能な世界最高水準のインターネット網の整備を促進し、必要とするすべての国民が低廉な料金で利用できるようにする。(少なくとも3000万世帯が高速インターネット網に、また1000万世帯が超高速インターネット網に常時接続可能な環境の整備を目指す。)
2.1年以内に有線・無線の多様なアクセス網により、すべての国民が極めて安価にインターネットに常時接続することを可能とする。
3.IPv6を備えたインターネット網への移行を推進する。
(2)推進すべき方策
1.超高速ネットワークインフラの整備及び競争の促進
ア)非対称規制の導入、各種規制の大幅な見直し、事前規制の事後チェック型行政への転換、支配的事業者の反競争的行為に対する監視機能の強化、利用者の苦情及び事業者間紛争等への迅速な対応等のための専門機関の設置、並びに公正取引委員会の機能強化による競争阻害行為排除
イ)光ファイバー等の公正・公平な利用促進のための明確なルール等の設定
ウ)無線周波数資源について、オークション方式なども考慮に入れた公正・透明な割り当ての検討・実施
2.情報格差の是正、研究開発の支援・促進、国際インターネット網の整備
2.電子商取引
  2002年までに、電子商取引を阻害する規制の改革、既存ルールの解釈の明確化、電子契約ルールや消費者保護等に関する法制整備等誰もが安心して電子商取引に参加できる制度基盤と市場ルールを整備し、電子商取引の大幅な普及を促進する。
3.電子政府の実現
  2003年までに、行政(国・地方公共団体)内部の電子化、官民接点のオンライン化、行政情報のインターネット公開・利用促進、地方公共団体の取組み支援等を推進し、電子情報を紙情報と同等に扱う行政を実現し、幅広い国民・事業者のIT化を促す。
4.人材育成の強化
  インターネット接続環境の整備による国民の情報リテラシーの向上、ITを指導する人材の育成、IT技術者・研究者の育成(2005年までに米国水準を上回る高度なIT技術者・研究者を確保)及びコンテンツ・クリエイターの育成に取り組み、人材という基盤を強固なものとする。

【憲法】
第二十九条  財産権は、これを侵してはならない。
○2  財産権の内容は、公共の福祉に適合するやうに、法律でこれを定める。
○3  私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。

【民法】
(物権の設定及び移転)
第百七十六条  物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。
(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
第百七十七条  不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法 (平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。

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