新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.723、2007/12/12 10:15 https://www.shinginza.com/sakimono.htm

[民事・消費者の保護・先物取引の問題点は何か]

質問:私は大手印刷会社に勤めています。以前業者から職場への電話勧誘で初めて先物取引(金,ガソリン等)をしてみたのですが数ヶ月で多額(1千万以上)の損を出してしまいました。先物取引で損をした場合,先物取引業者に対しお金を請求できる場合があると聞いたことがあるのですが,どのような場合に請求できるのでしょうか。

回答:
貴方は,当初先物取引業者と一応納得して契約署名し取引したのでしょうが,取引して分かったと思いますが,聞きなれない用語と委託証拠金,追証,限月等取引形態の複雑性,業者からの連日の電話による予測,判断の困難性からよく理解できないうちに短期間で巨額の損失になったと思います。しかし,ここにこそ損害を取り戻せる根拠があります。貴方のように,取引の専門知識がほとんどない一人の一般消費者と,営利を至上命令として専門知識,組織力,営業の狡猾性,宣伝,広告等を駆使する業者の商取引に関しては,たとえ一旦納得の上での契約でも対等,公平,信義誠実,権利濫用禁止の法理念(法の支配の理念,憲法12条,13条,14条,民法1条,2条)から,違法脱法業者を厳しく規制して特殊商取引に無知,無防備な一般消費者を守るため,たくさんの法律,法令が用意されているのです。貴方がご自分で出来なくても,ご依頼があれば弁護士は適正な社会経済秩序を維持するため,これらを根拠に損害賠償請求等により被害回復を求めていく事ができます。尚,当事務所事例集のbU38,bU15,bU14,bU09,bT94,bT93,bQ82等も参考にしてください。重複の部分は割愛致します。

解説:
1.先物取引について
@商品先物取引とは,一般的には将来の一定の時期(限月)に商品と代金を交換することを約束する売買取引であって,その時期までに商品の転売や買い戻しをしたときには差金の授受によって決済することのできる取引のことをいいます。

A先物取引では,限月までに反対売買によって仕切れば,差金決済ができるため,実際には売買にかかる総代金や現物を準備する必要はなく,ただ,将来の差金決済の担保等の目的のため,総取引金額の1割程度の証拠金を預託すれば足ります(その沿革由来については当事例集bU09を見てください)。そこで,先物取引は,少ない資金で10倍程度に相当する取引が行えるという意味で投機効率が高い取引といえます。しかしながら,先物取引では,呼値ごとの価格変動がわずかでも,実際に取引される1枚当たりの分量は相当大量な取引になるので,1枚毎の売買価格は各商品に何百倍も拡大されて変動し,たいした値動きでもないのに預託した証拠金が消えてしまうばかりか,それ以上の損害が発生してしまうことも日常茶飯事です。さらに,顧客は,自分では直接取引所に売買注文を出すことはできず,取次業者を介して注文をしてもらう必要があるところ,この取次ぎについての委託手数料がかなり高額です。そのため,取引結果の損益を全く考慮しなくても,取引を何度か繰り返せば,それだけで預託した証拠金がなくなってしまうこともあります。したがって,顧客としてはわずかな値動きを機敏にとらえて,少なくとも常にこの手数料分だけは上回る利益を上げておかないと,結局先物取引では利益をあげることはできない仕組みとなっています。

Bところが,商品の価格の変動要因は,政治,経済,社会のあらゆる現象・事実のほか,気候等の自然現象や相場に参入している者の思惑など,様々な要因が複雑に絡み合っており,そもそも一般の委託者が,これらの要因に関する情報を取引にあたって自ら入手することは不可能ですし,仮にある程度入手できても,それを元に的確な価格予測をすることは非常に困難であるといえます。このような状況で限月までに,取引をしなければならないことは大変です。(株式のように含み損を抱えたままいつまでも放置し株価の回復を待つようなことはできません。)したがって,差金決済のために,短期間に追加決済資金が必要となる場合も生じます。このように,先物取引は,仮にその仕組みが公正かつ適正に運営されていたとしても,政治,経済,社会その他の事項についての相当程度の知識や理解力を有する者であっても,損失を蒙ることが多いものであり,危険性の高い取引といえます。

