新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.785、2008/4/23 15:45

【民事・盗まれた印鑑と通帳での預金払い戻しは有効か・準占有者に対する弁済と銀行に要求される注意義務の内容・平成18年度施行偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律】

質問:私は、サラリーマンなのですが、銀行の通帳をしばらく見ていなかったことに気付き、紛失したかと思って、届出印を持って、銀行に手続きに行ったところ、預金500万円がほとんど引き出されていたことが判明しました。銀行の担当者がいうには、一ヶ月前に、窓口に通帳と印鑑を持った人が現れ、引き出して行ったということでした。印鑑は手元にあるので、印影が同じだとしたら、偽造したものだと思います。銀行は、預金通帳と印鑑が適合していたので払い戻しに応じたそうです。銀行に対して、責任を問うことはできないでしょうか。

回答:
1.基本的に、盗難にあった通帳と偽造印鑑を持参した人に対する銀行の払い戻しは、善意で過失がない限り、準占有者(民法478条)に対する弁済として有効となります。

2.過失とは、銀行が金融取引担当者として要求される一般的注意(善管注意義務)をすれば、払い戻し請求者が正当な権利者でない事を確認できたのにしなかった場合です。

3.本件の場合、盗難にあったという貴方の方にも責任はありますが、一度に引き落とした金額が500万円という高額ですし、過去にそのような取引例がほとんどないようであれば、通帳印鑑持参者に身分証明を明らかにする手続、例えば身分証明書等の提示、本人確認の生年月日、暗証番号等の質問、確認をしていないようですので、銀行側の「過失」が認定される可能性が高いと思われます。従って、払い戻しは無効であり、貴方は再度預金の支払いを請求できる事になるでしょう。

4.但し、通帳、印鑑の保管方法について、貴方に重大な過失責任(紛失、第三者に預けた場合)がある場合は、民法418条過失相殺の規定を類推適用して、預金債権請求額を減額される可能性があります。

5.尚本件は、盗難通帳によるATM機での払い戻しではありませんから適用はありませんが、平成18年に成立した偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律も参考にしてください。

6.又、本件のように個々の払い戻しではなく、銀行等金融機関の基本的預金契約における本人確認義務は、現在、平成20年3月1日施行犯罪による収益の移転防止に関する法律により規定されています。それに伴い「金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律(平成14年法律第32号)」(本人確認法)は廃止されましたが、金融機関との取引に際して行われる本人確認の内容は基本的に変更されていません。

解説:
1.民法上、貴方と銀行の預金契約は、預った金員を銀行側が消費でき同額の物を返還すればいいのですから、消費寄託契約に該当します(民法666条)。消費貸借の規定が準用されていますが、消費貸借と違い寄託者のための契約(銀行取引で言えば預金者のための契約)であるところに特色があります。銀行は、預った金員同額を預金者本人に返す義務がありますから、第三者に払い戻しをしても返還義務を履行したことにはなりませんので、債務について免責されることはありません。しかし、銀行は、本人の預金通帳と偽造されたとはいえ真正と思われる印鑑の持参者に払い戻しをしておりますから、民法478条の債権の準占有者に対する弁済に該当し、免責されるのではないかという問題が生じてきます。

2.民法478条は、本来の権利者でなくても債権者のような外観を有する者に対して弁済した債務者の信頼を保護し、債務弁済行為を円滑、迅速にし適正な取引行為を維持するために規定されています。契約自由の原則(私的自治の法理)から言えば、契約内容は守られなければなりませんから、いかなる事情があろうとも債務者が権利者以外の人に弁済しても有効にならないはずです。しかし、債権者らしき外観を有する者に対し、債権者と信じかつ信じることがやむを得ないで(善意、無過失)弁済したのに債務者が免責されないとすると、債務者としては二重払いの危険を回避するために、その都度、真の権利者かどうか詳細に調査することになり、契約で最も重要な決済、弁済が遅延し円滑迅速な取引が出来なくなってしまいます。しかし、契約自由の原則の本来の目的は、適正迅速な取引社会の形成維持にありますから、債務者が債権者と信じ、信じることがやむを得ない場合には、これを例外的に保護し、真の権利者を犠牲にして円滑な取引行為を維持しようとしたのです。これが準占有者に対する弁済です。本条は、例外的規定ですし、真の権利者を犠牲にするものであり取引の安全(動的安全)と権利者利益(静的安全)をどう調和するかという問題(民法の問題はすべてこの課題に帰着します)ですから、債権者と信じることがやむを得ないとはどのような場合かを個別具体的に検討する必要があります。例えば、当該取引行為の内容、過去の経過、準占有者の言動、弁済者の地位、業務職種内容、具体的対応手続の実現可能性、慣例、外観を有すると判断する具体的内容、持参書類、等をその時々の経済取引事情を基にして総合的に判断することになります。

