新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.365、2006/3/8 16:08

[民事・労働]
質問:勤務先の会社から4ヶ月間給料が支払われていません。その上、会社は倒産するかもしれないと噂が立っています。解雇されるのでしょうか、未払いの給料はもらえるでしょうか。就業規則に退職金規程がありますが、退職金は出るでしょうか。

回答:
倒産の方法にも様々ありますが(民事再生、会社更正等)、破産法が平成16年に改正されていますので、会社が破産することを前提に解説します。
1.会社が破産した場合(新法では「破産手続開始の決定があった場合」)、その当時会社に属する全ての財産を破産債権者に公平かつ平等に分配する手続きが開始されます。そして、会社は自らの財産に関する管理処分権を失い、破産管財人が会社に代わって財産の処分権を得ます。会社の事業は閉鎖されますので雇用契約は基本的に解消の方向に進みます。そこで、会社が破産すると、労働者に雇用期間の定めがある場合とない場合を問わず、労働者または破産管財人のいずれからでも雇用契約の解約の申し入れをすることができます(民法631条前段、627条)。但し、破産管財人から解約をする場合には、労働基準法による制限があります(労基法19〜21条)。破産手続開始後、破産管財人が雇用契約の解約をしないときは、労働者または破産管財人は、相当の期間を定めて雇用契約を解約するかどうかを確答すべき旨を催告することができ、破産管財人の側から所定の期間内に確答がないときは、雇用契約は解約されたものとみなされます(53条3項、同2項、民法631条前段)。従って、設問についても、会社が破産手続を開始した場合には、雇用契約が解約されることになるでしょう。
2.雇用契約が解約された場合、破産手続開始のときから解約されるまでの賃金は財団債権となり、租税債権の次に破産財団から弁済される債権となります。未払い給料については、破産手続開始前の原因に基づくものとして破産債権の扱い(租税債権、財団債権、優先的破産債権、一般破産債権、劣後的破産債権、約定劣後的破産債権の順に弁済を受けられる)でしたが、平成16年の改正では賃金債権の保護が強化され、破産手続開始前3ヶ月間の給料債権は財団債権とされました(149条1項)。従って、設問についても、破産手続開始前4ヶ月相当の未払い給料がある場合、破産手続開始前3ヶ月相当分については財団債権として、それを超える1ヶ月分については(優先的)破産債権となります(98条1項)。退職金についても、賃金の後払いの性格を有するというのが通説ですので、給料と同様の保護が図られ、破産手続の終了前に退職した場合で、退職前3ヶ月の給料の総額に相当する額が財団債権となり、その総額が破産手続開始前3ヶ月間の給料総額より少ない場合は、破産手続開始前3ヶ月間の給料の総額に相当する額が財団債権となります(149条2項)。さらに、平成16年の改正では、労働者の生活の維持を図るために、給料債権などの弁済許可の制度が採用されました(101条)。
3.なお、上記のように破産法で一定の保護が与えられているとはいえ、会社の破産は労働者には深刻な影響をもたらすため、企業倒産に際して労働者の賃金の未払い分を独立行政法人労働者健康福祉機構(旧労働福祉事業団)が事業主に代わって立替払いをすることを主たる目的とする制度が存在します(1976年「賃金の支払の確保等に関する法律」未払い賃金の立替払い事業)。立替払いの事由が発生した場合において、従業員が一定の時期に退職したときで、その退職前6ヶ月以内における定期給与または退職手当の一部が未払いになっているときは(ボーナスは含みません)、未払い給与総額の80パーセントを(但し年齢に応じて88万円〜296万円の上限があります)、独立行政法人労働者健康福祉機構が立替払いを行うことになります。具体的な手続は労働基準監督署で行います。

法律相談事例集データベースのページに戻る

無料電子メール法律相談(24時間受付) 以下のフォームに記入し送信ボタンを押して下さい(@簡単で一般的な電話回答となります、A記入漏れがあると回答できません)。

お名前(必須)
メールアドレス(必須)
電話番号、住所(必須)
相談内容(300字以内)

法律相談ページに戻る(電話03−3248−5791で簡単な無料法律相談を受付しております)

トップページに戻る