C先物取引の問題点は,以上のような先物取引の商取引内容,形態にあることは事実なのですが,真の問題点はそこにはありません。なぜなら,いかに複雑怪奇な商取引であっても取引当事者が対等な立場で互いに攻撃防御方法を所有している場合であれば,いかに取引により損害が出ても自由主義経済,競争社会ですからある意味当然の事なのです。本来問題となる先物取引当事者とは,先物取引においては先物商品の互いに見えない買い手,売り手のはずですが実態は違います。その実体は,貴方のように注文する一般消費者顧客と顧客から手数料をいただいて仲介発注し,あたかも顧客のために働くような立場を取る先物取引業者なのです。現在までのほとんどの損害賠償訴訟の相手方は,なんと顧客が依頼したこの取引業者およびその関係者(取締役,従業員)なのです。すなわち,先物取引業者は,手数料,向い玉の関係である意味顧客と利害が相反する関係にあり,業者の利益は依頼された顧客の損失によって成り立っているといっても過言ではないでしょう。

しかし,この一方当事者である業者は,顧客の信頼を逆手に取り獅子身中の虫となって利潤追求を最優先に資金力,組織力,取引の専門知識,複雑な先物取引における利益損失調整の準備,情報,研究等を駆使多用する立場にあり,他方相手方たる顧客は,業者の虎狼の内心を知らず複雑な商取引である商品先物に十分な知識がない自己の財産保全に無防備な一般消費者個人です。従って,顧客がその様な先物取引に関し業者のさじ加減一つで損失が発生することは火を見るよりも明らかであり,脱法,違法業者から見れば赤子の手をひねるようなものなのです。すなわち,ここにこそ商品先物の問題点があるのです。しかしこのような取引は,自由主義経済,私的自治の原則,契約自由の原則が目的とする適正公平な取引秩序とは到底いえませんから,一般消費者を保護し違法脱法業者を締め出すべく多くの法律が用意され罰則も含め厳しく対応しているのです。従って,商社,企業等を相手にして商品先物取引の本来の機能である保険的業務(事例集bU09号参照)を行う先物取引業者については,ほとんど以上のような問題は生じていません。

2.先物取引業者に対する損害賠償請求
@上記のとおり,先物取引は,利益を得ることもありますが,損失を被る危険も常にあり,上記のような投機性と危険性を理解しないで取引に参加し多額の損失を被る顧客が後を絶たず,他方,取引業者においても,顧客獲得に走るあまり,先物取引の危険性についての説明を避けて勧誘しがちであり,その結果,トラブルが発生する例が少なくありません。そのため,我が国では,トラブルの原因となる下記(1)ないし(3)を禁止するため,国内先物取引について,商品取引所法及び同法施行令で規制されており,各商品取引所では定款,業務規定,受託契約準則その他の規則を定めており,先物業者においても,取引にかかる内規を定めています。このように規制があるのは,投資家を保護して,健全な商品先物取引市場を維持するためです。商品取引所法は,第5章において,商品市場における取引等の受託を公正かつ円滑ならしめ,かつ,委託者の保護を図ることを目的とする商品先物取引協会について定めており,商品先物取引協会は,「受託等業務に関する規則」を定め自主規制をしています。業界の内部者である先物取引業者がこれらの規制に違反するということは,業界におけるルールを自己否定するだけに留まらず,投資家である顧客の利益に反する可能性が高いといわざるを得ません。このようなルール違反をした先物取引業者に対して,行政的な罰則を与えることは勿論ですが,被害を受けた投資家としても上記先物取引業者に対して損害賠償請求をすることを認めることが業界の健全化に資することになります。

Aその場合の法的構成は,不法行為又は債務不履行ということになりますが,顧客保護の観点からする違法性の判断に当たっても,上記ルール違反の有無及び程度が中心となるでしょう。法的根拠については,当事務所事例集bU38号を参照し参考にしてください。ただし,被害者(相談者)の落ち度が考慮されることもあるため(過失相殺),請求損害額全額を支払ってもらえるとは限らないことに注意が必要です。