3.先ず、通帳と偽造して印鑑を持ってきた人が「債権の準占有者」に該当するかという問題ですが、債権の準占有者とは、取引通念上債権者らしい外観を有する者と解釈されています。準占有とは、物(物の場合占有権となります)以外の財産権を自己のためにする意思を持って現実に支配することですから(民法205条)、債権を現実に支配している状態を意味します。事実的支配すなわち支配の外観を意味するので、債権という権利を正当に有しているかどうかは無関係です。本件では、通帳と印鑑を持って銀行窓口に現れた人は、外形上あたかも預金債権を有しているものと判断する事ができますので、債権の準占有者ということになります。

4.次に、窓口担当者は、持参した通帳、偽造された印鑑のみを照合し預金債権者と信じて支払いに応じていますが、銀行員として「無過失」であったかどうかが問題となります。具体的に言えば、通帳、印鑑照合の他に本人確認手続すなわち、身分証明書等の確認、生年月日、住所、キャッシュカード暗証番号の確認をする義務があるかどうかが問題になります。

5.
@基本的には、通帳と印鑑(偽造でも)の照合だけで注意義務を果たしたといえますが、銀行側からみて正当な権利者であるかどうか不審な状況がある場合には、更に本人確認手続を行う注意義務が生じるものと考えるべきです。不審な点があるかどうかの判断は、支払いを行った当該銀行担当者側の具体的能力、事情ではなく、適正に銀行業務を行う金融業者として客観的に要求される水準を基にして、預金者が個人か業者であるか、払い戻し行為の金額、過去の取引履歴、準占有者の払い戻し時における一切の言動、取引場所が口座開設場所か他の支店か、等を総合的に判断される事になります。

A無過失とは、注意義務を怠っていないことを意味しますが、この場合の注意義務の程度は、取引当事者の社会的地位に応じて客観的に求められる善管注意義務ということになります。

B民法の体系上取引行為における当事者の注意義務の基本は善管注意義務であり、無償寄託物の保管に関する自己と同一の注意義務は寄託者にのみ利益が存するという事情から認められた例外です(民法659条)。対等な取引行為である以上、相手方の利益を保護しなければならないからです。特定物の引渡しにおける善管注意義務(民法400条)、受任者の善管注意義務(644条)は例示的なものです。銀行は商人であり、当然に善管注意義務を負うことになります(商法593条)。又本条は例外規定ですから、免責を認める主観的要件は厳格に解釈せざるを得ないからです。

C以上から、不審性の判断も支払いを行った当該銀行担当者の具体的能力、事情ではなく、適正に銀行業務を行う業者として客観的に要求される水準を基にして、注意義務違反があったかどうかを個別具体的、総合的に判断することになります。

6.本件の場合銀行担当者は、準占有者の本人確認をする義務があり、銀行側に過失を認定する事が可能と思われます。その理由ですが、
@銀行の窓口担当者は、金融取引の専門的知識に精通しており、過去の取引履歴を参照すれば一般家庭において1度の払い戻しで500万円の引き出しは、通常の取引からみてあまりに高額であることを察知できる状況であったと思われ、引き出すものが通帳、印鑑を持参しても異常な取引として一旦取引を中断し、更なる本人確認手続をとる必要性が認められるからです。
A 近時、印鑑の精巧な偽造による預金引き出しは問題になっているところであり、そのような金融事件情報を感知出来る立場にある以上、印鑑の照合のみでは取引専門家としては十分な注意を払ったとはいえません。
B本人確認手続としては、身分証明書の提示、住所、生年月日、電話番の確認が窓口で費用、時間もかけないで簡易的方法として可能であったにもかかわらず履行されていません。
C通帳が盗難にあい、1ヶ月以上も放置していた事情がありますが、債権者側の過失が弁済者の客観的善管注意義務を軽減する事にはなりませんから、それをもって銀行免責の根拠とは出来ません。
D但し、銀行側の過失が認められ預金2重払いの問題になった時、預金者の過失が過大であれば民法418条過失相殺の規定の類推により預金者の預金返還請求が減額される可能性は残ると思われます。
E尚、現在東京三菱UFJ銀行では100万円以上の支払いには、本人確認手続が必要とされているようです。

7.具体的判例を検討してみます。
@福岡高等裁判所判決、平成18年8月9日預金返還請求控訴事件。旅館の経営者が客に通帳印鑑を盗まれ(犯人逮捕)犯人が、経営者の弟に成りすまし銀行で600万円引きおとしたことについて、払い戻しの際種々の不審な点があったのにもかかわらず、預金者の個人情報を確認もせず、その者の身分証明を求め、電話で問い合わせをするなどして確認すべきであったのに、これを怠ったとして支払った銀行に過失を認めています。不審な点としては事業者といえども600万円は預金のほぼ全額であり過去の取り扱いがなく高額である点。窃盗犯が通帳を基に当初600万円の小切手発行を銀行に求めたのに小切手の知識がなく不自然な行動をとっていたこと。過去当該支店での払い戻しがなかったこと等です。債権者(旅館経営者)が客に通帳印鑑の保管場所を説明し、不在期間を明らかにした点を捉え第1審は債権者の過失を認め過失相殺20%を控除しました(控訴審では破棄されました)。妥当な判決でしょう。

