新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.272、2005/7/25 13:29

[民事・不法行為]
質問:マンションに住んでいますが、隣の部屋の住人が猫をかっており、においや鳴き声で悩まされています。マンションの管理規約でペットを飼っては行けないとなっているので、守って貰いたいのですがどうしたらよいでしょうか。

回答:
1、まず、隣の住人がマンションを借りて住んでいる場合(賃借人である場合)についてですが、この場合は賃貸人であるマンションの所有者に連絡し、飼育を中止するよう請求することになります。通常は、賃貸借契約の際、ペットを飼ってはいけないと言う約束が契約書に記載されていますので、賃貸人はその約束に基づき飼育を中止するよう請求することができます。その様な中止の要求があっても止めない場合は、契約を解除して立ち退きを求めることになります。ただし、単に約束を破ってペットを飼っているというだけでは解約、立ち退き請求はできません。立ち退きは重要な問題ですので、約束の違反の程度が著しい場合で常識的に考え契約を続けるのが難しい場合に限り、契約の解除立ち退き請求が認められることになります。法律上は当事者間の信頼関係が失われ賃貸借契約を継続する事ができないと認められた場合に限り契約の解除が認められます。
2、つぎに隣の隣人が所有者である場合は、管理組合から注意してもらうことも考えられますが、それでもペットの飼育が中止されない場合には、あるいは、ペットの飼育が区分所有者の共同の利益に反する行為として、管理組合法人あるいは区分所有者全員からペットの飼育の禁止を請求し訴訟を提起することもできます(建物の区分所有に関する法律第6条、57条)。建物の賃借人がペットを飼っているのに所有者が放置している場合も、同様に所有者に対し請求ができます(同法57条4項)。
3、以上のとおり、最終的には強制的にペットの飼育を止めさせることは、法律上は可能です。ですから、まず上記の方法で飼育の中止を勧告し、それでもペットの飼育が中止されず、それが、区分所有者に迷惑をかけていて放置できないという状況であれば、弁護士に相談し、まずは内容証明、それでも難しければ裁判等の法的手続を取ることを検討した方がよいと思われます。

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