3.では,どのような場合に請求できるかという点についてご説明いたします。先物取引業者に対し金銭を請求できる場合の代表的なものは,下記のような場合です。一般的には,下記のうち複数を根拠として請求することが多いです。(なお,民法415条,709条,715条が請求の根拠条文として挙げられることが多いです。) 尚,条文根拠等については,当事務所事例集bU15,bU09号を参考にしてください。

(1)勧誘段階
@先物取引についての知識に欠けるなど,先物取引をするに不適格な者をそれと知りつつ,業者が取引に誘った場合。印刷会社に勤務する貴方の場合問題です。
A顧客に対して,迷惑を覚えさせるような夜間・早朝・勤務時間中の時間帯や顧客の意思に反した長時間に亘る方法等で勧誘した場合。貴方のような職場への電話勧誘は問題があります。
B勧誘に先立って,顧客に対して会社名と商品先物取引の勧誘を行おうとしている旨を告げた上で勧誘を受ける意思の有無を確認しないで勧誘した場合。
C投機性の説明など適切な説明がなされなかった場合。
D委託者に対して,必ず利益が得られると誤解されるような断定的な判断を提供して勧誘した場合。
E委託者に対して,取引の損失を肩代わりすることを約束したり,利益を保証して勧誘した場合。
F取引の委託をしない旨の意思(勧誘を受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示した者に対して勧誘した場合。
G委託者に対して,取引の単位を告げずに取引を勧誘した場合。

(2)取引継続段階
@取引の注文を行う際に委託者が指示しなければならない事項について,委託者から指示を受けないで取引の注文を受けた場合。
A意味のない反復売買が行われている場合。
B同一の商品取引所の同一の商品について,同一の限月の売建玉と買建玉を同一枚数保有することを委託者に対して勧めた場合。
C故意に,委託者の取引と自己の取引を対当させて,委託者の利益を害することとなる取引をした場合(いわゆる「向い玉」)。
D貴方のような初心者の枚数制限。

(3)取引終了段階
@転売又は買戻しにより取引を決済する意思表示をした委託者に対し,引き続きその取引を行うよう勧めた場合(いわゆる「仕切拒否」)。
A不当な念書,和解等を強制した場合。

4.
@このように先物取引業者に対し金銭の支払いを求める根拠となるものは複数あるものの,ご自身でこれらの立証をすること難しいものと思われます。ご自身で,先物業者と交渉したり,裁判等を行うことが難しい場合には,弁護士にご相談することが賢明であると思われます。その際には,先物取引業者から受け取った契約書や取引明細書等が役に立つので,それらを捨てずに保管しておきましょう。なお,もし手仕舞いがお済みでないのなら,損失額の請求の前に早く手仕舞いをすることをお勧めします。もっとも,手仕舞いに応じないとか,損失額の請求に応じないなど,不誠実な態度をとる先物取引業者も多いようです。また,応じてくれたとしても,それと引き替えに被害者にとって不利な内容の書面にサインさせようとするケースも多いようです。

Aそのようなとき,又は,ご心配なときは,弁護士に相談して,弁護士に先物取引業者と交渉してもらい,確実に問題を解決してもらいましょう。弁護士に依頼すれば,弁護士から,内容証明郵便で,手仕舞いの意思表示をすることもできます(実費数万円程度あれば直ちに着手出来ます)。その後,弁護士は,取引経過を元に,依頼者の損害額を算定し,内容証明郵便で損害賠償請求を行います。交渉がまとまらない場合は,民事調停や民事訴訟を提起します。民事訴訟になった場合,半年〜1年程度で和解により終結するケースもありますが,判決まで行った場合は,原告と被告の双方が地裁判決に満足せず,控訴審(高等裁判所)や上告審(最高裁判所)まで審理すれば,2年以上かかるケースもあります。費用については,勝訴した場合に弁護士報酬を支払う成功報酬制度(20%前後)もございますから法律事務所に気軽に相談するといいでしょう。