A大阪地方裁判所 平成19年5月25日判決、平成18年(ワ)第7564号(預金払戻し請求事件)。不動産売買を行う有限会社の印鑑通帳を利用して(盗難か紛失かは不明)、ほぼ預金全額に当たる277万円の払い戻しについて、銀行側の本人確認手続を不要として無過失を認めています。過去の取引履歴は最高が17万円であり、口座開設以外の支店での取引です。本件は、本人の通帳印鑑の管理についての内容が不明であり(盗難かどうかも不明)、窓口での準占有者について不審な点はないとしています。金額の点で問題点はありますが不動産業者でありやむを得ない判断でしょう。

B大阪地方裁判所 平成18年4月11日判決、平成17年(ワ)第2408号(預金払戻請求事件)。この事件は、1100万円の支払いですが、預金者(クラブのママが強盗にあう)以外の人が通帳、印鑑を所持し、新住所記載、暗証番号(キャッシュカード)、運転免許証の確認をしていれば(免許証の写真も本人と似ていたという事情がある場合)、本人と誤信したことについて無過失と判断しています。1100万円の支払い、口座開設以外の支店での支払いであり、本人への確認連絡はしていませんが、無過失といえるでしょう。

C最高裁判例(昭和46年6月10日判決)は、準占有者の弁済について判断したものではありませんが、当座勘定取引契約に基づき印鑑を偽造された約束手形の支払いをした銀行の注意義務を明らかにしたものです。銀行の善管注意義務を前提にして、届出印影と払戻請求者の提示した印影との間に、事前に習熟している銀行員が業務上相当な注意をもって慎重に照合した場合に発見できるような相違があった場合(印鑑の大きさが違っていた)は銀行側に過失を認めています。これに反する免責約款の効力を認めませんでした。従って、準占有者の弁済においては、通帳と偽造印鑑による払い戻しについて参考になるものと考えられます。判例を参照します。「おもうに、銀行が当座勘定取引契約によって委託されたところに従い、取引先の振り出した手形の支払事務を行なうにあたつては、委任の本旨に従い善良な管理者の注意をもつてこれを処理する義務を負うことは明らかである。したがつて、銀行が自店を支払場所とする手形について、真実取引先の振り出した手形であるかどうかを確認するため、届出印鑑の印影と当該手形上の印影とを照合するにあたつては、特段の事情のないかぎり、折り重ねによる照合や拡大鏡等による照合をするまでの必要はなく、前記のような肉眼によるいわゆる平面照合の方法をもつてすれば足りるにしても、金融機関としての銀行の照合事務担当者に対して社会通念上一般に期待されている業務上相当の注意をもつて慎重に事を行なうことを要し、かかる事務に習熟している銀行員が右のごとき相当の注意を払つて熟視するならば肉眼をもつても発見しうるような印影の相違が看過されたときは、銀行側に過失の責任があるものというべく、偽造手形の支払による不利益を取引先に帰せしめることは許されないものといわなければならない。このことは、原審が認定しているように、当座勘定取引契約に、「手形小切手の印影が、届出の印鑑と符合すると認めて支払をなした上は、これによつて生ずる損害につき銀行は一切その責に任じない」旨のいわゆる免責約款が存する場合においても異なるところはなく、かかる免責約款は、銀行において必要な注意義務を尽くして照合にあたるべきことを前提とするものであつて、右の注意義務を尽くさなかつたため銀行側に過失があるとされるときは、当該約款を援用することは許されない趣旨と解すべきである。」

D以上のように近時の判例は、たとえ印影が同一と判断されても、払い戻し請求権者に氏名、生年月日を聞いたか、払い戻し請求書に誤記がないか、通帳名義人と払い戻し請求者の性別が同じであるか、払い戻し請求が口座開設店と同じ支店であるか、全ての残高を払い戻すようなものではないか、(複数回だとしても)近接して払い戻しがされていないか、そのような払い戻しの態様が過去の取引履歴と比べて差異がないか、など、当該払い戻しにかかる客観的状況から、銀行の過失の有無を判断するような傾向があります。

8.なお、近時、特にATMからの不当払い戻し事例が増加していることをうけ、平成18年2月から、偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律(いわゆる預金者保護法)が施行されました。

