新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.315、2005/12/8 17:07

[商事]
質問:有限会社で営業していたのですが、会社法が大幅に改正され、有限会社がなくなると聞きました。2006年春頃スタートだそうですが、うちの会社は、会社でなくなってしまうのでしょうか。再度、設立などの手続が必要になってしまうのでしょうか。

回答:
1、2005年6月、新しい会社法が成立しました。実施時期は、交付された同年7月から、1年6ヶ月を超えない範囲で、制令で定める日(附則1項)ということになりますが、現在のところ(2005年12月)、確かに、来年春頃が有力、という話もあります。
2、有限会社については、新会社法では、新たに設立はできなくなります。有限会社制度が廃止され、株式会社に一本化されるからです。しかし、既存の(既に設立済みの)有限会社については、特例有限会社として存続することになります(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第2条第1項)ので、法的に、会社が会社でなくなってしまったり、別途株式会社としての設立手続が必要になったりすることはありません。法的には、特例有限会社は、株式会社として存続することになりますが、従前の例による等、支障や混乱を来さないための特例が規定されています(同法第2条から第44条)。会社名としては、有限会社と表示しなければならず、株式会社等の表示をすることは許されません(同法第3条)。
3、もっとも、新会社法では、株式会社においても、現在の最低資本金制度(株式会社1000万円、有限会社300万円)が廃止され、設立に必要な手数料等は別として、資本金が1円でも、その旨を記載すれば、株式会社を設立できることになりますし、株式を公開しない(株式の譲渡承認を必要とする)株式会社にするのであれば、取締役を1人とすることも、監査役を置かないこともできるようになりました(同326条、327条)ので、これを機会に、会社を株式会社にして、信用を高める、という方法も考えられます。ただ、設立が容易になったのですから、「株式会社」という形式にしても、従来通りの設立手続を前提とした株式会社ほどの対外的信用を期待できるかどうかは、微妙なようにも思われます。手続等、詳しくは、お近くの法律事務所、司法書士事務所等にご相談下さい。

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