<参考条文>

●憲法
第十二条  この憲法が国民に保障する自由及び権利は,国民の不断の努力によつて,これを保持しなければならない。又,国民は,これを濫用してはならないのであつて,常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負ふ。
第十三条  すべて国民は,個人として尊重される。生命,自由及び幸福追求に対する国民の権利については,公共の福祉に反しない限り,立法その他の国政の上で,最大の尊重を必要とする。
第十四条  すべて国民は,法の下に平等であつて,人種,信条,性別,社会的身分又は門地により,政治的,経済的又は社会的関係において,差別されない。

●民法
第一条  私権は,公共の福祉に適合しなければならない。
2  権利の行使及び義務の履行は,信義に従い誠実に行わなければならない。
3  権利の濫用は,これを許さない。
(解釈の基準)
第二条  この法律は,個人の尊厳と両性の本質的平等を旨として,解釈しなければならない。

●商品取引所法
(不当な勧誘等の禁止)
第二百十四条  商品取引員は,次に掲げる行為をしてはならない。
一  商品市場における取引等につき,顧客に対し,利益を生ずることが確実であると誤解させるべき断定的判断を提供してその委託を勧誘すること。
二  商品市場における取引等につき,顧客に対し,損失の全部若しくは一部を負担することを約し,又は利益を保証して,その委託を勧誘すること。
三  商品市場における取引等につき,数量,対価の額又は約定価格等その他の主務省令で定める事項についての顧客の指示を受けないでその委託を受けること(委託者の保護に欠け,又は取引の公正を害するおそれのないものとして主務省令で定めるものを除く。)。
四  商品市場における取引につき,顧客から第二条第八項第一号に掲げる取引の委託を受け,その委託に係る取引の申込みの前に自己の計算においてその委託に係る商品市場における当該委託に係る取引と同一の取引を成立させることを目的として,当該委託に係る取引における対価の額より有利な対価の額(買付けについては当該委託に係る対価の額より低い対価の額を,売付けについては当該委託に係る対価の額より高い対価の額をいう。)で同号に掲げる取引をすること。
五  商品市場における取引等につき,その委託を行わない旨の意思(その委託の勧誘を受けることを希望しない旨の意思を含む。)を表示した顧客に対し,その委託を勧誘すること。
六  商品市場における取引等につき,顧客に対し,迷惑を覚えさせるような仕方でその委託を勧誘すること。
七  商品市場における取引等につき,その勧誘に先立つて,顧客に対し,自己の商号及び商品市場における取引等の勧誘である旨を告げた上でその勧誘を受ける意思の有無を確認することをしないで勧誘すること。
八  商品市場における取引等につき,顧客に対し,特定の上場商品構成物品等の売付け又は買付けその他これに準ずる取引とこれらの取引と対当する取引(これらの取引から生じ得る損失を減少させる取引をいう。)の数量及び期限を同一にすることを勧めること。
九  前各号に掲げるもののほか,商品市場における取引等又はその受託に関する行為であつて,委託者の保護に欠け,又は取引の公正を害するものとして主務省令で定めるもの
(適合性の原則)
第二百十五条  商品取引員は,顧客の知識,経験及び財産の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行つて委託者の保護に欠け,又は欠けることとなるおそれがないように,商品取引受託業務を営まなければならない。
(受託契約準則への準拠)
第二百十六条  商品取引員は,商品市場における取引等の受託については,商品取引所の定める受託契約準則によらなければならない。
(受託契約の締結前の書面の交付)
第二百十七条  商品取引員は,商品市場における取引等の受託を内容とする契約(以下この条から第二百十九条まで及び第三百六十九条第五号において「受託契約」という。)を締結しようとするときは,主務省令で定めるところにより,あらかじめ,顧客に対し次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならない。
一  当該受託契約に基づく取引(第二条第八項第四号に掲げる取引にあつては,同号の権利を行使することにより成立する同号イからハまでに掲げる取引)の額(当該受託契約に係る上場商品構成物品又は上場商品指数に係る商品指数ごとに商品取引所の定める取引単位当たりの価額に,当該受託契約に基づく取引の数量を乗じて得た額をいう。)が,当該取引について顧客が預託すべき取引証拠金,委託証拠金,取次証拠金又は清算取次証拠金(次号において「取引証拠金等」という。)の額に比して著しく大きい旨
二  商品市場における相場の変動により当該受託契約に基づく取引について当該顧客に損失が生ずることとなるおそれがあり,かつ,当該損失の額が取引証拠金等の額を上回ることとなるおそれがある旨
三  前二号に掲げるもののほか,当該受託契約に関する事項であつて,顧客の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものとして政令で定めるもの
四  前三号に掲げるもののほか,当該受託契約の概要その他の主務省令で定める事項
2  商品取引員は,前項の規定による書面の交付に代えて,政令で定めるところにより,当該顧客の承諾を得て,当該書面に記載すべき事項を電子情報処理組織を使用する方法その他の情報通信の技術を利用する方法であつて主務省令で定めるものにより提供することができる。この場合において,当該書面に記載すべき事項を当該方法により提供した商品取引員は,当該書面を交付したものとみなす。
(商品取引員の説明義務及び損害賠償責任)
第二百十八条  商品取引員は,受託契約を締結しようとする場合において,顧客が商品市場における取引に関する専門的知識及び経験を有する者として主務省令で定める者以外の者であるときは,主務省令で定めるところにより,あらかじめ,当該顧客に対し,前条第一項各号に掲げる事項について説明をしなければならない。
2  商品取引員は,顧客に対し前項の規定により説明をしなければならない場合において,前条第一項第一号から第三号までに掲げる事項について説明をしなかつたときは,これによつて当該顧客の当該受託契約につき生じた損害を賠償する責めに任ずる。
第五章 商品先物取引協会
第一節 総則
(目的及び法人格)
第二百四十一条  商品先物取引協会(以下この章及び第八章において「協会」という。)は,商品市場における取引等(商品清算取引を除く。以下この章において同じ。)の受託を公正かつ円滑ならしめ,かつ,委託者の保護を図ることを目的とする。
2  協会は,法人とする。