9.「預金者保護法」では、ATMからの払い戻しについて、これまで述べてきたような民法上の原則に特例を設け(第3条)、不正払い戻しがあった場合に銀行が全額補償することを事実上の原則としています。この法律の制度趣旨は、簡単に言うと違法な払い戻しに責任がない預金者の保護です。偽造、盗難カード、通帳によりATM機械払い戻しの場合でも窓口での支払いと同じ様に準占有者に対する弁済の問題が生じます。今までの判例に従えば銀行側としては、カード、通帳行使している者が例え権利者でなくてもカード、通帳を使用している限り預金者の概観を有するのですから債権の準占有者であり、ATM機である以上権利行使者の不審性を確知する事は出来ませんし、精巧な偽造を見抜く機械がない以上、支払いについて銀行側は善管注意義務を果たしたことになり無過失ということにならざるを得ません。しかし、預金者とすれば自ら直接関知しない偽造、盗難による場合払い戻しの責任を全て負わせることは不公平ともいえます。元々、準占有者への弁済規定は取引の安全と静的安全(真の権利者保護)の調和の問題であり、銀行取引により利益を得ている金融機関と単なる消費者の実質的公平を図り偽造、盗難カードに限り例外的に準占有者に対する弁済の過失の要件を厳格にし適用を排除したのです。従って、預金者に責任が認められる場合は、原則に戻り準占有者に対する弁済の効果が認められることになります。又、遺失、紛失の場合当該法律の適用はありませんし、預金者の帰責度を考慮し偽造カード、通帳の不正利用と、盗難カード・通帳の不正利用で預金者の保護の扱いを異にします。

10.まず、偽造カード・通帳の場合は、預金者に、故意があるか、又は、預金者に重過失があって、かつ金融機関が無過失であるというような場合でなければ、銀行は免責されません(第4条)。通常偽造について預金者側に責任を認めることは出来ないからです。

11.
(1)一方、盗難カード・通帳の不正利用の場合は、預金者に真正なカード、通帳の保管義務がありますから、要件を厳格にしています。@預金者がカード・通帳が盗難にあったことを速やかに銀行に通知し、A銀行に対して、盗難の事情、状況について説明し、B警察に被害届けを出したことを金融機関に報告することによって預金者が保護されます(第5条1項)。

(2)又、預金者の過失の度合いにより損害の公平な分担を図っています。預貯金者に過失があり、かつ、銀行が善意・無過失の場合には、被害額の4分の3しか補償をうけられず、預金者に故意・重過失がある場合には、補償を受けることができません(第5条2項)。例えば、本人が他人に暗証番号を知らせた場合や、カード上に暗証番号を記載したような場合には、重過失ありとして、補償されないことになります。また、過失がある場合として考えられるのは、銀行から、生年月日等の類推されやすい暗証番号から、別の番号に変更するように、個別、具体的、複数回にわたる働きかけが行なわれたにもかかわらず、生年月日、自宅の住所・地番・電話番号、勤務先の電話番号、自動車などのナンバーを暗証番号としていて、かつ、暗証番号を推測させる書類等(パスポート、免許証など)とともに携行していた場合、などが考えられます。なお、これらの故意・過失等の立証責任は預金者の保護という趣旨から銀行側にあることになります。勿論銀行にカード、通帳紛失を届け出た後に引き出されるということはないでしょうから、この規定は紛失届け出前に引き出された場合を予想しています。

≪条文参照≫

民法
(特定物の引渡しの場合の注意義務)
第400条  債権の目的が特定物の引渡しであるときは、債務者は、その引渡しをするまで、善良な管理者の注意をもって、その物を保存しなければならない。
第478条 債権の準占有者に対してした弁済は、その弁済をした者が善意であり、かつ、過失がなかったときに限り、その効力を有する。
(無償受寄者の注意義務)
第659条  無報酬で寄託を受けた者は、自己の財産に対するのと同一の注意をもって、寄託物を保管する義務を負う。

偽造カード等及び盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護等に関する法律
(目的)
第一条  この法律は、偽造カード等又は盗難カード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等による被害が多数発生していることにかんがみ、これらのカード等を用いて行われる機械式預貯金払戻し等に関する民法 (明治二十九年法律第八十九号)の特例等について定めるとともに、これらのカード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等の防止のための措置等を講ずることにより、これらのカード等を用いて行われる不正な機械式預貯金払戻し等からの預貯金者の保護を図り、あわせて預貯金に対する信頼を確保し、もって国民経済の健全な発展及び国民生活の安定に資することを目的とする。
(定義)
第二条  この法律において「金融機関」とは、次に掲げるものをいう。
一  銀行
二  信用金庫
三  信用金庫連合会
四  労働金庫
五  労働金庫連合会
六  信用協同組合
七  信用協同組合連合会
八  農業協同組合
九  農業協同組合連合会
十  漁業協同組合
十一  漁業協同組合連合会
十二  水産加工業協同組合
十三  水産加工業協同組合連合会
十四  農林中央金庫
十五  商工組合中央金庫
2  この法律において「預貯金者」とは、金融機関と預貯金等契約(預貯金の預入れ及び引出しに係る契約又はこれらに併せて金銭の借入れに係る事項を含む契約をいう。以下同じ。)を締結する個人をいう。
3  この法律において「真正カード等」とは、預貯金等契約に基づき預貯金者に交付された預貯金の引出用のカード又は預貯金通帳(金銭の借入れをするための機能を併せ有するものを含む。以下「カード等」という。)をいう。
4  この法律において「偽造カード等」とは、真正カード等以外のカード等その他これに類似するものをいう。
5  この法律において「盗難カード等」とは、盗取された真正カード等をいう。
6  この法律において「機械式預貯金払戻し」とは、金融機関と預貯金者との間において締結された預貯金等契約に基づき行われる現金自動支払機(預貯金等契約に基づき預貯金の払戻し又は金銭の借入れを行うことができる機能を有する機械をいう。次項において同じ。)による預貯金の払戻し(振込みに係る預貯金者の口座からの払戻しを含む。)をいう。
7  この法律において「機械式金銭借入れ」とは、金融機関と預貯金者との間において締結された預貯金等契約に基づき行われる現金自動支払機による金銭の借入れ(預貯金以外のものを担保とする借入れを除く。)をいう。

