新銀座法律事務所 法律相談事例集データベース
No.211、2004/12/15 19:10 https://www.shinginza.com/qa-hanzai.htm

[刑事・起訴前]
質問:自分は医師ですが、痴漢で逮捕されました。医道審議会の業務停止処分が心配なのですが、何か、方法はないでしょうか。

回答:
1、あなたが痴漢行為で逮捕された場合には、犯行の程度にもよりますが、東京都の公衆に著しく迷惑をかける暴力的行為等の防止に関する条例違反、若しくは、強制わいせつ罪(刑法第176条)に該当します。
2、東京都の迷惑防止条例違反の罰則は、『六ヶ月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。』とあり、強制わいせつ罪の罰則は、『十三歳以上の男女に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上七年以下の懲役に処する。』とあります。双方を比較しても分かるように、強制わいせつ罪で逮捕された方が、処罰は厳しくなっています。
3、強制わいせつ罪は、親告罪(刑法180条)と言い、被害者等の告訴がなければ検察官が公訴を提起することができない罪となっています。被害届取下書及び告訴取消書が提出された場合には、不起訴処分になります。また、迷惑防止条例違反は親告罪ではありませんが、同じく、被害届取下げ書及び告訴取消書が提出された場合には、強制わいせつ罪とのバランスから実務上考慮がなされ、不起訴処分になる可能性が高いと思われます。
4、痴漢事件は、特に、被害者との示談交渉が重要です。逮捕されたら、お近くの法律事務所に相談し、一刻も早く被害者との示談を進めるようにしてください。最終的に不起訴処分になれば、原則として、医道審議会での処分についても免れる可能性が高いと思われます。

法律相談事例集データベースのページに戻る

法律相談ページに戻る(電話03−3248−5791で簡単な無料法律相談を受付しております)

トップページに戻る