●商品取引所法施行規則
(禁止行為)
第百三条  法第二百十四条第九号 の主務省令で定める行為は,次の各号に掲げるものとする。
一  委託者資産の返還,委託者の指示の遵守その他の委託者に対する債務の全部又は一部の履行を拒否し,又は不当に遅延させること。
二  故意に,商品取引受託業務に係る取引と自己の取引を対当させて,委託者の利益を害することとなる取引をすること。
三  顧客の指示を受けないで,顧客の計算によるべきものとして取引をすること(受託契約準則に定める場合を除く。)。
四  商品市場における取引につき,新たな売付け若しくは買付け又は転売若しくは買戻しの別その他これに準ずる事項を偽って,商品取引所に報告すること。
五  商品市場における取引等の委託につき,顧客に対し,特別の利益を提供することを約して勧誘すること。
六  商品市場における取引等の委託につき,顧客に対し,取引単位を告げないで勧誘すること。
七  商品市場における取引等の委託につき,転売又は買戻しにより決済を結了する旨の意思を表示した顧客に対し,引き続き当該取引を行うことを勧めること。
八  商品市場における取引等の委託につき,虚偽の表示をし又は重要な事項について誤解を生ぜしめるべき表示をすること。
九  商品市場における取引等につき,特定の上場商品構成物品等の売付け又は買付けその他これに準ずる取引等と対当する取引等(これらの取引等から生じ得る損失を減少させる取引をいう。)であってこれらの取引と数量又は期限を同一にしないものの委託を,その取引等を理解していない顧客から受けること。

<参照判例>

大阪高等裁判所平成10年2月27日
チエックシステムに掲げる各種の特定売買は,一般に,委託者に手数料の負担を生ぜさせるばかりでその利益につながらない取引の類型に属する。個々の取引の際の個別の事情を捨象しても,一定期間の取引を全体的に観察し,右のような特定取引の比率が異常に高いときには,特段の事情がない限り,商品取引員において,顧客の利益を犠牲にして全体として手数料稼ぎを目的として取引を行ったことを推認するのが相当であるとして損害賠償請求を認めた。

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