(カード等を用いて行われる機械式預貯金払戻し等に関する民法の特例)
第三条  民法第四百七十八条の規定は、カード等その他これに類似するものを用いて行われる機械式預貯金払戻し及び機械式金銭借入れ(以下「機械式預貯金払戻し等」という。)については、適用しない。ただし、真正カード等を用いて行われる機械式預貯金払戻し等については、この限りでない。
(偽造カード等を用いて行われた機械式預貯金払戻し等の効力)
第四条  偽造カード等を用いて行われた機械式預貯金払戻しは、当該機械式預貯金払戻しに係る預貯金等契約を締結している預貯金者の故意により当該機械式預貯金払戻しが行われたものであるとき又は当該預貯金等契約を締結している金融機関が当該機械式預貯金払戻しについて善意でかつ過失がない場合であって当該預貯金者の重大な過失により当該機械式預貯金払戻しが行われることとなったときに限り、その効力を有する。
2  偽造カード等を用いて行われた機械式金銭借入れについては、当該機械式金銭借入れに係る預貯金等契約を締結している預貯金者の故意により当該機械式金銭借入れが行われたものであるとき又は当該預貯金等契約を締結している金融機関が当該機械式金銭借入れについて善意でかつ過失がない場合であって当該預貯金者の重大な過失により当該機械式金銭借入れが行われることとなったときに限り、当該預貯金者がその責任を負う。
(盗難カード等を用いて行われた不正な機械式預貯金払戻し等の額に相当する金額の補てん等)
第五条  預貯金者は、自らの預貯金等契約に係る真正カード等が盗取されたと認める場合において、次の各号のいずれにも該当するときは、当該預貯金等契約を締結している金融機関に対し、当該盗取に係る盗難カード等を用いて行われた機械式預貯金払戻しの額に相当する金額の補てんを求めることができる。
一  当該真正カード等が盗取されたと認めた後、速やかに、当該金融機関に対し盗取された旨の通知を行ったこと。
二  当該金融機関の求めに応じ、遅滞なく、当該盗取が行われるに至った事情その他の当該盗取に関する状況について十分な説明を行ったこと。
三  当該金融機関に対し、捜査機関に対して当該盗取に係る届出を提出していることを申し出たことその他当該盗取が行われたことが推測される事実として内閣府令で定めるものを示したこと。
2  前項の規定による補てんの求めを受けた金融機関は、当該補てんの求めに係る機械式預貯金払戻しが盗難カード等を用いて行われた不正なものでないこと又は当該機械式預貯金払戻しが当該補てんの求めをした預貯金者の故意により行われたことを証明した場合を除き、当該補てんの求めをした預貯金者に対して、当該機械式預貯金払戻しの額に相当する金額(基準日以後において行われた当該機械式預貯金払戻しの額に相当する金額に限る。以下「補てん対象額」という。)の補てんを行わなければならない。ただし、当該金融機関が、当該機械式預貯金払戻しが盗難カード等を用いて不正に行われたことについて善意でかつ過失がないこと及び当該機械式預貯金払戻しが当該預貯金者の過失(重大な過失を除く。)により行われたことを証明した場合は、その補てんを行わなければならない金額は、補てん対象額の四分の三に相当する金額とする。
3  第一項の規定による補てんの求めを受けた金融機関は、前項の規定にかかわらず、次の各号のいずれかに該当することを証明した場合には、当該補てんの求めをした預貯金者に対して、補てんを行うことを要しない。
一  当該補てんの求めに係る機械式預貯金払戻しが盗難カード等を用いて不正に行われたことについて金融機関が善意でかつ過失がないこと及び次のいずれかに該当すること。
イ 当該機械式預貯金払戻しが当該預貯金者の重大な過失により行われたこと。
ロ 当該機械式預貯金払戻しが当該預貯金者の配偶者、二親等内の親族、同居の親族その他の同居人又は家事使用人によって行われたこと。
ハ 当該預貯金者が、第一項第二号に規定する金融機関に対する説明において、重要な事項について偽りの説明を行ったこと。
二  当該盗難カード等に係る盗取が戦争、暴動等による著しい社会秩序の混乱に乗じ、又はこれに付随して行われたこと。
4  預貯金者が自らの預貯金等契約に係る真正カード等が盗取されたと認める場合において第一項各号のいずれにも該当するときは、当該預貯金等契約を締結している金融機関は、当該盗取に係る盗難カード等を用いて行われた機械式金銭借入れについて、当該金融機関が当該機械式金銭借入れが盗難カード等を用いて行われた不正なものでないこと又は当該機械式金銭借入れが当該預貯金者の故意により行われたものであることを証明した場合を除き、当該機械式金銭借入れ(基準日以後において行われた当該機械式金銭借入れに限る。以下「対象借入れ」という。)について、その支払を求めることができない。ただし、当該金融機関が、当該機械式金銭借入れが盗難カード等を用いて不正に行われたことについて善意でかつ過失がないこと及び当該機械式金銭借入れが当該預貯金者の過失(重大な過失を除く。)により行われたことを証明した場合は、その支払を求めることができない金額は、対象借入れに係る額の四分の三に相当する金額とする。
5  第三項の規定は、前項の場合について準用する。この場合において、第三項中「第一項の規定による補てんの求めを受けた金融機関は、前項の規定にかかわらず、」とあるのは「第四項の規定は、同項の金融機関が」と、「当該補てんの求めをした預貯金者に対して、補てんを行うことを要しない」とあるのは「適用しない」と、同項第一号中「当該補てんの求めに係る機械式預貯金払戻し」とあるのは「第四項の機械式金銭借入れ」と、「当該機械式預貯金払戻し」とあるのは「当該機械式金銭借入れ」と読み替えるものとする。
6  第二項及び第四項に規定する基準日とは、第一項第一号に規定する通知を行った日の三十日(預貯金者が、同項又は第四項の盗取が行われた日(当該盗取が行われた日が明らかでないときは、当該盗取に係る盗難カード等を用いて行われた不正な機械式預貯金払戻し又は機械式金銭借入れが最初に行われた日。以下この項及び第七条において同じ。)以後三十日を経過する日までの期間内に当該盗取が行われたことを知ることができなかったことその他の当該通知をすることができなかったことについてやむを得ない特別の事情がある期間があることを証明したときは、三十日に当該特別の事情が継続している期間の日数を加えた日数)前の日(その日が当該盗取が行われた日前の日であるときは、当該盗取が行われた日)をいう。

