新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.313、2005/12/8 17:00 https://www.shinginza.com/idoushin.htm

[行政]
質問:医師をしていますが、先日、覚せい剤取締法違反で逮捕・起訴され、有罪判決が確定してしまいました。今後、厚生労働省、医道審議会から何らかの処分が下されるということを聞きました。インターネット検索をしたところ、そちらの事務所では医道審議会に関する弁護活動も行っているようですが、具体的にどのような活動をするのですか。

回答:
1、医師が罪を犯し、有罪判決を受けてしまった場合、刑事罰とは別に、医道審議会(厚生労働省)による行政処分を受けることがあります。そこでは、主に医師免許の取り消し、医業停止(数ヶ月から数年まで処分は様々です)といった処分がなされます。
2、具体的には、厚生労働省から指示を受けた都道府県が事実関係を調査し、本人から事情を聴取し、また、告知・聴聞の機会を与えたうえで、これらの調査結果を医道審議会に報告、医道審議会(不定期に年2回程度開催、最近は2月、7月とほぼ定期的)が協議の上処分を決定します。医道審議会の発表によると、処分は、判決における量刑と、事件の内容を元に判断することになっています。特に医師に対する信頼を損なうような行為、すなわち、業務に関連した犯罪の場合は重い処分とすることになっています。今回のケースで言えば、たとえば、覚せい剤を医師の立場を利用して入手、使用した場合などです。詳しい手続きは、当事務所のホームページ、厚生労働省のホームページなどを参照してください。
3、ここでは、弁護士を依頼した場合、具体的にどのような活動をしているのかをご説明します。都道府県は、事実関係を調査して国に報告するのですが、事実関係の調査といっても、具体的には、刑事事件の判決書と、処分対象者の勤務先などのデータを収集するだけです。それらのデータを集めた後、意見聴取の機会が開催されますが、その前に「現在の心境を書いてください」という簡単な用紙を渡され、事件後の反省の気持ちや心境などを記載して提出、それらの資料が判断の資料となります。
4、行政庁から要求される資料は上記のとおりですが、もちろん、こちらの言い分を聞くための手続きなのですから、こちらから参考となる資料を提出することが可能であり、こちらにとって有利なことはどんな些細なことでも主張・提出しておくべきであることは間違いありません。行政庁も本人に対し、有利な資料があれば出してもよいとは言ってくれますが、なかなか当事者が自分で全ての資料を準備するノウハウや時間はないでしょう。
5、弁護士を依頼した場合、処分に当たって、この処分を決定するための参考となる資料の作成、提出、意見の聴取の機会における発言、説明などを通じて、行政庁にご本人の「言い分」が適切に伝達されるよう補助する業務を行います。どのような資料をどのように作成するべきか、その内容はどのようにすべきか、などの指導、助言を行います。
6、行政庁は、事実認定を行う機関ではないため、事実については刑事裁判の判決に従うという取り扱いをしています。すなわち、行政庁に冤罪である、などの主張をするのは適切ではありませんし、刑事裁判で有罪になった以上、行政処分も何らかの形で課されるのが通常ですから、活動は主に減軽をしてもらうためのものになりますが、処分を適切な範囲内に収めるため、適切な弁護活動が必要である場合もあります。意見の聴取において代理人活動を委任できるのは弁護士のみとなっておりますので、弁護活動をご検討の際はお近くの弁護士にお問い合わせになることをお勧めいたします。

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