犯罪による収益の移転防止に関する法律
(平成十九年三月三十一日法律第二十二号)
(目的)
第一条  この法律は、犯罪による収益が組織的な犯罪を助長するために使用されるとともに、これが移転して事業活動に用いられることにより健全な経済活動に重大な悪影響を与えるものであること、及び犯罪による収益の移転が没収、追徴その他の手続によりこれをはく奪し、又は犯罪による被害の回復に充てることを困難にするものであることから、犯罪による収益の移転を防止すること(以下「犯罪による収益の移転防止」という。)が極めて重要であることにかんがみ、特定事業者による顧客等の本人確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出等の措置を講ずることにより、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律 (平成十一年法律第百三十六号。以下「組織的犯罪処罰法」という。)及び国際的な協力の下に規制薬物に係る不正行為を助長する行為等の防止を図るための麻薬及び向精神薬取締法等の特例等に関する法律 (平成三年法律第九十四号。以下「麻薬特例法」という。)による措置と相まって、犯罪による収益の移転防止を図り、併せてテロリズムに対する資金供与の防止に関する国際条約等の的確な実施を確保し、もって国民生活の安全と平穏を確保するとともに、経済活動の健全な発展に寄与することを目的とする。
(定義)
第二条  この法律において「犯罪による収益」とは、組織的犯罪処罰法第二条第四項 に規定する犯罪収益等又は麻薬特例法第二条第五項 に規定する薬物犯罪収益等をいう。
2  この法律において「特定事業者」とは、次に掲げる者をいう。
一  銀行
二  信用金庫
三  信用金庫連合会
四  労働金庫
五  労働金庫連合会
六  信用協同組合
七  信用協同組合連合会
八  農業協同組合
九  農業協同組合連合会
十  漁業協同組合
十一  漁業協同組合連合会
十二  水産加工業協同組合
十三  水産加工業協同組合連合会
十四  農林中央金庫
十五  商工組合中央金庫
十六  保険会社
十七  保険業法(平成七年法律第百五号)第二条第七項に規定する外国保険会社等
十八  保険業法第二条第十八項に規定する少額短期保険業者
十九  共済水産業協同組合連合会
二十  金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号)第二条第九項に規定する金融商品取引業者
二十一  金融商品取引法第二条第三十項に規定する証券金融会社
二十二  金融商品取引法第六十三条第三項に規定する特例業務届出者
二十三  信託会社
二十四  信託業法(平成十六年法律第百五十四号)第五十条の二第一項の登録を受けた者
二十五  不動産特定共同事業法(平成六年法律第七十七号)第二条第五項に規定する不動産特定共同事業者(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(昭和十八年法律第四十三号)第一条第一項の認可を受けた金融機関であって、不動産特定共同事業法第二条第四項に規定する不動産特定共同事業を営むものを含む。)
二十六  無尽会社
二十七  貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第二条第二項に規定する貸金業者
二十八  貸金業法第二条第一項第五号に規定する者のうち政令で定める者
二十九  商品取引所法(昭和二十五年法律第二百三十九号)第二条第十八項に規定する商品取引員
三十  社債、株式等の振替に関する法律(平成十三年法律第七十五号)第二条第二項に規定する振替機関(同法第四十八条の規定により振替機関とみなされる日本銀行を含む。)
三十一  社債、株式等の振替に関する法律第二条第四項に規定する口座管理機関
三十二  独立行政法人郵便貯金・簡易生命保険管理機構
三十三  本邦において両替業務(業として外国通貨(本邦通貨以外の通貨をいう。)又は旅行小切手の売買を行うことをいう。)を行う者
三十四  顧客に対し、その指定する機械類その他の物品を購入してその賃貸(政令で定めるものに限る。)をする業務を行う者
三十五  それを提示し又は通知して、特定の販売業者から商品若しくは権利を購入し、又は特定の役務提供事業者(役務の提供の事業を営む者をいう。以下この号において同じ。)から有償で役務の提供を受けることができるカードその他の物又は番号、記号その他の符号(以下「クレジットカード等」という。)をこれにより商品若しくは権利を購入しようとする者又は役務の提供を受けようとする者(以下「利用者たる顧客」という。)に交付し又は付与し、当該利用者たる顧客が当該クレジットカード等を提示し又は通知して特定の販売業者から商品若しくは権利を購入し、又は特定の役務提供事業者から有償で役務の提供を受けたときは、当該販売業者又は役務提供事業者に当該商品若しくは権利の代金又は当該役務の対価に相当する額の金銭を直接に又は第三者を経由して交付するとともに、当該利用者たる顧客から、あらかじめ定められた時期までに当該代金若しくは当該対価の合計額の金銭を受領し、又はあらかじめ定められた時期ごとに当該合計額を基礎としてあらかじめ定められた方法により算定して得た額の金銭を受領する業務を行う者
三十六  宅地建物取引業法(昭和二十七年法律第百七十六号)第二条第三号に規定する宅地建物取引業者(信託会社又は金融機関の信託業務の兼営等に関する法律第一条第一項の認可を受けた金融機関であって、宅地建物取引業法第二条第二号に規定する宅地建物取引業(第四条第一項において単に「宅地建物取引業」という。)を営むもの(第二十条第一項第十四号において「みなし宅地建物取引業者」という。)を含む。)
三十七  金、白金その他の政令で定める貴金属若しくはダイヤモンドその他の政令で定める宝石又はこれらの製品(以下「貴金属等」という。)の売買を業として行う者
三十八  顧客に対し、自己の居所若しくは事務所の所在地を当該顧客が郵便物(民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物並びに大きさ及び重量が郵便物に類似する貨物を含む。以下同じ。)を受け取る場所として用い、又は自己の電話番号を当該顧客が連絡先の電話番号として用いることを許諾し、当該自己の居所若しくは事務所において当該顧客あての郵便物を受け取ってこれを当該顧客に引き渡し、又は当該顧客あての当該電話番号に係る電話(ファクシミリ装置による通信を含む。第二十条第一項第十一号において同じ。)を受けてその内容を当該顧客に連絡する役務を提供する業務を行う者
三十九  弁護士(外国法事務弁護士を含む。)又は弁護士法人
四十  司法書士又は司法書士法人
四十一  行政書士又は行政書士法人
四十二  公認会計士(公認会計士法(昭和二十三年法律第百三号)第十六条の二第五項に規定する外国公認会計士を含む。)又は監査法人
四十三  税理士又は税理士法人
(国家公安委員会の責務等)
第三条  国家公安委員会は、特定事業者による本人確認、取引記録等の保存、疑わしい取引の届出等の措置が的確に行われることを確保するため、特定事業者に対し犯罪による収益の移転に係る手口に関する情報の提供その他の援助を行うとともに、犯罪による収益の移転防止の重要性について国民の理解を深めるよう努めるものとする。
2  国家公安委員会は、特定事業者により届け出られた疑わしい取引に関する情報その他の犯罪による収益に関する情報が、刑事事件の捜査及び犯則事件の調査並びに犯罪による収益の移転防止に関する国際的な情報交換その他の協力に有効に活用されるよう、迅速かつ的確にその集約、整理及び分析を行うものとする。
3  国家公安委員会その他の関係行政機関及び地方公共団体の関係機関は、犯罪による収益の移転防止について相互に協力するものとする。
(本人確認義務等)
第四条  特定事業者(第二条第二項第三十九号に掲げる特定事業者(第八条において「弁護士等」という。)を除く。以下同じ。)は、顧客(同項第三十五号に掲げる特定事業者にあっては、利用者たる顧客。以下同じ。)又はこれに準ずる者として政令で定める者(以下「顧客等」という。)との間で、次の表の上欄に掲げる特定事業者の区分に応じそれぞれ同表の中欄に定める業務(以下「特定業務」という。)のうち同表の下欄に定める取引(以下「特定取引」という。)を行うに際しては、運転免許証の提示を受ける方法その他の主務省令で定める方法により、当該顧客等について、本人特定事項(当該顧客等が自然人である場合にあっては氏名、住居(本邦内に住居を有しない外国人で政令で定めるものにあっては、主務省令で定める事項)及び生年月日をいい、当該顧客等が法人である場合にあっては名称及び本店又は主たる事務所の所在地をいう。以下同じ。)の確認(以下「本人確認」という。)を行わなければならない。

特定事業者
特定業務
特定取引

第二条第二項第一号から第三十三号までに掲げる者
金融に関する業務その他の政令で定める業務
預貯金契約(預金又は貯金の受入れを内容とする契約をいう。第二十六条第一項において同じ。)の締結、為替取引その他の政令で定める取引

第二条第二項第三十四号に掲げる者
同号に規定する業務
同号に規定する物品の賃貸借契約の締結その他の政令で定める取引

第二条第二項第三十五号に掲げる者
同号に規定する業務
クレジットカード等の交付又は付与を内容とする契約の締結その他の政令で定める取引

第二条第二項第三十六号に掲げる者
宅地建物取引業のうち、宅地(宅地建物取引業法第二条第一号に規定する宅地をいう。以下この表において同じ。)若しくは建物(建物の一部を含む。以下この表において同じ。)の売買又はその代理若しくは媒介に係るもの
宅地又は建物の売買契約の締結その他の政令で定める取引

第二条第二項第三十七号に掲げる者
貴金属等の売買の業務
貴金属等の売買契約の締結その他の政令で定める取引

第二条第二項第三十八号に掲げる者
同号に規定する業務
同号に規定する役務の提供を行うことを内容とする契約の締結その他の政令で定める取引

第二条第二項第四十号に掲げる者
司法書士法(昭和二十五年法律第百九十七号)第三条若しくは第二十九条に定める業務又はこれらに付随し、若しくは関連する業務のうち、顧客のためにする次に掲げる行為又は手続(政令で定めるものを除く。)についての代理又は代行(以下「特定受任行為の代理等」という。)に係るもの
特定受任行為の代理等を行うことを内容とする契約の締結その他の政令で定める取引

一 宅地又は建物の売買に関する行為又は手続

二 会社の設立又は合併に関する行為又は手続その他の政令で定める会社の組織、運営又は管理に関する行為又は手続(会社以外の法人、組合又は信託であって政令で定めるものに係るこれらに相当するものとして政令で定める行為又は手続を含む。)

三 現金、預金、有価証券その他の財産の管理又は処分(前二号に該当するものを除く。)

第二条第二項第四十一号に掲げる者
行政書士法(昭和二十六年法律第四号)第一条の二、第一条の三若しくは第十三条の六に定める業務又はこれらに付随し、若しくは関連する業務のうち、特定受任行為の代理等に係るもの
特定受任行為の代理等を行うことを内容とする契約の締結その他の政令で定める取引

第二条第二項第四十二号に掲げる者
公認会計士法第二条第二項若しくは第三十四条の五第一号に定める業務又はこれらに付随し、若しくは関連する業務のうち、特定受任行為の代理等に係るもの
特定受任行為の代理等を行うことを内容とする契約の締結その他の政令で定める取引

第二条第二項第四十三号に掲げる者
税理士法(昭和二十六年法律第二百三十七号)第二条若しくは第四十八条の五に定める業務又はこれらに付随し、若しくは関連する業務のうち、特定受任行為の代理等に係るもの
特定受任行為の代理等を行うことを内容とする契約の締結その他の政令で定める取引

2  特定事業者は、顧客等の本人確認を行う場合において、会社の代表者が当該会社のために当該特定事業者との間で特定取引を行うときその他の当該特定事業者との間で現に特定取引の任に当たっている自然人が当該顧客等と異なるとき(次項に規定する場合を除く。)は、当該顧客等の本人確認に加え、当該特定取引の任に当たっている自然人(以下「代表者等」という。)についても、本人確認を行わなければならない。
3  顧客等が国、地方公共団体、人格のない社団又は財団その他の政令で定めるものである場合には、当該顧客等のために当該特定事業者との間で現に特定取引の任に当たっている自然人を顧客等とみなして、第一項の規定を適用する。
4  顧客等(前項の規定により顧客等とみなされる自然人を含む。以下同じ。)及び代表者等は、特定事業者が本人確認を行う場合において、当該特定事業者に対して、顧客等又は代表者等の本人特定事項を偽ってはならない。
(特定事業者の免責)
第五条  特定事業者は、顧客等又は代表者等が特定取引を行う際に本人確認に応じないときは、当該顧客等又は代表者等がこれに応ずるまでの間、当該特定取引に係る義務の履行を拒むことができる。

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